【完結】理想の美女7人に愛される生活。ベーシックインカムで儲けた「カセイダード王国」に移住して正解でした。

サアロフィア

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第31章 理想の美女7人に愛される生活

198 9月11日(月) 王配サーパースアリム大公爵

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2023年9月11日(月) 13:00

アリムが大公爵の地位を得て、サーパースアリム大公爵として、国民にお披露目するためのパレードが催された。
それと同時に、チータマルム支国の女王である中路真々美の配偶者、結婚相手としても紹介された。

アリムは、この日、この瞬間にカセイダード王国の王配になったのだ。

もちろん、移民の身でありながらと、王配になったアリムをやっかむ男性も多かった。
お姉さまが男性の配偶者を迎えたことに不満をもらす女性も多くいた。

それでも、即位後10年間も相手を選ばなかった中路真々美が選ぶ気になった男性がいたことを国民がほっと安心した。 居心地が良いカセイダード王国チータマルム支国が無事に続くことを意味するからだ。 ひとは変化を嫌う。同じ環境が続いた年数だけ、年齢を重ねた分だけ変化を嫌うからだ。



お披露目のパレードの後で、お祝い金を納めた貴族との謁見があった。

玉座の間で、真々美とアリムが玉座に腰かけている。
真々美の斜め後ろ外側には、冬香が控えている。
アリムの斜め後ろ外側には、オルアが控えている。
貴族から見ると、左から、冬香、真々美、アリム、オルアの順に並んでいる。

貴族A
「サーパースアリム大公爵、女王陛下の配偶者になられたことをお喜び申し上げます。」

サーパースアリム大公爵
「お祝いの言葉をありがたく思います。
 これからもカセイダード王国の利益のため、国民の利益のために貢献いただければ幸いです。」

貴族A
「ははあ、ありがたき幸せ。」

中路真々美支国王
「ささやかではあるが、返礼品を用意した。手荷物になってしまうが受け取ってください。」

貴族A
「つつしんで頂戴いたします。」

親衛隊長のオルアが部下に返礼品を渡した。
部下は返礼品を盆に受けて受け取り、貴族Aの前に差し出した。

貴族Aは受け取ってから、女王の真々美と王配のアリムに一礼をしてから玉座の間を去った。

このような進行で、多くの貴族がお祝いにやってきた。
言い換えると、御祝いに来なかった貴族もいた。



貴族の30%は、本音で二人を祝っていた。
返礼品の中に、お祝い金の半額を振り込んだ証書を見て、悲しんだ。
「お祝いしたい気持ちの半分しか受け取ってもらえないのか?」
返礼品の中のお菓子は小さいが高級品で数が多く、みんなで味わってほしいという意図を感じた。」
返礼品の評価額は合計で、お祝い金の105%になった。
「Happy Share 幸せ半分こ」の精神を感じて、最終的には嬉しいと感じた。

貴族の40%は、イヤイヤで仕方なく二人を祝っていた。
返礼品の中身を確かめる気にもなれなったから、腹心の部下に押し付けた。
部下から、返礼品の評価額は合計でお祝い金の105%になったことを聞かされて、不敵な笑みを浮かべた。
アリム様は安っぽい正義感で生きている世間知らずかと思ったが、なかなかどうして、現実も理解しているではないか? 応援しても良いかもしれないな。 得するからな。

残りの貴族の30%は、祝う気が無かったので、お祝い金を出さなかった。
アリムという移民が大公爵の地位につくこと、女王の配偶者になることを認める署名を書いたから、約束を果たした。 援軍を出さなかった責めを免除する契約を果たしたから、文句は言わせないぞ。
しかし、後で激しく後悔した。
しまった。 お祝い金を送ったら、5%の利益が得られたのに。 いっときの我慢をすれば良かった。
本格的に後悔したタイミングは、恩赦の内容を知ったときだった。



王家にお祝い事があったとき、恩赦をするという慣習はカセイダード王国チータマルム支国にもある。
ただし、一律支給ではない。
また階級式ではなく、y = ax + b の計算をAIで自動計算している。
あと少しで次の階級に入ったのに~!という悔しさを感じさせない方針が、利益に全力投球できる雰囲気でカセイダード王国を満たしていた。

モンテハート大公爵のコレクションを売って得たお金の半分は、サーパースアリム大公爵が引き継いだ。
残りの半分はカセイダード王国の国庫に入ったが、アリムが使い道を指定できることになった。

アリムが決めた使い道を知った貴族たちと国民たちは、アリムと仲良くするべきだという結論に至ったのだった。 なぜなら、得するから。
忠誠心は、金銭を土台として購入するものと理解している王配ならば、食いはぐれることはない。



少しさかのぼって、
2023年9月6日(水) 10:00

会議室に、真々美、冬香、オルア、アリム、シュウピン、メラニィ、セーラの7人が集まっている。

真々美
「アリムが大公爵の地位に付くこと、女王である私の配偶者になることに賛成する署名を、貴族の全員から手に入れた。 おめでとう、アリム。」

アリム
「ありがとうございます。
 とは言え、マンションの3階から100階に登ったような感じで、現実とは思えないです。」

真々美
「まあ、無理もない。アリムがカセイダード王国に来てから、いや、移民審査船に乗った日から1か月ちょっとしか経っていないからな。 シュウピン、説明を頼む。」

シュウピン
「アリム様、モンテハート大公爵のコレクションを売って得たお金の半分で、国庫に入ったお金はアリム様が使い道を決めることができます。ご希望をお聞かせくださいますか?もちろん、アリム様のハーレムを作るために使っても構いませんよ。」

メラニィ こころの声
『さあ、試されているぞ、アリム様。 モンテハート大公爵は国民に還元するために、コレクションの価値を教えてくれた。 それを私欲のために使うなら、タダでは置かない。』

☆ モンテハート
☆ 「もちろんだ。
☆  わたしの大事なコレクションが燃やされて灰になるよりは、価値が分かる者へと売られて、国庫の収益となり、国民に還元された方がいい。」
☆ 
☆ 162 国民に還元された方がいい


アリム
「シュウピン、メラニィ、セーラの3人は分かっていないようだから、もう一度言うね。

 ボクは、オルア、真々美、冬香に愛されて満足しているんだ。
 それなのに、シュウピン、メラニィ、セーラの3人からも愛されて、お腹いっぱいの幸せの中にいる。
 しかも、前世での心残りだった、白沢絵美とも愛情交換ができた。

 そんなボクにハーレムを作るだなんて、ボクから今の幸せを奪いたいのですか?」

シュウピンは、アリムに見据えられて、身震いする恐怖を感じた。

シュウピン
「し、失礼しました。アリム様、お許しください。」

シュウピン こころの声
『なんて無礼な発言をしてしまったのだろう。 男性=愚物で、種をまき散らしたい動物という反射的な考え方を改めないと、アリム様に嫌われてしまう。』

アリム
「シュウピン、分かってくれたなら嬉しい。頭をあげてください。」

シュウピンはアリム様の顔を見た。

シュウピン こころの声
『アリム様の私に対する恋愛感情を減らす言葉を吐いたことを後悔してしまうわ。』

シュウピンの顔が失言で青ざめていた。

アリム
「今の幸せの中に、シュウピンに愛されていることが入っていることを思い出してね。」

アリムは、シュウピンに優しく微笑んだ。

シュウピン
「アリム様、好きです。」

アリムは、顔を赤くしながら返事した。

アリム
「シュウピン、ボクも好きです。」

☆  そうか、単に大人の恋愛言葉というか愛情表現が分からなかったのかあ。
☆ 
☆ 152 【挿絵】 シュウピンの愛を受け取る予定日は


メラニィ
「アリム様は国民に何をプレゼントしたい?
 最新の携帯ゲーム機をプレゼントするか?」

アリム
「いや、それは嫌だ。金品は奪われてしまう。電気製品は10年も経てばゴミになってしまう。
 だから、ボクは、国民に知識を配りたい。 知識は誰にも奪われないで生きている限り残るからだ。」

オルア
「アリム? 送りたいものは決まっているの?」

アリム
「まず、最低限の性知識、つまり、愛情交換できる状態を目指せるだけの基礎知識を学ばせたい。」

真々美、冬香、オルア、シュウピン、メラニィ、セーラ こころの声
『竜くんの性知識の無さは、大問題よね。』x7

☆  みんなが知っていることを知らなかったから、大好きな絵美にも、するべきことができなかったんだ。
☆ 
☆ 186 白沢絵美が竜くんの好みを知る日


メラニィ
「良いと思う。」

アリム
「ありがとう、メラニィ。

 そして、最低限の社交ができるように、
  小さな親切、大きなお世話 とか
  "A medicine for A is a poison for B."
  Aさんにとっての薬は、Bさんにとっての毒
などの社交術を教えたい。

 さらには、犠牲型ギバーや強盗型テイカーに成らないように、
相手と利益を分け合える性分というか人間性を鍛えたい。

 このような人間教育を受けていれば、他人との利害関係の調整や人間関係で苦しまなくて済むはずだ。

 そして、思わず嫉妬してしまうような上位の個体や天才に出会ったとき、つぶそうとするのではなく、支援に回れるような【精神に余裕があるひと】に成れるように応援したい。」

冬香
「いいと思うわ。 ひとの性格は、10歳までには決まるから。
 そして、大脳が発達して動物レベルから人レベルになる時期も10才くらいだから、義務教育費の足しにするべきね。」

アリム
「そして、ボクが大公爵の地位を得て女王の配偶者になることを【気に食わないひと】も多いだろうから、お祝い金は前もって電子決済で支払ってもらって、【返礼の準備】をしたい。

 結婚式やお葬式では、【もらった金額の半額】と【気持ちばかりの品物】をお返しの御礼として渡す習慣があるから、それに習いたい。 目標としては、渡した金額が5%増しで返ってくるようにして、祝ってくれた人と祝ってくれないひとに差をつけたい。

 一律還元は、信賞必罰しんしょうひつばつにならないから嫌だ。
 ううん? もしかしたら、悪平等にならないように!と言うべきかも知れない。」

メラニィ
「ふむ。大きすぎる差をつけると恨みを買って尾を引くが、5%程度の差なら良い処置だと思う。
 悪党どもは損得勘定に敏感だからな。
 経済的利益が、アリムが望む理想に近づけてくれるだろう。」

アリム
「恩赦については、対象外者を設定して欲しい。

 他人を落とし入れるウソをつくものや、愛情交換欲求を女性の承認なしに満たそうとする者は、この機会に処刑して欲しい。 ただし、冤罪の可能性があるものについては、できる限り恩赦で救って欲しい。」

オルア こころの声
『あれ? アリムは私の告白を聞いていたの?
 まさかね。意識不明だったんだから。』

☆ オルア
☆ 「警察は自分たちの面子メンツというか面目めんもくを守るために、わたしを犯人に仕立て上げようとしたわ。
☆ 
☆ 072 オルアの想い、オルアの過去


真々美
「なにか意見があるものは?」

アリムの希望に反対する者はいなかった。

真々美
「セーラさん、なにか質問はあるか?」

セーラ
「アリムさんの希望をどうやって、現実化するのですか?」

真々美は、ニヤリと笑った。

真々美
「それを考えるひとは、わたしたちだ。
 【アリムの希望を叶える方法】だけの限定になるが、セーラさんにも意見を言ってもらうぞ。」

セーラ
「は、はい。 よろしくお願いします。」


☆ セーラ
☆ 「わたしも今後は会議に参加できるのですか?」
☆ 
☆ 真々美
☆ 「聞くことはできるが意見は言えないし、採決に参加することも出来ないぞ。
☆  だから、時間が無駄になるし、疎外感を感じるからすすめられない。」
☆ 
☆ 075 【挿絵】 オルアの名誉回復と行政長就任


真々美
「アリム、言い残したことはあるか?」

アリム
「モンテハート大公爵のコレクションを売ったお金の半分をボクが受け継いで良いなら、いざというときのために残しておいていいかな。」

真々美
「それは構わないが、さらに半分、全体として見て25%は投資に回してくれ。
 メラニィ、指導してやってくれ。」

メラニィ
「2年計画で儲ける方法を説明します。

 しかし、アリム様ご自身で実行してもらいます。
 どんなに信用できる相手に出会っても、お金のことは任せてはダメです。」

アリム
「その通りだと思う。
 でも、投資の方法は教えてもらえるんだよね。」

メラニィ
「もちろんです。
 ただし、【守破離しゅはり】を守ってください。

 【守の段階】として、わたしに言われた通り、ひととおりできるようになってください。
 それができたら、【破の段階】として、少しだけ変えてください。
 最期に、自信がついて責任を持つ覚悟が出来たら、【離の段階】として、アリム様が信じるように投資してください。」

冬香
「アリム、メラニィは世界一の投資家だからね。
 余計なアドバイスかも知れないけれど、言われた通りにして学ばないとダメよ。」

☆ メラニィの投資術は、世界一と認められたのだった。
☆ 
☆ 195 メラニィの投資術


アリム
「メラニィ、よろしくお願いいたします。」

メラニィ
「アリム様、「よろしく。」で十分だ。
 お願いいたします。は、余計だ。
 やり直してくれ!」

アリム
「メラニィ、よろしく。」

メラニィ
「任せてよ! アリム様。」

メラニィに不意打ちのウィンクと笑顔をされて、アリムは顔を赤らめてしまった。

オルア こころの声
『やるわね! メラニィさん。 わたしも不意打ちのウィンクと笑顔をしよう。』

この後でアリムは会議室を出て、オルアに付き添われて家に帰った。



ふたたび、現在にもどる。
2023年9月11日(月)のお祝いパレードや恩赦の内容、貴族たちへの返礼品、「国民への配布が物品ではなく知識だったこと」から、アリムの評価は賢いひとたちを中心に爆上げした。

国営放送の解説員たちは、中路真々美支国王が理想的な配偶者アリム様を得たことに、そして、巡り合った過程の奇跡を、興奮気味に語ったのだった。

(注) 国営放送については、以下で登場しました。

☆ それにしても、チータマルム支国の国営放送はレベルが高いわね。

☆ 解説者だけでなく、アナウンサーも素晴らしいわ。

☆ 082 真っ黒沢絵美? いいえ、暗黒の闇沢絵美です


貴族たちを含めて国民たちの結論は、1つだった。

「アリム様が王配ならば、カセイダード王国は安泰だな。
 さあ、趣味の時間を楽しもう。」

つづく


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