198 / 310
10周目(異世界ファンタジー:女神転生)
第190話 夜の旅立ち
しおりを挟む
1週間前に勇者一行が人知れず、村から立ち去った。そして今夜、俺も同じように村から出て行くことにした。自宅に置いていた荷物を纏めてアイテムボックスの中に収納すると、すぐに出て行く準備は完了する。生まれてからしばらく生活を続けた、この家ともお別れだ。あまり良い思い出がない場所だったので、未練はないけれど。むしろ、別れが惜しいのは森の中にある畑の方だな。あっちは村人たちに荒らされてしまって、ダメになってしまったが。
「……」
家の中に父親と兄弟たちが寝ている気配を感じながら、彼らには気付かれないよう気配を消して静かに家を出る。とても簡単なことだった。
真っ暗闇の中、月明かりが頼りになる。ひんやりとした冷たい風を、肌に感じた。村が寝静まっているところを、土の地面を歩く音を立てないように注意して進む。
この時間帯ならば、誰にも見つからないだろうと思う。だが、万が一にも見られないように。影に隠れながら村の外を目指した。村の外に出たら、まずは森の中で待機しているリヴを迎えに行かなければ。
村から出る直前、暗闇の中に人が居るのがわかる。先程から気配を察知していた。そこから動く様子が一切なく、1人だけで誰か来るのを待ち構えている。おそらく、待っているのは俺だろう。
慎重に近付いていく。月明かりに照らされて、彼の顔が徐々に見えてきた。村長の息子であるヘルミンだった。空を見上げていた彼は、暗闇の中の気配を察したのか、俺が立っている方へ視線を向けてくる。
「やぁ、こんばんは」
「こんばんは、ヘルミン。こんな夜遅くに、どうしたんだ」
ごくごく自然に挨拶してくる彼に、俺も自然な返事をする。彼は、悲しそうな表情を浮かべた。
「リヒトくんは、やっぱり村から出ていくのか?」
今夜、俺が村から出ていくことを予想していたような口ぶり。やはり、俺が来るのを待っていたようだ。彼は、村から出ていくのを止めたり責めたりするような様子はない。
純粋な疑問で、答えを知りたいから問いかけてきたようだ。そんな彼の質問に俺は正直に答える。
「あぁ。これから、出ていくつもりだよ」
「そうか。寂しくなるね」
首を縦に振り、そうだと肯定した。すると、彼は悲しそうな表情を浮かべていた。俺が村から去ることを、心の底から残念がっているような顔だった。
「余計なお世話かもしれないけれど、リヒトくんに伝えておきたいことがある」
「何かな?」
「最近、村で起こっている騒動についてだよ。裏で扇動していたのは」
「俺の兄貴たち、だね」
「ッ!?」
ヘルミンが教えてくれる前に、俺が答えを口に出した。悪い噂話を村中に広めて、俺の評価を下げようとしている村人たち。それを扇動しているのは、一体誰なのか。
「知っていたのか?」
「そりゃ、もちろん」
俺が知っていたことに驚くヘルミン。最近、次男と三男の2人がコソコソと隠れて何かしているようだったので、ちょっと気配を消して尾行してみた。すると、すぐに尻尾を掴めてしまった。俺の悪い噂を流すように、仲間たちに指示をしている現場を目撃してしまったのだ。
彼らが自立するまで面倒を見るつもりだったが、もう十分だと思った。というか、そこまでされては、もう彼らの面倒なんて見きれないよ。それを許すほど、俺は情け深い人ではない。彼らに仕返しをしないだけ、マシな人間だと思うけど。
「君の兄弟たちと、父親については私に任せてくれ。なんとかする。間違っても君の後を追いかけたりしないように、3人とも監視しておくよ。リヒトくんは村のことを気にせず、自由に旅立ってくれ」
ヘルミンは、俺が村から出ていくのを後押ししてくれた。そして、俺の面倒な父や兄弟をどうにかしてくれると言ってくれた。そこまで言われると、申し訳なく思えてくる。
次期村長である彼には、他にも色々と面倒なことがたくさんあるはずだ。そこに、俺の家族の問題まで背負わせるのは気が引けた。
「ヘルミン。君に、そんな迷惑を押し付けるわけには」
「それぐらい、大丈夫だよ。気にしないで。君には村の戦士たちを、森に住む凶暴なモンスターを倒せるまで鍛えてくれた、多大な恩があるから。こうして君に少しでも恩返しをさせてくれ」
「ありがとう。俺たち家族の問題だというのに、ヘルミンに面倒事なんか押し付けてしまって、本当に申し訳ない」
