36 / 60
第36話 デート報告配信3 ※天川有加里視点
しおりを挟む
「映画の選択は失敗したけど、挽回する方法はあるよ」
私は、自分が実践したことを視聴者に語る。
チャット欄▼
:ほんと?
:どうやったの
:取り戻せたのか
:教えて
:気になる
「それはね。映画を見終わった後に感想を言い合って、自分が面白かったと思った部分を本気で語り合うんだよ」
チャット欄▼
:えー?
:話聞いてくれるんか?
:そんな方法で
:私の話なんて聞いてくれないよ
:まあ、試してみる価値はあるんじゃない?
:そもそも映画を一緒に見に行ってくれる男が居ない
「どうして世間で話題になっている作品なのかをじっくりと語ってみたら、彼も納得してくれたよ。だから、話し合うことは大事だね」
チャット欄▼
:話を聞いて納得してくれたのか。心が広い男だ
:聞き分けがいい
:羨ましい
:ミルキーちゃんが今までの配信で鍛えてきたトーク力があるからこそ
:私には無理?
:彼が心の底から納得したのか、本当のところは分からないけどね
:面倒だから、ただ単に話を合わせただけとか?
他の男性と比べて、直人くんが特別に優しいという可能性は高い。だから私の話を聞いて、映画に対する評価を適当に合わせてくれたのかもしれない。
だけど、私が彼と話した時の表情に嘘はなかった。本当に楽しく、映画について語り合った。
彼以外だと、それほど真剣に話を聞いてくれないかもしれない。それは、私には分からない。あれこれ考えると、色々と悩んでしまいそうだ。だから私は、実際にあった出来事を皆に話すだけ。
この情報を、上手く活用してほしい。そして、幸せな体験を皆にも。
「映画について彼と語り合った後、その日は帰ることになった」
チャット欄▼
:もう帰るのか
:映画を見てお茶するだけじゃ物足りなさそう
:ホテルに連れていけば
:ワンチャン
面倒なメッセージは無視して、私は話を続ける。もしかしたら、今も彼が配信を見ているかもしれない。反応してしまう様子は、彼に見られたくないから。
「もちろん、帰りも電車で」
チャット欄▼
:また電車か
:やっぱり車は必要そう
:一緒に帰るのか
:ちゃんと送り届けないと
「帰りの道は、かなり緊張もほぐれて楽しく会話することが出来た。内容はプライベートな事なので、詳しくは言えないけど」
この時に彼と色々お話した。趣味の話とか、他にも色々。もしかしたら、誰なのか特定できてしまうような個人情報をポロッと口に出してしまいそうなので、詳しい内容については皆には教えない。気をつけないと。
チャット欄▼
:配信で言えないようなことを……!?
:いや、だから羨ましすぎるよ
:私も一緒に帰りたい!
:いいなぁ
:プライバシーの保護はバッチリ
「それで、彼との別れ際なんだけれど……」
チャット欄▼
:もう終わりか
:あっという間だね
:どうした?
:まだ何かある?
「私にとって、その日一番の衝撃があって……」
チャット欄▼
:別れ際に?
:いや、まさか
:アレか?
:動画のアレを実践したの!?
:まさかまさか
:駄目だぞ
「そうそう。キスしてもらった。お別れのキスを」
チャット欄▼
:うわぁぁぁ!
:マジか
:羨ましくて死にそう
:キス”してもらった”!?
:してもらった?
:え、向こうから?
:なにそれ
:は?
:は?
:動画で見たアレか
:現実に存在しているなんて
「彼も動画を見ていてくれて、知っていた。それで、別れ際にチュッと」
話している間に思い出して、どんどん顔が熱くなる。男の人と、生まれて初めてのキス。とても優しく、唇に触れるだけのソフトなキス。けれども、それだけでとんでもない衝撃があった。
チャット欄▼
:顔が真っ赤
:思い出してるのか
:唇に手を当てるな
:私もされたい
:いいなー
「慣れた様子で、彼は去っていった。カッコよかったなぁ」
チャット欄▼
:想像したらヤバいな
:私だったら、そのまま押し倒して襲ってる
:それは良い雰囲気
:ああ~っ
「これが実際にあった男性とのデート内容。妄想とは、やっぱり違うよね」
チャット欄▼
:リアルだった
:こんな経験をした女が居るんだね
:凄すぎ
:純粋に羨ましい
:私も本物のデートしたい
:なんか感動してきた
:ミルキーちゃんの恋愛事情が知れて嬉しい
「聞いてくれてありがとう! また、彼とのデートした時には報告配信するつもり。待っててね」
チャット欄▼
:お話を聞けてよかった
:次があるなんて
:やっぱり羨ましい
:次も早く聞きたい
彼から、またデートしましょう、と言われていた。だから今度こそは失敗しないように頑張ろうと思う。それを、配信で話せたら良いな。
視聴者の数を確認してみると、5千人を超えていた。これほど多くの人に見られていたのか。当然、過去最高の視聴者数を更新していた。
皆が、彼に興味津々ということだろう。
私は、自分が実践したことを視聴者に語る。
チャット欄▼
:ほんと?
