転生人生ごっちゃまぜ~数多の世界に転生を繰り返す、とある旅人のお話~

キョウキョウ

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13周目(現代風あべこべ:野球監督)

第270-2話 初めて野球の監督を任されて

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 学校のグラウンドはレギュラーチームの練習に使用するらしいので、学校の近くにある公園の広場に来た。

 学校の外に出る許可とか、野球部の練習を見学する許可とか、いろいろ面倒だった。なんとか申請を通して、許可を得る。

 ただし条件があって、外へ出ていくのに学校の先生が1人同行することになった。その女性は、顧問の先生とは別の人。

「すいません、俺の都合で仕事を増やしちゃって」
「いえいえ、いいのよ。気にしないで」

 高橋たかはし仁美ひとみという、新人の先生らしい。本来なら、こんな付き添いなんて通常業務外だろうに。先生のする仕事じゃないのに、申し訳ない。でも彼女は、気にしていないと笑ってくれた。

「でも、なんだか理人くんも大変そうね。野球部の騒動に巻き込まれちゃったの?」
「むしろ、自分から首を突っ込んだ感じですね」

 高橋先生に、簡単な事情について説明する。

 顧問の先生が、部員を実力ではなく好き嫌いで試合に出してくれないこと。その不満を顧問にぶつけると、試合することになったこと。勝てば実力を認めて試合に出してもらえるけれど、負けたら野球部を辞めさせられる。

「えぇ! なにそれ、酷い話。そんなの、今すぐ学校に報告するべきでしょう」

 顧問の先生の話を聞くと、彼女は怒ってくれた。その通りだと思う。だけど、楓と真琴、他の皆も戦う気になっている。

 彼女たちは、負けたら辞める覚悟で挑んでいた。だから、彼女たちの望み通りにしてあげたい。楓と真琴の2人がチームに居たら、試合には負けないと思う。ついでに、本当の実力もアピールできる。

 まあ、ちょっと過激な考え方かもしれないけれど。この勝負は、挑戦するメリットがあると踏んでいた。

「とりあえず、戦いの準備をしてみます」
「そう。それじゃあ私は、このチームが勝てるように、応援するわね」

 ということで、補欠チーム選手の能力を確認してみる。

「理人がノックする?」
「うん。久しぶりに、やってみよう」

 真琴から通常よりも長くて細いバットを受け取って、打席に立つ。球を片手に持って、一塁から。

「じゃあ、いくね」
「お願いしまーす」

 一塁ベースの近くに立つ選手に向けて、ノックを打つ。体の動かし方やグラブの構え方、捕球体勢を確認してみる。どれぐらいの実力があるのか、俺なりの判断基準で見極めてみよう。

「空振りしないし、ちゃんとゴロ打ってるよ」
「すごっ。バットのスピード、お前より早くない?」
「打ち損じもないし、球が見えてるね」
「ちゃんと、打ってる」
「男子なのに、凄いな」
「あんな男の子、見たことないよ」
「というか、バットを振る男の子の姿、良くない?」

 待機している選手たちの声が聞こえてくるが、とりあえず無視。今は、選手たちの能力把握を優先する。
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みんなの感想(8件)

はるの落とし子

こんな濃厚で読了感あるストーリーを読ませていただいて本当にありがとうございます。一つの世界が短く読み易い上に主人公の順応性や成長への努力、とても魅力的で尊敬します

素敵な作品をありがとうございます

解除
ヘーベー
2023.12.26 ヘーベー

修正ありがとう。
毎回楽しみに読ませていただいてます。
今後の展開を楽しみにしています。

解除
ヘーベー
2023.12.25 ヘーベー

262-1と262-2が全く同じ内容なななってます。

キョウキョウ
2023.12.25 キョウキョウ

ヘーベー様

ご指摘ありがとうございます。
前後の内容を再確認している最中に間違ってしまったようです。

該当する箇所を修正しました。

解除

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