転生人生ごっちゃまぜ~数多の世界に転生を繰り返す、とある旅人のお話~

キョウキョウ

文字の大きさ
上 下
304 / 310
13周目(現代風あべこべ:野球監督)

第267-2話 体の土台作りから

しおりを挟む
 小学校を卒業すると、島の中央にある中学校へ通い始めることになった。

 自宅から少し離れているので、登下校の時にはトレーニングも兼ねて3人で走って学校へ向かう。もちろん、勉強も怠らない。トレーニングだけやって、頭を使うことを疎かにするなんて許さなかった。

「ほらほら、ちゃんと勉強する」
「へいへい、やってるよ」
「うーん、疲れた」

 そう言いながら、勉強を避けようとする楓と真琴。そんな彼女たちのやる気が出る言葉を用意した。

「ちゃんと頑張ったら、今日は美味しいカレーを作ってあげるから」
「よし、絶対だからね」
「カレーか! いいね。うわ、お腹減ってきたよ。頑張ろ」

 予想通り、その言葉で一気にやる気を出した。食欲旺盛なのは、とてもいい事だ。最近は、こうやって俺が彼女たちの食事を用意していた。栄養も意識した美味しい料理を作って、食べてもらう。それが、彼女たちの成長につながるはず。



 中学生になってから、どんどん成長している楓と真琴。楓の身長は中学生なのに、既に170センチメートルを超えているみたい。まだまだグングン成長中。真琴は、まだ160センチメートル。だけど、他の中学生よりもデカい。筋肉が付いた肉体は威圧感があって、実際よりも大きく見えるし。

 残念ながら、俺たちが通う中学校も生徒が少なかった。島中から集まってきているけれど、全部で16人。野球をやるために2チーム作るには、人数が少し足りない。試合は出来ないか。

 それに、小学生時代と同じように、中学校でもクラスメートからは距離を置かれていた。どうしてそんなに避けられてしまうのか。理由も分からなくて、悲しかった。せっかく、同年齢のクラスメートと出会えたのに、仲良く出来ないなんて。

 それで結局、楓と真琴の3人で行動する。ずっと変わっていない。ということで、中学生時代もトレーニングに専念する。

 2人は、中学を卒業したら本島の高校へ行く予定。俺も、同じ学校に行く予定である。そこは、男子生徒も受け入れている高校らしい。

 全国各地にあるのは、ほとんどが女子校である。男子を受け入れている高校は希少だった。だからこそ、そこを狙って入学する。楓と真琴とは、高校生になっても同じ学校に通いたいと考えていた。

 その2人は高校生になったら、ようやく野球部に入る。それまでに、どれだけ成長できるかどうか。それが、とても楽しみだった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

処理中です...