転生人生ごっちゃまぜ~数多の世界に転生を繰り返す、とある旅人のお話~

キョウキョウ

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12周目(異世界ファンタジー:錬金術師)

第261-1話 錬金術師の旅

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 錬金対決で勝利した後、錬金学園は変革の時を迎える。

 授業内容が一から見直されて、色々な部分が改善されていった。それにより学園の生徒たちが扱う錬金術は安定し、実力も急上昇。学園が変わる以前は、授業についていけなくなり退学する生徒も年に何人か居た。それが今は、脱落者が居なくなった。

 柔軟で自由な授業形式は、生徒たちの能力の向上を促し、学園全体の実力を引き上げる。入学した者は全員、錬金術を使えるようになり、しっかり学び卒業していく。

 錬金術師を目指す男性も少しだけ増えた。だが、女性と違って男性は魔力のコントロールを習得するのが身体的に難しく、錬金術を使いこなせるようになるまでが長い。そういう理由で、今も学園は女性の生徒が多い状況である。男子生徒を増やすのは、非常に難しい問題のようだ。

 学園を卒業して一人前の錬金術師として認められた者たちは、各所へ旅立っていく。辿り着いた場所で新たな仕事を得ると、錬金術師の活動をしていくことになる。そこで大活躍して、どんどん名を広めていく。

 その結果、錬金学園の評判も上がり、各地から入学希望者が増えたりした。



 錬金学園の革新は完了した。後は、学園の教師たちに任せても大丈夫だろう。俺が居なくなっても問題ないはず。これからどうしようか。教師の仕事を辞めて王都から旅立つことを考えた。

 その話を一番最初に伝えたのは、弟子のマルガリータだった。彼女には話しておかないといけない。

「え……?」
「前から考えていたことなんだ。色々な場所へ行って、錬金素材を探す旅をしよう、って」

 マルガリータも無事に学校を卒業していた。その後、学園の教師になろうと考えているらしい。それで今は、教師になるための準備中。

 俺の指導も全て完了して、自分で錬金術を極めていく段階に進んだ。教えるべきことは全て教えたので、彼女から離れても大丈夫だろう。そう、判断した。

「そ、そうですか……。寂しくなりますね……」

 そう呟く彼女の表情は、とても辛そうだった。だが、マルガリータは明るく振る舞い、俺の顔を見つめながら言う。

「でも、先生なら大丈夫! 世界中を旅すれば、きっと素敵な素材が見つかるはずですよ!」
「……」

 彼女が俺に好意を寄せていることは、知っていた。そんな彼女を置いていくのは胸が痛い。マルガリータに今後の予定を話している最中に、俺は自覚した。これは、俺も彼女と離れるのが寂しいな。

 ならば、少し予定を変更しよう。

 俺は錬金術師である。様々な問題を解決できるアイテムを錬金することが出来るはず。
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