君と彩る一ページ

蓮奈

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未来への一歩

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私は親と一緒に退学届をもらいに学校へ行った。皆じろじろ見てくるけど、もう知ったことか。母親はバリキャリなので、校長がいじめをもみ消そうとした証拠を探偵やらなんやら使って警察に持って行ってやると、母親は冷えた視線を校長に向けながら分厚いファイルを叩きつけた。本当に証拠そろえてた……怖いわ。さすがに警察沙汰は嫌だったのか、あっさり退学は受理された。

「お母さんは仕事行くから、怜菜は図書館に行きなさい」

「うん。ごめんね」

母は笑いながら、それならありがとうの方が嬉しいなと言った。洋さんに報告しないと。退学できたって。私は軽い足取りで図書館に向かった。

『今日は遅かったね』

『退学しに行ってたんです。お母さんが怖かったな。詳しくは帰りに』

私は心理の入門書を読むことにした。だんだん洋さんが私の世界を広げてくれたことでやりたいことが見えてきた。私みたいに虐められている子の力になりたいな、と思い職業一覧みたいな本を読んでスクールカウンセラーの道を選ぶことにした。

専門書を漁るうちに閉館時間になり、私は洋さんと合流した。明日は休館日らしい。だけど、本の整理などから休むことは出来ないとか。

「怜菜ちゃん、頑張ったね。今週末休みもらってるから、一緒に高卒認定の書類書こうか。またビーフシチュー食べる?」

「いいんですか?してもらってばかりで悪いな……」

「気にしない。週末楽しみだね」

なんだか洋さんは、私と会うのを楽しみにしているのか私と話しているときは普段より声のトーンが上がる。本人は未だ気付いてないようだ。

週末になり、洋さん家に上がって書類を書いて勉強を教えてもらった。昼ご飯はビーフシチューにマグカップで作るプリンだった。どれもおいしくて食べ過ぎてしまった。勉強しているうちに眠くなってしまった。気がついたら夕暮れになり、洋さんに家まで送ってもらった。洋さんは何か言いたげだったが、またね、の言葉でごまかされてしまった。
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