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第36話 犯人 ※ペトラ視点
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フェリクス様が取り仕切るパーティーで事件が起きた。まだ王子様と親しくなっていないのに、仲良くなる機会が失われてしまった。
これじゃあ、私の考えた計画が上手くいかない。
なんで侵入を許したの。警備の人間は何をしていたの? どうして私の邪魔をするのよ。
大事なパーティーなのに、こんな事になってしまうなんて。パーティーの準備をしいるときは、あれほど自信満々だったフェリクス様。けれども、あっさり失敗した。私は失望した。やっぱり、私の相手は彼じゃなかったのね。所詮は、お姉様なんかの婚約相手だった男。この程度なのよね。
奪い取る価値も無かった。
このまま彼と一緒に居ると、私まで危なくなるかもしれない。今回のパーティーの失敗で、責任を追求されるだろう。巻き込まれたくない。さっさと離れるべき。
王子と親しくなる機会を失って、新しい婚約相手も頼りにならない。
私は、友人を頼ることにした。彼は貴族じゃないけれど、それなりに力があった。今は、とりあえず彼を頼る。貴族のパーティーを準備するのに雇われる職人の男。
「大変だったのよ、アントマー。フェリクス様のパーティーが大失敗して」
「やっぱり、失敗したのか」
「え? やっぱりって、どういうことよ?」
会って話をすると、そんな事を言いだした彼。今回の仕事から外されていたはず。フェリクス様が怒って、彼との契約を打ち切った。それなのに、何か知っているようだった。どうして。
「警備の情報や会場の内容を漏らしたのは俺だ。情報料を、たんまり貰ったぜ」
「貴方が……」
そんな事を告白したアントマー。今回の事件は、彼が原因だったらしい。仕事から外された腹いせに、情報を漏らしたと語る。私が依頼していた時に渡していた情報。それを、他の誰かに売った。
「しかし、あんな古い情報が役立つなんてな。普通、警備の内容は見直すだろう? それなのに、そのまま使えるなんてな。フェリクスって野郎は馬鹿だぜ。その手間をサボりやがって、失敗するなんて。俺を仕事から外した罰だな。アッハッハ!」
「……」
嬉しそうに語り続けるアントマー。彼と一緒に居ると、私も危ないかもしれない。ここから早く離れたほうが良さそう。悪い流れを感じた、その瞬間。
「我々は王国騎士団だ! 大人しくしろ!」
「なんだと!? くそっ! お前が連れてきたのか!?」
「ち、ちがう! 私じゃないわ!」
突然、王国騎士団がアントマーの拠点に乗り込んできた。どうして私が疑われているの。私は関係ない。早く逃げないと。
「その女も捕縛しろ。逃がすなよ!」
「私は違うわッ! スターム侯爵家の娘で、ハルトマイヤー公爵家の次期当主であるフェリクス様の婚約者よ!」
「なぜ、そんな女がここに?」
「は、離して頂戴!」
「とりあえず、一緒に連れて行け。ちゃんと調べてみないと分からない」
「そ、そんな……」
私も捕まった。頼りになるかと思ったら、最悪の選択だった。名乗ってみても無駄だった。王国騎士団は離してくれない。拘束されて連れて行かれてしまう。
どうして、こんな事になってしまったの。
これじゃあ、私の考えた計画が上手くいかない。
なんで侵入を許したの。警備の人間は何をしていたの? どうして私の邪魔をするのよ。
大事なパーティーなのに、こんな事になってしまうなんて。パーティーの準備をしいるときは、あれほど自信満々だったフェリクス様。けれども、あっさり失敗した。私は失望した。やっぱり、私の相手は彼じゃなかったのね。所詮は、お姉様なんかの婚約相手だった男。この程度なのよね。
奪い取る価値も無かった。
このまま彼と一緒に居ると、私まで危なくなるかもしれない。今回のパーティーの失敗で、責任を追求されるだろう。巻き込まれたくない。さっさと離れるべき。
王子と親しくなる機会を失って、新しい婚約相手も頼りにならない。
私は、友人を頼ることにした。彼は貴族じゃないけれど、それなりに力があった。今は、とりあえず彼を頼る。貴族のパーティーを準備するのに雇われる職人の男。
「大変だったのよ、アントマー。フェリクス様のパーティーが大失敗して」
「やっぱり、失敗したのか」
「え? やっぱりって、どういうことよ?」
会って話をすると、そんな事を言いだした彼。今回の仕事から外されていたはず。フェリクス様が怒って、彼との契約を打ち切った。それなのに、何か知っているようだった。どうして。
「警備の情報や会場の内容を漏らしたのは俺だ。情報料を、たんまり貰ったぜ」
「貴方が……」
そんな事を告白したアントマー。今回の事件は、彼が原因だったらしい。仕事から外された腹いせに、情報を漏らしたと語る。私が依頼していた時に渡していた情報。それを、他の誰かに売った。
「しかし、あんな古い情報が役立つなんてな。普通、警備の内容は見直すだろう? それなのに、そのまま使えるなんてな。フェリクスって野郎は馬鹿だぜ。その手間をサボりやがって、失敗するなんて。俺を仕事から外した罰だな。アッハッハ!」
「……」
嬉しそうに語り続けるアントマー。彼と一緒に居ると、私も危ないかもしれない。ここから早く離れたほうが良さそう。悪い流れを感じた、その瞬間。
「我々は王国騎士団だ! 大人しくしろ!」
「なんだと!? くそっ! お前が連れてきたのか!?」
「ち、ちがう! 私じゃないわ!」
突然、王国騎士団がアントマーの拠点に乗り込んできた。どうして私が疑われているの。私は関係ない。早く逃げないと。
「その女も捕縛しろ。逃がすなよ!」
「私は違うわッ! スターム侯爵家の娘で、ハルトマイヤー公爵家の次期当主であるフェリクス様の婚約者よ!」
「なぜ、そんな女がここに?」
「は、離して頂戴!」
「とりあえず、一緒に連れて行け。ちゃんと調べてみないと分からない」
「そ、そんな……」
私も捕まった。頼りになるかと思ったら、最悪の選択だった。名乗ってみても無駄だった。王国騎士団は離してくれない。拘束されて連れて行かれてしまう。
どうして、こんな事になってしまったの。
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