魔物のお嫁さん

東雲

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「あ……♡あぁ~…っ♡♡」

拷問のような快楽地獄が始まって、どれくらい時間が経っただろう。
既に何十回とイかされた体からは、抵抗する体力を根こそぎ奪われ、終わらない責め苦に精神は擦り切れていた。

「やら…♡もうや"ぁ…っ♡♡」

気絶しては無理やり快楽に叩き起こされ、頭はまともに動かず、口からは蕩けた嬌声しか出てこない。いつの間にか、涙と涎と鼻水で顔はぐしゃぐしゃに濡れていた。

「随分と大人しくなったな。ほれ、もっと可愛らしい鳴き声を聞かせてみろ」
「ひっ!?♡♡やだ!そこやめ…っ!」

広げられた股の間、排泄器官でしかなかった孔に入り込んだ触手が、腹の中のしこりを押し潰すように動いた。

───ズルルッ♡コリュコリュコリュッ♡

「~~~~~ッッ!!♡♡♡…ッ、あ"ぁ"あ"ぁぁっ!!♡♡♡」

視界の中で、火花が散る。
たった数刻の間に開発され、肥大した前立腺を弄られる快感に、新たな涙がぼたぼたと零れ、四肢は痙攣した。

「ふふ、雌孔弄られて気持ち良いなぁ?」
「やだ…っ!もぅやだぁ…っ!♡♡」

楽しげに笑う魔物の声が、ただただ恐ろしかった。



最初の乳首責めは、ほんの序の口だった。
無数のイボが付いた触手は、小さな口のように乳首を喰み、しゃぶり続け、乳首から得る初めての快楽に、背筋がゾクゾクと震え続けた。
その間も魔物は楽しそうにこちらを見つめ、時おり悪戯のように亀頭を撫で、尿道を指先でほじった。
戒められたままのペニスは射精を許されず、いよいよ耐え切れなくなった頭と体は、必死になって射精を乞うた。

すると手足に巻き付いていた触手がずるりと動き、同時に魔物が背後に回った。
どこから現れたのか、大型のスライムのような何かに腰を下ろした魔物に背後から抱き締められ、予想外の行動に目を見開いた。
その直後、足に絡みついていた触手が股を無理やり大きく広げ、足を折り曲げた状態で体を固定した。
自分がどんなに恥ずかしい格好をしているか…信じられない体勢に顔面が一気に熱くなるも、どれだけ暴れても、叫んでも、拘束が緩むことはなかった。

そうしている間も、乳首は触手の柔らかな歯に甘噛みされ続け、頭の中は射精することしか考えられなくなっていた。
もうなんでもいいから射精したい─── 触手が絡みついたまま、射精を許されないペニスは固く屹立し、睾丸は痛いほどに腫れていた。
触れてもいないのに、ピクピクと揺れ続けるペニス───そこに細い触手が伸び、狭い尿道をこじ開けるように入り込んだ。

「ひっ!?やめっ…嘘だろ!?嫌だ!やめろ!!」
「暴れるな。無駄に穴を広げられたいのか?」
「…ッ、や…っ、嫌…!嫌だ…っ、いあ"あぁぁっ!!♡♡」

痛みを伴うはずの尿道責め…そのはずなのに、粘液をまとった触手がズルズルと奥まで入り込もうと動くたび、絶え間ない快感が全身を駆け巡り、ビクビクと体が跳ねた。

(なんれ…!?きもひっ…♡♡きもちぃっ!♡♡♡)

パチパチと視界で光が弾けるような絶頂に、声も出なかった。
ビクン、ビクンと激しく揺れるペニスに巻き付いていた触手はいつの間にか外れており、そこでようやく、尿道の奥まで入り込んだ触手が、吐き出される前の精液を吸い取り、飲み込んでいるのだと気づく。

「ああ…予想していた通り……美味い蜜だ」

ほぅ…と感嘆の溜め息を漏らしながら、うっとりと呟く魔物の言葉を理解する余裕もなかった。
射精しないまま、精液だけを吸い取られ、絶頂しながらも吐精する快感は得られない。
射精による絶頂の波を吐き出す術を奪われ、途切れることなく続く永遠のような快楽に、恐ろしさから激しくかぶりを振った。

「やだ!!嫌だ…ッ!こんなのやだあぁぁっ!!♡♡♡」
「おっと、そんなに暴れるな」

魔物の手が顎を掴み、無理やり向かい合う形で固定される。
一瞬、顎を砕かれるのではと怯んだが、指先に籠った力はさほど強いものではなく、泣きながらその顔を睨みつけた。

「ひっ…♡ひぎゅ…っ、イク、イク…ッ!♡♡ゃだ…!♡♡」
「……よく見れば、なかなか可愛らしい顔をしているな」

(……は…?)

「かっこいい」や「男らしい」という言葉なら数多と言われてきたが、「可愛い」などと言われたのは初めてで、今の状況も忘れて呆けた。
ましてや、涙と涎でぐしゃぐしゃになった顔のどこにそんな要素があるのか…神の如き美貌の持ち主に言われても、ただの嫌味にしか聞こえなかった。

「体付きも綺麗で、吐き出す精も美味い。可愛らしい顔も気に入った。それに、どうもお前は私の催淫液に対する耐性が強いらしい。知性の欠片も無くなって、腰を振るだけの獣になった捧げ物達とは大違いだ」

その獣に堕としたのはお前だろうが───そう言ってやりたかったが、再開された乳首への刺激と、尿道をズルズルと抜き差しするように動く触手に、思考は一気に霧散する。

「あぇっ!?♡♡はっ、ひっ♡ダメ…ッ!乳首もうダメ…!♡♡♡」
「……このまま食い潰してしまうのは惜しいな」

ポツリと呟かれた声は、ほとんど聞こえていなかった。
にゅくにゅくと柔らかな触手に尿道を犯され、完全な性感帯となった乳首をコリコリと潰され、これ以上の快感などないというほどの絶頂の最中、大きく開かれた股の間、ヒクつくアナルにぬめった触手がなんの前触れもなくズプリと入り込み、全身の筋肉が強張った。

「いあ"っ!?ひっ、嘘!嘘だ…っ!嫌だぁッ!!」
「暴れるな。たっぷりと濡らしてあるから、痛くないだろう?」

確かに、痛くはない。痛くはないが、そういう問題ではない。

「お"…っ♡♡んお"ぉぉっ!!♡♡♡」

指二本分ほどの太さの触手には、乳首を喰む触手と同じようなイボがあり、それが腸壁をゾリゾリと撫でるたび、信じられないほどの快感が生まれた。
アナルを犯されたのは初めてなのに、触手を難なく飲み込んでしまったことへの驚愕と、腹の内側を擦られるたびにカクつく腰が信じられなくて、頭がどうにかなってしまいそうだった。

「催淫液への耐性はあっても、効果はきちんとあるようだな」
「いぁ"っ…!♡なにっ…なんぇ…!♡♡」
「確か、この辺りか?もっと淫らになるしこりが…」

───ゴリュッ♡♡♡

「ッッ…!!……ぁ…?♡♡♡」

ビリリッと腰が痺れるような疼きが、尾骶骨から脳天まで、背筋を一気に駆け抜けた。

(…な、に……なん…?)

───コリュリュッコリュリュッ♡

「~~~ひっ!!♡♡♡いやっ、嫌だぁぁぁっ!!♡♡♡」

触手が腸内をなぞるたび、エラのように張った突起が腹の裏にあるしこりをコリコリと抉り、洪水のような快感の波が押し寄せた。
こんなの知らない。こんなこと知らない。
勝手に溢れ出る涙と嬌声に、まともな言葉も話せなくなる。

「ひあ…っ♡♡アァア"ァ"ァァ…ッ!♡♡♡」
「ここのしこりを転がすと、他の捧げ物達も喜んだものだが…お前も同じだな」
「イグッ!♡♡またイク…ッ!♡♡やらっ…もうやだぁ"…!♡♡」
「皆ここが分かりやすく膨らんでいたが、催淫液のせいだろうな…ふふ、ここを転がされるのは気持ち良いだろう?」
「ひっ!?♡嫌だ!やだぁぁぁっ!!♡♡♡」


そこからは本当に地獄だ。
乳首を弄る触手は、いつの間にか柔らかな肉のような口に変わり、乳輪ごと強く吸い上げた。その奥で粒をぬるりと舐め、弾くように転がし、キュポッキュポッと吸い続ける。
尿道に入り込んだ触手は抜ける気配も無く、射精する代わりに精液を飲み干し続けながら、ぬちゅぬちゅと浅い抜き差しを繰り返す。
アナルを犯す触手は深くまで潜り込み、ズルルッと抜けてはまた奥まで犯す。細かいイボが腹の中を撫でるたび、しこりを転がされるたび、腹の底から際限無く快感が広がり、体が軋んだ。

広げられた股を閉じたいのに、ガッチリと触手で固められた足はビクともしない。それどころか、捕らえられた腕も、魔物に背後から抱き締められている胴体も身動きが取れず、押さえつけられた体は快楽を逃すこともできなかった。
性感帯をめちゃくちゃにされながら、魔物の薄い手の平が、快楽を誘発するように腹筋や脇腹、腿の内側をサワサワと撫で、全身が粟立つ。
同時に、耳元では魔物が甘やかな声で言葉を紡ぎ、擽ったさから背筋を駆けるゾクゾクとした悪寒が止まらなくなる。

「お前は全身美味いなぁ。この触手はな、全てワタシの手足であり口だ。吐き出す精液の味も、雌孔のナカの熱さも、固く肥大した乳首の甘さも、全部ワタシに伝わっているぞ?精巣の中に溜まった蜜の味も、雌孔から垂れる腸液の味も、お前の味は全部覚えたからな」

辱めるための言葉だと分かっている。
わざと羞恥を煽るような、くだらない言葉…その言葉が、脳みそまで溶かすように鼓膜を揺らし、体の内側から犯していく。

この責め苦から解放されるなら、いっそ精子など枯れてしまえばいい───そんな考えも虚しく、永遠と思うほどの長い時間が過ぎていった。




「…ッ、あ……♡…あぁっ…♡♡……ッ♡」

どれほどの時間が経ったか。
何度も意識の飛んだ頭と、蹂躙され続け、ぐったりとした体。意味のない蕩けた声しか出せなくなった頃、全身に纏わりついていた触手がするりと解けた。
手足の拘束は外れ、乳首やアナルを弄っていた触手も、ぬとりと糸を引いて離れていくが、逃げ出すどころか、抵抗する力も一滴も残っていない体は、四肢をダラリ投げ出したまま、ピクリとも動かせなかった。
と、不意に視界が揺れ、背後から抱きついていた魔物がいなくなる。
何事かと考える余裕もないまま、直接スライムのような何かに仰向けに身を預ければ、魔物の体が正面から覆い被さってきた。

「はぁ…っ、はぁ……ゃ…っ」
「………」

汗や涙、色んな体液でぐちゃぐちゃになった顔は恐らく真っ赤で、とても見苦しいだろう。そんな顔をまじまじと覗き込まれ、恥ずかしさから逸らそうとするが、魔物の手がそれを許さなかった。
無理やり向き合う形で固定され、じぃっと見つめられ、これ以上まだ何かあるのかと、新たな涙が溢れた。

「……やはり、お前は可愛らしいな」
「…は……?っ、んむっ!?」

まだ言うのか…呆れにも似た心情のまま、金粉を混ぜたアメジストの瞳を見つめ返せば、唐突に唇を柔らかな何かが塞いだ。


───キスをされている。


酸素を取り込む為、無防備に開いていた口の中に熱い舌が潜り込み、自身の舌に絡みついた。

「んうっ、んぐぅぅっ!?」

人のそれと同じ形をした舌は、相手が魔物だということも一瞬忘れさせ、同時にキスをされている状況に頭が混乱する。
長さも厚みも充分な舌に、咥内全体を舐め回され、次第にぐちゅぐちゅと互いの唾液が混ざり合う音が響き始めた。
ぴったりと重なった唇と唇の間では、大量に溢れた二人分の唾液が行き場を無くし、咥内に溜まっていく。
飲みたくないのに、唇を離すことは許されず、呼吸できない息苦しさから、溜まったそれをコクリと嚥下した。

「~~~ッ、ゴクン…ッ!♡♡っぷはぁっ…はぁ…っ、はぁっ…っ♡」

飲み下したことでようやく解放された唇は、酸素を取り込もうと必死に荒い呼吸を繰り返す。

「はぁ…はぁ…っ、…はぁっ、…なに、す…っ」

息苦しさも相まって、睨みつける様に魔物を見るも、なぜかその表情は恍惚としていて、言葉にし難い悪寒が背中を走った。

「初めて接吻をしたが、悪くない。それに、お前は口の中も美味いんだな…」
「…っ!」

突如雰囲気を変え、とろりと微笑んだ魔物に、薄れかけていた警戒心が、けたたましい警報音を鳴らしながら蘇る。

「最初は今までの供物とは違う毛色で珍しいと思っていたが、頑丈で綺麗な体も、可愛らしい顔も、実にワタシの好みだ。それに、全身どこも甘くて美味い。精液など上等な蜜のようだ。淫乱な身体も、鳴き声も、もがく姿もどこも愛らしい………うん、決めた。お前はワタシの嫁にしよう」

「………は…?」

何言ってんだコイツ───咄嗟に呆れた言葉が浮かぶも、上機嫌に弾む魔物の声に、何か言う気力さえ奪われた。
そうして呆けている間に、体の表面を魔物の手がするりと撫で、それどころではなくなる。

「あっ…、んゃ…!」
「乳首も大きく育って、実に美味そうだ」
「っ…!?」

言われて初めて、自分の両胸に視線を向けて、愕然とする。
小さな粒だった乳首は三倍以上の大きさに腫れ、乳輪までぷっくりと膨れ上がり、まるで女の乳のようなそれに変貌していた。

「…なん…、なんれ…?」
「なんだ?もう忘れたのか?ワタシがたくさん弄って、齧ってやったからだろう。…ふふ、本当に美味そうだな」
「ひっ!?やだっ、いやだっ!やめ…ぇあぁっ!♡♡」

熱い吐息を吐きながら、魔物の唇が胸元に近づいた。
まずい───そう思った時にはもう遅く、湿った舌が乳首をべろりと舐め上げた。

「うゃ…っ♡♡あぁぁっ…!♡♡♡」

乳輪ごと口に含まれ、吸われながら熱い舌にぬるぬると乳首を弾くようにねぶられ、快楽を享受するだけの肉になった体はいとも容易く鳴いた。
触手に弄られていた時とは違う、人間と同じ形の唇が、舌が、温度が、乳首を吸う感覚に、強く性交を意識してしまい、頭が茹だりそうになる。
魔物の長い髪が腹の上を滑る感触すら気持ち良いと感じてしまい、咄嗟に覆い被さる体を押し退けようと手を伸ばすが、まともに力の入らない体では僅かな抵抗にもならず、伸ばした手は逆に捕まってしまう。

「あっ♡だめ…っ!噛むなぁ…っ!♡♡」

抵抗を叱るように、乳首をコリリッと噛まれ、痛みと気持ち良さに腰が揺れた。
その裏で、捕まった手は指と指が絡み合い、恋人繋ぎで封じられてしまい、訳も分からず羞恥が増す。
キツく握り締められた手が落ち着かなくて、体を捩りたいが、下手に動くこともできず、与えられる甘い快楽を延々と受け入れることしかできなかった。

「イク…ッ♡やだっ…イク…!♡♡」

乳首を舐められているだけで、体が絶頂に向かっていく。それでも止まらない舌と唇に、泣き言が混じった。

「やだっ♡もうや…っ♡♡」
「気持ち良いなら、ちゃんと『気持ち良い』と言え。言うまで止めんぞ」

チュッ…♡とリップ音を響かせて唇は離れたが、舌先でチロチロと乳首を舐められ、快感が途切れることがない。
限界まで辱められた精神に抗う気力などとうに無く、アッサリと魔物の望む言葉を吐いた。

「ひっ…うぅ♡ッ…、き、もちぃ…♡きもちいい…っ♡♡」
「どこが気持ち良いんだ?ちゃんと言え。でないと、仕置きをするぞ?」
「いゃ…っ、やだ…!ち、乳首…っ、乳首、気持ち良い…!♡♡」
「乳首を弄られるのは好きだろう?ん?」
「っ…!♡…す……すき…、好き、だけど…っ♡」
「うん、ではもっともっと、スケベな乳首をたくさん虐めてやるからな」
「ひっ!?♡♡アッ、や…!やだ!好きだけどヤダ!舐めちゃ…っ、んあぁっ!♡♡♡」
「好きだけどイヤなのか?ワタシの妻は我が儘だな」

勝手に妻にするな───!!

性別云々以上の問題に反論してやりたいが、もうその力もない。
コリコリ♡ちゅぱちゅぱ♡と片側の乳首を吸われている間、再び伸びてきて触手がもう片側も舐めしゃぶり始め、メスイキが止まらない。
勃起する力を失ったペニスからは、透明な蜜がトロトロと零れ、もうイけないのにイかされる苦痛に、嬌声に泣き声が混じった。

「ひっ…ひぐ…っ、や…♡もうやめて…っ♡もうやだ……ひっ…」
「…お前は泣く顔も愛いな。そんなことでは、もっと虐めてしまうぞ?」
「や…っ!やだ…っ、もうやだ…!」

もう本当に無理だった。
ただひたすらにやめてほしくて、懇願するように、必死になって首を振れば、魔物が見惚れるほど綺麗に笑った。


「そうだな。ならば、今日はこれくらいにしておこうか。───最後に、交尾をして許してやろう」
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