48 / 154
名前って難しいですね
しおりを挟む
集まりは式典なのだろうか?それとも他の何かか、どちらにしろ俺たちには関係ないので、施設へと足を進める。
通りすがりチラリと横を見てみれば、知った顔が幾つかあった。
まず台上にはつい先日会った東さんと瓦崎さん、どうやらフル装備の1団はパーティーらしい。
スーツの男は、多分県知事か市長かどちらか……正直どっちがどっちかわからない。わかるのは選挙の時期になるとうるさかったな~ぐらいしか。
その近くには風間教官、こちらは警備なのかな?
「はぁはぁ……やっと追い付いた……てめぇら逃げてんじゃねぇよ」
そんな事をチラ見していたのと、人混みというのもあって歩くのが遅くなったせいもあるだろう、若狭の仲間たちに追いつかれてしまったようだ。
逃げている訳ではないが、言っても無駄だろう……というか、肩で息をしていてそれどころじゃなさそうだし。
「えっと、用って何?早く訓練施設へ行きたいんだけど」
問いかけながらも視線を教官へと送る。願わくば気付いて、遅れた理由は俺たちのせいじゃないとクソ忍者たちに言い添えてくれますように……
「だから加藤くん、大木くん、松村くんが用があるって言ってるんだよ」
「俺たちは用事はないし、それどころか知らないんだけど?」
「うるせぇ、ちょっと待ってろ」
マズイマズイ……時間が経ってゆく。
教官気付いてっ!!
「悪いんだけどさ、師匠に怒られるからもう行っていいかな?」
「そう言って逃げるんだろ?」
「逃げるも何も意味がわからないんだけど」
「うるせえ、ビビってんだろ」
まったく意味がわからない。
そして確かにビビってはいる、クソ忍者たちのご機嫌を損ねる事を。
「わかったわかった、とりあえず師匠たちに伝えてこないとマズイんで、伝えたら戻ってくるから、それでいいな?」
「そのまま逃げる気だろうが!?」
「逃げない逃げない、いい子だからここで待っててね~」
「てめぇっ!」
もう面倒くさくなった……
俺たち3人は走り出し、施設へと飛び込んだ。
そしてそこに居たのは、恐ろしい程に笑みをたたえた師匠たち5人。
「とりあえず聞こうか理由を……まさか外でやっているショーに目を奪われていたとかはないだろうな」
ヤバイ、俺の師匠たちはもちろんだけど、アマたちの師匠も満面の笑みでこちらを見つめている……
それぞれがなぜか木刀を手に持って、コツコツと地面を叩いたり抉ったりしているし。
俺たちは必死に今日起きた事を説明した、そりゃもう必死にね。このままだと地面の代わりに木刀を受けるのは間違いなさそうだしね。
一つ言えるのは、報連相?報告・連絡・相談だっけ、それを常にしておくのは重要って事だ。若狭の仲間たちの最近の行動を伝えていた事で、信じて貰えたからね。
そして出された結果は、みんなで話を聞きに行こう!って事になった。みんなというのは、師匠たち5人を含めてって意味。
ぞろぞろと広場へと戻ると、既にショーだか式典だかは既に終わったらしく、マスコミの姿は消えていた。残っているのは東さんたちパーティー一団と、スーツの男数人、探索者らしきグループが幾つかと、その1組と話している若狭の仲間たち。
「どの者だ」
早く用事を聞き出して済ませろと言わんばかりに急かされる。
集団の方向へ足を進めると、何やらスーツの男性が東さんたちに話しかけているのが聞こえてきた。
「ぜひ私の息子もパーティーのサポート要員として連れて行って頂きたい」
「いえ、既にもう決まっていますし……」
「サポート要員は分厚い層があった方がいいと思うのですよ。それに私の息子やその友人たちはエリート職ですからね、必ず役立つ事を約束出来ますよ」
「そう言われましても……」
どうやら自分の息子を売り込んでいるようだ。それに対して東さんたちは苦笑を浮かべ困っているように見える。
まぁそんな事はどうでもいいだろう。
どんどんと後ろの5人からのプレッシャーが強くなっているんだから。早くしないと、何が起きても不思議ではない。
仲間たちは……おおっと、どうやらスーツの男の近くにいるようだ、人混みを通るのが面倒くさい。
何が面倒くさいってさ、俺たちが通ろうとすると、みんな横入りとか邪魔だと思うんだろう、一瞬不快な顔でこちらを見て、その後ギョッとした表情を浮かべてスっと避けていくのだ。
