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大歓迎

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 王都に到着してすぐ、城までやってきた。立派な門を超えて中に入ると、使用人やメイドたちがヴァルタルを歓迎した。

「おかえりなさいませ、ヴァルタル様!」
「長旅、お疲れさまです」
「さぁ、お父様とお母様がお待ちです。こちらに!」
「ありがとう、すぐに行くよ」

 全員笑顔で迎えてくれて、彼が慕われていることがよく分かる。

「お連れ様も、こちらに」
「ありがとう」

 ヴァルタルと一緒に行くべきかどうかを迷っていると、有能そうな老人の使用人が誘導してくれた。私も歓迎されたようだ。馬車から降りて、彼の近くに寄る。

「君も、俺と一緒に両親と会ってもらいたい」
「はい」
「彼女は、身なりを整えましょう」
「うん、そうだな。急いで頼む」

 いきなり、彼の両親と顔を合わせることになりそうだ。しかも、色々と準備をしてくれるらしい。メイドに連れて行ってもらい、ドレスを着せてもらった。旅の間は、ラフな格好ばかりだった。貴族のような衣装を身にまとったのは、久しぶりである。懐かしい、という気持ちすらあった。

「どうぞ、こちらへ」
「ありがとう」

 とても丁寧に対応してもらった。すぐに準備を終えてから移動する。誘導されて、ヴァルタルが待っている場所へ。

 部屋の中に入ると、ヴァルタルが椅子に座って楽しそうに話をしていた。向かいの席には、中年の男性と美しい女性がいた。

「ルエラ、こちらに」
「は、はい!」
「その女性が、旅で出会ったという相手なのね」
「ふむ」

 指示されて、ヴァルタルの隣に座った。向かいの席に座っている2人に、ジーッと見つめられる。

「名前は?」
「ルエラです」
「ヴァルタルの立場は、もちろん知っているだろうね?」
「はい。彼から聞きました。リムサフス王国の王子だと」
「結婚するつもりのようだが、本気かい?」
「はい。彼と一緒になりたいと思っています」
「ヴァルタルと結婚する、とはどういうことか理解してのことかね?」
「もちろん。理解しているつもりです」

 いきなり、ヴァルタルの父親だと思われる男性に質問攻めにされる。真っ直ぐ目を見て、質問の答えを求められた。とても緊張したけれど、目を逸らさずにシッカリと考えながら答えた。そうした方が、良いだろうと思ったから。

「ふむ」

 ヴァルタルの父親は、顎に手を当ててしばらく考えてたから口を開いた。

「とても良い女性に出会えたようだな」
「はい」

 私の横に座るヴァルタルに向かって、笑顔を浮かべて言った。どうやら、認めてもらえたようだ。



 それから4人で、しばらく会話をした。旅の最中にあった出来事について色々と。運良く秘宝を見つけられたこと。戦争が始まったらしい、メーウブ帝国についても。私たち2人の結婚に関しても、改めて。色々と楽しく話をした。



「2人の結婚を認めよう。もちろん、秘宝を我が国へ持ち帰ってきた功績に対しても褒美を用意する」
「ありがとうございます」
「おめでとう、ヴァルタル。ルエラちゃんもね」
「はい! ありがとうございます、ヴァルタルのお母様」

 どうやら、ヴァルタルが高評価を得たようだ。彼が喜んでいる。私も嬉しかった。彼の両親に歓迎してもらった。

 新しい場所で、私はちゃんとやっていけそうだと思えた。
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