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第48話 報告と反応
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子作り政策の活動内容や役割についてPRする宣伝大使というものに任命されるかもしれない。そのことを皆に報告してみる。その反応を見て、引き受けるかどうかを判断しようと思ったから。
まず最初は有加里さんに報告してみた。こうなったキッカケは、彼女の配信に出演したから。なので、詳しい事情について彼女にも伝えておくべきだと思ったので。
スマホに登録してある連絡先に通話をかけると、彼女はすぐ出てくれた。そして、事情を説明したら……。
「そんな事になっていたなんて。本当に、ごめんなさい!」
通話越しに何度も頭を下げて謝っている彼女の姿が目に浮かんだ。別に謝る必要はないのに。ただ単に、僕が面白そうだと思ってやったことだから。
「いえいえ全然、大丈夫ですよ! だから謝らないでください、有加里さん。僕は、有加里さんの配信に出演したこと後悔していませんから」
「本当に?」
とても不安そうな有加里さんの声。後悔していないことは、本当だった。これで、また面白そうなことが舞い込んできたのだから。それに、色々と出来ることも増えるだろう。
「メディアで顔を出すことになりそうなので、前よりも自由に有加里さんの配信に出演することが出来ると思います。顔を出して、カメラの前に立てると思いますよ」
「そうなったら嬉しい。一緒に配信のカメラに映りたい。それでおしゃべりしたい。視聴者も喜ぶと思う」
「ぜひ、やりましょう!」
ということで、改めて配信に出演する約束を交わした。
次に、宣伝大使のことについて伝えたのは母さん。仕事から帰ってきて疲れている様子の彼女に、いきなりこんな話をしたら迷惑かなとも思った。けれども、話さないわけにはいかない。ちゃんと知らせておかないと、いけないだろう。
僕が宣伝大使を引き受けることによって、家族である母親に大きな影響があるかもしれないから。
夕食を終えてから、リビングでゆっくりしている時を見計らって話しかけてみた。
「なるほど。それなら、直人のやりたいようにやりなさい」
「いいの? もしかしたら、迷惑をかけてしまうかもしれないけど」
「私のことは気にしなくていいわよ。それよりも、自分がやりたいことを思いっきりやってきなさい」
「ありがとう。やってみるよ」
母さんの後押しを受けて、決心がついた。宣伝大使を引き受けてみよう。この話に乗ってみようじゃないか。
「あ、でも一つだけ」
「なに、母さん?」
何か言い忘れていたことがあったのかと思い、僕は耳を傾けた。
「健太郎《けんたろう》さんにも関係ありそうだから、一応伝えておいたほうがいいかも」
「あ、そっか」
健太郎というのは、僕の父親の名前だった。家族に影響があるかもしれないから、きちんと話しておかないといけないか。
だけど、父親は僕たちの暮らしている家から離れた場所で、一人で生活している。時間をかけて、会いに行かないといけない。電話だと、出るのが面倒だという理由で繋がらない可能性が高いから。
「わかった。父さんにも話に行ってみるよ」
「私も、一緒に行ったほうがいい?」
「大丈夫。とりあえず、僕一人で話に行ってみる」
「そう。じゃあ、頑張ってきて」
一人で会いに行くと伝えると、母さんはホッとしていた。
父さんに会うのは緊張するらしい。夫婦なのに変だと思うけれど、一緒に暮らしていないから仕方がないのかもしれない。向こうも、母さんが会いに行くと面倒そうな顔を隠さないから。
他の家庭も、別居している夫婦がほとんどだそう。
それが、この世界では一般的な夫婦の関係でもあるらしい。やっぱり僕は、変だと思ってしまうけど。僕だったら、一緒に暮らして楽しく過ごしたい。
そんなわけで、翌日さっそく行動に移すことにした。父さんが暮らしている家に、一人で行ってみることに。
まず最初は有加里さんに報告してみた。こうなったキッカケは、彼女の配信に出演したから。なので、詳しい事情について彼女にも伝えておくべきだと思ったので。
スマホに登録してある連絡先に通話をかけると、彼女はすぐ出てくれた。そして、事情を説明したら……。
「そんな事になっていたなんて。本当に、ごめんなさい!」
通話越しに何度も頭を下げて謝っている彼女の姿が目に浮かんだ。別に謝る必要はないのに。ただ単に、僕が面白そうだと思ってやったことだから。
「いえいえ全然、大丈夫ですよ! だから謝らないでください、有加里さん。僕は、有加里さんの配信に出演したこと後悔していませんから」
「本当に?」
とても不安そうな有加里さんの声。後悔していないことは、本当だった。これで、また面白そうなことが舞い込んできたのだから。それに、色々と出来ることも増えるだろう。
「メディアで顔を出すことになりそうなので、前よりも自由に有加里さんの配信に出演することが出来ると思います。顔を出して、カメラの前に立てると思いますよ」
「そうなったら嬉しい。一緒に配信のカメラに映りたい。それでおしゃべりしたい。視聴者も喜ぶと思う」
「ぜひ、やりましょう!」
ということで、改めて配信に出演する約束を交わした。
次に、宣伝大使のことについて伝えたのは母さん。仕事から帰ってきて疲れている様子の彼女に、いきなりこんな話をしたら迷惑かなとも思った。けれども、話さないわけにはいかない。ちゃんと知らせておかないと、いけないだろう。
僕が宣伝大使を引き受けることによって、家族である母親に大きな影響があるかもしれないから。
夕食を終えてから、リビングでゆっくりしている時を見計らって話しかけてみた。
「なるほど。それなら、直人のやりたいようにやりなさい」
「いいの? もしかしたら、迷惑をかけてしまうかもしれないけど」
「私のことは気にしなくていいわよ。それよりも、自分がやりたいことを思いっきりやってきなさい」
「ありがとう。やってみるよ」
母さんの後押しを受けて、決心がついた。宣伝大使を引き受けてみよう。この話に乗ってみようじゃないか。
「あ、でも一つだけ」
「なに、母さん?」
何か言い忘れていたことがあったのかと思い、僕は耳を傾けた。
「健太郎《けんたろう》さんにも関係ありそうだから、一応伝えておいたほうがいいかも」
「あ、そっか」
健太郎というのは、僕の父親の名前だった。家族に影響があるかもしれないから、きちんと話しておかないといけないか。
だけど、父親は僕たちの暮らしている家から離れた場所で、一人で生活している。時間をかけて、会いに行かないといけない。電話だと、出るのが面倒だという理由で繋がらない可能性が高いから。
「わかった。父さんにも話に行ってみるよ」
「私も、一緒に行ったほうがいい?」
「大丈夫。とりあえず、僕一人で話に行ってみる」
「そう。じゃあ、頑張ってきて」
一人で会いに行くと伝えると、母さんはホッとしていた。
父さんに会うのは緊張するらしい。夫婦なのに変だと思うけれど、一緒に暮らしていないから仕方がないのかもしれない。向こうも、母さんが会いに行くと面倒そうな顔を隠さないから。
他の家庭も、別居している夫婦がほとんどだそう。
それが、この世界では一般的な夫婦の関係でもあるらしい。やっぱり僕は、変だと思ってしまうけど。僕だったら、一緒に暮らして楽しく過ごしたい。
そんなわけで、翌日さっそく行動に移すことにした。父さんが暮らしている家に、一人で行ってみることに。
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