俺たち家族の後始末を請け負ってくれるというヘルミン。正直、とてもありがたい申し出だった。俺が村を出て行った後も、家族は村に残るわけで。俺が居なくなった後に、彼らが村人たちに迷惑を掛けてしまうのが一番困る。何か問題を起こせば俺のせいではないが、多少の責任を感じてしまう。だけどヘルミンが引き受けてくれた。それなら、安心できる。
ついでに、もう一つ気になっていたことがある。
「俺には婚約者が居たみたいなんだけど……?」
「そっちも、気にしなくて大丈夫。任せておいて。こっちでなんとか処理しておく」
「何から何まで本当に、ありがとう」
「全然、問題ないさ。後は任せておいて」
村長と父親たちが勝手に進めていた婚約話。あれから、特に進展していない。俺は婚約者と数回会って話をしただけで、それ以降も関係は薄いまま。婚約が今も続いているのかさえわからないまま、今日に至る。
とはいえ、そんな彼女に何も言わないまま村に残していくのも申し訳ないかもなと少しだけ思っていた。婚約相手とは、そこまで深い関係を築いてこなかったのは幸いだけど。
彼女に関しても、ヘルミンが処理してくれるようだ。彼なら、悪いようにはしないだろうと思うから、後を任せることに。彼が居てくれて、本当に良かったと思う。
「リヒト。あと、これを受け取ってくれ」
「これは」
持っていた袋を渡される。握りこぶしより、少し大きめのサイズ。中身を確認すると、金貨が入っていた。
「少ないけれど、それだけあれば1年ぐらいは街で暮らしていけるはず」
「これは、受け取れないよ」
ヘルミンから受け取った袋を、俺は彼に押し返した。そこまでしてくれた、気持ちだけ受け取る。俺は別に、金に困っているわけじゃないから不必要だ。
「そのお金は、自分のため、村のために使ってくれ」
「いや、しかし」
返した袋を受け取るのをためらうヘルミン。何も気にせず、受け取って欲しいな。そう思いながら、俺は言葉を続けた。
「こう見えて、俺には戦う力はあるからさ。モンスターを倒して素材を売ったりしてどうにかするさ。他にも色々と、稼ぐ方法はある。だから、心配しないでよ」
「なるほど。実力者である君なら、それぐらい簡単に出来るだろうね」
そう言うと、押し返された袋をヘルミンは納得して受け取ってくれた。
「それじゃあ、俺はそろそろ村を出ていくよ」
「うん。元気で」
「ヘルミンも。頑張って」
「あぁ」
この村に生まれてよかったことは、彼と出会えたことだ。友人との別れ。最後は、お互い笑顔で。
俺は唯一、ヘルミンにだけ別れを告げると村を出た。向かう先は、森。そこにいるリヴを迎えて、ようやく自由になったから何も気にせず、一緒に暮らせるかな。
「……」
家の中に父親と兄弟たちが寝ている気配を感じながら、彼らには気付かれないよう気配を消して静かに家を出る。とても簡単なことだった。
真っ暗闇の中、月明かりが頼りになる。ひんやりとした冷たい風を、肌に感じた。村が寝静まっているところを、土の地面を歩く音を立てないように注意して進む。
この時間帯ならば、誰にも見つからないだろうと思う。だが、万が一にも見られないように。影に隠れながら村の外を目指した。村の外に出たら、まずは森の中で待機しているリヴを迎えに行かなければ。
村から出る直前、暗闇の中に人が居るのがわかる。先程から気配を察知していた。そこから動く様子が一切なく、1人だけで誰か来るのを待ち構えている。おそらく、待っているのは俺だろう。
慎重に近付いていく。月明かりに照らされて、彼の顔が徐々に見えてきた。村長の息子であるヘルミンだった。空を見上げていた彼は、暗闇の中の気配を察したのか、俺が立っている方へ視線を向けてくる。
「やぁ、こんばんは」
「こんばんは、ヘルミン。こんな夜遅くに、どうしたんだ」
ごくごく自然に挨拶してくる彼に、俺も自然な返事をする。彼は、悲しそうな表情を浮かべた。
「リヒトくんは、やっぱり村から出ていくのか?」
今夜、俺が村から出ていくことを予想していたような口ぶり。やはり、俺が来るのを待っていたようだ。彼は、村から出ていくのを止めたり責めたりするような様子はない。
純粋な疑問で、答えを知りたいから問いかけてきたようだ。そんな彼の質問に俺は正直に答える。
「あぁ。これから、出ていくつもりだよ」
「そうか。寂しくなるね」
首を縦に振り、そうだと肯定した。すると、彼は悲しそうな表情を浮かべていた。俺が村から去ることを、心の底から残念がっているような顔だった。
「余計なお世話かもしれないけれど、リヒトくんに伝えておきたいことがある」
「何かな?」
「最近、村で起こっている騒動についてだよ。裏で扇動していたのは」
「俺の兄貴たち、だね」
「ッ!?」
ヘルミンが教えてくれる前に、俺が答えを口に出した。悪い噂話を村中に広めて、俺の評価を下げようとしている村人たち。それを扇動しているのは、一体誰なのか。
「知っていたのか?」
「そりゃ、もちろん」
俺が知っていたことに驚くヘルミン。最近、次男と三男の2人がコソコソと隠れて何かしているようだったので、ちょっと気配を消して尾行してみた。すると、すぐに尻尾を掴めてしまった。俺の悪い噂を流すように、仲間たちに指示をしている現場を目撃してしまったのだ。
彼らが自立するまで面倒を見るつもりだったが、もう十分だと思った。というか、そこまでされては、もう彼らの面倒なんて見きれないよ。それを許すほど、俺は情け深い人ではない。彼らに仕返しをしないだけ、マシな人間だと思うけど。
「君の兄弟たちと、父親については私に任せてくれ。なんとかする。間違っても君の後を追いかけたりしないように、3人とも監視しておくよ。リヒトくんは村のことを気にせず、自由に旅立ってくれ」
ヘルミンは、俺が村から出ていくのを後押ししてくれた。そして、俺の面倒な父や兄弟をどうにかしてくれると言ってくれた。そこまで言われると、申し訳なく思えてくる。
次期村長である彼には、他にも色々と面倒なことがたくさんあるはずだ。そこに、俺の家族の問題まで背負わせるのは気が引けた。
「ヘルミン。君に、そんな迷惑を押し付けるわけには」
「それぐらい、大丈夫だよ。気にしないで。君には村の戦士たちを、森に住む凶暴なモンスターを倒せるまで鍛えてくれた、多大な恩があるから。こうして君に少しでも恩返しをさせてくれ」
「ありがとう。俺たち家族の問題だというのに、ヘルミンに面倒事なんか押し付けてしまって、本当に申し訳ない」
俺たち家族の後始末を請け負ってくれるというヘルミン。正直、とてもありがたい申し出だった。俺が村を出て行った後も、家族は村に残るわけで。俺が居なくなった後に、彼らが村人たちに迷惑を掛けてしまうのが一番困る。何か問題を起こせば俺のせいではないが、多少の責任を感じてしまう。だけどヘルミンが引き受けてくれた。それなら、安心できる。
ついでに、もう一つ気になっていたことがある。
「俺には婚約者が居たみたいなんだけど……?」
「そっちも、気にしなくて大丈夫。任せておいて。こっちでなんとか処理しておく」
「何から何まで本当に、ありがとう」
「全然、問題ないさ。後は任せておいて」
村長と父親たちが勝手に進めていた婚約話。あれから、特に進展していない。俺は婚約者と数回会って話をしただけで、それ以降も関係は薄いまま。婚約が今も続いているのかさえわからないまま、今日に至る。
とはいえ、そんな彼女に何も言わないまま村に残していくのも申し訳ないかもなと少しだけ思っていた。婚約相手とは、そこまで深い関係を築いてこなかったのは幸いだけど。
彼女に関しても、ヘルミンが処理してくれるようだ。彼なら、悪いようにはしないだろうと思うから、後を任せることに。彼が居てくれて、本当に良かったと思う。
「リヒト。あと、これを受け取ってくれ」
「これは」
持っていた袋を渡される。握りこぶしより、少し大きめのサイズ。中身を確認すると、金貨が入っていた。
「少ないけれど、それだけあれば1年ぐらいは街で暮らしていけるはず」
「これは、受け取れないよ」
ヘルミンから受け取った袋を、俺は彼に押し返した。そこまでしてくれた、気持ちだけ受け取る。俺は別に、金に困っているわけじゃないから不必要だ。
「そのお金は、自分のため、村のために使ってくれ」
「いや、しかし」
返した袋を受け取るのをためらうヘルミン。何も気にせず、受け取って欲しいな。そう思いながら、俺は言葉を続けた。
「こう見えて、俺には戦う力はあるからさ。モンスターを倒して素材を売ったりしてどうにかするさ。他にも色々と、稼ぐ方法はある。だから、心配しないでよ」
「なるほど。実力者である君なら、それぐらい簡単に出来るだろうね」
そう言うと、押し返された袋をヘルミンは納得して受け取ってくれた。
「それじゃあ、俺はそろそろ村を出ていくよ」
「うん。元気で」
「ヘルミンも。頑張って」
「あぁ」
この村に生まれてよかったことは、彼と出会えたことだ。友人との別れ。最後は、お互い笑顔で。
俺は唯一、ヘルミンにだけ別れを告げると村を出た。向かう先は、森。そこにいるリヴを迎えて、ようやく自由になったから何も気にせず、一緒に暮らせるかな。
1
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる