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第21章 お風呂でのお約束と模範演技

133 恋人同士のお約束

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絵美
「じゃあ、次は私たちの番ね。」

オルア
「アリム、さあ入りましょう。
 セーラさん、準備はいいわね。」

セーラ
「はい、オルア様。
 万全ばんぜんの状態です。」

アリム
「言葉通りに信じていいの?」

絵美
「アリムさん、こんな幸運こううんのがしてはダメよ。」

アリム
「は、はい。
 女神様に感謝かんしゃします。」

絵美
「じゃあ、アリムさん、いっしょに入りましょうか。」

 ボクは右腕みぎうでをオルアに、左腕ひだりうでをセーラさんにきかかえられた。
 そして、両肩りょうかたには、絵美さんの両手が乗せられて、お風呂場に向かってまえに押された。

オルア
「アリム、セーラさん、絵美さん、足元に注意してね。
 段差だんさで、つまづかないように、大きく足を上げてね。」

アリム
「うん。」

セーラ
「はい。」

絵美
「ありがとね。」

 だれひとり、こけたりころんだりすることなく、お風呂場に入ることができた。

オルア
「じゃあ、みんなでアリムを洗いましょうか。」

セーラ
「は、はい。」

オルア
「じゃあ、うでは私が洗うわね。

 絵美様は背中をお願いします。

 セーラさんは、バスタオルを少し下げて、胸の谷間を見せながら、アリムの胸板からおへその高さまで洗ってね。」

 ボクは、洗われていない方の腕で、前をかくしていた。

オルア
「はい、じゃあ、おへそから下を洗いましょうね。」

アリム
「あ、あの、あそこは自分で洗います。」

セーラ
「そんなあ。」

絵美
「セーラさん、アリムさんの洗い方を知るためにも、みんなで観察かんさつしましょうね。」

セーラ
「は、はい。」

アリム
「あの、恥ずかしいので、ゆるして。」

オルア
「そうよね。
 じゃあ、わたしが洗ってあげようか?」

 ボクは顔を真っ赤にして答えた。

アリム
「じ、自分で洗います。」

絵美
「残念ねえ。
 じゃあ、見学しましょうか。」

 オルアは見慣みなれているから冷静れいせいだったが、絵美さんとセーラさんは真剣しんけん表情ひょうじょうを見せてくれた。

アリム こころの声
『これも、一種いっしゅの愛され状態だと思うことにしよう。』

 このあと、両足とおしりを3人が洗ってくれた。
 ボクは、子どものころに戻ったようなやすらぎを感じたのだった。

オルア
「じゃあ、アリム、みんなの背中を洗ってね。
 まずは、わたしからね。」

 ボクはていねいにオルアの背中を、たっぷりと泡立てた洗いタオルでこすった。

アリム
「この力加減でいいよね。」

オルア
「うん、上手じょうずよ。」

アリム
「はい、おまたせしました。」

 ボクは洗いタオルをオルアに返した。

オルア
「アリム、最後の工程こうていけているわ。」

アリム
「えっ?
 全身ぜんしんを洗うほうがいいかな?」

オルア
「アリム、恋人同士こいびとどうしの場合は、お約束やくそくがあるわよね。」

アリム
「え? 答えを教えてよ。」

オルア
「とぼけるのなら、石鹸せっけんすべってころんでしまえ!」

アリム
「あっ? 二人ふたりきりのときしか駄目だめだと思っていた。」

オルア
「思い出した?」

アリム
「うん、もう一度、背中を洗わせてくれるかな?」

オルア
「お願いするわ。」

アリム
「あーっと、オルアの背中がつるつるしているから、手をすべらせたくなっちゃった。」

 ボクは、うしろからオルアの両胸りょうむねを下からかかえて抱き寄せた。

オルア
「もう、アリムも健康な男性なのね。
 1分だけよ。」

 このやりとりを、絵美さんとセーラさんは、あきれて見てたようだった。


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