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第27章 アリムの無理とクラスター制度
169 トラスファー検出アラート
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宝物庫の準備室から少し離れたところにある宿泊室
オルアは、眠っているアリムを運んで、やさしくベッドに寝かしつけた。
真々美と冬香も付き添っている。
オルア
「目を覚ますと同時にって、なにが起こるのだろう?」
冬香
「1週間なにも食べてないくらいの強烈な飢餓状態に近いと言っていたわ。」
真々美
「アリムがすぐに食事できるように準備をすまそうか?」
オルア
「そうね。」
冬香
「そうしましょう。」
真々美
「衣服を破かれる可能性があるとか、言っていたからな。」
◇
オルア、冬香、真々美は、衣服をすべて脱いで、いつアリムが求めてきても大丈夫なようにしていた。
仕上げにアリムの衣服もすべて脱がせた。
オルア
「真々美、冬香、ふたりとも本当に綺麗ね。
とくに、おなかが引き締まっていて、おへそ周りがとっても素敵だわ。」
冬香
「そう? ありがとう。
真々美もオルアも素敵よ。」
真々美
「自分と同じくらい美しい身体を見ていると、鏡を見ているような気分だな。」
3人は、気恥ずかしそうに、でも、うれしそうに笑いあっていた。
アリム
「う、ううん。」
アリムが目を覚まそうとしていた。
オルア
「良かった、気が付いたのね。」
冬香
「目を覚ましてくれて、本当に良かったわ。」
真々美
「聞いたぞ、わたしたちのために、相当な無理をしてくれたのだな。」
アリムは、肉食獣が草食獣を見据えるような、女の子が美味しそうな高級ケーキを見つめるような目をしていた。
そして、3人が聞いたことがないような男性的な魅力の低い声を出していた。
アリム 低い声
「オルア、真々美、冬香。
あなたたちが欲しくて、たまらない。」
オルア
「アリム、声変わりしたの?」
冬香
「えっ? 年齢的に遅すぎない?」
真々美
「まさか、呪術師がアリムに乗り移ったのか?」
アリム いつもの高い声
「いつもみたいに上品にできないけれど、ゆるしてね。」
オルア、冬香、真々美は、アリムから激しく求められたが、イヤとは思えなかった。
オルア、冬香、真々美 こころの声
『ひとつぶで二度おいしいキャラメル型キャンディー。』x3
◇
宝物庫の準備室前
ひと仕事を終えたメラニィ(=理香)は、宝物庫にあるコレクションを眺めていた。
メラニィ(理香の転生体)
「いろいろなものがあるわねえ。
なんだか、表島次郎になった気分ね。」
シュウピンが心配そうに、メラニィを見ていた。
シュウピン
「スリーカーさん、教えてくれるかしら。
ワタシの可愛いメラニィは、どうなったの?」
シュウピンは、スリーカーさんに圧力をかけて迫っていた。
スリーカー(スピ-カーモード)
「封印されていた前世の記憶が一気にあふれだした状態ですね。」
絵美
「それで? メラニィさんの元の人格は、どうなったの?」
スリーカー(スピ-カーモード)
「そうですね。 メラニィさんの人格は、理香の人格を温かい目で見守っていますね。
まるで、自分より小さな子供におもちゃで遊ぶ順番を譲ってあげているような状態です。」
シュウピン
「なにをのんきなことを。
まあ、いいわ、選ばせてあげる。
メラニィを治してから、(この世から)退場するか?
いますぐ、(この世から)退場するか?」
絵美 こころの声
『いまのシュウピンさんには何を言っても、火に油を注ぐ様なものね。
若いひとの言い方では、燃料を与えるって言うのだったかな。』
セーラ
「シュウピン様、これをご覧ください。」
セーラは、メラニィのカバンから分厚い本を開いて、シュウピンに見せた。
☆ 【最後に残った分厚い本】を見たメラニィは、肩を震わせていた。
☆
☆ 本の中には、モンテハート大公爵をスリムにして髪の毛をふさふさに美化した姿と、となりに座る美しい女性の姿があった。
☆
☆ 164 300年前のモンテマニー公爵との思い出
シュウピン
「あの愚物は、こんな合成写真をメラニィに見せて、催眠術か何かを掛けたのね。
こんなもの、破り捨てて・・・」
次の瞬間、シュウピンの動きが凍り付いた。
スリーカー(スピ-カーモード)
「やめなさい。 いますぐ、手を放せ!
さもないと、いますぐ、(この世から)退場することになりますよ。」
さすがは年の功。 スリーカー(理香の転生体)の【怒気当て】はシュウピンの動きを止めた。
セーラは、シュウピンから分厚い本を取り上げた。
セーラ
「どうぞ、スリーカーさん。」
セーラは、スリーカーさんに、分厚い本を開いた状態で手渡した。
スリーカー(理香の転生体)
「ありがとうございます。
メラニィさんが、この写真を見たときに、身体に保存されていた記憶が呼び出されたのですね。
それと、これは、合成写真ではありません。
300年前のモンテマニー侯爵と理香、つまり、わたしの写真です。
本物です。
まあ、これで、メラニィさんを元に戻す方法は分かりました。
セーラ様、お手柄です。」
◇
カセイダード本星にあるカセイダード王国にて。
サア女王
「それは、本当ですか?」
ミミー ミリー
「ええ、たった今、3回目の反応がありました。
絵美がいるチータマルム星からです。」
サア女王
「女神さまが、トラスファーを顕現させるなんて、よほどの事態が起こったのですね。
ほかに分かったことは?」
ミミー ミリー
「絵美の体調に問題はありません。
ただ、何かのトラブルを処理しようとしている緊張状態が続いています。」
サア女王
「リリーに無理言って、トラスファー検出アラートを作ってもらって正解でしたね。」
リリー ラリー
「我ながら、どうやって作ったのか、不思議で仕方ありません。」
サア女王
「あなたは天才で努力家ですからね。 不思議とは思いません。」
↓ 左側の表、見出し「男性」の列2行目 Trasfer が、トラスファーです。
つづく
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オルアは、眠っているアリムを運んで、やさしくベッドに寝かしつけた。
真々美と冬香も付き添っている。
オルア
「目を覚ますと同時にって、なにが起こるのだろう?」
冬香
「1週間なにも食べてないくらいの強烈な飢餓状態に近いと言っていたわ。」
真々美
「アリムがすぐに食事できるように準備をすまそうか?」
オルア
「そうね。」
冬香
「そうしましょう。」
真々美
「衣服を破かれる可能性があるとか、言っていたからな。」
◇
オルア、冬香、真々美は、衣服をすべて脱いで、いつアリムが求めてきても大丈夫なようにしていた。
仕上げにアリムの衣服もすべて脱がせた。
オルア
「真々美、冬香、ふたりとも本当に綺麗ね。
とくに、おなかが引き締まっていて、おへそ周りがとっても素敵だわ。」
冬香
「そう? ありがとう。
真々美もオルアも素敵よ。」
真々美
「自分と同じくらい美しい身体を見ていると、鏡を見ているような気分だな。」
3人は、気恥ずかしそうに、でも、うれしそうに笑いあっていた。
アリム
「う、ううん。」
アリムが目を覚まそうとしていた。
オルア
「良かった、気が付いたのね。」
冬香
「目を覚ましてくれて、本当に良かったわ。」
真々美
「聞いたぞ、わたしたちのために、相当な無理をしてくれたのだな。」
アリムは、肉食獣が草食獣を見据えるような、女の子が美味しそうな高級ケーキを見つめるような目をしていた。
そして、3人が聞いたことがないような男性的な魅力の低い声を出していた。
アリム 低い声
「オルア、真々美、冬香。
あなたたちが欲しくて、たまらない。」
オルア
「アリム、声変わりしたの?」
冬香
「えっ? 年齢的に遅すぎない?」
真々美
「まさか、呪術師がアリムに乗り移ったのか?」
アリム いつもの高い声
「いつもみたいに上品にできないけれど、ゆるしてね。」
オルア、冬香、真々美は、アリムから激しく求められたが、イヤとは思えなかった。
オルア、冬香、真々美 こころの声
『ひとつぶで二度おいしいキャラメル型キャンディー。』x3
◇
宝物庫の準備室前
ひと仕事を終えたメラニィ(=理香)は、宝物庫にあるコレクションを眺めていた。
メラニィ(理香の転生体)
「いろいろなものがあるわねえ。
なんだか、表島次郎になった気分ね。」
シュウピンが心配そうに、メラニィを見ていた。
シュウピン
「スリーカーさん、教えてくれるかしら。
ワタシの可愛いメラニィは、どうなったの?」
シュウピンは、スリーカーさんに圧力をかけて迫っていた。
スリーカー(スピ-カーモード)
「封印されていた前世の記憶が一気にあふれだした状態ですね。」
絵美
「それで? メラニィさんの元の人格は、どうなったの?」
スリーカー(スピ-カーモード)
「そうですね。 メラニィさんの人格は、理香の人格を温かい目で見守っていますね。
まるで、自分より小さな子供におもちゃで遊ぶ順番を譲ってあげているような状態です。」
シュウピン
「なにをのんきなことを。
まあ、いいわ、選ばせてあげる。
メラニィを治してから、(この世から)退場するか?
いますぐ、(この世から)退場するか?」
絵美 こころの声
『いまのシュウピンさんには何を言っても、火に油を注ぐ様なものね。
若いひとの言い方では、燃料を与えるって言うのだったかな。』
セーラ
「シュウピン様、これをご覧ください。」
セーラは、メラニィのカバンから分厚い本を開いて、シュウピンに見せた。
☆ 【最後に残った分厚い本】を見たメラニィは、肩を震わせていた。
☆
☆ 本の中には、モンテハート大公爵をスリムにして髪の毛をふさふさに美化した姿と、となりに座る美しい女性の姿があった。
☆
☆ 164 300年前のモンテマニー公爵との思い出
シュウピン
「あの愚物は、こんな合成写真をメラニィに見せて、催眠術か何かを掛けたのね。
こんなもの、破り捨てて・・・」
次の瞬間、シュウピンの動きが凍り付いた。
スリーカー(スピ-カーモード)
「やめなさい。 いますぐ、手を放せ!
さもないと、いますぐ、(この世から)退場することになりますよ。」
さすがは年の功。 スリーカー(理香の転生体)の【怒気当て】はシュウピンの動きを止めた。
セーラは、シュウピンから分厚い本を取り上げた。
セーラ
「どうぞ、スリーカーさん。」
セーラは、スリーカーさんに、分厚い本を開いた状態で手渡した。
スリーカー(理香の転生体)
「ありがとうございます。
メラニィさんが、この写真を見たときに、身体に保存されていた記憶が呼び出されたのですね。
それと、これは、合成写真ではありません。
300年前のモンテマニー侯爵と理香、つまり、わたしの写真です。
本物です。
まあ、これで、メラニィさんを元に戻す方法は分かりました。
セーラ様、お手柄です。」
◇
カセイダード本星にあるカセイダード王国にて。
サア女王
「それは、本当ですか?」
ミミー ミリー
「ええ、たった今、3回目の反応がありました。
絵美がいるチータマルム星からです。」
サア女王
「女神さまが、トラスファーを顕現させるなんて、よほどの事態が起こったのですね。
ほかに分かったことは?」
ミミー ミリー
「絵美の体調に問題はありません。
ただ、何かのトラブルを処理しようとしている緊張状態が続いています。」
サア女王
「リリーに無理言って、トラスファー検出アラートを作ってもらって正解でしたね。」
リリー ラリー
「我ながら、どうやって作ったのか、不思議で仕方ありません。」
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