12 / 40
第12話 出迎え
しおりを挟む スタッフを連れて戻った時、愛する人がいなくなった。世界が終わったかと思うほどの喪失感が俺を襲う。
どこのどいつが、俺の妻を……!
彼女が勝手に何処かに行くわけがない。誰かが俺の愛する人を連れ去ったに違いないと思い、瞬時に普段あまり使わない魔力を開放して、リフレーシュの気配を手繰った。すると、人混みからかなり離れた暗い繁みに、彼女が着ていた服が乱雑に落ちているのを見つける。
「リフレーシュ……!」
スタッフも、俺の婚約者が行方不明という事態に騒然とし、彼女の捜索を開始するが、いかんせん雑多な人混みの中だ。
即時に出入り口には、怪しい人物が出入りしないように警備が配置され、恐らくは獣の姿になっているリフレーシュを見かけたら、すぐに連絡が入るようにしてくれた。とりあえず、誘拐されてどこかに連れていかれるような事態にはならないだろう。だが、園内で酷い目にあっていないだろうか。
きっと、ひとり寂しく泣いているに違いない。
つい先ほど、二度と彼女を泣かすものかと誓ったばかりだというのに、なんという体たらく。安全な場所だし、足が痛そうだからといって、彼女をひとりになどするんじゃなかった。
必死にあちこちを探していると、待ち合わせ場所から随分離れた観覧スペースで彼女が俺を呼ぶ声が聞こえて来た。耳を塞ぎたくなるほどの人の雑多な声と、パレードが始まる前のファンファーレの中、俺だけに聞こえる誰よりも大切な人の音色。
その音だけを頼りに、俺は走る事が困難な人混みを避けるために跳躍した。人と人のつくる僅かなスペースに着地して、何度かジャンプすると、女性スタッフの腕の中で「ぴぇ~!」と俺の名を繰り返す愛しい人の姿が見えた。
そっと彼女をスタッフから返してもらう。
汗をかき、息を荒げた俺の中で、初めて抱きしめた時以来の姿で縋り付いて来るリフレーシュの高い体温を感じ、ようやく俺の心臓が再び動き出したかのように感じた。
俺の名と、待ち合わせの場所から離れてごめんなさいと謝り続ける彼女の涙と鳴き声は、俺の胸をぎゅうっと締め付ける。
徐々に落ち着きを取り戻した俺たちを、スタッフが地下通路を使い、予定してた観覧のバルコニーに案内してくれた。
ウォンバット姿のリフレーシュもとっても愛らしい。俺に全身全霊で縋って甘えてくるとか、可愛い以外の何者でもないだろう。
撫でて撫でてって強請られたら、断るなどという選択肢は俺にはない。望むところだ。
パレードそっちのけで、彼女のもふっとした毛皮に指を入れて撫でる。毛の流れに沿って、外敵を粉砕できるという厚い皮に覆われたおしりやしっぽまで。おしりに触れた時、恥ずかしがって身もだえた彼女はとても愛らしい。
流石に、足の間の女の子の部分はやめておいたが、背中を毛の流れに逆らって、スーっと撫でると、くすぐったいのか、ぶわっと毛が逆立って震えたりする彼女の反応が、いちいち可愛くてたまらない。
「ぴぃ、ぴ……」
「ああ、俺もずっと撫でていたい。いいか?」
「ちゃちゃ」
彼女が言うには、ずっと撫でて貰いたかったらしい。メモリ殿下は、ウォンバットの生態にあまり詳しくないから、撫でまわされすぎると、本気でリフレーシュが俺を嫌がって嫌われると思っていたようだ。
まあ、リフレーシュの場合、撫で撫でして欲しい気持が、他のウォンバットよりも強いみたいだから、思う存分、これからは撫でまわせると思うと滅茶苦茶嬉しい。
だが……
愛する彼女に触れ、体中を触る事が出来ている。うん、確かに望んでいた。望んでいたが……
ちょっと、コレジャナイ感がする。
俺と彼女は婚約者同士で。今日こそ、彼女に触れたかった。彼女の全てを知り、思う存分イチャイチャしたかった。
イチャイチャ……は、出来ている。うん。甘えてくれて、俺も撫でて。ふたりの気持ちは最高潮に盛り上がり、甘いムードが漂っている。
だが、やっぱりコレジャナイ。
悶々とした釈然としない何かの正体は分かり切っている。この状態は、もふもふを堪能して幸せなだけだ。十分幸せなのだが、俺としては、もっとこう……
だが、安心しきって俺に体全体を預けている、愛しい彼女に、どう伝えたらいいのかわからない。
「ぷぅ?」
どうしたの? と、俺の様子が少しおかしいのを察した彼女が、顔をあげてピュアでつぶらな、清純そのものの瞳を向けて来る。
うっ……
俺の心にある、邪な下心が、100%濃縮ピュア成分に押しやられて怯む。
「いや……その……。リフレーシュ、あの、だなー……」
穢れが、清浄を通り越した涅槃寂静すらない、無の彼女に、俺と一夜を共にして欲しいなどと言えるだろうか?
女の子の相手に慣れている殿下とかなら、自然と誘って本願を果たしているだろうが。いかんせん、俺は未経験だし、女の子の扱いなんてこれっぽっちも知らない。どうやって誘えばいいんだ?
「……?」
もぞりと動いた彼女が、心配そうに俺の悩んでいる顔を覗き込んでペロっと舐めてくれた。厚いおしりが、体を起こしたために、俺の中心に当たったため、むくりと俺の欲望が鎌首を持ち上げてきて焦る。
「ああ、なんでもないというか……その。リフレーシュ」
言うんだ。散々、彼女を離接するホテルに誘って、めくるめく愛の一夜を過ごすためのセリフを練習してきたじゃないか。
困り果てた俺は、さりげなく誘う言葉を出せるはずもなく、別に準備していた下心を感じない言葉を彼女に贈る事にした。
「誕生日、おめでとう。本当は、観覧車でお祝いしてプレゼントを渡すつもりだったんだ」
今日は、彼女が成人になる記念日。一生に一度きりのその日に、一緒に過ごしたいとずっと思っていた。
「ち……!」
彼女が驚いて、体全体を感激で震えさせて俺に抱き着いて来る。ぎゅっと抱きしめて、今言うしかないと決心した。
「リフレーシュ……今日は、離れたくない。君の、18になった今日、俺と一緒にずっと過ごしてくれないか?」
俺は、ポケットに忍ばせた指輪を彼女に見せた。獣化状態なので、指にはめる事は出来ないが、セットのネックレスに通して首にかける。
「……」
少し黙った彼女は、その真意を理解したのか、俺をじーっと見つめて、そして、俺といたいと言ってくれたのであった。
レイトー殿下とメモリ殿下が、今回のお詫びに、隣接するホテルのスイートルームを抑えてくれている。俺は、彼女の返事を聞くや否や、まだパレードが終わっていないにも拘らず、彼女を抱えてテーマパークを後にした。
正直、頭が沸騰しそうなほど嬉しい。やっと、女の子と、しかも、最愛の人とあんな事や、こんな事が出来るんだ。興味なさげに振舞っていたが、俺も男だから、ずっと興味はあったしシたいとは思っていた。
だが、やっと。苦節18年と少し。ようやく、俺も経験する事になるんだ。
彼女も勿論初めてだろう。怖がらせないように、彼女にとっても一生に一度の、最高の思い出にしたい。
魔力認証で簡単に開く扉。自動で閉まるその時間すら惜しい。
「リフレーシュ……人化してくれないか? 君と愛し合いたい」
早速キスをしようとしたが、ウォンバット姿の彼女と、人化状態の俺ではサマにならない。ラッコの姿になったとしても、少々やりづらい事もあり、彼女に頼んだ。
俺の腕の中で、逡巡した彼女が、ぷるりと震えて姿形を変えて人化してくれた。
「フレイム、さま……」
「リフレーシュ、愛している」
頬を真っ赤にした彼女が、瞳を潤ませて俺を見つめて来る。人化した全裸の彼女は、もじもじして恥ずかしそうだ。もう、たまらん。
「あまり、見ないでください……」
「……」
俺としては、全てを隅から隅まで見たいに決まっている。だが、今日は俺たちの初夜だ。彼女の願いを叶えるべく、室内を照らすライトを魔法で消した。
「フレイムさま……あっ……」
俺は、暗がりの中でも見える彼女の白くてきめ細やかな柔肌を抱きしめながら、ふんわりした唇にキスを落し、そっとその柔らかなふくらみに右手を当てたのだった。
清浄(せいじょう):10の-21乗
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう):10の-24乗
どこのどいつが、俺の妻を……!
彼女が勝手に何処かに行くわけがない。誰かが俺の愛する人を連れ去ったに違いないと思い、瞬時に普段あまり使わない魔力を開放して、リフレーシュの気配を手繰った。すると、人混みからかなり離れた暗い繁みに、彼女が着ていた服が乱雑に落ちているのを見つける。
「リフレーシュ……!」
スタッフも、俺の婚約者が行方不明という事態に騒然とし、彼女の捜索を開始するが、いかんせん雑多な人混みの中だ。
即時に出入り口には、怪しい人物が出入りしないように警備が配置され、恐らくは獣の姿になっているリフレーシュを見かけたら、すぐに連絡が入るようにしてくれた。とりあえず、誘拐されてどこかに連れていかれるような事態にはならないだろう。だが、園内で酷い目にあっていないだろうか。
きっと、ひとり寂しく泣いているに違いない。
つい先ほど、二度と彼女を泣かすものかと誓ったばかりだというのに、なんという体たらく。安全な場所だし、足が痛そうだからといって、彼女をひとりになどするんじゃなかった。
必死にあちこちを探していると、待ち合わせ場所から随分離れた観覧スペースで彼女が俺を呼ぶ声が聞こえて来た。耳を塞ぎたくなるほどの人の雑多な声と、パレードが始まる前のファンファーレの中、俺だけに聞こえる誰よりも大切な人の音色。
その音だけを頼りに、俺は走る事が困難な人混みを避けるために跳躍した。人と人のつくる僅かなスペースに着地して、何度かジャンプすると、女性スタッフの腕の中で「ぴぇ~!」と俺の名を繰り返す愛しい人の姿が見えた。
そっと彼女をスタッフから返してもらう。
汗をかき、息を荒げた俺の中で、初めて抱きしめた時以来の姿で縋り付いて来るリフレーシュの高い体温を感じ、ようやく俺の心臓が再び動き出したかのように感じた。
俺の名と、待ち合わせの場所から離れてごめんなさいと謝り続ける彼女の涙と鳴き声は、俺の胸をぎゅうっと締め付ける。
徐々に落ち着きを取り戻した俺たちを、スタッフが地下通路を使い、予定してた観覧のバルコニーに案内してくれた。
ウォンバット姿のリフレーシュもとっても愛らしい。俺に全身全霊で縋って甘えてくるとか、可愛い以外の何者でもないだろう。
撫でて撫でてって強請られたら、断るなどという選択肢は俺にはない。望むところだ。
パレードそっちのけで、彼女のもふっとした毛皮に指を入れて撫でる。毛の流れに沿って、外敵を粉砕できるという厚い皮に覆われたおしりやしっぽまで。おしりに触れた時、恥ずかしがって身もだえた彼女はとても愛らしい。
流石に、足の間の女の子の部分はやめておいたが、背中を毛の流れに逆らって、スーっと撫でると、くすぐったいのか、ぶわっと毛が逆立って震えたりする彼女の反応が、いちいち可愛くてたまらない。
「ぴぃ、ぴ……」
「ああ、俺もずっと撫でていたい。いいか?」
「ちゃちゃ」
彼女が言うには、ずっと撫でて貰いたかったらしい。メモリ殿下は、ウォンバットの生態にあまり詳しくないから、撫でまわされすぎると、本気でリフレーシュが俺を嫌がって嫌われると思っていたようだ。
まあ、リフレーシュの場合、撫で撫でして欲しい気持が、他のウォンバットよりも強いみたいだから、思う存分、これからは撫でまわせると思うと滅茶苦茶嬉しい。
だが……
愛する彼女に触れ、体中を触る事が出来ている。うん、確かに望んでいた。望んでいたが……
ちょっと、コレジャナイ感がする。
俺と彼女は婚約者同士で。今日こそ、彼女に触れたかった。彼女の全てを知り、思う存分イチャイチャしたかった。
イチャイチャ……は、出来ている。うん。甘えてくれて、俺も撫でて。ふたりの気持ちは最高潮に盛り上がり、甘いムードが漂っている。
だが、やっぱりコレジャナイ。
悶々とした釈然としない何かの正体は分かり切っている。この状態は、もふもふを堪能して幸せなだけだ。十分幸せなのだが、俺としては、もっとこう……
だが、安心しきって俺に体全体を預けている、愛しい彼女に、どう伝えたらいいのかわからない。
「ぷぅ?」
どうしたの? と、俺の様子が少しおかしいのを察した彼女が、顔をあげてピュアでつぶらな、清純そのものの瞳を向けて来る。
うっ……
俺の心にある、邪な下心が、100%濃縮ピュア成分に押しやられて怯む。
「いや……その……。リフレーシュ、あの、だなー……」
穢れが、清浄を通り越した涅槃寂静すらない、無の彼女に、俺と一夜を共にして欲しいなどと言えるだろうか?
女の子の相手に慣れている殿下とかなら、自然と誘って本願を果たしているだろうが。いかんせん、俺は未経験だし、女の子の扱いなんてこれっぽっちも知らない。どうやって誘えばいいんだ?
「……?」
もぞりと動いた彼女が、心配そうに俺の悩んでいる顔を覗き込んでペロっと舐めてくれた。厚いおしりが、体を起こしたために、俺の中心に当たったため、むくりと俺の欲望が鎌首を持ち上げてきて焦る。
「ああ、なんでもないというか……その。リフレーシュ」
言うんだ。散々、彼女を離接するホテルに誘って、めくるめく愛の一夜を過ごすためのセリフを練習してきたじゃないか。
困り果てた俺は、さりげなく誘う言葉を出せるはずもなく、別に準備していた下心を感じない言葉を彼女に贈る事にした。
「誕生日、おめでとう。本当は、観覧車でお祝いしてプレゼントを渡すつもりだったんだ」
今日は、彼女が成人になる記念日。一生に一度きりのその日に、一緒に過ごしたいとずっと思っていた。
「ち……!」
彼女が驚いて、体全体を感激で震えさせて俺に抱き着いて来る。ぎゅっと抱きしめて、今言うしかないと決心した。
「リフレーシュ……今日は、離れたくない。君の、18になった今日、俺と一緒にずっと過ごしてくれないか?」
俺は、ポケットに忍ばせた指輪を彼女に見せた。獣化状態なので、指にはめる事は出来ないが、セットのネックレスに通して首にかける。
「……」
少し黙った彼女は、その真意を理解したのか、俺をじーっと見つめて、そして、俺といたいと言ってくれたのであった。
レイトー殿下とメモリ殿下が、今回のお詫びに、隣接するホテルのスイートルームを抑えてくれている。俺は、彼女の返事を聞くや否や、まだパレードが終わっていないにも拘らず、彼女を抱えてテーマパークを後にした。
正直、頭が沸騰しそうなほど嬉しい。やっと、女の子と、しかも、最愛の人とあんな事や、こんな事が出来るんだ。興味なさげに振舞っていたが、俺も男だから、ずっと興味はあったしシたいとは思っていた。
だが、やっと。苦節18年と少し。ようやく、俺も経験する事になるんだ。
彼女も勿論初めてだろう。怖がらせないように、彼女にとっても一生に一度の、最高の思い出にしたい。
魔力認証で簡単に開く扉。自動で閉まるその時間すら惜しい。
「リフレーシュ……人化してくれないか? 君と愛し合いたい」
早速キスをしようとしたが、ウォンバット姿の彼女と、人化状態の俺ではサマにならない。ラッコの姿になったとしても、少々やりづらい事もあり、彼女に頼んだ。
俺の腕の中で、逡巡した彼女が、ぷるりと震えて姿形を変えて人化してくれた。
「フレイム、さま……」
「リフレーシュ、愛している」
頬を真っ赤にした彼女が、瞳を潤ませて俺を見つめて来る。人化した全裸の彼女は、もじもじして恥ずかしそうだ。もう、たまらん。
「あまり、見ないでください……」
「……」
俺としては、全てを隅から隅まで見たいに決まっている。だが、今日は俺たちの初夜だ。彼女の願いを叶えるべく、室内を照らすライトを魔法で消した。
「フレイムさま……あっ……」
俺は、暗がりの中でも見える彼女の白くてきめ細やかな柔肌を抱きしめながら、ふんわりした唇にキスを落し、そっとその柔らかなふくらみに右手を当てたのだった。
清浄(せいじょう):10の-21乗
涅槃寂静(ねはんじゃくじょう):10の-24乗
82
お気に入りに追加
3,192
あなたにおすすめの小説

私を売女と呼んだあなたの元に戻るはずありませんよね?
ミィタソ
恋愛
アインナーズ伯爵家のレイナは、幼い頃からリリアナ・バイスター伯爵令嬢に陰湿ないじめを受けていた。
レイナには、親同士が決めた婚約者――アインス・ガルタード侯爵家がいる。
アインスは、その艶やかな黒髪と怪しい色気を放つ紫色の瞳から、令嬢の間では惑わしのアインス様と呼ばれるほど人気があった。
ある日、パーティに参加したレイナが一人になると、子爵家や男爵家の令嬢を引き連れたリリアナが現れ、レイナを貶めるような酷い言葉をいくつも投げかける。
そして、事故に見せかけるようにドレスの裾を踏みつけられたレイナは、転んでしまう。
上まで避けたスカートからは、美しい肌が見える。
「売女め、婚約は破棄させてもらう!」

【完結】婚約破棄されたから静かに過ごしたかったけど無理でした
かんな
恋愛
カトリーヌ・エルノーはレオナルド・オルコットと婚約者だ。
二人の間には愛などなく、婚約者なのに挨拶もなく、冷え切った生活を送る日々。そんなある日、殿下に婚約破棄を言い渡され――?

婚約を解消してくれないと、毒を飲んで死ぬ? どうぞご自由に
柚木ゆず
恋愛
※7月25日、本編完結いたしました。後日、補完編と番外編の投稿を予定しております。
伯爵令嬢ソフィアの幼馴染である、ソフィアの婚約者イーサンと伯爵令嬢アヴリーヌ。二人はソフィアに内緒で恋仲となっており、最愛の人と結婚できるように今の関係を解消したいと考えていました。
ですがこの婚約は少々特殊な意味を持つものとなっており、解消するにはソフィアの協力が必要不可欠。ソフィアが関係の解消を快諾し、幼馴染三人で両家の当主に訴えなければ実現できないものでした。
そしてそんなソフィアは『家の都合』を優先するため、素直に力を貸してくれはしないと考えていました。
そこで二人は毒を用意し、一緒になれないなら飲んで死ぬとソフィアに宣言。大切な幼馴染が死ぬのは嫌だから、必ず言うことを聞く――。と二人はほくそ笑んでいましたが、そんなイーサンとアヴリーヌに返ってきたのは予想外の言葉でした。
「そう。どうぞご自由に」

そちらがその気なら、こちらもそれなりに。
直野 紀伊路
恋愛
公爵令嬢アレクシアの婚約者・第一王子のヘイリーは、ある日、「子爵令嬢との真実の愛を見つけた!」としてアレクシアに婚約破棄を突き付ける。
それだけならまだ良かったのだが、よりにもよって二人はアレクシアに冤罪をふっかけてきた。
真摯に謝罪するなら潔く身を引こうと思っていたアレクシアだったが、「自分達の愛の為に人を貶めることを厭わないような人達に、遠慮することはないよね♪」と二人を返り討ちにすることにした。
※小説家になろう様で掲載していたお話のリメイクになります。
リメイクですが土台だけ残したフルリメイクなので、もはや別のお話になっております。
※カクヨム様、エブリスタ様でも掲載中。
…ºo。✵…𖧷''☛Thank you ☚″𖧷…✵。oº…
☻2021.04.23 183,747pt/24h☻
★HOTランキング2位
★人気ランキング7位
たくさんの方にお読みいただけてほんと嬉しいです(*^^*)
ありがとうございます!

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?
ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。
一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?

捨てた私をもう一度拾うおつもりですか?
ミィタソ
恋愛
「みんな聞いてくれ! 今日をもって、エルザ・ローグアシュタルとの婚約を破棄する! そして、その妹——アイリス・ローグアシュタルと正式に婚約することを決めた! 今日という祝いの日に、みんなに伝えることができ、嬉しく思う……」
ローグアシュタル公爵家の長女――エルザは、マクーン・ザルカンド王子の誕生日記念パーティーで婚約破棄を言い渡される。
それどころか、王子の横には舌を出して笑うエルザの妹――アイリスの姿が。
傷心を癒すため、父親の勧めで隣国へ行くのだが……

婚約は破棄なんですよね?
もるだ
恋愛
義理の妹ティナはナターシャの婚約者にいじめられていたと嘘をつき、信じた婚約者に婚約破棄を言い渡される。昔からナターシャをいじめて物を奪っていたのはティナなのに、得意の演技でナターシャを悪者に仕立て上げてきた。我慢の限界を迎えたナターシャは、ティナにされたように濡れ衣を着せかえす!

妹の婚約者自慢がウザいので、私の婚約者を紹介したいと思います~妹はただ私から大切な人を奪っただけ~
マルローネ
恋愛
侯爵令嬢のアメリア・リンバークは妹のカリファに婚約者のラニッツ・ポドールイ公爵を奪われた。
だが、アメリアはその後に第一王子殿下のゼラスト・ファーブセンと婚約することになる。
しかし、その事実を知らなかったカリファはアメリアに対して、ラニッツを自慢するようになり──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる