10 / 11
第2章 新たな出会い
10
しおりを挟む
そんなこと人から言われたの初めてで、急激に赤くなってるであろう顔を出すことが出来ない。
ましてや友達の佳奈の前で言われるなんて。
「もー、手が早いよ!サクちゃん」
「ちょっと、人聞き悪いこと言わないで。いつもはもっと段階踏むに決まってるでしょ」
私としたことが・・・、と朔太郎さんが呟く。
「ねえ美紗ちゃん。確かに私も今日会ったばっかりでよくあなたのことは知らないわ。でもこのままただのお客さんと店員だけの関係なんてもったいないなって思ったのはホントよ?」
「朔太郎さん」
ここまで朔太郎さんが言ってくれてるのに自分の気持ちを言えないままでいいのかと自分の心が聞いてくる。それだったら今までの私と変われないままだって。そんな自分はもう嫌なんじゃないのって。
「私も・・・朔太郎さんのこと知りたい、です。」
思ったより掠れてしまった声に朔太郎さんが下げていた顔を上げた。
「ホントに?嬉しい!ちょっと聞いた?佳奈ちゃん!」
口元に手を当て笑う朔太郎さんにこちらも頬が緩む。
「はいはい、私の友達なんだから変な事したら早苗さん達に言いつけるからね!」
「そんなことするわけないでしょ!失礼ね。」
「もう、佳奈ったら」
あまりの言い草に思わず佳奈を窘める。
「とりあえずはお友達として仲良くしてくれたら嬉しいわ。連絡先聞いてもいい?」
「あ、はい!」
新しく追加されたアカウントの欄には〈サク〉の名前の桜のアカウントが出てきた。
「美紗ちゃんのアカウントはペンギンなのね、かわいい」
「そうなんです、この前友達と動物園行った時にすごい可愛くて」
「動物の可愛さには勝てないわねぇ」
「ですよねぇ」
ふふふと2人で笑い合う。
「相性良さそうで何より」
横にいた佳奈の言葉に顔を向けるとニヤリと意地悪な顔で笑っていた。
「からかわないでよ」
「ごめんごめん。でも波長合うと思うんだよね、美紗たち」
「そう言ってくれるのは嬉しいけどあんまり期待させちゃったら後悔するわよ?」
「え?」
どう言う意味かいまいち理解出来ず聞き返すと朔太郎さんはパチンとウインクをして言った。
「オネエさんでも男なんだから甘く見てたらガブッてたべられちゃうわよ?」
ましてや友達の佳奈の前で言われるなんて。
「もー、手が早いよ!サクちゃん」
「ちょっと、人聞き悪いこと言わないで。いつもはもっと段階踏むに決まってるでしょ」
私としたことが・・・、と朔太郎さんが呟く。
「ねえ美紗ちゃん。確かに私も今日会ったばっかりでよくあなたのことは知らないわ。でもこのままただのお客さんと店員だけの関係なんてもったいないなって思ったのはホントよ?」
「朔太郎さん」
ここまで朔太郎さんが言ってくれてるのに自分の気持ちを言えないままでいいのかと自分の心が聞いてくる。それだったら今までの私と変われないままだって。そんな自分はもう嫌なんじゃないのって。
「私も・・・朔太郎さんのこと知りたい、です。」
思ったより掠れてしまった声に朔太郎さんが下げていた顔を上げた。
「ホントに?嬉しい!ちょっと聞いた?佳奈ちゃん!」
口元に手を当て笑う朔太郎さんにこちらも頬が緩む。
「はいはい、私の友達なんだから変な事したら早苗さん達に言いつけるからね!」
「そんなことするわけないでしょ!失礼ね。」
「もう、佳奈ったら」
あまりの言い草に思わず佳奈を窘める。
「とりあえずはお友達として仲良くしてくれたら嬉しいわ。連絡先聞いてもいい?」
「あ、はい!」
新しく追加されたアカウントの欄には〈サク〉の名前の桜のアカウントが出てきた。
「美紗ちゃんのアカウントはペンギンなのね、かわいい」
「そうなんです、この前友達と動物園行った時にすごい可愛くて」
「動物の可愛さには勝てないわねぇ」
「ですよねぇ」
ふふふと2人で笑い合う。
「相性良さそうで何より」
横にいた佳奈の言葉に顔を向けるとニヤリと意地悪な顔で笑っていた。
「からかわないでよ」
「ごめんごめん。でも波長合うと思うんだよね、美紗たち」
「そう言ってくれるのは嬉しいけどあんまり期待させちゃったら後悔するわよ?」
「え?」
どう言う意味かいまいち理解出来ず聞き返すと朔太郎さんはパチンとウインクをして言った。
「オネエさんでも男なんだから甘く見てたらガブッてたべられちゃうわよ?」
0
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる
えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。
一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。
しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。
皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる