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7周目(SF:パイロット)
第101話 戦うために生み出された
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先ほど、意識が覚醒した部屋から出てきて、俺は女性と2人で廊下を歩いていた。人工的な、金属で出来た壁や天井がある。なんだか、見慣れない光景だった。
「ちゃんと、歩けるかしら?」
「はい。大丈夫です」
周りを観察しながら進んでいると、前を歩いていた白衣の女性に問いかけられた。何度も振り返って俺の動きを常に確認しながら、動向を見守られている。彼女から、すごく意識を向けられていた。一体、何を見られているのか。
歩くのは問題ないが、自分の体なのにすごく違和感がある。それで、いつもの動きにズレが生じていた。
今までは赤ん坊の体からスタートして、成長する過程で動き方を調整していった。いきなり大人の体で動き始めることになり、前の体とサイズも違うので、慣れるまでには少し時間が必要かもしれない。
もう一つ大きな問題がある。この体に変わってから魔力が一切感じられなかった。意識を集中してみるが、今まで体の奥底に感じていたはずの力が失われている。
体の中に魔力はあるのに、感じられないだけなのか。そもそも、存在しないのか。それも、分からない。
意識が覚醒したばかりで、まだ体に慣れていないから魔力を感じることが出来ないのかもしれない。でも前は、赤ん坊の時でも魔力を感じることは出来たから。それが原因とは思えない。
この新たな体が原因なのだろうか。それとも、この世界に原因があるのか。魔力を感じられなくなった理由については、まだ何も分かっていない。
廊下の様子や自分の体に意識を向けながら、ゆっくりと平らな床を歩いていく。
ペタペタと足音が鳴った。
「あら、しまったわ! 貴方の履く靴を用意するのを忘れてたわね。ごめんなさい」
「問題ないです」
裸足で廊下を歩いている俺に気が付いて、申し訳無さそうに女性は謝ってくる。
今までは落ち着いた雰囲気でスムーズに対応してくれたし、濡れた体を拭くためのタオルや着替えを事前に用意していた。配慮してくれているのは、十分に伝わっている。
俺の体を無遠慮に見てくる男たちもバシッと叱ったりして、完璧そうな印象のある女性だった。けれど意外と失敗もするようだ。彼女に対するイメージが変わった。
彼女のキレイな顔を見た第一印象では、冷たそうな人だと思った。白衣を着ていたので、余計にそんな印象があった。でも、ちゃんと廊下を歩けるか心配してくれたり意外と気を配ってくれているようだし、人間味があって親しみやすい人なのかも。
「さぁ、ここが私のラボ。中に入って」
「お邪魔します」
沢山の本に囲まれている部屋。その中央には数々の機械が置かれていた。部屋の中に入る時に彼女がスリッパを用意してくれて、それを履いた。裸足ではなくなった。
「ここに座って」
「どうも」
指定された、ひとり掛けソファーに腰を下ろす。すっぽりと収まって落ち着いた。目の前のテーブルに、黒い液体の入った容器が置かれる。飲み物なのかな。
「これは」
「私特製のコーヒーよ」
コーヒーか。そう言えば、今までの人生で意外と出会わなかった飲み物だ。もう、何百年も飲んでいないから、どんな味なのかも忘れてしまった。苦い飲み物だという記憶はあるが。ちょっと飲んでみる。
「うー、にがっ」
口に含んだ瞬間、もの凄い苦味が口の中に広がった。こんな味だったかな。これは苦すぎるんじゃないか。白衣の女性は、俺の反応を見ておかしそうに笑っていた。
「この苦味が美味しいのに。しかも、この本物の味を飲めるのはここだけなのよ」
俺とは違って、白衣の女性はじっくりと味わいながらコーヒーを飲み込んでいく。とても美味しそうだ。本当に好きなんだろうな。
女性が対面の席に座って、ようやく話を聞けるのかな。そう思っていたら逆に俺が質問攻めされていた。
「どこまで、覚えてるのかしら?」
「どういうことですか?」
いきなり聞かれた。彼女は、俺が転生者であることを知っているのか。
どこまで、とは何だろうか。俺の前世について彼女は聞いているのか。けれども、まだ正体の掴めない女性に話すべきかどうか迷った。少し考えてから、俺は知らないフリをして答えることにした。
「自分の年齢は?」
「いえ」
