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第21話 一緒に頑張る
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「次のパーティーの準備を、ベリンダ嬢にも手伝ってもらいたい。協力してもらえるかな?」
エンゲイト公爵家の当主様に呼び出されて、そんなお願いをされた。
もちろん、断る理由はない。むしろ、嬉しいぐらいだ。色々とお世話になっているエンゲイト公爵家の当主様に、少しでも恩返しするために。そして、私を引き取ってくれた両親にも報いたいと思っているから。任された仕事を全力でやる。それが今の私がやるべきことだ。
「喜んでお手伝いさせていただきます」
「ありがとう、ベリンダ嬢」
私は笑顔で了承する。エンゲイト公爵家の当主様が感謝の言葉をくれた。そして、私の横に座っているウォルトン様にも声をかける。
「ウォルトンも協力してくるか? 彼女と一緒に、お前も手伝ってくれると心強い」
「もちろん、協力しますよ。父上」
ウォルトン様も私と同じように、快く引き受けた。彼と一緒ならば安心だ。
エンゲイト公爵家のパーティーを準備する。そのお手伝いをする。
そのパーティーの責任者は、エンゲイト公爵家の家臣である男性が担当する予定。私達は、パーティーの内容を確認して色々と助言する、という役目だ。かなり負担の少ないポジションを任されることに。
そのパーティーが失敗しても責任は問わないから、気楽にやってほしいと当主様に言われた。
「何か困ったことがあったら、遠慮なく言ってくれ。それじゃあ、頼んだ」
エンゲイト公爵家の当主様がそう言って、会談が終わった。これは失敗することは出来ない。なんとしても成功させないといけない、というプレッシャーを感じる。
話し合いが終わって部屋から出た後。肩肘張った私の様子を見てウォルトン様は、大丈夫だよと励ましてくれた。
「そんなに身構えなくても大丈夫さ。失敗しても、君だけの責任じゃないんだから。僕も、ベリンダを支えられるように全力で頑張るから、頼りにしてほしい。もちろんエンゲイト公爵家の家臣やスタッフ達も信じてほしい」
「ッ! ありがとうございます。一人で背負い込まないようにして、ウォルトン様や皆様を信じてみようと思います」
私だけの責任じゃない。その一言が、本当に嬉しかった。
今までは色々な責任を一人で背負って、パーティーの準備を指揮してきた。それは大変な作業だ。肉体的にも精神的にも。だけど今回は、とても頼りになる人が身近にいる。彼の言葉で、私は一気に安心することが出来た。
「一緒に頑張ろう、ベリンダ」
「はい、ウォルトン様!」
私を支えてくれる。本当に頼りになる人だと、改めて感じた瞬間だった。そして、彼と一緒ならパーティーも無事に成功させることが出来るだろうと予感した。
とにかく、頑張ってみよう。皆に楽しんでもらえるような素晴らしいパーティーを開けるように。
エンゲイト公爵家の当主様に呼び出されて、そんなお願いをされた。
もちろん、断る理由はない。むしろ、嬉しいぐらいだ。色々とお世話になっているエンゲイト公爵家の当主様に、少しでも恩返しするために。そして、私を引き取ってくれた両親にも報いたいと思っているから。任された仕事を全力でやる。それが今の私がやるべきことだ。
「喜んでお手伝いさせていただきます」
「ありがとう、ベリンダ嬢」
私は笑顔で了承する。エンゲイト公爵家の当主様が感謝の言葉をくれた。そして、私の横に座っているウォルトン様にも声をかける。
「ウォルトンも協力してくるか? 彼女と一緒に、お前も手伝ってくれると心強い」
「もちろん、協力しますよ。父上」
ウォルトン様も私と同じように、快く引き受けた。彼と一緒ならば安心だ。
エンゲイト公爵家のパーティーを準備する。そのお手伝いをする。
そのパーティーの責任者は、エンゲイト公爵家の家臣である男性が担当する予定。私達は、パーティーの内容を確認して色々と助言する、という役目だ。かなり負担の少ないポジションを任されることに。
そのパーティーが失敗しても責任は問わないから、気楽にやってほしいと当主様に言われた。
「何か困ったことがあったら、遠慮なく言ってくれ。それじゃあ、頼んだ」
エンゲイト公爵家の当主様がそう言って、会談が終わった。これは失敗することは出来ない。なんとしても成功させないといけない、というプレッシャーを感じる。
話し合いが終わって部屋から出た後。肩肘張った私の様子を見てウォルトン様は、大丈夫だよと励ましてくれた。
「そんなに身構えなくても大丈夫さ。失敗しても、君だけの責任じゃないんだから。僕も、ベリンダを支えられるように全力で頑張るから、頼りにしてほしい。もちろんエンゲイト公爵家の家臣やスタッフ達も信じてほしい」
「ッ! ありがとうございます。一人で背負い込まないようにして、ウォルトン様や皆様を信じてみようと思います」
私だけの責任じゃない。その一言が、本当に嬉しかった。
今までは色々な責任を一人で背負って、パーティーの準備を指揮してきた。それは大変な作業だ。肉体的にも精神的にも。だけど今回は、とても頼りになる人が身近にいる。彼の言葉で、私は一気に安心することが出来た。
「一緒に頑張ろう、ベリンダ」
「はい、ウォルトン様!」
私を支えてくれる。本当に頼りになる人だと、改めて感じた瞬間だった。そして、彼と一緒ならパーティーも無事に成功させることが出来るだろうと予感した。
とにかく、頑張ってみよう。皆に楽しんでもらえるような素晴らしいパーティーを開けるように。
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