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第6章 海賊対策よりも主人公の攻略が大事
030 【挿絵】 アリムさんの小説を読ませて!
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真々美
「アリムさんは、あの文章を読んでどう思うかな?」
冬香
「小説の一部と思うか?
予言と思うか?
面白い見ものになりそうで楽しみね。
そうだ、予言やお告げと教えるとその意図を考えるだろうから、
「この文章を読んでください。」
とだけ言って、感想を聞きましょうか?
そうしたら、私たちのどちらかが書いた小説の一部と勘違いするわよ。
きっと。」
真々美
「冬香は、意地悪だな。」
冬香
「あら、アリムさんの真価を知りたいだけの純情を悪く言わないで欲しいわ。」
◇
オルアに連れられて、アリムさんが真々美の司令室に入室してきた。
オルア
「アリムさんをお連れしました。」
アリム
「お招きいただき、ありがとうございます。
中路様、白石様。
なにかのお役に立てるなら、うれしく思います。」
真々美
「アリムさん、久しぶりだから緊張させてしまったようだ。
様呼びではなく、さん呼びにしてくれ。
距離を感じてしまうからな。」
アリム
「では、中路さん、白石さん、よろしくお願いします。」
真々美、冬香、オルア 心の声
『将来、わたしたちと名前を呼び捨てで呼び合う仲になる予定だと知ったら、びっくりするでしょうね。 まあ、距離感は少しずつ近づく方が良いわね。』
真々美
「早速だが、この文章を読んでください。
声に出さなくて良いから、黙読でアリムさんのペースで読んでくれ。」
真々美はそう言って、1枚の印刷物をアリムさんに渡した。
> 紅姫、黄花、青紫の3名がそろえば、稀有なクラスターを得ることができるであろう。
> しかし、宝石が磨き削り上げられる前は、ただの石ころで見向きもされない。
> 紅姫が見つけ、黄花が青紫を守ることで、青紫が磨き続けることができるだろう。
> 青紫は磨き上げた宝石に満足するが、それをひとに取られるくらいなら燃やすだろう。
> 紅姫と黄花の協力がなければ手に入らなかったことを理解して、燃やす前に紅姫と黄花に助けを求めるが、紅姫と黄花は、青紫の幸せを願って断るだろう。
> 青紫は宝石を燃やすことを一時は思いとどまるが、宝石を砕いてしまう。
>
> あなたなら解決できます。 最後まで、あきらめないでください。
引用元: 015 白沢絵美様は、お見通し
しばらくして、アリムは印刷物から目を離して、真々美、冬香、オルアを順番に見た。
アリム
「紅姫、黄花、青紫の3名は、中路さん、白石さん、オルアさんのことでしょうか?
昨日、オルアさんが悩んでいた姉妹関係を急いで結ぶ必要があることは、最後の文章に注目されたからですか?
「一時は思いとどまるが、宝石を砕いてしまう。」
という部分を読んで、
中路さんと白石さんは危機を感じたのでしょうか?」
真々美、冬香、オルア こころの声
『流石、アリムさん。』
真々美
「他に気付いたことはありますか?」
アリム
「うぬぼれたことをとか、思い違いもはなはだしいと言われてしまいそうですが、もしかして、」
真々美
「続けてくれ。」
アリム
「稀有なクラスターと宝石は、わたしのことですか。」
冬香
「その通りよ。 よく分かったわね。」
オルア
「アリムさんの深読みによる推理力はすごすぎるわ。 素敵。」
アリム
「ありがとうございます。」
オルア こころの声
『あれ? どうしたんだろう?
いつもなら、感情豊かに喜んだり照れたりするのに、真々美と冬香の前だから緊張しているのかな?
それとも、はしゃいだらダメとか思っているのかな?』
オルア
「アリムさん、もしかして、緊張してトイレに行きたくなったの?
それなら、遠慮せずに言ってね。」
アリム
「いえ、大丈夫です。 オルアさんありがとう。」
オルア こころの声
『なんか、心ここにあらずという感じね。
なにか困っているのかな?』
冬香
「アリムさん、この文章はなんだと思いますか?」
冬香 こころの声
『おふたりのどちらかが書いた小説ですか?
と言うかな?
それとも、もっと面白いことを話してくれるかしら?』
アリム
「女神さまのお告げ兼命令書だと考えます。」
真々美
「正解だ。 素晴らしいな。
アリムさんは、魔力が高そうだな。
これからが楽しみだ。」
アリム
「それは、どうも。」
オルア こころの声
『なにか困っているよね。
わたしがフォローしなきゃ!』
オルア
「真々美、冬香、ねえ聞いて。
アリムさんは、なにか困っているように見える。
どうすればいいか要望を聞いてもいいわよね。」
真々美
「あ、ああ、もちろんだ。
アリムさん、言ってくれないか?
