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12周目(異世界ファンタジー:錬金術師)

第258-1話 生徒が続々と

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 授業の内容は基本的なことを何度も繰り返し教えながら、実習で錬金を実践させるという形式で行った。

 錬金する様子を観察して生徒のクセや反応を見ながら、より良い錬金方法を模索して、ちょっとしたアドバイスをしてあげる。

「ここは、この素材の作用をイメージしながら杖を回すんだ」
「はい」
「このタイミングで投入することで、反応が安定するよ」
「はい」
「全てをレシピ通りに従う必要はない。錬金釜を観察して、その素材の反応が変わる様子を感じ取るのが大事だから」
「はい」

 アドバイスを聞いて、真剣な表情で錬金する生徒たち。ちょっとしたことで、すぐにコツを掴んで成長していく。やはり、学園に通っている子たちは優秀だな。

 それから、魔力のコントロールについても指導した。

「もっと肩の力を抜いて、自然体で体の中にあるエネルギーを循環させるんだ」
「はい」
「うん、良いね。その感覚を覚えて、錬金の時も意識するんだよ」
「はい」

 これも、すぐにコツを掴んだ。そして、錬金術師として劇的に安定した。やはり、学園の生徒は魔力のコントロールに対する理解が不十分だよな。そんな状態で錬金を成功させていた。何とか上手くいっていた。だが、難しい錬金に挑戦していくと失敗する確率が高くなってしまう。

 基本を固めることで、錬金も安定するようになる。これで、難易度の高い錬金でも成功する確率を高めることが出来る。

「いまさら魔力のことに関して言われた時は不思議でしたが先生の言う通り、魔力のコントロールに慣れていなかったようです」
「前よりも、錬金の成功率が上がりました」
「錬金釜の中で起きている事象について、明確にイメージ出来るようになりました」

 生徒たちが授業の感想を教えてくれる。上手くいっているようで良かった。

「うん、そうだね。錬金術はレシピを覚えたり、錬金釜の調整に気を配ることが大事だけど、基礎的な部分も非常に大事だから。それを忘れないようにね」
「わかりました!」

 彼女たちの意見を聞きながら、錬金術の学びについての理解を深めていく。自分の時はこうだったけれど、彼女たちはどんな風に錬金術を学ぶのか。比較して、新しいやり方を模索する。有意義な授業を行えている、という実感があった。
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