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第32話 国境の防衛部隊
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ラザフォードが指揮する兵士たちに付き添われながら、私達は国境近くにある村に辿り着いた。そこでようやく、一息つける。
向かった先にあったのは小さな村だった。人数が多くて入ることが出来ないので、近くの草原に馬車を止めて野営することに。
旅の間に慣れてきて、ゲオルグ達が一瞬で拠点を完成させる。私も、手伝いに慣れてきた。
草原一面に、数多くのテントが立つ。今までとは違う、楽しそうな雰囲気だった。今までは盗賊団などの危険に怯えながら不安になって、夜を過ごしてきた。でも今はファルスノ帝国に辿り着き、兵士たちも近くに居てくれる。なので、落ち着くことが出来たのだろう。
私も、彼らと同じ気持ちだった。ここまで無事に辿り着けて、本当に良かった。
「カトリーヌ、村で貰ったファルスノ料理を持ってきたよ。君にも食べてほしいな」
「わぁ! これは、とても美味しそうですね」
ラインヴァルトが夕飯に、ファルスノ料理というものを持ってきてくれた。帝国で生まれた料理らしい。見た目の彩りがキレイで、とても美味しそうだった。
彼と一緒に食べてみる。とても美味しくて、あっという間に食べ終わった。とても好みの味だった。また食べてみたいな。
そんな楽しい食事の時間が終わり、ラインヴァルトが色々な事情を教えてくれた。
「ラザフォード兄さんは、ラクログダム王国から侵入してきた盗賊を追い返す任務の最中だったらしい」
「そうなのですか」
ラクログダム王国から国境を超えて、ファルスノ帝国にある村や街を襲おうとする盗賊団がやって来るらしい。それを阻止するために、ラインヴァルトの兄が奮闘しているそうだ。
そこにやって来たのが私達。危うく撃退されるところだった。先ほども思ったが、ラインヴァルトが居てくれて本当に良かった。
「それで連れてきた街の人達は、当初の予定通り目的地に向かってもらうつもりだ。ラザフォード兄さんが指揮する部隊が、彼らの護衛をして送ってくれる」
「それは、とても心強いですね」
どうやら、最後の目的地は近いらしい。国境で盗賊団を撃退していた兵士たちが、少しの間だけ持ち場を離れて護衛までしてくれるという。
ここから先の道中は、とても安全そうね。
「それで俺達は、これから帝都に向かうつもりだ」
街の人達は兄に任せて、ここから別のルートで帝都に向かう。そう説明してくれたラインヴァルト。
「君は、どうする?」
「もちろん、ラインヴァルト様と一緒に行きます!」
「そうか」
問いかけられて、私は即答した。彼と一緒に行きたいから。約束もしていた。私は彼と一緒に行く、と。
ラインヴァルトは、嬉しそうに微笑んだ。
向かった先にあったのは小さな村だった。人数が多くて入ることが出来ないので、近くの草原に馬車を止めて野営することに。
旅の間に慣れてきて、ゲオルグ達が一瞬で拠点を完成させる。私も、手伝いに慣れてきた。
草原一面に、数多くのテントが立つ。今までとは違う、楽しそうな雰囲気だった。今までは盗賊団などの危険に怯えながら不安になって、夜を過ごしてきた。でも今はファルスノ帝国に辿り着き、兵士たちも近くに居てくれる。なので、落ち着くことが出来たのだろう。
私も、彼らと同じ気持ちだった。ここまで無事に辿り着けて、本当に良かった。
「カトリーヌ、村で貰ったファルスノ料理を持ってきたよ。君にも食べてほしいな」
「わぁ! これは、とても美味しそうですね」
ラインヴァルトが夕飯に、ファルスノ料理というものを持ってきてくれた。帝国で生まれた料理らしい。見た目の彩りがキレイで、とても美味しそうだった。
彼と一緒に食べてみる。とても美味しくて、あっという間に食べ終わった。とても好みの味だった。また食べてみたいな。
そんな楽しい食事の時間が終わり、ラインヴァルトが色々な事情を教えてくれた。
「ラザフォード兄さんは、ラクログダム王国から侵入してきた盗賊を追い返す任務の最中だったらしい」
「そうなのですか」
ラクログダム王国から国境を超えて、ファルスノ帝国にある村や街を襲おうとする盗賊団がやって来るらしい。それを阻止するために、ラインヴァルトの兄が奮闘しているそうだ。
そこにやって来たのが私達。危うく撃退されるところだった。先ほども思ったが、ラインヴァルトが居てくれて本当に良かった。
「それで連れてきた街の人達は、当初の予定通り目的地に向かってもらうつもりだ。ラザフォード兄さんが指揮する部隊が、彼らの護衛をして送ってくれる」
「それは、とても心強いですね」
どうやら、最後の目的地は近いらしい。国境で盗賊団を撃退していた兵士たちが、少しの間だけ持ち場を離れて護衛までしてくれるという。
ここから先の道中は、とても安全そうね。
「それで俺達は、これから帝都に向かうつもりだ」
街の人達は兄に任せて、ここから別のルートで帝都に向かう。そう説明してくれたラインヴァルト。
「君は、どうする?」
「もちろん、ラインヴァルト様と一緒に行きます!」
「そうか」
問いかけられて、私は即答した。彼と一緒に行きたいから。約束もしていた。私は彼と一緒に行く、と。
ラインヴァルトは、嬉しそうに微笑んだ。
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