殺人姫の世直し

蓮奈

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今は昔のこと

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「ひ、さ、殺人姫さつじんきだ!」

「なんと失礼な」

私は貴族の気絶している山の上に座って、おびえる悪徳貴族を見下しました。何故こうなたかって?時を遡ること数時間前。

「エリシア・フィン・クローディアと婚約破棄し、マリアンヌ・リリアーネスト男爵令嬢と婚約する!」

このパーティーの参加者は、宰相の傀儡と噂されている第二王子ヴァニアル・ゼル・リンドヴルム様に、マリアンヌさんに対して陰湿な虐めをしたとか無視をしたとか謂われない罪を突きつけられ、呆れて魔法銃でマリアンヌさんの顔と四肢の関節をぶち抜いたら、大騒ぎになってしまいました。

「この悪役令嬢を殺せ!衛兵!」

「この子娘を殺したら奴隷……あ」

「ヴァニアル王子が許可したことにすれば!ぎゃあ!」

死なない程度に関節ぶち抜き、衛兵や取り巻きたちを片付けていきました。王子だけが残り片耳に魔弾をかすらせ四肢の関節砕いた。

「この、殺人姫め……」

窓から飛び降りようとしたら、あちこちから足音がしました。ああ、カリーナ姉様ですね。胃薬片手に"全くこの子は"とぼやいていました。理由は聞かれませんでした。毎回同じ理由なので。正当防衛という。誰も殺したことがないのに殺人姫と呼ばれるようになりました。家族は皆頭を抱えていましたが、私には何がいけないのか分かりません。

「私は一足お先に家に帰り旅支度をしますので、この天馬は借りていきますね」

「あ、待ちなさい!エリシア!……はぁ。両親にどう報告すればいいのよ……」

私は旅支度を済ませ、両親に挨拶し夜明けと共にリンドヴルム帝国の帝都ミュルグレから離れました。創世歴魔法を求めエルフの里へ行くのもいいですね。第二王子は身分剥奪されたそうなので、私は晴れて自由の身です。恋も自由に出来ます。まずは国境付近の村へ行くことにしました。村の結界が薄くなっていて、隣国からまれに魔獣が入り込んで困っていると民が嘆いておられました。

「聖なる盾よ、永遠なる礎に宿り彼の地を守り給え」

クリスタルが出てきて、そこから見えない結界が張られました。数日村の様子を見るためのに、滞在することに推しました。土地が痩せてて作物が育たないので酪農で凌いでるが、餌となる干し草や野菜などを隣町まで買いに行かなければならないと困っておりました。家畜の糞を肥料にして、土を耕せば元々小雨が降りやすい村だったので作物が育つのではないかと提案しました。また様子を見に来るのでと伝えたら、村人から干し肉や牛乳、卵をもらいました。

「いいことすると気持ちいい……あ。学友たちに挨拶するのを忘れていました」

私はいったん帝都に帰り、自宅に戻りました。制服に着替え天馬を全力で飛ばし、何とか朝のホームルームには間に合いましたが敵襲と勘違いされ、矢の雨に降られ慌てましたが何とか私だと気付いてもらえました。学友たちに事の顛末を伝え、学長に休学届を出しました。学友や学長が別れを惜しむ中、私は国をのんびり探索してこの帝国を豊かにする旅に出ました。
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