転生人生ごっちゃまぜ~数多の世界に転生を繰り返す、とある旅人のお話~

キョウキョウ

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13周目(現代風あべこべ:野球監督)

第264-1話 島での暮らし

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 俺が暮らしている島は、関岩島せきいわしまという瀬戸内海中部にある諸島の有人島の1つだ。島の面積は大きくて、人口は1000人ほど。

 そのほとんどが女性であり、男性は両手で数えられるぐらいしか居ない。しかも、子どもは俺1人のみ。それだけ、男性の数が少ない。そもそも、この世界には男性が少ししか居ないようだし。

 漁業が盛んで、新鮮な水産物がたくさん採れる。昔から、瀬戸内海の食料庫として有名だったそうだ。女性だけが船に乗って海に出ていく姿は不思議に思うけど、この世界では当たり前の光景らしい。

 そんな関岩島で、俺は今日も暮らしている。



「りひと! いこ」

 そう言って前を走るのは、長石ながいしかえでちゃん。近所に住んでいる、同い年の女の子。手足が長くて、背も高い。既に、素晴らしいプロポーションで運動神経も抜群な子。この先、どんどん素敵になっていくのが容易に想像できる、将来有望な子でもある。

「あぶないから、いっしょにね。りひとくん。かえでも」

 もう1人は、瀧谷たきたに真琴まことちゃん。彼女も近所に住んでいる、同い年の女の子である。まだ子どもなのに、大人顔負けのパワーの持ち主だ。これから成長して、もっと凄いことになりそう。

「うん、行こう。楓ちゃん、真琴ちゃん」

 赤ん坊の頃から一緒に育てられて、今も3人で一緒に行動することが多かった。

「ちゃんは、いらない」
「うん。僕も、ちゃんよびはイヤかなぁ」
「そう? じゃあ、楓と真琴で」
「「うん!」」

 2人からそう言われたので、最近はちゃんを付けて呼ばないようになった。

 もうすぐ小学生になるぐらいの年齢だから、嫌になったのかな。昔から楓ちゃん、真琴ちゃんと呼んでいたのに。少し寂しい。

「そっち、あぶないかも」
「けがしたら、たいへんだから」
「ありがとう」

 2人が俺の両隣に立って、俺の手を握る。危ない場所には近寄らないように、何かあった時には守れるように、ということらしい。

 男女の立場が逆じゃないかな。何かあった時には、男の俺が彼女たちを助けないといけない。そう考えてしまうのだが、この世界では違うみたい。女性の2人が、男性である俺を助けるのが当然。それが常識のようだ。

 幼い頃から、そうやって俺は2人に守られてきた。

 女の子に、しかも幼い子に守られている状況は、なかなか慣れないよ。情けないと思ってしまうのだが、これが普通らしい。うーん。

 彼女たちだけでなく、島の人たち、祖母や母親も過保護すぎると思っている。ここまで過剰に保護される人生なんて初めて。

 だけど、本島で暮らすことになっていたら、今よりもっと過保護にされていたかもしれないようだ。島で暮らしているから、これでもマシな部類だという。

 生まれてすぐ、この島に連れてきてくれた母親には感謝。今も仕事の合間の休みに会いに来てくれるので、母との関係は悪くない。ただし、色々と忙しいようで構ってもらえる時間は短いけど。
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