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ブォーォー!ブォーォーッ!
転移魔法陣はクソ忍者とダンジョン入口のちょうど真ん中に出てきたようだ。
出てきたという合図だろう、入る時と同じような法螺貝が鳴り響く中、俺はハゲヤクザに言われた通りに、クソ忍者の前まで進んで膝を着く。
羽織袴によく似ているような、ちょっと違うような、時代劇で見るような服装の人がゆっくりと丸い漆塗りの高そうなお盆を持って歩いてくる。
「証をこれへ」
バッグから取り出した鬼のツノを、そっと両手で持ち載せる。
何か儀式的な雰囲気だからね、つい両手で持っちゃった。
「検分致す……確かに赤鬼のツノである事を確認した」
「見守り人山岡の組長、不正及び棄権事項に抵触する事なかったか?」
「不正なく、一切の助力はなかった」
「面を上げよ」
これはハハッーっとでも言った方がいいのかな?
うん……それは恥ずかしいから止めとこう。
顔を上げると、不満気な顔をしたクソ忍者がこちらを見ていた。
遅かった?
そういえば教官は、最速タイムは25時間くらいだって言っていた……
そう、あくまでもくらいとしか聞いていない。
くらい、という事は、前後があるという事だ。後の方だったらまだいいけど、目の前の顔から考えると、前の方である可能性が高いという事だ。
ヤバイ……
これは切腹案件かもしれない。
あの顔は、草履取りのお猿さんこと若狭の坊ちゃんに、腹を切れと言った時と同じような気もしてきた。
輪になってこちらを見ている、関係者一同もザワついている。
よく聞こえないが、きっと「遅すぎ」とか「だせぇ」とか言ってるに違いない。
「結果は追って知らせる。それまで宿にいるが良い……風間はおるかっ」
これは……追って沙汰を言い渡す的な事だ。
逃げろっ、逃げるしかない!
どこまで逃げれるか……何日生き延びれるかはわからないけど。
「お呼びでございましょうか」
教官が輪の中から走ってきて、膝を着いた。
教官生きていたんだね!
時間を漏らした事で、切腹とはならなかった模様だ……指もあるみたい。
「これを宿に連れていき、風呂など入れてやれ」
「御意」
身を綺麗にして、時を待てという事ですね。
そして教官が監視役と……
終わった……
せめてもう一度、如月先輩の顔を見たかったな。
このまま宿に連行されるのかと思ったら、違うようだ。
まずは魔法袋を返却し、中身の使用状況の確認だ。入る前の時もそうだったけど、何をどれだけ使ったかを紙に記入している。
何故か首を捻っているけど、何なんだろう……
あれかな?「こんなにも使ってるだとっ?これで直弟子とか……」っていう嘲笑的なものだろう。何かちょっと呆れた顔もしているし。
次に着替えだ。
やはり昨日と同じように、3人の前で服を脱ぐ事となった。
ただ今回は辱めはなかった……良かった。
人生最期になるというのに、男に色々触られてからとか、素直に成仏出来る自信がない。
武器防具は後ほど部屋へと届けてくれるらしい。元々持っていた、酷く脆いヤツと一緒に。
そうしてようやく解放された。
そして直ぐに教官に連れられて、温泉宿に移動した。
ただ部屋は昨日?一昨日?ともかく前泊まった本館の部屋ではなく、少し離れたところにある別館だった。
少し広く豪勢な感じが嬉しいけど、きっと最期の配慮というやつだろう。
「汗臭いからとっとと風呂へ入れ。ここは個室温泉付きだからな、ゆっくりと入ってこい」
個室露天風呂だとっ!?
以前に『ちょっとデキル大人のデート』って雑誌をコンビニで立ち読みした時に載っていた、憧れのやつではないか!
それは是非入らねばっ!!
初めての個室露天風呂にテンション上がりまくった結果……少し逆上せた。
いや、いつか可愛い女の子と……出来れば如月先輩と……なんて夢を見たり妄想したりしていたら……ね?
風呂から出たら、食事のお膳が用意されていた。
何この用意周到なもてなし。
ますます切腹の可能性が高まっていくんですけど?
あっ、解毒薬を用意してと。
「毒は一切入ってないぞ」
マジですか?
もう可能性じゃなくて、確実な決定事項じゃないですかー!?
お父さんお母さん……先立つ不幸をお許し下さい。
って、両親なんかいなかったんだった。
最期の飯だ、味わって食べよう。
一昨日は味なんてしなかったしね。
うん、美味い!!
食後直ぐに眠気が襲ってきて……
起きたのは、丸1日経った後だった。
どうせ死ぬのだから、このままこのちょっと豪勢な座敷牢で結果が出るまで、ダラダラと過ごすんだろうなって思ってたんだけど、違った。
その後2日間、教官に連れられて渥美ダンジョン探索者協会の訓練施設へと連行され、朝から晩まで訓練という名のシゴキだった。
きっと教官は、教えたのに不甲斐ない結果となったとの思いからだろう、前にも増して激しいシゴキだった。
更にはハゲヤクザまでが来て、手合わせという名のシゴキにあった。
「いっその事、もうここで殺してください」と叫びたくなるような、壮絶なものだったよ。
回復薬は、その透明度が高いほど等級が高く、効き目がいいんだけれども、これまで見た事のない色の物を、山ほど使用させられたしね。
あれって、一体幾らなんだろう……
考えるだけ無駄だとは思うけど、思わず考えてしまうのは、貧乏性だからかな。
満面の笑みで飲まされたりしたからね……金を請求されるんじゃないかってビクビクしちゃうよ!
まぁ死んでも遺産なんてないから、どうしようもないとは思うんだけどさ。
「今日は結果発表だ」
朝起きて食事をしている時に、教官から告げられた。
ついにこの日が来てしまったよ。
この2日間、脱走を考えたけどそんな余裕はなかった。風呂トイレ以外はほとんど教官が近くにいるし、朝から晩まで気力の欠片さえ残らない程にシゴかれていたしね……
親友であるアマとキムには遺書も送った、覚悟を決めよう。
連れられて行かれたのは、ダンジョン前の広場だった。
転移して出てきた時は、入口方向に向いていたクソ忍者の椅子が、逆向きになっており、その左右には組長たちがずらりと座っている。
その前に等間隔で椅子が5×4列の20個……1つ欠けているから19個並んでいるから、これは俺たち儀に参加した者の席だろう。
「ほら、お前の席は1番前の1番左だ。あそこで座って大人しく待っていろ」
あそこが最期を迎える場所か……
それがパイプ椅子か……
よく時代劇で見るようなゴザとか、切腹用の畳とかじゃないんだね。
そういえば白装束じゃないけれど、言い渡されてから着替えるのかな?
色々考えている内に、同じく儀に参加した同年代の皆さんがやってきて、椅子に座っていた。
って、横に若狭かよっ!
何も言わずに睨んでくるなよ……
何?もしかしてお前も再度切腹コースなの?
こいつが一緒とか、気が滅入るな。
ブォーォーッ!ブォーォーッ!!
また法螺貝が鳴り響く。
「静まれいっ!これより発表を行う」
羽織袴っぽい着物の人が、マイクで声をあげた。
「1等!横川一太!計測時間は24時間57分である!これはこれまでの83時間28分という最短記録を大幅に縮める偉業である!」
はっ?
今なんて言った?
1等??83時間??
えっ?どういう事??
理解できない。
なんの冗談だろう……
確かに教官は、これまでの最短は25時間くらいだって言っていたはずだ。
あまりにもわからなさ過ぎて、これ以降の発表なんて頭に入ってこなかった。
「横川一太、前へ!横川っ!聞こえぬのか前へ!」
おっと、何か前へ出ろと言われているようだ。
「よくやった、まさか本当に25時間で出てくるとはな」
クソ忍者のお褒めの言葉を頂きました……
「えっ……切腹は?」
「何の事だ?」
「最期の時を過ごすための、座敷牢とか温泉は?」
「んっ?お前は何を言っているのだ?」
「出てきた時、不機嫌だったじゃないですか……」
「不機嫌?……あぁ、25時間で出てこれるというのに、他の者たちはどうなっているのだと、これまでの我らの教育の在り方に疑問を思ってな」
「もしかして騙されてました?」
「恨むなら風間だな」
クソー!
俺の覚悟を返せ!!
「横川はこのように1等、しかも大幅に時間を削って出てきたが、まだ異を唱える者はおるかっ!…………ないようだな。他の者を揶揄する暇があるのであれば、精進を重ねよっ」
「「「「「御意」」」」」
クソ忍者の言葉に、一斉に組長から他の人たちまでが膝を着き頭を下げた。
チラりと後ろを見てみると、以前より多い数の人たちが、同じように頭を下げていた。
この後、一旦宿へと戻り、夜まで訓練してから宴席になった。
もちろん、俺はこの事態を生んだ元凶である教官に文句を言った。
「この野郎ふざけんな!めちゃくちゃのデタラメ教えやがって、どんなにしんどかったと思ってるんだよっ!ってか早くネタバレしとけよ!無駄に死を覚悟して、遺書まで書いたじゃねぇか、このクソ野郎がっ」ってね。
だけど、暖簾に腕押し、糠に釘。笑いながら「結果上手くいったんだから問題なし」の一言で片付けられた。そして、言葉遣いが悪いといつも以上に殴られた……
あの別館の個室露天風呂付きの部屋は、クソ忍者からの褒美の1種らしい。そして食事を全て部屋に運んできたのは、ネタバレを防ぐために、他の人たちと接触させないようにと考えた結果の出来事だったようだ。
ああっ!
アマとキムに送った遺書メールを読まないで消すように送らなきゃ!!
朝にはまだ返信がなかったから、読んでないはず!!
……「保存した」との返信が返ってきた。
恥ずかしいっ!
結構クサイ事書いちゃった気がするし!!
あっー
もう、やっぱり誰か殺してくださいっ!
転移魔法陣はクソ忍者とダンジョン入口のちょうど真ん中に出てきたようだ。
出てきたという合図だろう、入る時と同じような法螺貝が鳴り響く中、俺はハゲヤクザに言われた通りに、クソ忍者の前まで進んで膝を着く。
羽織袴によく似ているような、ちょっと違うような、時代劇で見るような服装の人がゆっくりと丸い漆塗りの高そうなお盆を持って歩いてくる。
「証をこれへ」
バッグから取り出した鬼のツノを、そっと両手で持ち載せる。
何か儀式的な雰囲気だからね、つい両手で持っちゃった。
「検分致す……確かに赤鬼のツノである事を確認した」
「見守り人山岡の組長、不正及び棄権事項に抵触する事なかったか?」
「不正なく、一切の助力はなかった」
「面を上げよ」
これはハハッーっとでも言った方がいいのかな?
うん……それは恥ずかしいから止めとこう。
顔を上げると、不満気な顔をしたクソ忍者がこちらを見ていた。
遅かった?
そういえば教官は、最速タイムは25時間くらいだって言っていた……
そう、あくまでもくらいとしか聞いていない。
くらい、という事は、前後があるという事だ。後の方だったらまだいいけど、目の前の顔から考えると、前の方である可能性が高いという事だ。
ヤバイ……
これは切腹案件かもしれない。
あの顔は、草履取りのお猿さんこと若狭の坊ちゃんに、腹を切れと言った時と同じような気もしてきた。
輪になってこちらを見ている、関係者一同もザワついている。
よく聞こえないが、きっと「遅すぎ」とか「だせぇ」とか言ってるに違いない。
「結果は追って知らせる。それまで宿にいるが良い……風間はおるかっ」
これは……追って沙汰を言い渡す的な事だ。
逃げろっ、逃げるしかない!
どこまで逃げれるか……何日生き延びれるかはわからないけど。
「お呼びでございましょうか」
教官が輪の中から走ってきて、膝を着いた。
教官生きていたんだね!
時間を漏らした事で、切腹とはならなかった模様だ……指もあるみたい。
「これを宿に連れていき、風呂など入れてやれ」
「御意」
身を綺麗にして、時を待てという事ですね。
そして教官が監視役と……
終わった……
せめてもう一度、如月先輩の顔を見たかったな。
このまま宿に連行されるのかと思ったら、違うようだ。
まずは魔法袋を返却し、中身の使用状況の確認だ。入る前の時もそうだったけど、何をどれだけ使ったかを紙に記入している。
何故か首を捻っているけど、何なんだろう……
あれかな?「こんなにも使ってるだとっ?これで直弟子とか……」っていう嘲笑的なものだろう。何かちょっと呆れた顔もしているし。
次に着替えだ。
やはり昨日と同じように、3人の前で服を脱ぐ事となった。
ただ今回は辱めはなかった……良かった。
人生最期になるというのに、男に色々触られてからとか、素直に成仏出来る自信がない。
武器防具は後ほど部屋へと届けてくれるらしい。元々持っていた、酷く脆いヤツと一緒に。
そうしてようやく解放された。
そして直ぐに教官に連れられて、温泉宿に移動した。
ただ部屋は昨日?一昨日?ともかく前泊まった本館の部屋ではなく、少し離れたところにある別館だった。
少し広く豪勢な感じが嬉しいけど、きっと最期の配慮というやつだろう。
「汗臭いからとっとと風呂へ入れ。ここは個室温泉付きだからな、ゆっくりと入ってこい」
個室露天風呂だとっ!?
以前に『ちょっとデキル大人のデート』って雑誌をコンビニで立ち読みした時に載っていた、憧れのやつではないか!
それは是非入らねばっ!!
初めての個室露天風呂にテンション上がりまくった結果……少し逆上せた。
いや、いつか可愛い女の子と……出来れば如月先輩と……なんて夢を見たり妄想したりしていたら……ね?
風呂から出たら、食事のお膳が用意されていた。
何この用意周到なもてなし。
ますます切腹の可能性が高まっていくんですけど?
あっ、解毒薬を用意してと。
「毒は一切入ってないぞ」
マジですか?
もう可能性じゃなくて、確実な決定事項じゃないですかー!?
お父さんお母さん……先立つ不幸をお許し下さい。
って、両親なんかいなかったんだった。
最期の飯だ、味わって食べよう。
一昨日は味なんてしなかったしね。
うん、美味い!!
食後直ぐに眠気が襲ってきて……
起きたのは、丸1日経った後だった。
どうせ死ぬのだから、このままこのちょっと豪勢な座敷牢で結果が出るまで、ダラダラと過ごすんだろうなって思ってたんだけど、違った。
その後2日間、教官に連れられて渥美ダンジョン探索者協会の訓練施設へと連行され、朝から晩まで訓練という名のシゴキだった。
きっと教官は、教えたのに不甲斐ない結果となったとの思いからだろう、前にも増して激しいシゴキだった。
更にはハゲヤクザまでが来て、手合わせという名のシゴキにあった。
「いっその事、もうここで殺してください」と叫びたくなるような、壮絶なものだったよ。
回復薬は、その透明度が高いほど等級が高く、効き目がいいんだけれども、これまで見た事のない色の物を、山ほど使用させられたしね。
あれって、一体幾らなんだろう……
考えるだけ無駄だとは思うけど、思わず考えてしまうのは、貧乏性だからかな。
満面の笑みで飲まされたりしたからね……金を請求されるんじゃないかってビクビクしちゃうよ!
まぁ死んでも遺産なんてないから、どうしようもないとは思うんだけどさ。
「今日は結果発表だ」
朝起きて食事をしている時に、教官から告げられた。
ついにこの日が来てしまったよ。
この2日間、脱走を考えたけどそんな余裕はなかった。風呂トイレ以外はほとんど教官が近くにいるし、朝から晩まで気力の欠片さえ残らない程にシゴかれていたしね……
親友であるアマとキムには遺書も送った、覚悟を決めよう。
連れられて行かれたのは、ダンジョン前の広場だった。
転移して出てきた時は、入口方向に向いていたクソ忍者の椅子が、逆向きになっており、その左右には組長たちがずらりと座っている。
その前に等間隔で椅子が5×4列の20個……1つ欠けているから19個並んでいるから、これは俺たち儀に参加した者の席だろう。
「ほら、お前の席は1番前の1番左だ。あそこで座って大人しく待っていろ」
あそこが最期を迎える場所か……
それがパイプ椅子か……
よく時代劇で見るようなゴザとか、切腹用の畳とかじゃないんだね。
そういえば白装束じゃないけれど、言い渡されてから着替えるのかな?
色々考えている内に、同じく儀に参加した同年代の皆さんがやってきて、椅子に座っていた。
って、横に若狭かよっ!
何も言わずに睨んでくるなよ……
何?もしかしてお前も再度切腹コースなの?
こいつが一緒とか、気が滅入るな。
ブォーォーッ!ブォーォーッ!!
また法螺貝が鳴り響く。
「静まれいっ!これより発表を行う」
羽織袴っぽい着物の人が、マイクで声をあげた。
「1等!横川一太!計測時間は24時間57分である!これはこれまでの83時間28分という最短記録を大幅に縮める偉業である!」
はっ?
今なんて言った?
1等??83時間??
えっ?どういう事??
理解できない。
なんの冗談だろう……
確かに教官は、これまでの最短は25時間くらいだって言っていたはずだ。
あまりにもわからなさ過ぎて、これ以降の発表なんて頭に入ってこなかった。
「横川一太、前へ!横川っ!聞こえぬのか前へ!」
おっと、何か前へ出ろと言われているようだ。
「よくやった、まさか本当に25時間で出てくるとはな」
クソ忍者のお褒めの言葉を頂きました……
「えっ……切腹は?」
「何の事だ?」
「最期の時を過ごすための、座敷牢とか温泉は?」
「んっ?お前は何を言っているのだ?」
「出てきた時、不機嫌だったじゃないですか……」
「不機嫌?……あぁ、25時間で出てこれるというのに、他の者たちはどうなっているのだと、これまでの我らの教育の在り方に疑問を思ってな」
「もしかして騙されてました?」
「恨むなら風間だな」
クソー!
俺の覚悟を返せ!!
「横川はこのように1等、しかも大幅に時間を削って出てきたが、まだ異を唱える者はおるかっ!…………ないようだな。他の者を揶揄する暇があるのであれば、精進を重ねよっ」
「「「「「御意」」」」」
クソ忍者の言葉に、一斉に組長から他の人たちまでが膝を着き頭を下げた。
チラりと後ろを見てみると、以前より多い数の人たちが、同じように頭を下げていた。
この後、一旦宿へと戻り、夜まで訓練してから宴席になった。
もちろん、俺はこの事態を生んだ元凶である教官に文句を言った。
「この野郎ふざけんな!めちゃくちゃのデタラメ教えやがって、どんなにしんどかったと思ってるんだよっ!ってか早くネタバレしとけよ!無駄に死を覚悟して、遺書まで書いたじゃねぇか、このクソ野郎がっ」ってね。
だけど、暖簾に腕押し、糠に釘。笑いながら「結果上手くいったんだから問題なし」の一言で片付けられた。そして、言葉遣いが悪いといつも以上に殴られた……
あの別館の個室露天風呂付きの部屋は、クソ忍者からの褒美の1種らしい。そして食事を全て部屋に運んできたのは、ネタバレを防ぐために、他の人たちと接触させないようにと考えた結果の出来事だったようだ。
ああっ!
アマとキムに送った遺書メールを読まないで消すように送らなきゃ!!
朝にはまだ返信がなかったから、読んでないはず!!
……「保存した」との返信が返ってきた。
恥ずかしいっ!
結構クサイ事書いちゃった気がするし!!
あっー
もう、やっぱり誰か殺してくださいっ!
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