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第31章 理想の美女7人に愛される生活

197 9月3日(日) 絵美と竜くんのデート

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カセイダード王国の本星

絵美 こころの声
『そう言えば、竜くんにデートに誘われることは無理だと、アリムさんが言っていたわね。
 ということは、わたしから声を掛けなきゃね。』

☆ アリム
☆ 「恋愛経験値が、幼稚園初等レベルしかないので、「デートに誘う」というコマンドが無いのです。」
☆ 
☆ 087 紅姫、黄花、青紫の神器


絵美は、竜くんのいる研究室に訪問した。

絵美
「竜くん、こんにちは。
 お昼ごはんに行こうよ。」


「いま、いそがし・・・
 はっ!

 うん、行こう。
 絵美と一緒に昼ご飯を食べたいよ。」

竜 こころの声
『ああ、危ないところだった。
 来世の自分のアドバイスを無駄にするところだった。』

☆ 具体的に言うと、白沢絵美様と食事を楽しむ時間を最優先で割り当てて欲しい。
☆ 来てくれることを待つだけでなくて、自分から誘いに行くことが大事だ。
☆ 
☆ 104 前世のわたしへの手紙と製作依頼


「すぐに電源を切るから、ちょっとだけ待っててね。」

竜くんは、あわただしく、使用している機器の電源を消して、身支度を整えた。
急いだらしく、息が乱れている。

絵美
「大丈夫なの? 忙しいなら、今度でも良いわよ。」

竜くん
「絵美との食事を楽しむ時間が一番大事なことだよ。」

絵美
「そう? うれしいわ。」

絵美は、満面の笑みを、竜くんに向けた。

竜 こころの声
『こんないい笑顔をする絵美を久しぶりに見た気がする。
 来世の自分に、大大大感謝だな。』

絵美 こころの声
『さすがに本人から本人の攻略方法を聞いた成果が出たわね。』

☆ 絵美が、アリムが書いた手紙を読み上げた後で、感想を言い合っている・・・

☆ 104 前世のわたしへの手紙と製作依頼





絵美 こころの声
『えーっと、手をつないで歩くことからだったわね。」

☆ 絵美
☆ 「そんなに、よろこんでくれるなんて、うれしいわ。
☆  ねえ、もしかして、りゅうくんだった前世ぜんせから、手をつなぎたかったの?」
☆ 
☆ アリム
☆ 「うん、そうだよ。
☆  絵美さんの近くにいるときは、どきどきして上手く話せなかった。
☆  無愛想ぶあいそつめたい態度たいどで、ごめんね。」
☆ 
☆ (中略)
☆ 
☆ アリム
☆ 「前世のボク、つまり、りゅうくんのところに帰ったときは、散歩さんぽに連れ出してくれませんか?」
☆ 
☆ 095 竜様が絵美様としたいこと


絵美
「竜くん、手をつないで歩きましょうか?」


「絵美、ボクたちはもう子供じゃないんだからさ。」

竜くんの顔を見ると、本当は手をつなぎたいけれど、大人だからダメと思い込んでいることが分かった。

絵美
「竜くん? 大人になっても大好きな人同士は手をつなぐのよ。
 わたしは竜くんが好きだから、手をつなぎたい。
 竜くんは、わたしのこと好きですか?」


「大好きです。」

絵美
「じゃあ、問題無いわね。
 しばらく散歩しましょうか?」


「うーん、でも、研究時間が減るから。」

絵美
「歩くとのう血液けつえきめぐって研究けんきゅうのアイデアが浮かぶわよ。
 ひとりで歩くとすぐに帰りたくなるけれど、ふたりで手をつないで歩けば長い時間でもイヤにならないから、ためしてみない?」

☆ 095 竜様が絵美様としたいこと 参照


「それなら、できるだけ長く散歩したい。」

絵美
「うれしいわ。」

絵美が満面の笑顔を向けると、竜くんは恥ずかしそうに顔を赤らめたけれど、うれしそうだった。

絵美 こころの声
『なにもかも、アリムのアドバイスの通りね。
 不可能と思っていたけれど、竜くんの攻略って、答えが分かれば簡単だったのね。
 アリム、ありがとう。』





夜ご飯とはみがきが終わった後で、絵美は、竜くんとベッドの上にいる。

絵美
「わたしは竜くんが好きです。
 竜くんもわたしのことが好きよね。」


「はい、大好きです。」

絵美
「それでは、これからも一緒に居るために大事なことをしましょうね。」


「どうすれば良いですか?」

絵美
「わたしの言う通りにすればいいわ。
 身体のちからを抜いてくれますか?」


「う、うん。」

絵美は、竜くんとの愛情交換を始めたのだった。



1時間後

絵美 こころの声
『なにもかも! 本当に何もかも! アリムの言う通りだったわ。
 それにしても、予習って本当に大事ね。
 予備知識がなかったら、私の目の前にいるのは、愛しい竜くんではなくて、竜くんだったもので出来たタンパク質の塊だったわ。』

☆ 186 白沢絵美が竜くんの好みを知る日 参照

竜 (寝言)
「絵美、大好き。
 これで、これからも一緒にいられるんだよね。」

絵美
「そうよ。 ふたりで、おじいさんとおばあさんになるまで、一緒にいましょうね。」

竜 (寝言)
「絵美、大好き。
 うれしいよ。」

竜くんの目から流れ出た涙を、絵美は口で吸って飲み込んだのだった。

絵美
「アリムには、足を向けて眠れないわね。
 竜くんとわたしを結んでくれた愛の配達人で一番の功労者ね。」

絵美は、竜くんの寝顔を満足そうに見つめながら、長年の悲願を達成した喜びを噛みしめていた。

つづく


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