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12周目(異世界ファンタジー:錬金術師)
第257-2話 初授業
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初めての授業を無事に終えて、自分の研究室に戻ってくる。今日行った授業の内容をまとめて、振り返りながら改善点を記録しておく。次は、どうしようか。
作業を進めていると、研究室にマルガリータがやって来た。彼女にも授業の感想を聞いた。
「素晴らしかったです!」
「それは良かった」
何を聞いても褒めてくれる。悪い気はしないが、参考にはならないかもしれない。それに、彼女には個別に指導しているので、今日の授業内容なんかは簡単すぎたかもしれない。授業を受ける意味が薄く、成長には繋がらない。
「いえいえ、そんなことはありません。過去の内容を振り返る、よい機会でした」
「ほんとに? それならいいんだけど」
彼女が意味を見出して授業を受けてくれたのなら、良かった。
「ようやく学園で、リヒト先生と呼べるようになったのも嬉しいです」
「今までは、同じ学生という立場だったからな」
同じ学園に通って、年齢も近い。だから、研究室以外の場所では先生と呼ばせなかった。誰かに見られて、説明するのも面倒だし。
だが、マルガリータの先生呼びも随分と慣れてきた。学園で呼ばれた時も、すんなりと受け入れられた。
学長のマデリーネさんに頼まれて、彼女の指導がスタートした。魔力のコントロールを教えたらすぐ錬金術を使えるようになったのだが、その後も面倒を見ることになった。おそらくマデリーネさんは、そこまで想定していなかったと思う。
俺も、彼女の優秀な才能を見て教えたくなった。その結果、今も先生と生徒という関係が続いている。そして今回、学園で授業を受け持つことになったので、正式に先生と生徒という関係が成立して、マルガリータから学園でも先生と呼ばれるようになった。
「卒業が先に伸びて良かったです。こうして、学園でもリヒト先生に指導してもらえるのですから」
「お前もしかして、学園で行う俺の授業を受けるために卒業を遅らせたのか?」
「いいえ、そんなことはありませんよ。まだ学園に残って学ばないといけない知識が沢山ありましたし」
そう言いながら、少し目を逸らしている。俺も挑戦した、学園の卒業課題。マルガリータの実力があればクリアするのは難しくないはず。そんな彼女の顔を、俺はじっと見つめる。すると彼女は小声で白状した。
「だって、学園でも先生って呼びたかったんです」
「お前なぁ。学園を卒業した後もしばらくは研究室で指導を続けるし、そんな無駄なことをして卒業を先延ばしにしなくても」
「無駄じゃありませんよ。私にとって、大事なことです」
強く反論される。彼女にとっては大事なことらしい。卒業できるのなら、さっさと卒業したほうが良いと思うけれど。
「わかった、わかった。なら、学園にいる間もちゃんと勉強して、錬金術師として立派に成長してくれ」
「はい、頑張ります!」
マルガリータは両手をグッと握って返事をした。
作業を進めていると、研究室にマルガリータがやって来た。彼女にも授業の感想を聞いた。
「素晴らしかったです!」
「それは良かった」
何を聞いても褒めてくれる。悪い気はしないが、参考にはならないかもしれない。それに、彼女には個別に指導しているので、今日の授業内容なんかは簡単すぎたかもしれない。授業を受ける意味が薄く、成長には繋がらない。
「いえいえ、そんなことはありません。過去の内容を振り返る、よい機会でした」
「ほんとに? それならいいんだけど」
彼女が意味を見出して授業を受けてくれたのなら、良かった。
「ようやく学園で、リヒト先生と呼べるようになったのも嬉しいです」
「今までは、同じ学生という立場だったからな」
同じ学園に通って、年齢も近い。だから、研究室以外の場所では先生と呼ばせなかった。誰かに見られて、説明するのも面倒だし。
だが、マルガリータの先生呼びも随分と慣れてきた。学園で呼ばれた時も、すんなりと受け入れられた。
学長のマデリーネさんに頼まれて、彼女の指導がスタートした。魔力のコントロールを教えたらすぐ錬金術を使えるようになったのだが、その後も面倒を見ることになった。おそらくマデリーネさんは、そこまで想定していなかったと思う。
俺も、彼女の優秀な才能を見て教えたくなった。その結果、今も先生と生徒という関係が続いている。そして今回、学園で授業を受け持つことになったので、正式に先生と生徒という関係が成立して、マルガリータから学園でも先生と呼ばれるようになった。
「卒業が先に伸びて良かったです。こうして、学園でもリヒト先生に指導してもらえるのですから」
「お前もしかして、学園で行う俺の授業を受けるために卒業を遅らせたのか?」
「いいえ、そんなことはありませんよ。まだ学園に残って学ばないといけない知識が沢山ありましたし」
そう言いながら、少し目を逸らしている。俺も挑戦した、学園の卒業課題。マルガリータの実力があればクリアするのは難しくないはず。そんな彼女の顔を、俺はじっと見つめる。すると彼女は小声で白状した。
「だって、学園でも先生って呼びたかったんです」
「お前なぁ。学園を卒業した後もしばらくは研究室で指導を続けるし、そんな無駄なことをして卒業を先延ばしにしなくても」
「無駄じゃありませんよ。私にとって、大事なことです」
強く反論される。彼女にとっては大事なことらしい。卒業できるのなら、さっさと卒業したほうが良いと思うけれど。
「わかった、わかった。なら、学園にいる間もちゃんと勉強して、錬金術師として立派に成長してくれ」
「はい、頑張ります!」
マルガリータは両手をグッと握って返事をした。
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