できる限りのことは、かなえさせてもらうから。」
アリム
「それは、助かります。
ただ、どのような言葉と表現で申し上げれば良いのか、悩んでいます。
失礼な言い方になったり、無礼な態度と取られても困ります。」
真々美
「少しぐらいの無礼や不遜な態度は不問にする。
問いただしたりしないから、楽な話し方をしてくれ。」
アリム
「そうですか、しかし、」
冬香
「しかし、なあに?」
アリム
「オルアさんにご迷惑をかけたり、オルアさんと会えなくなったりするのは嫌なので、飲み込んだ方が良いかもしれません。」
真々美
「余計に気になるから、言ってくれないか?」
アリム
「オルアさんの私を見る目が変わると怖いから。」
オルア
「心配しないで、アリムさん。
誰にでも欠点はあるわ。
わたしが包み込んであげるから、心配しないで。」
アリム
「これからも、いっしょに居てくれると約束してくれますか?」
オルア
「もちろんよ、一緒にいるから安心して。」
オルア こころの声
『というか、アリムさんが地の果てまで逃げても、わたしが追いかけて捕まえるけどね。』
真々美、冬香
『『あ、オルアの笑顔は、絶対にアリムさんを逃がす気がないな。
アリムさんは、どうして危険を感じないのだろう。
不思議でしょうがない。』』
アリム
「それでは、みなさまの御厚意に甘えさせて頂きますね。」
真々美、冬香、オルア
「「「どうぞ。アリムさん。」」」
アリム
「にゃ、にゃんで、みなさんが、紅姫、黄花、青紫の名前を知っているにゃ!
あの小説は、PV数が少ないから誰も知らないはずにゃ!」
オルア
「にゃ? そう言えば、寝言で言っていたわね。」
真々美
「小説? ぜひ、読んでみたいな。」
冬香
「もしかして、アリムさんが書いたの?」
オルア
「読みたいわ。」
アリム
「こころの中を覗かれるみたいで恥ずかしいから、知り合い以上には読ませたくないにゃ!
笑われたら、現実に引き戻されて、悲しくなるにゃ。」
真々美、冬香、オルア
「「「 ぜったいに笑わないわ。 だから、URL教えて、お願い。 」」」
真々美、冬香、オルア こころの声
『『『アリムさんの弱みを握る絶好のチャンスをゲットだぜ。 イエーイ。』』』
3人は声を合わせて、かわいくおねだりした。
アリム
「笑ったら、おしおきするにゃ!」
真々美、冬香、オルア
「「「はーい、約束します。」」」
真々美、冬香、オルア こころの声
『『『読ませてもらったら、こっちのものよ。』』』
3人とも、子供のようにはしゃいでいた。
アリム
「わかったにゃ。 どうぞ、これにゃ。」
タイトル
男の娘のボクは万能で最強です。
掲載サイト
小説家をめざせ
紅姫は、剣士ですっごく強いにゃあ。 黄花は、医者だから頭が良いにゃあ。 青紫は、商人でお金を稼ぐ天才だにゃあ。
作者の解説 ナレーション
「次の話に掲載します。
ぜひ、ご覧ください。」
◇
しばらくして、3人は小説を読み終わった。
真々美
「ぶわっはっはっ。
こんな面白いエロ小説は初めて読んだぞ。」
冬香
「ダメよ、真々美、笑っちゃ。
アリムさんて、本当にかわいいのね。
オルアも、そう思うでしょ。」
オルア
「ぷくくっ。」
オルアは必死で笑いをこらえていた。
冬香
「えい。」
冬香はオルアが必死に笑いをこらえるためにふくらませているほっぺたを指で突いた。
オルア
「ダメ、もう我慢できない。
冬香、ひとが必死で笑いをこらえているのに、邪魔しないでよ。」
冬香
「がまんのしすぎは、健康に良くないわ。」
アリム
「ひ、ひどいにゃ。 約束を破るにゃんて。」
真々美
「笑って悪かったが、はっはっはっ、ハハハ。
いや、すまない。
少し時間をくれ。」
真々美は、5分ほど経って、ようやく笑いを止めることができた。
アリム
「そこまで笑うなんて、失礼にゃ。」
真々美
「すまん、すまん。
「さあ寝よう」という台詞で始まるエロ小説なんてと馬鹿らしくなったが、肝心のエロ描写がまったくないところがおかしくて仕方が無かった。」
冬香
「だめよ、真々美。
そこだけは触れちゃあ、アリムさんは分からないから書けなかったのよ。
ねっ、アリムさん。」
冬香は聖母のような優しい笑顔と瞳でアリムを見つめていた。
アリム
「書けなかったんじゃなくて、書かなかっただけにゃ。
そういうシーンは、読者が想像すれば良いから書く必要ないにゃ。」
真々美
「そうか、書けないのではなくて、書かなかっただけか?
分かったよ。
で、アリムさんは、どんなエロシーンを想像しながら書いたんだ。
ぜひ、教えてくれ。
そうしたら、わたしがアリムさんの相手を務めさせて頂きます。
さあ、言ってくれないか?」
アリム
「そ、それは、・・・」
アリムさんは目に涙を貯めて、今にも泣きだしそうだ。
オルア
「真々美、それ以上、アリムさんをいじめないで。
大丈夫よ、アリムさん。
近いうちに私と経験すれば問題ないわ。」
真々美
「ほらっ、やっぱり言えないんだ。
経験がないことを素直に認めたほうが素直で、かわいいぞ、ア・リ・ム・さ・ん。」
オルア
「真々美、いい加減にして!」
オルアは、『怒気当て』を放った。
冬香
「真々美、そこまでよ。」
冬香は、両手で真々美の両方のほほを挟み込んで、真々美を黙らせた。
真々美
「アリムさん、すまない。
つい調子に乗ってしまった。
でも、アリムさんの相手をしても良いと考えたことは本当だ。」
アリム
「そんなリップサービスはいらないにゃ。」
冬香
「気を悪くさせてごめんね、アリムさん。
でも、わたしたちがアリムさんのことを、もっと好きになったことは本当よ。」
アリム
「それなら、証拠を見せて欲しいにゃ。」
冬香
「もちろんよ。 どうすればいいかしら。」
冬香 心の声
『裸を見せろとか、身体を触らせろとか言うのかしら。
まあ、しょうがないわね。』
アリム
「握手して欲しいにゃ。 そして、両手でやさしく包み込んで1分間続けて欲しいにゃ。」
冬香
「もちろんよ。」
冬香 心の声
『うそでしょ、その程度しか望まないなんて。
そんなに希望が無い日々を送ってきたの?』
冬香はアリムさんのことを、かわいそうと思うと同時に、私たちでしあわせにしてあげなきゃという使命感を感じてしまった。
1分後。
アリム
「白石さんのことはゆるすにゃ。
中路さんとオルアさんは、今言った握手をしてくれるのかにゃ?
いやなら、もうこころをゆるすことは無いにゃ。」
オルア
「アリムさん、手を出して。」
オルアは、3倍の3分間、アリムさんと握手した。
アリム
「オルアさん、ありがとうにゃ。」
オルア
「ふたりきりのときに、続きをしましょうね。」
オルア こころの声
『いっしょにお風呂に入ろうミッションを実行するタイミングよね。』
真々美
「アリムさん、わたしにも握手させてくれ。」
真々美は、5分間、アリムさんの手を温め続けた。
真々美 こころの声
『すまなかった。
アリムさんとの初めての夜に、この埋め合わせはするから、ゆるして欲しい。』
アリム
「中路さんのこともゆるすにゃ。」
真々美、冬香、オルア こころの声
『良かった、ゆるしてもらえて。
アリムさんは初めて会うタイプの男性だな。
気を付けて、接するようにしよう。』
◇
冬香
「アリムさん、質問しても良いかしら。」
アリム
「どうぞ、白石さん。」
冬香
「アリムさんの小説の中で、スリーカーという呪文が登場しているけれど、どういう条件を満たせば使用できるようになるのかしら。」
冬香 心の声
『スリーカーは、ぜひ覚えたい。』
参照: 013 医師(白石冬香)の検証 スリーカーなど
アリム
「タイムリバイバルが30日で4つまで、60日で5つ目、90日で6つ目の性魔力が使用できる設定です。
ややこしいから、書く紙をくださいますか?
ありがとうございます。
1から3つ目を覚える順番を選ぶことができます。
[1] トゥート
[2] トゥベルサ
[3] ベルマイラ
[1] Tooto
[2] Tooberusa
[3] Berumaira
を、[1]-[2]-[3] または、
[2]-[3]-[1] または、
[3]-[1]-[2]
の3種類の順番を選ぶことが出来ます。
[1] 実力を発揮するための気力を回復する。
[2] 体力を回復する。
体力が全快の時に使用すると飛行できます。
[3] 相手の力量を抑え込むために精神的に弱らせる。
4つ目は固定です。
[4] テグトス
[4] Tegutosu
[4] 小さな点のようなエネルギー弾を打つ。
5つ目と6つ目を覚える順番も選ぶことができます。
[5] レバーラ
[6] スリーカー
[5] Rebaara
[6] Threeker
を、[5]-[6] または、
[6]-[5]
の2種類の順番を選ぶことが出来ます。
[5] 友達関係にある人物のリストが表示される。
友達関係が有効なひとのもとへ瞬間移動できます。
[6] 治療の大きな助けになる。
非常に大変なので、医療を利用できるなら使わない方が良いです。
必要なコモンルーンを覚える順番を先に選ぶことができるという設定です。」
冬香
「アリムさん、タイムリバイバルとは、なんのことですか?」
アリム
「そ、それは・・・」
アリムさんは顔を真っ赤にして、うつむいて黙りこんでしまった。
冬香
「アリムさん、そこをなんとか教えて欲しいの?」
冬香は両手でアリムさんの手を包み込むように握手した。
冬香 心の声
『わたしたちのコモンルーンとアリムさんの小説が一致している可能性が高まったわね。
スリーカーを使用できるようになるための「役に立つヒント」になりそうだわ。』
アリム
「タイムリバイバルとは、性周期のことです。」
冬香
「性周期とは何ですか?」
アリム
「たとえば、お腹が減って死にそうなときは、カップラーメンや菓子パンなどの非常食を食べますよね。
おなかが減って減って、どうしようもなくなる食欲の間隔のような、性欲の間隔のことです。」
冬香
「もっと具体的に言ってくれますか?」
アリム
「たとえば、性的に飢えているときならば、50歳超えた男性でも良いから夜の営みをしたいと思うときはありませんか?」
真々美、冬香、オルア
「「「まったくない。」」」
アリム
「どうしてもしたくなったけれど、相手がいない場合は、仕方なく一人ですることはないですか?」
真々美、冬香、オルア
「それなら、あります。」
アリム
「ひとりでした後で、ふたたび一人でしたくなるまでの間隔を性周期と言います。」
冬香
「それを60日や90日まで伸ばすことはできますか?
せいぜい30日が限度でしょう?」
アリム
「異性のパートナーが居て、行ってきますと行ってらっしゃいのあいさつをできるくらいになると満足度が上がって、伸ばせるようになれますよ。」
冬香
「行ってきますと行ってらっしゃいのあいさつをできるくらいって、具体的にはどういうあいさつをするの?」
アリム
「もう、このへんでゆるしてください。
もし、オルアさんが私とそこまでの関係になってくださったときには、オルアさんから聞けばいいじゃないですか?」
冬香
「そこをなんとか、いま、教えてくださらない。」
アリム
「恥ずかしいから嫌です。
信頼できるセックスパートナーがいない中年男性の妄想と笑われることが目に見えていますから。」
冬香
「ぜったいに笑わないから。」
アリム
「さっきのことがあるので、信じません。
これで終わりにします。」
冬香
「うっ、これ以上は無理ね。
オルア、明日の夜にでも教えてね。」
オルア
「えっ? 無理だよ。
アリムさんとの仲は、そこまで進んでないから。」
冬香
「毎日、毎晩いっしょにいるから、その気になればすぐよね。」
アリム
「あのう、よろしいですか?」
冬香
「あら、教えてくれるの?」
アリム
「いいえ、違います。
オルアさんは確かに、おはようからおやすみまで一緒にいてくれますが、夜はご自分の部屋に戻られますよ。」
真々美、冬香
「オルア? そうなの。」
オルア
「はい、そうです。」
冬香
「アリムさん、少し待っていてくださる? おほほほ。」
中路さんはオルアさんの左腕を、白石さんはオルアさんの右腕をつかんで、司令室の奥の方に移動されました。
◇
司令室の奥、姉妹関係の儀式のときに、布団が敷いてあった部屋
冬香
「オルア?
あなたが夜、自分の部屋にもどった記録は無いけれど?
アリムさんと一緒にいたのではないの?
どこに行っていたの?」
オルア
「えーとね、アリムさんが朝起きる前に部屋を出て、夜はいないように見えるようにしていたの。」
真々美
「ということは、アリムさんが気付いていないだけで、夜もアリムさんと一緒だったということだよな。」
オルア
「はい、そうです。」
冬香
「オルア?
行ってきますと行ってらっしゃいのあいさつをできるくらいって、具体的にはどういうあいさつをするのかアリムさんに聞けるようになるまで、何日掛かりそう?」
オルア
「まだ、いっしょにお風呂にさえ入っていないから、当分の間は無理だよう。」
真々美
「たしかに、3年計画ぐらいで青春させてやってくれとは言ったが、とても仲良さそうだから、予定繰り上げでもっと二人の仲が進んでいると思い込んでいた。」
冬香
「たしかに。
オルアの態度を見る限り、いつでも交配届けを出せるくらいまで進んでいると思っていたわ。」
真々美
「とすると、いまはキスする程度の関係かな?」
オルア
「手をつないで歩くことと、たまに私からハグするくらい。
アリムさんがぼーっとしているときに腕を組んで歩くことはしたけれど、アリムさんの記憶には残っていないと思う。」
真々美
「オルア、たった5日前の台詞と変わってしまい、大変申し訳ないが、明日目標でアリムさんとナイトバインドできるように進めてくれ。」
オルア
「えっ? そんな急に?」
真々美
「その次の日はわたしがアリムさんとデートして、アリムさんとナイトバインドする予定だ。」
冬香
「さらに、その次の日はわたしがアリムさんとデートして、アリムさんとナイトバインドするわ。」
オルア
「アリムさんの気持ちは、どうなるの?」
真々美
「わたしたちに誘われて断る男性がいるわけないじゃないか?」
冬香
「そうね、アリムさんは泣いて喜ぶと思うわ。」
オルア
「そんなに上手く行くかなあ?」
真々美、冬香
「「大丈夫。」」
オルア
「その自信は、どこから来るの?」
真々美、冬香
「「過去の勝利記録。」」
オルア
「アリムさんは簡単じゃないと思うわ。」
真々美
「これからの日程をアリムさんに説明するときに、ナイトバインドすることについて説明する。」
冬香
「オルア、安心して見ててね。」
オルア
「はあい。 よろしくお願いします。」
◇
真々美と冬香は、アリムさんにこれからの日程を説明しようとしていた。
冬香
「アリムさん、お待たせしました。
これからのアリムさんの予定について、説明いたします。
よろしくお願いします。」
アリム
「お願いします。
あの、ご存じのように長い聞き取りは苦手ですので、書面を見ながら聞けるようにご配慮頂けますか?」
冬香
「もちろんです。
どうぞ、この予定表をお渡しします。」
【大事な、お願い】
「お気に入りに追加」お願いします。【 ↓ 】
よろしくお願いします。
「アリムさんは、あの文章を読んでどう思うかな?」
冬香
「小説の一部と思うか?
予言と思うか?
面白い見ものになりそうで楽しみね。
そうだ、予言やお告げと教えるとその意図を考えるだろうから、
「この文章を読んでください。」
とだけ言って、感想を聞きましょうか?
そうしたら、私たちのどちらかが書いた小説の一部と勘違いするわよ。
きっと。」
真々美
「冬香は、意地悪だな。」
冬香
「あら、アリムさんの真価を知りたいだけの純情を悪く言わないで欲しいわ。」
◇
オルアに連れられて、アリムさんが真々美の司令室に入室してきた。
オルア
「アリムさんをお連れしました。」
アリム
「お招きいただき、ありがとうございます。
中路様、白石様。
なにかのお役に立てるなら、うれしく思います。」
真々美
「アリムさん、久しぶりだから緊張させてしまったようだ。
様呼びではなく、さん呼びにしてくれ。
距離を感じてしまうからな。」
アリム
「では、中路さん、白石さん、よろしくお願いします。」
真々美、冬香、オルア 心の声
『将来、わたしたちと名前を呼び捨てで呼び合う仲になる予定だと知ったら、びっくりするでしょうね。 まあ、距離感は少しずつ近づく方が良いわね。』
真々美
「早速だが、この文章を読んでください。
声に出さなくて良いから、黙読でアリムさんのペースで読んでくれ。」
真々美はそう言って、1枚の印刷物をアリムさんに渡した。
> 紅姫、黄花、青紫の3名がそろえば、稀有なクラスターを得ることができるであろう。
> しかし、宝石が磨き削り上げられる前は、ただの石ころで見向きもされない。
> 紅姫が見つけ、黄花が青紫を守ることで、青紫が磨き続けることができるだろう。
> 青紫は磨き上げた宝石に満足するが、それをひとに取られるくらいなら燃やすだろう。
> 紅姫と黄花の協力がなければ手に入らなかったことを理解して、燃やす前に紅姫と黄花に助けを求めるが、紅姫と黄花は、青紫の幸せを願って断るだろう。
> 青紫は宝石を燃やすことを一時は思いとどまるが、宝石を砕いてしまう。
>
> あなたなら解決できます。 最後まで、あきらめないでください。
引用元: 015 白沢絵美様は、お見通し
しばらくして、アリムは印刷物から目を離して、真々美、冬香、オルアを順番に見た。
アリム
「紅姫、黄花、青紫の3名は、中路さん、白石さん、オルアさんのことでしょうか?
昨日、オルアさんが悩んでいた姉妹関係を急いで結ぶ必要があることは、最後の文章に注目されたからですか?
「一時は思いとどまるが、宝石を砕いてしまう。」
という部分を読んで、
中路さんと白石さんは危機を感じたのでしょうか?」
真々美、冬香、オルア こころの声
『流石、アリムさん。』
真々美
「他に気付いたことはありますか?」
アリム
「うぬぼれたことをとか、思い違いもはなはだしいと言われてしまいそうですが、もしかして、」
真々美
「続けてくれ。」
アリム
「稀有なクラスターと宝石は、わたしのことですか。」
冬香
「その通りよ。 よく分かったわね。」
オルア
「アリムさんの深読みによる推理力はすごすぎるわ。 素敵。」
アリム
「ありがとうございます。」
オルア こころの声
『あれ? どうしたんだろう?
いつもなら、感情豊かに喜んだり照れたりするのに、真々美と冬香の前だから緊張しているのかな?
それとも、はしゃいだらダメとか思っているのかな?』
オルア
「アリムさん、もしかして、緊張してトイレに行きたくなったの?
それなら、遠慮せずに言ってね。」
アリム
「いえ、大丈夫です。 オルアさんありがとう。」
オルア こころの声
『なんか、心ここにあらずという感じね。
なにか困っているのかな?』
冬香
「アリムさん、この文章はなんだと思いますか?」
冬香 こころの声
『おふたりのどちらかが書いた小説ですか?
と言うかな?
それとも、もっと面白いことを話してくれるかしら?』
アリム
「女神さまのお告げ兼命令書だと考えます。」
真々美
「正解だ。 素晴らしいな。
アリムさんは、魔力が高そうだな。
これからが楽しみだ。」
アリム
「それは、どうも。」
オルア こころの声
『なにか困っているよね。
わたしがフォローしなきゃ!』
オルア
「真々美、冬香、ねえ聞いて。
アリムさんは、なにか困っているように見える。
どうすればいいか要望を聞いてもいいわよね。」
真々美
「あ、ああ、もちろんだ。
アリムさん、言ってくれないか?
できる限りのことは、かなえさせてもらうから。」
アリム
「それは、助かります。
ただ、どのような言葉と表現で申し上げれば良いのか、悩んでいます。
失礼な言い方になったり、無礼な態度と取られても困ります。」
真々美
「少しぐらいの無礼や不遜な態度は不問にする。
問いただしたりしないから、楽な話し方をしてくれ。」
アリム
「そうですか、しかし、」
冬香
「しかし、なあに?」
アリム
「オルアさんにご迷惑をかけたり、オルアさんと会えなくなったりするのは嫌なので、飲み込んだ方が良いかもしれません。」
真々美
「余計に気になるから、言ってくれないか?」
アリム
「オルアさんの私を見る目が変わると怖いから。」
オルア
「心配しないで、アリムさん。
誰にでも欠点はあるわ。
わたしが包み込んであげるから、心配しないで。」
アリム
「これからも、いっしょに居てくれると約束してくれますか?」
オルア
「もちろんよ、一緒にいるから安心して。」
オルア こころの声
『というか、アリムさんが地の果てまで逃げても、わたしが追いかけて捕まえるけどね。』
真々美、冬香
『『あ、オルアの笑顔は、絶対にアリムさんを逃がす気がないな。
アリムさんは、どうして危険を感じないのだろう。
不思議でしょうがない。』』
アリム
「それでは、みなさまの御厚意に甘えさせて頂きますね。」
真々美、冬香、オルア
「「「どうぞ。アリムさん。」」」
アリム
「にゃ、にゃんで、みなさんが、紅姫、黄花、青紫の名前を知っているにゃ!
あの小説は、PV数が少ないから誰も知らないはずにゃ!」
オルア
「にゃ? そう言えば、寝言で言っていたわね。」
真々美
「小説? ぜひ、読んでみたいな。」
冬香
「もしかして、アリムさんが書いたの?」
オルア
「読みたいわ。」
アリム
「こころの中を覗かれるみたいで恥ずかしいから、知り合い以上には読ませたくないにゃ!
笑われたら、現実に引き戻されて、悲しくなるにゃ。」
真々美、冬香、オルア
「「「 ぜったいに笑わないわ。 だから、URL教えて、お願い。 」」」
真々美、冬香、オルア こころの声
『『『アリムさんの弱みを握る絶好のチャンスをゲットだぜ。 イエーイ。』』』
3人は声を合わせて、かわいくおねだりした。
アリム
「笑ったら、おしおきするにゃ!」
真々美、冬香、オルア
「「「はーい、約束します。」」」
真々美、冬香、オルア こころの声
『『『読ませてもらったら、こっちのものよ。』』』
3人とも、子供のようにはしゃいでいた。
アリム
「わかったにゃ。 どうぞ、これにゃ。」
タイトル
男の娘のボクは万能で最強です。
掲載サイト
小説家をめざせ
紅姫は、剣士ですっごく強いにゃあ。 黄花は、医者だから頭が良いにゃあ。 青紫は、商人でお金を稼ぐ天才だにゃあ。
作者の解説 ナレーション
「次の話に掲載します。
ぜひ、ご覧ください。」
◇
しばらくして、3人は小説を読み終わった。
真々美
「ぶわっはっはっ。
こんな面白いエロ小説は初めて読んだぞ。」
冬香
「ダメよ、真々美、笑っちゃ。
アリムさんて、本当にかわいいのね。
オルアも、そう思うでしょ。」
オルア
「ぷくくっ。」
オルアは必死で笑いをこらえていた。
冬香
「えい。」
冬香はオルアが必死に笑いをこらえるためにふくらませているほっぺたを指で突いた。
オルア
「ダメ、もう我慢できない。
冬香、ひとが必死で笑いをこらえているのに、邪魔しないでよ。」
冬香
「がまんのしすぎは、健康に良くないわ。」
アリム
「ひ、ひどいにゃ。 約束を破るにゃんて。」
真々美
「笑って悪かったが、はっはっはっ、ハハハ。
いや、すまない。
少し時間をくれ。」
真々美は、5分ほど経って、ようやく笑いを止めることができた。
アリム
「そこまで笑うなんて、失礼にゃ。」
真々美
「すまん、すまん。
「さあ寝よう」という台詞で始まるエロ小説なんてと馬鹿らしくなったが、肝心のエロ描写がまったくないところがおかしくて仕方が無かった。」
冬香
「だめよ、真々美。
そこだけは触れちゃあ、アリムさんは分からないから書けなかったのよ。
ねっ、アリムさん。」
冬香は聖母のような優しい笑顔と瞳でアリムを見つめていた。
アリム
「書けなかったんじゃなくて、書かなかっただけにゃ。
そういうシーンは、読者が想像すれば良いから書く必要ないにゃ。」
真々美
「そうか、書けないのではなくて、書かなかっただけか?
分かったよ。
で、アリムさんは、どんなエロシーンを想像しながら書いたんだ。
ぜひ、教えてくれ。
そうしたら、わたしがアリムさんの相手を務めさせて頂きます。
さあ、言ってくれないか?」
アリム
「そ、それは、・・・」
アリムさんは目に涙を貯めて、今にも泣きだしそうだ。
オルア
「真々美、それ以上、アリムさんをいじめないで。
大丈夫よ、アリムさん。
近いうちに私と経験すれば問題ないわ。」
真々美
「ほらっ、やっぱり言えないんだ。
経験がないことを素直に認めたほうが素直で、かわいいぞ、ア・リ・ム・さ・ん。」
オルア
「真々美、いい加減にして!」
オルアは、『怒気当て』を放った。
冬香
「真々美、そこまでよ。」
冬香は、両手で真々美の両方のほほを挟み込んで、真々美を黙らせた。
真々美
「アリムさん、すまない。
つい調子に乗ってしまった。
でも、アリムさんの相手をしても良いと考えたことは本当だ。」
アリム
「そんなリップサービスはいらないにゃ。」
冬香
「気を悪くさせてごめんね、アリムさん。
でも、わたしたちがアリムさんのことを、もっと好きになったことは本当よ。」
アリム
「それなら、証拠を見せて欲しいにゃ。」
冬香
「もちろんよ。 どうすればいいかしら。」
冬香 心の声
『裸を見せろとか、身体を触らせろとか言うのかしら。
まあ、しょうがないわね。』
アリム
「握手して欲しいにゃ。 そして、両手でやさしく包み込んで1分間続けて欲しいにゃ。」
冬香
「もちろんよ。」
冬香 心の声
『うそでしょ、その程度しか望まないなんて。
そんなに希望が無い日々を送ってきたの?』
冬香はアリムさんのことを、かわいそうと思うと同時に、私たちでしあわせにしてあげなきゃという使命感を感じてしまった。
1分後。
アリム
「白石さんのことはゆるすにゃ。
中路さんとオルアさんは、今言った握手をしてくれるのかにゃ?
いやなら、もうこころをゆるすことは無いにゃ。」
オルア
「アリムさん、手を出して。」
オルアは、3倍の3分間、アリムさんと握手した。
アリム
「オルアさん、ありがとうにゃ。」
オルア
「ふたりきりのときに、続きをしましょうね。」
オルア こころの声
『いっしょにお風呂に入ろうミッションを実行するタイミングよね。』
真々美
「アリムさん、わたしにも握手させてくれ。」
真々美は、5分間、アリムさんの手を温め続けた。
真々美 こころの声
『すまなかった。
アリムさんとの初めての夜に、この埋め合わせはするから、ゆるして欲しい。』
アリム
「中路さんのこともゆるすにゃ。」
真々美、冬香、オルア こころの声
『良かった、ゆるしてもらえて。
アリムさんは初めて会うタイプの男性だな。
気を付けて、接するようにしよう。』
◇
冬香
「アリムさん、質問しても良いかしら。」
アリム
「どうぞ、白石さん。」
冬香
「アリムさんの小説の中で、スリーカーという呪文が登場しているけれど、どういう条件を満たせば使用できるようになるのかしら。」
冬香 心の声
『スリーカーは、ぜひ覚えたい。』
参照: 013 医師(白石冬香)の検証 スリーカーなど
アリム
「タイムリバイバルが30日で4つまで、60日で5つ目、90日で6つ目の性魔力が使用できる設定です。
ややこしいから、書く紙をくださいますか?
ありがとうございます。
1から3つ目を覚える順番を選ぶことができます。
[1] トゥート
[2] トゥベルサ
[3] ベルマイラ
[1] Tooto
[2] Tooberusa
[3] Berumaira
を、[1]-[2]-[3] または、
[2]-[3]-[1] または、
[3]-[1]-[2]
の3種類の順番を選ぶことが出来ます。
[1] 実力を発揮するための気力を回復する。
[2] 体力を回復する。
体力が全快の時に使用すると飛行できます。
[3] 相手の力量を抑え込むために精神的に弱らせる。
4つ目は固定です。
[4] テグトス
[4] Tegutosu
[4] 小さな点のようなエネルギー弾を打つ。
5つ目と6つ目を覚える順番も選ぶことができます。
[5] レバーラ
[6] スリーカー
[5] Rebaara
[6] Threeker
を、[5]-[6] または、
[6]-[5]
の2種類の順番を選ぶことが出来ます。
[5] 友達関係にある人物のリストが表示される。
友達関係が有効なひとのもとへ瞬間移動できます。
[6] 治療の大きな助けになる。
非常に大変なので、医療を利用できるなら使わない方が良いです。
必要なコモンルーンを覚える順番を先に選ぶことができるという設定です。」
冬香
「アリムさん、タイムリバイバルとは、なんのことですか?」
アリム
「そ、それは・・・」
アリムさんは顔を真っ赤にして、うつむいて黙りこんでしまった。
冬香
「アリムさん、そこをなんとか教えて欲しいの?」
冬香は両手でアリムさんの手を包み込むように握手した。
冬香 心の声
『わたしたちのコモンルーンとアリムさんの小説が一致している可能性が高まったわね。
スリーカーを使用できるようになるための「役に立つヒント」になりそうだわ。』
アリム
「タイムリバイバルとは、性周期のことです。」
冬香
「性周期とは何ですか?」
アリム
「たとえば、お腹が減って死にそうなときは、カップラーメンや菓子パンなどの非常食を食べますよね。
おなかが減って減って、どうしようもなくなる食欲の間隔のような、性欲の間隔のことです。」
冬香
「もっと具体的に言ってくれますか?」
アリム
「たとえば、性的に飢えているときならば、50歳超えた男性でも良いから夜の営みをしたいと思うときはありませんか?」
真々美、冬香、オルア
「「「まったくない。」」」
アリム
「どうしてもしたくなったけれど、相手がいない場合は、仕方なく一人ですることはないですか?」
真々美、冬香、オルア
「それなら、あります。」
アリム
「ひとりでした後で、ふたたび一人でしたくなるまでの間隔を性周期と言います。」
冬香
「それを60日や90日まで伸ばすことはできますか?
せいぜい30日が限度でしょう?」
アリム
「異性のパートナーが居て、行ってきますと行ってらっしゃいのあいさつをできるくらいになると満足度が上がって、伸ばせるようになれますよ。」
冬香
「行ってきますと行ってらっしゃいのあいさつをできるくらいって、具体的にはどういうあいさつをするの?」
アリム
「もう、このへんでゆるしてください。
もし、オルアさんが私とそこまでの関係になってくださったときには、オルアさんから聞けばいいじゃないですか?」
冬香
「そこをなんとか、いま、教えてくださらない。」
アリム
「恥ずかしいから嫌です。
信頼できるセックスパートナーがいない中年男性の妄想と笑われることが目に見えていますから。」
冬香
「ぜったいに笑わないから。」
アリム
「さっきのことがあるので、信じません。
これで終わりにします。」
冬香
「うっ、これ以上は無理ね。
オルア、明日の夜にでも教えてね。」
オルア
「えっ? 無理だよ。
アリムさんとの仲は、そこまで進んでないから。」
冬香
「毎日、毎晩いっしょにいるから、その気になればすぐよね。」
アリム
「あのう、よろしいですか?」
冬香
「あら、教えてくれるの?」
アリム
「いいえ、違います。
オルアさんは確かに、おはようからおやすみまで一緒にいてくれますが、夜はご自分の部屋に戻られますよ。」
真々美、冬香
「オルア? そうなの。」
オルア
「はい、そうです。」
冬香
「アリムさん、少し待っていてくださる? おほほほ。」
中路さんはオルアさんの左腕を、白石さんはオルアさんの右腕をつかんで、司令室の奥の方に移動されました。
◇
司令室の奥、姉妹関係の儀式のときに、布団が敷いてあった部屋
冬香
「オルア?
あなたが夜、自分の部屋にもどった記録は無いけれど?
アリムさんと一緒にいたのではないの?
どこに行っていたの?」
オルア
「えーとね、アリムさんが朝起きる前に部屋を出て、夜はいないように見えるようにしていたの。」
真々美
「ということは、アリムさんが気付いていないだけで、夜もアリムさんと一緒だったということだよな。」
オルア
「はい、そうです。」
冬香
「オルア?
行ってきますと行ってらっしゃいのあいさつをできるくらいって、具体的にはどういうあいさつをするのかアリムさんに聞けるようになるまで、何日掛かりそう?」
オルア
「まだ、いっしょにお風呂にさえ入っていないから、当分の間は無理だよう。」
真々美
「たしかに、3年計画ぐらいで青春させてやってくれとは言ったが、とても仲良さそうだから、予定繰り上げでもっと二人の仲が進んでいると思い込んでいた。」
冬香
「たしかに。
オルアの態度を見る限り、いつでも交配届けを出せるくらいまで進んでいると思っていたわ。」
真々美
「とすると、いまはキスする程度の関係かな?」
オルア
「手をつないで歩くことと、たまに私からハグするくらい。
アリムさんがぼーっとしているときに腕を組んで歩くことはしたけれど、アリムさんの記憶には残っていないと思う。」
真々美
「オルア、たった5日前の台詞と変わってしまい、大変申し訳ないが、明日目標でアリムさんとナイトバインドできるように進めてくれ。」
オルア
「えっ? そんな急に?」
真々美
「その次の日はわたしがアリムさんとデートして、アリムさんとナイトバインドする予定だ。」
冬香
「さらに、その次の日はわたしがアリムさんとデートして、アリムさんとナイトバインドするわ。」
オルア
「アリムさんの気持ちは、どうなるの?」
真々美
「わたしたちに誘われて断る男性がいるわけないじゃないか?」
冬香
「そうね、アリムさんは泣いて喜ぶと思うわ。」
オルア
「そんなに上手く行くかなあ?」
真々美、冬香
「「大丈夫。」」
オルア
「その自信は、どこから来るの?」
真々美、冬香
「「過去の勝利記録。」」
オルア
「アリムさんは簡単じゃないと思うわ。」
真々美
「これからの日程をアリムさんに説明するときに、ナイトバインドすることについて説明する。」
冬香
「オルア、安心して見ててね。」
オルア
「はあい。 よろしくお願いします。」
◇
真々美と冬香は、アリムさんにこれからの日程を説明しようとしていた。
冬香
「アリムさん、お待たせしました。
これからのアリムさんの予定について、説明いたします。
よろしくお願いします。」
アリム
「お願いします。
あの、ご存じのように長い聞き取りは苦手ですので、書面を見ながら聞けるようにご配慮頂けますか?」
冬香
「もちろんです。
どうぞ、この予定表をお渡しします。」
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