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旅は順調に進み
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ヴァルタルとの旅が始まったけれど、私のやる仕事はあまりなかった。ただ、彼と一緒に旅をするだけ。それだけなのに、とても感謝された。
「やはり君は幸運の女神だよ。今までとは比較にならないほど、秘宝に関する情報が効率的に集まっている。君のお陰だ」
「いえ、そんな……」
一緒に旅を始めてから、秘宝に関する情報が次々と手に入っているらしい。以前と比べると、かなりの情報量らしい。本当かどうか分からないけれども、ヴァルタルは喜んでいたので私も嬉しい。
秘宝に関する伝説や昔話、ゆかりのあるもの、目撃情報などなど。集まった情報を参考にして、次の目的地を決めていく。旅の終わりは、まだ分からない。
旅を続ける間、私には特に仕事はない。けれど、私に同行してくれていた使用人やメイドたちがヴァルタルたちの仲間の世話をして活躍していた。
「ヴァルタル様、入手した情報をまとめておきました。確認をお願いします」
「うん。助かるよ、アネル」
「シーヴ様、治療用の薬品を購入しておきました」
「助かるわ、ジーモン」
私の部下というより、ヴァルタルたちの部下という感じで上手く活用されていた。もちろん私も放置されているわけじゃなく、色々とお世話されて毎日ちゃんと面倒を見てもらっていた。
「ルエラお嬢様、何か不便はございませんか?」
「うん。今は大丈夫、ありがとう」
「何かあれば、すぐにお申し付けください」
「わかった」
常日頃、色々と気にかけてもらっている。ロウワルノール家の令嬢として暮らしていた頃よりも、ずっと気楽で心地よい生活を送ることが出来ていた。
各地を旅する間の護衛には、ヴァルタルと彼の仲間たちが活躍してくれた。危険にさらされる事なく、順調な旅を満喫する。
旅の道中で、偶然にも遭遇してしまった盗賊団をやっつけていくヴァルタルたち。彼らは強く、おそらくグレムーン王国兵士の何倍もの強さがあるのだろう。
襲ってきた盗賊を相手にして、圧倒していた。
「また、これで報奨金が手に入るな」
「えぇ、そうね。ありがたいことだわ」
そう言って嬉しそうにするヴァルタルたち。報奨金を受け取り旅の資金は、かなり余裕があった。
「しかし、グレムーン王国の治安はあまり良くないみたいだな」
「秘宝の情報を手に入れたら、さっさと別の国に移動したほうがよさそうですね」
「……」
ヴァルタルたちがグレムーン王国について話をしていた。もう私には関わり合いのない国になってしまったけれど、以前は密接な関係のあった国である。だから、国が荒れている現状について少しだけ恥ずかしく思ってしまった。
もう婚約相手ではなくなってしまったけど、元婚約者としてクライブ王子を密かに応援する。私なんかに応援されていると知ったら、不服に思うだろうけれど。
彼には頑張ってもらって、グレムーン王国を立て直して欲しいと思う。そう思えるだけの余裕が、私にはあった。
「やはり君は幸運の女神だよ。今までとは比較にならないほど、秘宝に関する情報が効率的に集まっている。君のお陰だ」
「いえ、そんな……」
一緒に旅を始めてから、秘宝に関する情報が次々と手に入っているらしい。以前と比べると、かなりの情報量らしい。本当かどうか分からないけれども、ヴァルタルは喜んでいたので私も嬉しい。
秘宝に関する伝説や昔話、ゆかりのあるもの、目撃情報などなど。集まった情報を参考にして、次の目的地を決めていく。旅の終わりは、まだ分からない。
旅を続ける間、私には特に仕事はない。けれど、私に同行してくれていた使用人やメイドたちがヴァルタルたちの仲間の世話をして活躍していた。
「ヴァルタル様、入手した情報をまとめておきました。確認をお願いします」
「うん。助かるよ、アネル」
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私の部下というより、ヴァルタルたちの部下という感じで上手く活用されていた。もちろん私も放置されているわけじゃなく、色々とお世話されて毎日ちゃんと面倒を見てもらっていた。
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「うん。今は大丈夫、ありがとう」
「何かあれば、すぐにお申し付けください」
「わかった」
常日頃、色々と気にかけてもらっている。ロウワルノール家の令嬢として暮らしていた頃よりも、ずっと気楽で心地よい生活を送ることが出来ていた。
各地を旅する間の護衛には、ヴァルタルと彼の仲間たちが活躍してくれた。危険にさらされる事なく、順調な旅を満喫する。
旅の道中で、偶然にも遭遇してしまった盗賊団をやっつけていくヴァルタルたち。彼らは強く、おそらくグレムーン王国兵士の何倍もの強さがあるのだろう。
襲ってきた盗賊を相手にして、圧倒していた。
「また、これで報奨金が手に入るな」
「えぇ、そうね。ありがたいことだわ」
そう言って嬉しそうにするヴァルタルたち。報奨金を受け取り旅の資金は、かなり余裕があった。
「しかし、グレムーン王国の治安はあまり良くないみたいだな」
「秘宝の情報を手に入れたら、さっさと別の国に移動したほうがよさそうですね」
「……」
ヴァルタルたちがグレムーン王国について話をしていた。もう私には関わり合いのない国になってしまったけれど、以前は密接な関係のあった国である。だから、国が荒れている現状について少しだけ恥ずかしく思ってしまった。
もう婚約相手ではなくなってしまったけど、元婚約者としてクライブ王子を密かに応援する。私なんかに応援されていると知ったら、不服に思うだろうけれど。
彼には頑張ってもらって、グレムーン王国を立て直して欲しいと思う。そう思えるだけの余裕が、私にはあった。
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