この体は、何歳なのか。生まれたばかりで、意識としては0才児なのだが。転生を繰り返してきた俺は、数百歳と答える選択肢もあるよな。
とりあえず、知らないと答えておく。
「好きなものとか、嫌いなものとか」
「わからない」
この体では、まだ食事もしていないので、好きも嫌いも分からないかな。だけど、さっき飲んだコーヒーの味は苦手だったかも。
「目を覚ます直前の記憶は? 何かある?」
「いえ、何も覚えていません」
小屋で眠るように死んだのを覚えている。あれが、前の世界での最期だった。その後に、今の状況となった。その間の記憶は、何もない。だから、何も覚えていないと答えておく。
「そうなのね。記憶の定着が上手く出来ていないのかしら。これは、ちょっとマズイかも……」
俺の答えを聞いた白衣の女性は、何か小声でつぶやきながら顎に手を当てて、考え込んでいる。答えられないとマズかったかな。
しばらく考えた後に彼女は話を再開して、今いる場所がどこなのか教えてくれた。
「ここはアナトテック研究所。それは、覚えている?」
「いいえ」
首を横に振って、知らないと答える。初めて聞く名称である。研究所だったのか。そんな場所に俺が居る理由とは。
「そっか」
また彼女は、ぶつぶつと独り言を漏らしながら考え込んでしまった。
「学習は進んでいるようだけど、一部の知識だけが消えているのか。会話をするのに問題は無いし、常識的な知識はあるみたい。これは検証が必要かしら……」
そんな事を喋りながら彼女は、手元に持った板状の機械を指でタッチして操作していた。俺は黙ったまま静かに、彼女の動きを眺めていた。
「私の名は、ソフィア。貴女を生み出す計画の責任者を務めている」
「生み出す?」
白衣の女性から自己紹介された。俺が気になった言葉を繰り返して言うと、彼女は頷いて答えた。
「そう。貴方は人類を救うために、敵と戦うために生まれてきた」
この世界では戦争が起きているという。敵は、人間ではなく自動化された機械。
実験計画番号00RA。
リア・アドミラルという、機械の敵に対抗するため強化された能力を持った人間を生み出す実験のプロトタイプ。
遺伝子を組み換えて色々と調節して、人工的に強化した人間を生み出した。それは機械を倒すための兵器として作られた存在。それが、俺だった。
ソフィアの説明を聞いてわからないことも多かったけれど、なんとなく理解した。どうやら俺は、とんでもない世界に生まれてきたという事を。
「ちゃんと、歩けるかしら?」
「はい。大丈夫です」
周りを観察しながら進んでいると、前を歩いていた白衣の女性に問いかけられた。何度も振り返って俺の動きを常に確認しながら、動向を見守られている。彼女から、すごく意識を向けられていた。一体、何を見られているのか。
歩くのは問題ないが、自分の体なのにすごく違和感がある。それで、いつもの動きにズレが生じていた。
今までは赤ん坊の体からスタートして、成長する過程で動き方を調整していった。いきなり大人の体で動き始めることになり、前の体とサイズも違うので、慣れるまでには少し時間が必要かもしれない。
もう一つ大きな問題がある。この体に変わってから魔力が一切感じられなかった。意識を集中してみるが、今まで体の奥底に感じていたはずの力が失われている。
体の中に魔力はあるのに、感じられないだけなのか。そもそも、存在しないのか。それも、分からない。
意識が覚醒したばかりで、まだ体に慣れていないから魔力を感じることが出来ないのかもしれない。でも前は、赤ん坊の時でも魔力を感じることは出来たから。それが原因とは思えない。
この新たな体が原因なのだろうか。それとも、この世界に原因があるのか。魔力を感じられなくなった理由については、まだ何も分かっていない。
廊下の様子や自分の体に意識を向けながら、ゆっくりと平らな床を歩いていく。
ペタペタと足音が鳴った。
「あら、しまったわ! 貴方の履く靴を用意するのを忘れてたわね。ごめんなさい」
「問題ないです」
裸足で廊下を歩いている俺に気が付いて、申し訳無さそうに女性は謝ってくる。
今までは落ち着いた雰囲気でスムーズに対応してくれたし、濡れた体を拭くためのタオルや着替えを事前に用意していた。配慮してくれているのは、十分に伝わっている。
俺の体を無遠慮に見てくる男たちもバシッと叱ったりして、完璧そうな印象のある女性だった。けれど意外と失敗もするようだ。彼女に対するイメージが変わった。
彼女のキレイな顔を見た第一印象では、冷たそうな人だと思った。白衣を着ていたので、余計にそんな印象があった。でも、ちゃんと廊下を歩けるか心配してくれたり意外と気を配ってくれているようだし、人間味があって親しみやすい人なのかも。
「さぁ、ここが私のラボ。中に入って」
「お邪魔します」
沢山の本に囲まれている部屋。その中央には数々の機械が置かれていた。部屋の中に入る時に彼女がスリッパを用意してくれて、それを履いた。裸足ではなくなった。
「ここに座って」
「どうも」
指定された、ひとり掛けソファーに腰を下ろす。すっぽりと収まって落ち着いた。目の前のテーブルに、黒い液体の入った容器が置かれる。飲み物なのかな。
「これは」
「私特製のコーヒーよ」
コーヒーか。そう言えば、今までの人生で意外と出会わなかった飲み物だ。もう、何百年も飲んでいないから、どんな味なのかも忘れてしまった。苦い飲み物だという記憶はあるが。ちょっと飲んでみる。
「うー、にがっ」
口に含んだ瞬間、もの凄い苦味が口の中に広がった。こんな味だったかな。これは苦すぎるんじゃないか。白衣の女性は、俺の反応を見ておかしそうに笑っていた。
「この苦味が美味しいのに。しかも、この本物の味を飲めるのはここだけなのよ」
俺とは違って、白衣の女性はじっくりと味わいながらコーヒーを飲み込んでいく。とても美味しそうだ。本当に好きなんだろうな。
女性が対面の席に座って、ようやく話を聞けるのかな。そう思っていたら逆に俺が質問攻めされていた。
「どこまで、覚えてるのかしら?」
「どういうことですか?」
いきなり聞かれた。彼女は、俺が転生者であることを知っているのか。
どこまで、とは何だろうか。俺の前世について彼女は聞いているのか。けれども、まだ正体の掴めない女性に話すべきかどうか迷った。少し考えてから、俺は知らないフリをして答えることにした。
「自分の年齢は?」
「いえ」
この体は、何歳なのか。生まれたばかりで、意識としては0才児なのだが。転生を繰り返してきた俺は、数百歳と答える選択肢もあるよな。
とりあえず、知らないと答えておく。
「好きなものとか、嫌いなものとか」
「わからない」
この体では、まだ食事もしていないので、好きも嫌いも分からないかな。だけど、さっき飲んだコーヒーの味は苦手だったかも。
「目を覚ます直前の記憶は? 何かある?」
「いえ、何も覚えていません」
小屋で眠るように死んだのを覚えている。あれが、前の世界での最期だった。その後に、今の状況となった。その間の記憶は、何もない。だから、何も覚えていないと答えておく。
「そうなのね。記憶の定着が上手く出来ていないのかしら。これは、ちょっとマズイかも……」
俺の答えを聞いた白衣の女性は、何か小声でつぶやきながら顎に手を当てて、考え込んでいる。答えられないとマズかったかな。
しばらく考えた後に彼女は話を再開して、今いる場所がどこなのか教えてくれた。
「ここはアナトテック研究所。それは、覚えている?」
「いいえ」
首を横に振って、知らないと答える。初めて聞く名称である。研究所だったのか。そんな場所に俺が居る理由とは。
「そっか」
また彼女は、ぶつぶつと独り言を漏らしながら考え込んでしまった。
「学習は進んでいるようだけど、一部の知識だけが消えているのか。会話をするのに問題は無いし、常識的な知識はあるみたい。これは検証が必要かしら……」
そんな事を喋りながら彼女は、手元に持った板状の機械を指でタッチして操作していた。俺は黙ったまま静かに、彼女の動きを眺めていた。
「私の名は、ソフィア。貴女を生み出す計画の責任者を務めている」
「生み出す?」
白衣の女性から自己紹介された。俺が気になった言葉を繰り返して言うと、彼女は頷いて答えた。
「そう。貴方は人類を救うために、敵と戦うために生まれてきた」
この世界では戦争が起きているという。敵は、人間ではなく自動化された機械。
実験計画番号00RA。
リア・アドミラルという、機械の敵に対抗するため強化された能力を持った人間を生み出す実験のプロトタイプ。
遺伝子を組み換えて色々と調節して、人工的に強化した人間を生み出した。それは機械を倒すための兵器として作られた存在。それが、俺だった。
ソフィアの説明を聞いてわからないことも多かったけれど、なんとなく理解した。どうやら俺は、とんでもない世界に生まれてきたという事を。
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