転生人生ごっちゃまぜ~数多の世界に転生を繰り返す、とある旅人のお話~

キョウキョウ

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12周目(異世界ファンタジー:錬金術師)

第248-1話 ノルニシスまで一人旅

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 旅の準備は、すぐに完了した。引き受けていた仕事も全て処理してから、旅立ちの日をむかえた。

 両親や兄と姉たち、おばあちゃんに見送られてユノヘルの村から旅立つ。初めての旅。まずは、乗合馬車の停留所がある町まで歩いて向かう必要があった。



 森に沿って進める道を1人だけで歩く。運が悪ければ、森の中から飛び出してきたモンスターと遭遇することもある。俺の場合は、モンスターと遭遇しても戦えるから別に問題じゃないけれど。

「よし。あっちかな」

 旅立つ際に、おばあちゃんから授かった地図とコンパス。それを頼りに、ルートを確認しながら先へと進む。ここまで、順調に進んできた。

 朝早くから村を出発して、歩き続けた。もう少しで夕方になる頃か。予定通りに、目的の町に到着することが出来そうだ。黙々と歩き続ける。



「……ふぅ。目的地の町まで、もうすぐかな」

 行き交う人々を眺めながら、休憩するためにアイテムボックスから水を取り出して水分補給した。この特殊能力があるおかげで、持ち運ぶ荷物が少なく済んでいる。



 日が沈む前に、最初の目的地だった町に到着することが出来た。ユノヘルの村よりも大きくて、建物がたくさんあって、人も多い。賑わっている町には宿屋もあった。乗合馬車が来るのは翌朝。今夜は、そこで一泊する必要がある。

「1泊、お願いします」
「あいよ!」

 宿屋に入り、お金を支払って宿を取る。この世界では初めての宿泊になるが、旅には慣れている。

 問題は旅費。困っているわけではない。ノルニシスまでの旅費は、おばあちゃんが用意してくれたから。おばあちゃんだけでなく、村の人達にも援助をしてもらった。今まで、手助けしてきた分の駄賃だそうだ。

 駄賃とは言いつつ、かなりの大金である。こんなには貰えないと遠慮したのだが、無理やり押し付けられて受け取ることになってしまった。

 だから、旅費には余裕があった。けれど、あまり無駄遣いしないようにしないと。せっかくおばあちゃんや皆が用意してくれたお金だから、これは大事に使いたい。

 翌朝。ちゃんと乗合馬車に乗ることが出来た。しかし、ここからノルニシスまでは2週間ほどかかるらしい。遠すぎる。

 どうやら、危険なモンスターと遭遇するのを避けるためにも遠回りのルートを選択しているから長い時間がかかるらしい。乗合馬車は止めて、自分の足で目的地までは歩いて行こうかとも考えた。

 でもまぁ、せっかくの旅行だからゆっくり行くことにする。ちょっと、この世界の町でも観光しながらノルニシスに向かうことにした。当初の予定通り、馬車に乗って行く。

 早く到着しても、マデリーネさんが困ってしまうかもしれないし。学園に入学するための手続きを進めてくれているらしいから。
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