:どうやったの
:取り戻せたのか
:教えて
:気になる
「それはね。映画を見終わった後に感想を言い合って、自分が面白かったと思った部分を本気で語り合うんだよ」
チャット欄▼
:えー?
:話聞いてくれるんか?
:そんな方法で
:私の話なんて聞いてくれないよ
:まあ、試してみる価値はあるんじゃない?
:そもそも映画を一緒に見に行ってくれる男が居ない
「どうして世間で話題になっている作品なのかをじっくりと語ってみたら、彼も納得してくれたよ。だから、話し合うことは大事だね」
チャット欄▼
:話を聞いて納得してくれたのか。心が広い男だ
:聞き分けがいい
:羨ましい
:ミルキーちゃんが今までの配信で鍛えてきたトーク力があるからこそ
:私には無理?
:彼が心の底から納得したのか、本当のところは分からないけどね
:面倒だから、ただ単に話を合わせただけとか?
他の男性と比べて、直人くんが特別に優しいという可能性は高い。だから私の話を聞いて、映画に対する評価を適当に合わせてくれたのかもしれない。
だけど、私が彼と話した時の表情に嘘はなかった。本当に楽しく、映画について語り合った。
彼以外だと、それほど真剣に話を聞いてくれないかもしれない。それは、私には分からない。あれこれ考えると、色々と悩んでしまいそうだ。だから私は、実際にあった出来事を皆に話すだけ。
この情報を、上手く活用してほしい。そして、幸せな体験を皆にも。
「映画について彼と語り合った後、その日は帰ることになった」
チャット欄▼
:もう帰るのか
:映画を見てお茶するだけじゃ物足りなさそう
:ホテルに連れていけば
:ワンチャン
面倒なメッセージは無視して、私は話を続ける。もしかしたら、今も彼が配信を見ているかもしれない。反応してしまう様子は、彼に見られたくないから。
「もちろん、帰りも電車で」
チャット欄▼
:また電車か
:やっぱり車は必要そう
:一緒に帰るのか
:ちゃんと送り届けないと
「帰りの道は、かなり緊張もほぐれて楽しく会話することが出来た。内容はプライベートな事なので、詳しくは言えないけど」
この時に彼と色々お話した。趣味の話とか、他にも色々。もしかしたら、誰なのか特定できてしまうような個人情報をポロッと口に出してしまいそうなので、詳しい内容については皆には教えない。気をつけないと。
チャット欄▼
:配信で言えないようなことを……!?
:いや、だから羨ましすぎるよ
:私も一緒に帰りたい!
:いいなぁ
:プライバシーの保護はバッチリ
「それで、彼との別れ際なんだけれど……」
チャット欄▼
:もう終わりか
:あっという間だね
:どうした?
:まだ何かある?
「私にとって、その日一番の衝撃があって……」
チャット欄▼
:別れ際に?
:いや、まさか
:アレか?
:動画のアレを実践したの!?
:まさかまさか
:駄目だぞ
「そうそう。キスしてもらった。お別れのキスを」
チャット欄▼
:うわぁぁぁ!
:マジか
:羨ましくて死にそう
:キス”してもらった”!?
:してもらった?
:え、向こうから?
:なにそれ
:は?
:は?
:動画で見たアレか
:現実に存在しているなんて
「彼も動画を見ていてくれて、知っていた。それで、別れ際にチュッと」
話している間に思い出して、どんどん顔が熱くなる。男の人と、生まれて初めてのキス。とても優しく、唇に触れるだけのソフトなキス。けれども、それだけでとんでもない衝撃があった。
チャット欄▼
:顔が真っ赤
:思い出してるのか
:唇に手を当てるな
:私もされたい
:いいなー
「慣れた様子で、彼は去っていった。カッコよかったなぁ」
チャット欄▼
:想像したらヤバいな
:私だったら、そのまま押し倒して襲ってる
:それは良い雰囲気
:ああ~っ
「これが実際にあった男性とのデート内容。妄想とは、やっぱり違うよね」
チャット欄▼
:リアルだった
:こんな経験をした女が居るんだね
:凄すぎ
:純粋に羨ましい
:私も本物のデートしたい
:なんか感動してきた
:ミルキーちゃんの恋愛事情が知れて嬉しい
「聞いてくれてありがとう! また、彼とのデートした時には報告配信するつもり。待っててね」
チャット欄▼
:お話を聞けてよかった
:次があるなんて
:やっぱり羨ましい
:次も早く聞きたい
彼から、またデートしましょう、と言われていた。だから今度こそは失敗しないように頑張ろうと思う。それを、配信で話せたら良いな。
視聴者の数を確認してみると、5千人を超えていた。これほど多くの人に見られていたのか。当然、過去最高の視聴者数を更新していた。
皆が、彼に興味津々ということだろう。
17
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

男女比1対99の世界で引き篭もります!
夢探しの旅人
恋愛
家族いない親戚いないというじゃあどうして俺がここに?となるがまぁいいかと思考放棄する主人公!
前世の夢だった引き篭もりが叶うことを知って大歓喜!!
偶に寂しさを和ますために配信をしたり深夜徘徊したり(変装)と主人公が楽しむ物語です!

貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる