Crystal Ruby*クリスタルルビー*

3. 赤く煌びやかに *

  黒の城ブラックキャッスルに月の光が照らされた頃、
ビージェは眠りについていた。
枕元には、図書室から持ってきた
                  ﾞ世界についてﾞ の文庫本がある。

ビージェは、ダイナにこの世界は
黒の城ブラックキャッスルしかないと教え込まれていた。

しかし、365日色々な文庫本を
読んでるうちに、
世界はまだまだ広く
未知に溢れていると思うようになった。

ビージェは、
そんな世界を自分の目で見てみたい、
それが今の彼女の夢だ。

━━最近ビージェは、
眠りにつく度に変な夢を見る。
夢の中で、純白の薔薇と共に
自分と同じ髪色の女性がいる。
顔はぼやけていて、分からない。
ただ、彼女といる時は居心地が良い━━


ある日のこと、
今日はいつもそばにいるリアがいない。
だけど、ビージェはいつもと変わらず
朝の朝食を食べ終わった後、図書室に行った。

 今日は、いつもと何かが違う。

リアもいないし、図書室の絵が傾いている。
ビージェは、傾いている絵を直そうと思った。
その時、傾いている絵の向こうから風を感じた。


「この向こうに、何かがある」

ビージェは、絵を外して
絵の向こうの暗闇に消えた。
どこかに繋がってると思って。。。歩き続けた。

歩くたびに、
あの時見た夢と同じ気持ちが強くなってくる。

気づいたら、見たこともない部屋にいた。
部屋の棚の中に何かが光っていた。

そこには、
 ﾞ 石 ﾞ と  ﾞ 名も無き手帳  ﾞ があった。

ビージェは石に触れた瞬間、
赤く煌びやかに光った。
そして、一瞬のごとく
ビージェは、光に包まれ消えた━━━