なぜそんな対応になるか、それは後ろの師匠たちに気付くからだ。他の人にもわかるほどの苛立ちや恐怖のオーラを出しているとかではない、全員がお面をそれぞれ被っているからだ。クソ忍者は狐の面、ハゲヤクザは天狗、鬼畜治療師は般若、アマの師匠の百地《ももち》さんはウサギ、キムの師匠の藤林《ふじばやし》さんはパンダだ。
明らかに異様な集団……そりゃ避けるよね。
そういえば、若狭の仲間たちの名前なんだっけ……仲間たちとしか認識していなかったから、しっかりと覚えていないんだよね。
「名前なんだっけ」
「クラスメイトの名前ぐらい覚えておけよ」
「うむ、さすがに酷い」
「……じゃあ声掛けてくれ、任せた」
「しゃあないな……おい、木田来たぞ」
アマが声を掛けたが反応がない。
どうやらざわざわしているせいで聞こえていないらしい。
そこで近くまで寄って、肩を叩きながら再度声を掛ける事にした。
「おい、木田。来たぞ」
「はぁっ?俺は木田じゃねえぞコラ」
「アマ、木田は向こうの鼻横にホクロがあるやつだぞ」
「……俺は高坂こうさかだし、あいつは山田だぞ。お前ら喧嘩売ってんのか」
「お前ら全然違うじゃねえか」
「うるせぇ、似てるから問題ないんだよ」
「うむ、少なくとも俺は『だ』は合っていたしな」
「てめぇらふざけんなよ」
高坂くんの怒りはもっともだ。
アマに至ってはカスリもしていないし、キムも胸を張って言えるほど合っていない。そんなんでよく俺に「酷い」とか言えるよね。
ここはやはり俺が纏めなければ、話が進まないようだ。
「2人が悪かった、んでそんな話はどうでもいいから、用事は何?」
「てめぇ、人の名前をそんな話だと?ふざけんのもいい加減にしろよ」
なぜだ……
謝ったというのに、なぜ睨まれているのか……おかしい。
「……すまん、とりあえず用事を先に聞かせてくれ」
「チッ……大木くんっ!横川たちが来たよ」
「んっ?あぁ、やっとかよ」
こうだくんが呼びかけ振り向いた相手は、予想通り栄ダンジョン前にて絡んできた1人だった。
「父さん、来たよ」
大木とかいうやつがスーツの男に話しかけた。父さんと言っているので息子なのだろうが、親子で何の用があるというのだろうか。全く心当たりがなさすぎて、更に意味がわからない。
「東さん、私の息子と友人たちの有用性をね、証明しますので、それを見て頂ければおわかりになると思うんですよ」
「証明ですか?」
「えぇ、ちょうど底辺職だというのにも関わらず、世に感謝もせずのうのうと生きているやつらが来ましたので、身の程を知って貰うためにも、スパーリングパートナーとして戦って貰おうと思いましてね」
「底辺職?……スパーリング?」
「えぇ、同じ年代ですし、ちょうどいい比較対象になるでしょう」
このおっさんは何を言っているのだろうか?
息子も息子なら親も親だな……
底辺職だとか、身の程知らずだとか、こんな衆目の前でよく言えるよね。
東さんと瓦崎さんは、おっさんが指差す先にいる俺たちを見て、ギョッとしているよ。そしてコソコソと周りのパーティーメンバーに話している。
そりゃそうだよね、先日本部での話からすると、きっと俺の事は既に知らされているだろうし。
「おい、底辺職孤児のガキども。名誉あるスパーリングパートナーとして選んでやったんだ、ありがたく受けるだろ?まさか逃げねぇよな」
息子が顔をいやらしく歪めて、挑発するように言ってきた。
うーん……それは俺の一存では決められないよな。
困ったな~っと息子の一団の面々を見てみたら、若狭本人とそのパパママの姿がある。
そういう繋がりで若狭は軽業師だと知っていた事や、えっと……あっ、こまだくんたちの最近の態度に、やっと納得出来た。
うーん、どうしたものか……
「やっぱりビビっちゃうか~怖いよな~漏らしちゃうか?」
腹が立つから受けてやりたいのは山々だけれど、本当に一存で決められないからな。
師匠たちは……そう思って振り向いた時だった。
「んっ?何だぁ?逃げるのか?……ぷっ、何だあのハゲ天狗!!ぶはははははっ、やべー!何!?もしかしてアレお前の知り合いか?さすが底辺!!」
俺の視線の先を追って、ハゲヤクザに気が付いたらしい。そしてめちゃくちゃ笑いだした、ハゲというキラーワードを連呼しながら……
ヤメロっ!
その天狗は妖怪よりも危険なんだぞっ!!
怒りが俺たちに向かったらどうすんだよっ!
「受けてやれ」
ドスの効いた声が聞こえてきた。
ああっ!めちゃくちゃ怒ってる~!!
「もしかしてアレも一緒に戦うの?やべー!俺、笑えて戦えるか不安~さすが底辺職!戦法がセコッぶはははははっ」
「あのハゲ仲間なのかよ」
「底辺はジジイしか仲間に出来ないんだろ」
「ブサイクだから顔隠してんのかね」
「父さん、受けるってさ」
若狭一家はなぜあの天狗の中身に気付かないんだよっ!?
普通気付くでしょ?俺より付き合い長いんだろうし、夏の一件を覚えていれば、察する事出来るでしょ?なんで一緒に笑ってんだよっ!!
「知事、やめておいた方がいいんじゃないですか?」
「東さんはお優しいですな。ですが大丈夫です、うちのは手加減も出来ますから」
おっさんはどうやら知事だったらしい。
いや、知事か市長かはどうでもいいんだよ。東さんたちの進言にちゃんと耳を傾けてっ!
ハゲヤクザの手加減は、あなたたちの知っている手加減と違うから!
捕食者と獲物の立場も全く違うからっ!
めちゃくちゃ逃げたいですっ!
誰か助けてっ!!
通りすがりチラリと横を見てみれば、知った顔が幾つかあった。
まず台上にはつい先日会った東さんと瓦崎さん、どうやらフル装備の1団はパーティーらしい。
スーツの男は、多分県知事か市長かどちらか……正直どっちがどっちかわからない。わかるのは選挙の時期になるとうるさかったな~ぐらいしか。
その近くには風間教官、こちらは警備なのかな?
「はぁはぁ……やっと追い付いた……てめぇら逃げてんじゃねぇよ」
そんな事をチラ見していたのと、人混みというのもあって歩くのが遅くなったせいもあるだろう、若狭の仲間たちに追いつかれてしまったようだ。
逃げている訳ではないが、言っても無駄だろう……というか、肩で息をしていてそれどころじゃなさそうだし。
「えっと、用って何?早く訓練施設へ行きたいんだけど」
問いかけながらも視線を教官へと送る。願わくば気付いて、遅れた理由は俺たちのせいじゃないとクソ忍者たちに言い添えてくれますように……
「だから加藤くん、大木くん、松村くんが用があるって言ってるんだよ」
「俺たちは用事はないし、それどころか知らないんだけど?」
「うるせぇ、ちょっと待ってろ」
マズイマズイ……時間が経ってゆく。
教官気付いてっ!!
「悪いんだけどさ、師匠に怒られるからもう行っていいかな?」
「そう言って逃げるんだろ?」
「逃げるも何も意味がわからないんだけど」
「うるせえ、ビビってんだろ」
まったく意味がわからない。
そして確かにビビってはいる、クソ忍者たちのご機嫌を損ねる事を。
「わかったわかった、とりあえず師匠たちに伝えてこないとマズイんで、伝えたら戻ってくるから、それでいいな?」
「そのまま逃げる気だろうが!?」
「逃げない逃げない、いい子だからここで待っててね~」
「てめぇっ!」
もう面倒くさくなった……
俺たち3人は走り出し、施設へと飛び込んだ。
そしてそこに居たのは、恐ろしい程に笑みをたたえた師匠たち5人。
「とりあえず聞こうか理由を……まさか外でやっているショーに目を奪われていたとかはないだろうな」
ヤバイ、俺の師匠たちはもちろんだけど、アマたちの師匠も満面の笑みでこちらを見つめている……
それぞれがなぜか木刀を手に持って、コツコツと地面を叩いたり抉ったりしているし。
俺たちは必死に今日起きた事を説明した、そりゃもう必死にね。このままだと地面の代わりに木刀を受けるのは間違いなさそうだしね。
一つ言えるのは、報連相?報告・連絡・相談だっけ、それを常にしておくのは重要って事だ。若狭の仲間たちの最近の行動を伝えていた事で、信じて貰えたからね。
そして出された結果は、みんなで話を聞きに行こう!って事になった。みんなというのは、師匠たち5人を含めてって意味。
ぞろぞろと広場へと戻ると、既にショーだか式典だかは既に終わったらしく、マスコミの姿は消えていた。残っているのは東さんたちパーティー一団と、スーツの男数人、探索者らしきグループが幾つかと、その1組と話している若狭の仲間たち。
「どの者だ」
早く用事を聞き出して済ませろと言わんばかりに急かされる。
集団の方向へ足を進めると、何やらスーツの男性が東さんたちに話しかけているのが聞こえてきた。
「ぜひ私の息子もパーティーのサポート要員として連れて行って頂きたい」
「いえ、既にもう決まっていますし……」
「サポート要員は分厚い層があった方がいいと思うのですよ。それに私の息子やその友人たちはエリート職ですからね、必ず役立つ事を約束出来ますよ」
「そう言われましても……」
どうやら自分の息子を売り込んでいるようだ。それに対して東さんたちは苦笑を浮かべ困っているように見える。
まぁそんな事はどうでもいいだろう。
どんどんと後ろの5人からのプレッシャーが強くなっているんだから。早くしないと、何が起きても不思議ではない。
仲間たちは……おおっと、どうやらスーツの男の近くにいるようだ、人混みを通るのが面倒くさい。
何が面倒くさいってさ、俺たちが通ろうとすると、みんな横入りとか邪魔だと思うんだろう、一瞬不快な顔でこちらを見て、その後ギョッとした表情を浮かべてスっと避けていくのだ。
なぜそんな対応になるか、それは後ろの師匠たちに気付くからだ。他の人にもわかるほどの苛立ちや恐怖のオーラを出しているとかではない、全員がお面をそれぞれ被っているからだ。クソ忍者は狐の面、ハゲヤクザは天狗、鬼畜治療師は般若、アマの師匠の百地《ももち》さんはウサギ、キムの師匠の藤林《ふじばやし》さんはパンダだ。
明らかに異様な集団……そりゃ避けるよね。
そういえば、若狭の仲間たちの名前なんだっけ……仲間たちとしか認識していなかったから、しっかりと覚えていないんだよね。
「名前なんだっけ」
「クラスメイトの名前ぐらい覚えておけよ」
「うむ、さすがに酷い」
「……じゃあ声掛けてくれ、任せた」
「しゃあないな……おい、木田来たぞ」
アマが声を掛けたが反応がない。
どうやらざわざわしているせいで聞こえていないらしい。
そこで近くまで寄って、肩を叩きながら再度声を掛ける事にした。
「おい、木田。来たぞ」
「はぁっ?俺は木田じゃねえぞコラ」
「アマ、木田は向こうの鼻横にホクロがあるやつだぞ」
「……俺は高坂こうさかだし、あいつは山田だぞ。お前ら喧嘩売ってんのか」
「お前ら全然違うじゃねえか」
「うるせぇ、似てるから問題ないんだよ」
「うむ、少なくとも俺は『だ』は合っていたしな」
「てめぇらふざけんなよ」
高坂くんの怒りはもっともだ。
アマに至ってはカスリもしていないし、キムも胸を張って言えるほど合っていない。そんなんでよく俺に「酷い」とか言えるよね。
ここはやはり俺が纏めなければ、話が進まないようだ。
「2人が悪かった、んでそんな話はどうでもいいから、用事は何?」
「てめぇ、人の名前をそんな話だと?ふざけんのもいい加減にしろよ」
なぜだ……
謝ったというのに、なぜ睨まれているのか……おかしい。
「……すまん、とりあえず用事を先に聞かせてくれ」
「チッ……大木くんっ!横川たちが来たよ」
「んっ?あぁ、やっとかよ」
こうだくんが呼びかけ振り向いた相手は、予想通り栄ダンジョン前にて絡んできた1人だった。
「父さん、来たよ」
大木とかいうやつがスーツの男に話しかけた。父さんと言っているので息子なのだろうが、親子で何の用があるというのだろうか。全く心当たりがなさすぎて、更に意味がわからない。
「東さん、私の息子と友人たちの有用性をね、証明しますので、それを見て頂ければおわかりになると思うんですよ」
「証明ですか?」
「えぇ、ちょうど底辺職だというのにも関わらず、世に感謝もせずのうのうと生きているやつらが来ましたので、身の程を知って貰うためにも、スパーリングパートナーとして戦って貰おうと思いましてね」
「底辺職?……スパーリング?」
「えぇ、同じ年代ですし、ちょうどいい比較対象になるでしょう」
このおっさんは何を言っているのだろうか?
息子も息子なら親も親だな……
底辺職だとか、身の程知らずだとか、こんな衆目の前でよく言えるよね。
東さんと瓦崎さんは、おっさんが指差す先にいる俺たちを見て、ギョッとしているよ。そしてコソコソと周りのパーティーメンバーに話している。
そりゃそうだよね、先日本部での話からすると、きっと俺の事は既に知らされているだろうし。
「おい、底辺職孤児のガキども。名誉あるスパーリングパートナーとして選んでやったんだ、ありがたく受けるだろ?まさか逃げねぇよな」
息子が顔をいやらしく歪めて、挑発するように言ってきた。
うーん……それは俺の一存では決められないよな。
困ったな~っと息子の一団の面々を見てみたら、若狭本人とそのパパママの姿がある。
そういう繋がりで若狭は軽業師だと知っていた事や、えっと……あっ、こまだくんたちの最近の態度に、やっと納得出来た。
うーん、どうしたものか……
「やっぱりビビっちゃうか~怖いよな~漏らしちゃうか?」
腹が立つから受けてやりたいのは山々だけれど、本当に一存で決められないからな。
師匠たちは……そう思って振り向いた時だった。
「んっ?何だぁ?逃げるのか?……ぷっ、何だあのハゲ天狗!!ぶはははははっ、やべー!何!?もしかしてアレお前の知り合いか?さすが底辺!!」
俺の視線の先を追って、ハゲヤクザに気が付いたらしい。そしてめちゃくちゃ笑いだした、ハゲというキラーワードを連呼しながら……
ヤメロっ!
その天狗は妖怪よりも危険なんだぞっ!!
怒りが俺たちに向かったらどうすんだよっ!
「受けてやれ」
ドスの効いた声が聞こえてきた。
ああっ!めちゃくちゃ怒ってる~!!
「もしかしてアレも一緒に戦うの?やべー!俺、笑えて戦えるか不安~さすが底辺職!戦法がセコッぶはははははっ」
「あのハゲ仲間なのかよ」
「底辺はジジイしか仲間に出来ないんだろ」
「ブサイクだから顔隠してんのかね」
「父さん、受けるってさ」
若狭一家はなぜあの天狗の中身に気付かないんだよっ!?
普通気付くでしょ?俺より付き合い長いんだろうし、夏の一件を覚えていれば、察する事出来るでしょ?なんで一緒に笑ってんだよっ!!
「知事、やめておいた方がいいんじゃないですか?」
「東さんはお優しいですな。ですが大丈夫です、うちのは手加減も出来ますから」
おっさんはどうやら知事だったらしい。
いや、知事か市長かはどうでもいいんだよ。東さんたちの進言にちゃんと耳を傾けてっ!
ハゲヤクザの手加減は、あなたたちの知っている手加減と違うから!
捕食者と獲物の立場も全く違うからっ!
めちゃくちゃ逃げたいですっ!
誰か助けてっ!!
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
黒き魔女の世界線旅行
天羽 尤
ファンタジー
少女と執事の男が交通事故に遭い、意識不明に。
しかし、この交通事故には裏があって…
現代世界に戻れなくなってしまった二人がパラレルワールドを渡り、現代世界へ戻るために右往左往する物語。
BLNLもあります。
主人公はポンコツ系チート少女ですが、性格に難ありです。
登場人物は随時更新しますのでネタバレ注意です。
ただいま第1章執筆中。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる