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第19話 正しい選択
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~5時半~
【……ん、今…何時だ…】
イーサンは時計に目をやる
【……5時半…か…5時半?!…】
【……早く支度しないと…マリラ…朝ご飯…】
【…そういえばマリラは…もう、居ないんだったな…】
俺は妻が居り、子供が居り、家族が常に揃っている生活が当たり前と化していた
でも今は違う、失ってから気付いたんだ
心の底から大切だと思っていた存在ほど大切に出来ていない
あるのが当たり前、居るのが当たり前と、常に後回しにしていた
どうして俺はもっと大切にしておかなかったんだろうと後悔している
……当たり前の日々程取り返しがつかないものはない
【……起きるか…】
男はのそのそと体を動かしながらベッドから出た
【……眠いな…】
【後30分したら、ララ達を起こすか…】
父親はそう言いながら朝食をゲットするために準備をし始める
カバンを用意し、歯を磨き、服を着替える
イーサンの今持っている服は2着しかない
~30分後~
【ララ、ララ、起きろ…ノマも起きろ】
〔……ん?もう、朝…?〕
【おはようララ】
〔…おはよう、父ちゃん〕
〔……ノマ、起きて、ノマの分のご飯なくなってもしらないよ〕
{……う、やだ…}
〔なら早く起きて…〕
~15分後~
【よし、みんな準備出来たな、それじゃあ朝メシゲットするぞー!!】
〔………父ちゃん元気だね〕
【……子供だろ、子供らしくあってくれ…乗ってくれよ…】
〔……おーー…〕
{………おーー}
【………】
「……?(どうしたの?)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[朝ご飯配給所]
〔……っ、ふぁ…眠い…〕
{……お姉ちゃん…だいじょぶ?}
〔…うん?大丈夫、少し眠いだけだから…〕
{…そっか…}
〔うん…〕
【………】
【後何分後か…】
皆朝ご飯をゲットするために早くから列を作っていたようだ
イーサン家から配給窓口までかなりの人が並んでいる
【……(タロの分まで貰えると良いんだが…)】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[30分後]
【後、35人か…】
[更に15分後]
〔後…10人〕
[更に10分後]
{後…3…人?}
【………!!やっと俺たちの番だ!!】
ようやくイーサン達の番が来たようだ
朝ご飯を獲得するまでにかかった時間は1時間
毎日立ちながら長い列を待たないといけない
[人数は?]
【よ…4人です】
[……4人?私には3人しか見えませんが]
【…飼い犬を入れて4人です、ほら、ここに】
「わん!(へへへ)」
[……残念ながら犬の朝ご飯まで用意は出来ません。]
[…説明を読みましたか?]
男は無愛想にそう言う
少々腹が立つが男の言っている事は間違っていない
犬のご飯を用意出来るくらいなら人間のご飯を作るのが正しい選択だろう
〔……タロも家族だよ!見た目が違うだけ、大切な家族!〕
ララは抗議するかのようにそう言った
[……お嬢さん、残念ながら貴方達家族だけに特別な対応をする事は出来ませんので]
[…ご理解して頂きたい]
〔………〕
{…お姉ちゃん…}
[…………]
【……ハハ、分かりました、確かにそうですよね、ごもっともです】
【それでは、3人分お願いします】
[…分かりました、3人分ですね]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〔……タロ、私の分けてあげる!〕
{…ぼくのも、}
【………父ちゃんも少しだけ分けてあげるよ】
「わんわん!(ありがとう!)」
3人はタロに朝ご飯を分ける
〔父ちゃんの少なくない?ケチ!〕
【ケチ?父ちゃんはな、デカイから沢山食べないといけないんだ】
〔ふ~ん〕
【………】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[その出来事から3年の時が経った]
〔もう、父ちゃん早くして〕
【ハハっごめんごめん】
ララは成長し、マリラに似てきた
{……お姉ちゃん}
[更に5年の時が経った]
〔……ねぇ、ヴァレス…〕
[は?なんだ…]
〔……ふふ、なんでもない…月が綺麗だね…〕
[……そうだな]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヴァレスとはどこで出会ったんだっけ…
あぁそうだ思い出した…私が''サンリ戦士隊''に入ったあの日に出会ったんだ…
【……ん、今…何時だ…】
イーサンは時計に目をやる
【……5時半…か…5時半?!…】
【……早く支度しないと…マリラ…朝ご飯…】
【…そういえばマリラは…もう、居ないんだったな…】
俺は妻が居り、子供が居り、家族が常に揃っている生活が当たり前と化していた
でも今は違う、失ってから気付いたんだ
心の底から大切だと思っていた存在ほど大切に出来ていない
あるのが当たり前、居るのが当たり前と、常に後回しにしていた
どうして俺はもっと大切にしておかなかったんだろうと後悔している
……当たり前の日々程取り返しがつかないものはない
【……起きるか…】
男はのそのそと体を動かしながらベッドから出た
【……眠いな…】
【後30分したら、ララ達を起こすか…】
父親はそう言いながら朝食をゲットするために準備をし始める
カバンを用意し、歯を磨き、服を着替える
イーサンの今持っている服は2着しかない
~30分後~
【ララ、ララ、起きろ…ノマも起きろ】
〔……ん?もう、朝…?〕
【おはようララ】
〔…おはよう、父ちゃん〕
〔……ノマ、起きて、ノマの分のご飯なくなってもしらないよ〕
{……う、やだ…}
〔なら早く起きて…〕
~15分後~
【よし、みんな準備出来たな、それじゃあ朝メシゲットするぞー!!】
〔………父ちゃん元気だね〕
【……子供だろ、子供らしくあってくれ…乗ってくれよ…】
〔……おーー…〕
{………おーー}
【………】
「……?(どうしたの?)」
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[朝ご飯配給所]
〔……っ、ふぁ…眠い…〕
{……お姉ちゃん…だいじょぶ?}
〔…うん?大丈夫、少し眠いだけだから…〕
{…そっか…}
〔うん…〕
【………】
【後何分後か…】
皆朝ご飯をゲットするために早くから列を作っていたようだ
イーサン家から配給窓口までかなりの人が並んでいる
【……(タロの分まで貰えると良いんだが…)】
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[30分後]
【後、35人か…】
[更に15分後]
〔後…10人〕
[更に10分後]
{後…3…人?}
【………!!やっと俺たちの番だ!!】
ようやくイーサン達の番が来たようだ
朝ご飯を獲得するまでにかかった時間は1時間
毎日立ちながら長い列を待たないといけない
[人数は?]
【よ…4人です】
[……4人?私には3人しか見えませんが]
【…飼い犬を入れて4人です、ほら、ここに】
「わん!(へへへ)」
[……残念ながら犬の朝ご飯まで用意は出来ません。]
[…説明を読みましたか?]
男は無愛想にそう言う
少々腹が立つが男の言っている事は間違っていない
犬のご飯を用意出来るくらいなら人間のご飯を作るのが正しい選択だろう
〔……タロも家族だよ!見た目が違うだけ、大切な家族!〕
ララは抗議するかのようにそう言った
[……お嬢さん、残念ながら貴方達家族だけに特別な対応をする事は出来ませんので]
[…ご理解して頂きたい]
〔………〕
{…お姉ちゃん…}
[…………]
【……ハハ、分かりました、確かにそうですよね、ごもっともです】
【それでは、3人分お願いします】
[…分かりました、3人分ですね]
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〔……タロ、私の分けてあげる!〕
{…ぼくのも、}
【………父ちゃんも少しだけ分けてあげるよ】
「わんわん!(ありがとう!)」
3人はタロに朝ご飯を分ける
〔父ちゃんの少なくない?ケチ!〕
【ケチ?父ちゃんはな、デカイから沢山食べないといけないんだ】
〔ふ~ん〕
【………】
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[その出来事から3年の時が経った]
〔もう、父ちゃん早くして〕
【ハハっごめんごめん】
ララは成長し、マリラに似てきた
{……お姉ちゃん}
[更に5年の時が経った]
〔……ねぇ、ヴァレス…〕
[は?なんだ…]
〔……ふふ、なんでもない…月が綺麗だね…〕
[……そうだな]
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ヴァレスとはどこで出会ったんだっけ…
あぁそうだ思い出した…私が''サンリ戦士隊''に入ったあの日に出会ったんだ…
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