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10. 沼男/化物
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彼の弔いは簡潔に行った。
身体の移植が済んで直ぐに由李歌の眼が開いたのは、平田の術式の優秀さ故か。
由李歌には、ぼくの左眼と右脚を捧げた。腕も要らないと思ったが、ぼくの腕は既に怨児に侵されており、また由李歌の腕は怨児に侵されているわけでなく、肉として失われているのだから移植しても無意味だと平田に言われ、腕を斬り落とすのは仕方なく止めにした。
「お兄ちゃんは、もういないんだね」
由李歌に彼のことをどう伝えるかあぐねていたが、彼女は闇に消え行く憂悟の身体を見て一言そう発した。
「わたし、本当は薄々判ってた。怨児しか見えないわたしの眼に、あの人はくっきりと映っていたから」
彼の側に行きたい、と由李歌が言ったので、ぼくは彼女を抱き抱えて左脚だけで何とか彼の近くまで彼女を運んだ。
由李歌は憂悟に――憂悟を騙っていた怨児の腕にそっと頬を寄せた。
今の由李歌には、人間と怨児のどちらも見えている。
横たわり、消滅を待つ彼のことを由李歌は理解していた。両面宿儺を思わせるその異形にも関わらず、由李歌は一目見て、これが自分を護ってくれていたモノだと判ったようだった。
由李歌は小さく口を開け、両面宿儺の腕に噛み付いた。そのまま喰い千切り、呑み込んだ。移植された左眼から、涙が一筋流れた。
ぼくは唇を噛んだ。由李歌の隣で、両面宿儺の腕に手を置いた。
「それでも、ぼくにとっては……」
その先を言うことが出来なかったが、由李歌はぼくに頷いた。そして二人して眼を閉じて、眼の前にいた怨児の冥福を願い、祈りを捧げた。
崩れたかつての家から離れ、行くあてもないぼくらは、ひとまず平田の住まいに身を寄せた。最大限に警戒し、平田の首は瓶に詰め、余計なことができないようにした。
出してくれ、このままだと死んでしまう、と煩《うるさ》かったが、これで死ぬのであればその時はその時だと取り合わなかった。
案の定と言うか、平田の首は沈黙することはなく、瓶の中からくぐもった声でひたすら喋り続けた。
「全く。君ぃ、こんな奴じゃなかったろうに。誰の影響だよう。心配しなくても、私《わたし》は由李歌ちゃんに生きていてもらわないと困るんだ。その為には、由李歌ちゃんを護る必要があるだろう? だのに、君達に危害を加えたりしないさあ」
「黙れ。放っておいたら何をしでかすかわからない。平田さん、あんたはそのまま、ぼくに知恵だけ貸してくれたらいい。だけど、何か妙なことをぼくに吹き込んでみろ。その時は容赦なく斬る」
「何ともまあ乱暴だねえ。でも嫌いじゃあないよう。ふふ、惚れちゃいそうさあ」
ぼくは平田の言葉を聞き流す。平田の首の入った瓶を床に置いて、居間に座らせていた由李歌の様子を見に行った。
此処に来るまでに、ぼくは背中から腕を生やした彼に倣《なら》って右脚を漆黒で補っていた。
平田もそれを見て「応急処置ならいいんじゃない」と言っていたが、ぼくもこのまま凌げるとは思っていない。この住まいにいつまでも居るつもりもなく、彼が死に、由李歌を救い出しても、考えることは沢山ある。
「そこまで心配しなくても大丈夫だよ」
ぼくの姿を捉えて、由李佳はそう言った。
「今、この家に怨児の気配はないから。もしも少しでも怨児の気配を感じれば、わたしが判る」
由李歌は髪を掻き上げ、右眼をぼくに示した。ぼくの眼を移植して、由李歌の顔から漆黒は消えていたが、右眼だけは変わらず漆黒《くろ》く染まっている。
夜の闇より黒いその眼は、見ていると吸い込まれそうに思う。それだけでなく、そうして由李歌に見つめられると、こんな時だと言うのに心臓が跳ね上がりそうだった。
「有難う、由李歌」
ぼくは由李歌の頼もしさに微笑む。今までぼくらを護っていた彼のいない今、ぼく達は手を取り合い生きていかなければいけない。ぼくも彼女も、それをお互い判っていた。
平田が由李歌には生きていてほしいのは確かだろう。少なくとも今、由李歌に危害が及ぶようなことはしない筈だ。
ぼくはそう思い平田に指示を仰ぎつつ、応急処置で服の切れ端で止血していただけの左眼や右脚、由李歌の移植部位の消毒をし、包帯を巻いた。
一通りの処置が終わり、良い空気を吸おうと窓を開けて休んでいると、平田が瓶の中から退屈を紛らわすように話し掛けた。
「あれは擬態型の怨児さあ」
平田の声に、ぼくは瓶の中の彼女を振り向く。平田はぼくの気を引けたことが嬉しいのかニコニコと笑うと、言葉を続けた。
「人間を喰い、喰った人間に擬態することで、更に人間を捕食する。そういうタイプの怨児。だが、憂悟を喰らった怨児はどういうわけだか、憂悟の魂をそのままトレースしてしまった。人間を喰うという目的は消え去り、憂悟と同じく、奴は妹を愛し、護ることを決めた」
「あんたはそれを知ってた?」
「いんやあ。知らなかったねえ。ただ、あの人が日に日に怨児の力を抑え込み切れなくなってたことは知ってたさあ。だから彼は自室に籠り、私の薬頼りで己の中の本質である怨児《おに》の本性を抑え込んでいたんだろうねえ。人間を喰らいたい、という怨児の本性を」
確かに、憂悟は日に増して自室に籠る時間が増えていた。
今なら判る。怨児《おに》に侵されたぼくを拾い、由李歌の世話を任せたのも、自分がいつしか怨児の本性を隠せなくなることを知っていたからだろう。
その時は、ぼくに自身を斬って欲しかったのだ。だからぼくを怨児狩りとして鍛え、育てた。
そしてその願いは叶ったのだ。
「沼の男の話を知っているかい」
平田は止めどなく言葉を繰り続けていた。首だけになっても尚、そのお喋りな性根は変わらない。どころか、首だけになってより話すのを止められないようにも思える。
「ある男が、沼の畔を歩いていた。だが、その男は道中不運にも雷に打たれて死んでしまう。だがその時、もう一つ別の雷が男が死んだ近くの沼に落ちた。沼の成分が奇跡的に反応を起こし、雷に打たれて死んだ筈の男の身体を、泥から再構成した。沼から上がったその泥人形は、自分が沼から生まれた存在だと知る由もなく、死んだ筈の男の服を着て、死んだ筈の男の家に帰り、死んだ筈の男のように暮らす。さて、この泥人形は死んだ男と同じ存在と言えるだろうか」
聞いたことがある話だった。どこかの哲学者だか誰かが考えたという思考実験だったと思う。
「奴は自身が泥人形ならぬ怨児であることは判っていたようだけど、奴は結局何だったんだろうねえ」
ぼくは本当の憂悟を知らない。ぼくが供に過ごしていた彼は、人間ではなくずっと怨児だった。
沼から生まれた泥人形と同じ。客観的に見れば、彼は憂悟の殻を被り、憂悟の振りをしていた化物に過ぎない。
「でも、ぼくにとって憂悟さんは憂悟さんだ」
最後まで彼は、憂悟はぼくと由李歌のことを案じてくれていた。今でも眼を瞑れば、憂悟がぼくにかけてくれた言葉を思い出せる。
「ぼくはぼく自身の為に、彼の遺志を継ぐ」
由李歌を独りにはしておけない。由李歌もぼくも憂悟と同じく、他の怨児狩りにとっては狩るべき化物なのかもしれない。
だが、ぼく達は生き残る。たとえ人間にとって化物であろうが、ぼくは憂悟に託された分も、由李歌とぼく自身が願う分も生きなければならない。
平田はまだ何かぺちゃくちゃと話していたが、ぼくは瓶を叩き、煩い平田を黙らせた。
黙った平田は何故だがうっとりとした表情でぼくを見ていたが、それも無視する。
生きねばならない。
ぼく達は未来に手を伸ばし、生きるのだ。
彼の弔いは簡潔に行った。
身体の移植が済んで直ぐに由李歌の眼が開いたのは、平田の術式の優秀さ故か。
由李歌には、ぼくの左眼と右脚を捧げた。腕も要らないと思ったが、ぼくの腕は既に怨児に侵されており、また由李歌の腕は怨児に侵されているわけでなく、肉として失われているのだから移植しても無意味だと平田に言われ、腕を斬り落とすのは仕方なく止めにした。
「お兄ちゃんは、もういないんだね」
由李歌に彼のことをどう伝えるかあぐねていたが、彼女は闇に消え行く憂悟の身体を見て一言そう発した。
「わたし、本当は薄々判ってた。怨児しか見えないわたしの眼に、あの人はくっきりと映っていたから」
彼の側に行きたい、と由李歌が言ったので、ぼくは彼女を抱き抱えて左脚だけで何とか彼の近くまで彼女を運んだ。
由李歌は憂悟に――憂悟を騙っていた怨児の腕にそっと頬を寄せた。
今の由李歌には、人間と怨児のどちらも見えている。
横たわり、消滅を待つ彼のことを由李歌は理解していた。両面宿儺を思わせるその異形にも関わらず、由李歌は一目見て、これが自分を護ってくれていたモノだと判ったようだった。
由李歌は小さく口を開け、両面宿儺の腕に噛み付いた。そのまま喰い千切り、呑み込んだ。移植された左眼から、涙が一筋流れた。
ぼくは唇を噛んだ。由李歌の隣で、両面宿儺の腕に手を置いた。
「それでも、ぼくにとっては……」
その先を言うことが出来なかったが、由李歌はぼくに頷いた。そして二人して眼を閉じて、眼の前にいた怨児の冥福を願い、祈りを捧げた。
崩れたかつての家から離れ、行くあてもないぼくらは、ひとまず平田の住まいに身を寄せた。最大限に警戒し、平田の首は瓶に詰め、余計なことができないようにした。
出してくれ、このままだと死んでしまう、と煩《うるさ》かったが、これで死ぬのであればその時はその時だと取り合わなかった。
案の定と言うか、平田の首は沈黙することはなく、瓶の中からくぐもった声でひたすら喋り続けた。
「全く。君ぃ、こんな奴じゃなかったろうに。誰の影響だよう。心配しなくても、私《わたし》は由李歌ちゃんに生きていてもらわないと困るんだ。その為には、由李歌ちゃんを護る必要があるだろう? だのに、君達に危害を加えたりしないさあ」
「黙れ。放っておいたら何をしでかすかわからない。平田さん、あんたはそのまま、ぼくに知恵だけ貸してくれたらいい。だけど、何か妙なことをぼくに吹き込んでみろ。その時は容赦なく斬る」
「何ともまあ乱暴だねえ。でも嫌いじゃあないよう。ふふ、惚れちゃいそうさあ」
ぼくは平田の言葉を聞き流す。平田の首の入った瓶を床に置いて、居間に座らせていた由李歌の様子を見に行った。
此処に来るまでに、ぼくは背中から腕を生やした彼に倣《なら》って右脚を漆黒で補っていた。
平田もそれを見て「応急処置ならいいんじゃない」と言っていたが、ぼくもこのまま凌げるとは思っていない。この住まいにいつまでも居るつもりもなく、彼が死に、由李歌を救い出しても、考えることは沢山ある。
「そこまで心配しなくても大丈夫だよ」
ぼくの姿を捉えて、由李佳はそう言った。
「今、この家に怨児の気配はないから。もしも少しでも怨児の気配を感じれば、わたしが判る」
由李歌は髪を掻き上げ、右眼をぼくに示した。ぼくの眼を移植して、由李歌の顔から漆黒は消えていたが、右眼だけは変わらず漆黒《くろ》く染まっている。
夜の闇より黒いその眼は、見ていると吸い込まれそうに思う。それだけでなく、そうして由李歌に見つめられると、こんな時だと言うのに心臓が跳ね上がりそうだった。
「有難う、由李歌」
ぼくは由李歌の頼もしさに微笑む。今までぼくらを護っていた彼のいない今、ぼく達は手を取り合い生きていかなければいけない。ぼくも彼女も、それをお互い判っていた。
平田が由李歌には生きていてほしいのは確かだろう。少なくとも今、由李歌に危害が及ぶようなことはしない筈だ。
ぼくはそう思い平田に指示を仰ぎつつ、応急処置で服の切れ端で止血していただけの左眼や右脚、由李歌の移植部位の消毒をし、包帯を巻いた。
一通りの処置が終わり、良い空気を吸おうと窓を開けて休んでいると、平田が瓶の中から退屈を紛らわすように話し掛けた。
「あれは擬態型の怨児さあ」
平田の声に、ぼくは瓶の中の彼女を振り向く。平田はぼくの気を引けたことが嬉しいのかニコニコと笑うと、言葉を続けた。
「人間を喰い、喰った人間に擬態することで、更に人間を捕食する。そういうタイプの怨児。だが、憂悟を喰らった怨児はどういうわけだか、憂悟の魂をそのままトレースしてしまった。人間を喰うという目的は消え去り、憂悟と同じく、奴は妹を愛し、護ることを決めた」
「あんたはそれを知ってた?」
「いんやあ。知らなかったねえ。ただ、あの人が日に日に怨児の力を抑え込み切れなくなってたことは知ってたさあ。だから彼は自室に籠り、私の薬頼りで己の中の本質である怨児《おに》の本性を抑え込んでいたんだろうねえ。人間を喰らいたい、という怨児の本性を」
確かに、憂悟は日に増して自室に籠る時間が増えていた。
今なら判る。怨児《おに》に侵されたぼくを拾い、由李歌の世話を任せたのも、自分がいつしか怨児の本性を隠せなくなることを知っていたからだろう。
その時は、ぼくに自身を斬って欲しかったのだ。だからぼくを怨児狩りとして鍛え、育てた。
そしてその願いは叶ったのだ。
「沼の男の話を知っているかい」
平田は止めどなく言葉を繰り続けていた。首だけになっても尚、そのお喋りな性根は変わらない。どころか、首だけになってより話すのを止められないようにも思える。
「ある男が、沼の畔を歩いていた。だが、その男は道中不運にも雷に打たれて死んでしまう。だがその時、もう一つ別の雷が男が死んだ近くの沼に落ちた。沼の成分が奇跡的に反応を起こし、雷に打たれて死んだ筈の男の身体を、泥から再構成した。沼から上がったその泥人形は、自分が沼から生まれた存在だと知る由もなく、死んだ筈の男の服を着て、死んだ筈の男の家に帰り、死んだ筈の男のように暮らす。さて、この泥人形は死んだ男と同じ存在と言えるだろうか」
聞いたことがある話だった。どこかの哲学者だか誰かが考えたという思考実験だったと思う。
「奴は自身が泥人形ならぬ怨児であることは判っていたようだけど、奴は結局何だったんだろうねえ」
ぼくは本当の憂悟を知らない。ぼくが供に過ごしていた彼は、人間ではなくずっと怨児だった。
沼から生まれた泥人形と同じ。客観的に見れば、彼は憂悟の殻を被り、憂悟の振りをしていた化物に過ぎない。
「でも、ぼくにとって憂悟さんは憂悟さんだ」
最後まで彼は、憂悟はぼくと由李歌のことを案じてくれていた。今でも眼を瞑れば、憂悟がぼくにかけてくれた言葉を思い出せる。
「ぼくはぼく自身の為に、彼の遺志を継ぐ」
由李歌を独りにはしておけない。由李歌もぼくも憂悟と同じく、他の怨児狩りにとっては狩るべき化物なのかもしれない。
だが、ぼく達は生き残る。たとえ人間にとって化物であろうが、ぼくは憂悟に託された分も、由李歌とぼく自身が願う分も生きなければならない。
平田はまだ何かぺちゃくちゃと話していたが、ぼくは瓶を叩き、煩い平田を黙らせた。
黙った平田は何故だがうっとりとした表情でぼくを見ていたが、それも無視する。
生きねばならない。
ぼく達は未来に手を伸ばし、生きるのだ。
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