上 下
27 / 90
本編

09 - 2 勘違いするほど甘く

しおりを挟む
「や、やだ、耳……っ」
「苦手?」

 私は思い切り首を縦に振った。
 嫌だと言ったのに――。

「ひゃあっ!」

 ロゼが耳の中に舌を入れ、音が直接脳に響いて変な声が出た。一瞬で鳥肌が立って涙目になったのを見たロゼは、クククッと喉を鳴らして笑う。

あわ立つほど嫌なんだ?」

 耳が気持ちいい人はいるかもしれないけれど、私は苦手だった。わざわざそれを確認するなんて意地悪すぎる。
 ロゼの顔を両手で離して拒否すると、ゴメンと言いながら舌で指の間を舐めた。舌を見せるロゼが不思議と可愛く見えてしまう。

 私の反応を見ながら快感の源を探り当てて刺激し、唇は胸の先を吸い上げる。両方からの刺激で快感がたかぶっていく。
 手のひらを陰核に当てながら指で中の刺激を続け、ジンジンと疼いて僅かに締まった。快感の源を何度も刺激され、気持ち良くて勝手に腰が動いてしまう。

「あ、あっ、ああ……っ」

 固くなった胸の先端を熱い舌がねぶり、唇で優しく含むとジンと痺れ、甘い声が零れる。先端を甘噛みされると快感が高まり、中が収縮して指を締め付けた。高まった快感を我慢できず、小さな悲鳴を上げた。

「まだいっちゃ駄目」

 中の指がすっと抜かれ、甘い痺れが残ったままヒクついた。突然お預けを食らって、行き場をなくした熱が切なくなる。
 ロゼは胸の愛だけを続け、先を口に含みながら私の顔を見て目を細めた。また、反応を見て楽しんでいるんだ。酷い人。
 もてあそぶように舐り、ロゼに胸の先を強く吸われるとそこも下腹部もジンジンと疼いた。連動するように耐え難い疼きが襲い、我慢できなくなる。

「あっ、はあっ……も、むり……おねがい」

 ロゼに火照った体を押し付け、彼の首に両手を回して続きを乞う。

「ロゼ……して……?」

 火照って潤んだ瞳に映るロゼは、熱い目をして僅かに口角を上げた。

「そんなおねだりされたら理性飛ぶよ……」

 低音の声で囁かれるとゾクゾクする。私の太腿を大きく開くように抱えると、ロゼのものが秘部を押し開き、クチュッと音を立てて中にゆっくり侵入してきた。先端が入っただけで全身を快感が駆け抜けていく。

「あ、あ、ああ……!」
「……っ、力、抜いて」

 自分の器に収まらないのではないかと思わせる質量が奥へ進んで、その圧迫感で法悦に浸る。溺れるような吐息。熱を持ったロゼの瞳が私を見下ろした。

「中、熱……」

 両手で腰をつかんでゆっくり前後させて中を擦りながら、熱い昂りがどんどん奥へ膣壁を押し開いて進んでいく。ロゼが少し動くだけでも強い快感が走る。

「ん、あっ、あああ……っ」
「サリダ……本当に中が吸い付いてくる」

 全て入ったのか、ロゼが熱い吐息を漏らした。入っていたものがゆっくり入り口まで引き抜かれると、一気に奥を突き上げる。火花の弾けるような強烈な快感に堪らず高い声を上げた。

「は、ああ……締め付け、すごい」

 快感の源を激しく突かれ、中の昂りをきゅうきゅうと締め上げた。気持ち良くて止まらない。
 私は腰をつかんでいるロゼに手を伸ばした。

「……ロゼ……だき、しめて……」
「なに、可愛いこと言って」

 ロゼは私を抱き締めて体を密着させると、食らいつくように唇を塞ぐ。ロゼの背中に腕を回してしがみつくと、大きく律動させる動きに体も一緒に揺さぶられた。奥を突かれて一気に快感が強まる。

「あ、あっ、ああっ……あん……!」

 緩急を付けた動きに翻弄ほんろうされながら、ただひたすら彼に身を任せた。
 覆いかぶさるロゼの額ににじむ汗。私に感じてくれているロゼの表情が扇情的で、情欲を駆り立てられた。

「は、あっ、ああっ、そこ、だめ……」
「ここがいいんだ? もっと腰浮かして」

 ロゼの腰に足を絡めて密着するようにしがみついた。激しく突いていた昂りは、最奥を振動させるような小さな動きにシフトして、それが何故か酷く気持ちいい。ロゼの動きで快楽の高みに登っていく。中のものを締め付けてロゼにしがみついた。じわじわ高まる快感が強くなり、締め付けが止まらなくなる。声が出せなくなるほどの快感。

「…………っ!!」
「サリ」

 奥を何度も刺激されて悲鳴のような声を上げた。全身を突き抜ける快感で収斂しゅうれんし、ロゼ自身をきつく締め付けた。絶頂を迎えている最中もロゼは激しく突き上げて快感の波が止まらない。

「だ……め、……おかし、く……な……」

 激烈に襲う快感で、ままならぬ呼吸に意識が飛びかける。

「……っ……ああぁ――っ」

 ロゼは一段と強く私を抱き締めると、耳元で甘い声を零し、中で大きく脈打った。何度か脈打った後、体の力が抜けてロゼは私の上に横たわる。背中をなでると汗で湿っていた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

わたしが嫌いな幼馴染の執着から逃げたい。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7,625pt お気に入り:2,623

oh my little love

BL / 連載中 24h.ポイント:448pt お気に入り:21

半魔王子と半霊騎士

BL / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:38

【R18】A子とB子の場合

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:291pt お気に入り:39

処理中です...