君と彩る一ページ

蓮奈

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未来が変わる瞬間

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高卒認定試験の願書は出した。家族で一回、洋さんで二回神社に合格祈願しに行った。お守りはもらった方が効果あるらしく、親にも洋さんにもたくさんお守りやら破魔矢をもらった。追い込みで図書館で苦手なところを潰し、仕上げを洋さんと勉強した。

「怜菜ちゃん、根詰めすぎないで」

「あ、いや。あいつら見返したいから頑張ります」

「目に隈出来てるよ」

洋さんに指摘され、鏡を見てみると酷い顔をした私が映っていた。これでは試験本番で撃沈しそうだ。明日だから早めに切り上げて早く寝よう。

「今日の夕飯は母さん特製カツ丼よ。ベタだけど験担ぎ。今日は、これ食べてよく寝なさい」

「あ。父さんからはこれを。腸内環境を良くして寝付きをよくしてくれるドリンク。効くかどうかは分からないけど飲んでほしい」

皆、気を遣ってくれて応援してくれて。絶対満点で受かってみせる。私はお父さんのくれた謎ドリンクを飲み眠りについた。

試験当日。受験票を片手に指定された学校に行った。どうやって調べたか知らないけど、校門に洋さんが立っていて、合格したら話があると言われた。洋さんはポンッと私の背中を叩いていってらっしゃいと言った。試験会場が緊迫していて神経が張り詰める。全教科終わって家に帰って自己採点した。低く見積もっても八割は取れそうだった。

数週間後。結果が届いた。全科目満点だった。親に真っ先に見せに行った。

「やったじゃない!さすが私の娘」

「お母さんみたいなバリキャリになるまであと少しだね」

そして、洋さんの家に行って結果の書かれた紙を見せてきた。洋さんはビーフシチューに私の好きなパンナコッタを作って待っててくれた。

「さすが怜菜ちゃん。満点とかすごいね。大学受験、西都大も主席取れるんじゃないかな」

「そこは頑張らないと無理ですね……。あ、受験日に言ってた話とは?」

洋さんが私に向き直って真剣な表情になった。そしていつになく真剣な声で話しかけられた。

「高校卒業おめでとう。やっと言える。実はずっと君のこと好きだったんだよね。怜菜ちゃん、付き合ってほしい」

「え!?わ、私?」

「努力家で優しい君に惹かれたんだ。ひたむきな姿に見とれていたんだよ。駄目、かな?」

私はまごついてしまった。こんなハイスペック男子と私って釣り合わないよ。どうしよう。でも、ずっと私の居場所は洋さんに守られていた。なら、答えは……。

「私も好き、です。よろしくお願いします」
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