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宮野宅 Day 1
第13話 団欒
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…宮野宅へ帰ると、カレーの匂いと共に乃愛と結衣の楽しそうな声が聞こえた…
宮野家ではよくカレーを作るそうで、常時いろいろなカレールーをストックしているらしい。
キッチンへ向かうと、乃愛ちゃんが起きていて、結衣さんと一緒にカレーを作っていた。
仲の良い姉妹のようだった。
(乃愛ちゃんはピンクのウサギのスリッパを履いていた。可愛い)
その様子を眺めながらリビングで完成を待つ。
対面キッチンなのでよく見える。
カレーは乃愛ちゃんのリクエストで甘口だそうだ。
しばらくして乃愛ちゃんが満面の笑みを浮かべながらカレーとサラダを運んで来てくれる。
まるでメイド喫茶に来たみたいだ。
それにしても、さっきまでよりも乃愛ちゃんの表情が格段に豊かになっている。
結衣さんには完全に心を開いたようだ。
この短い時間で…流石のトークスキルだなぁー。
確かに結衣さんと話してると楽しいもんなと思いつつ、カレーに目をやる。
おいしそうだ。
乃愛ちゃん以外は私も含め、普段は中辛らしいけど、久しぶりの甘口も懐かしくて良い。
(宮野が中野君は甘党だと知っていたので、先ほどのスーパーで甘口のルーを購入しておいたらしい)
隠し味がいろいろ入っているそうだが、乃愛ちゃんは内緒といって教えてくれない。
今度一緒に作ることにしよう。
あっという間に食べ終わってしまって、TVを見ながらみんなで団欒していた。
「そういえば乃愛ちゃん、あの時なんでトイレ行くのに私を誘ってくれたの?」
理科室にはまだ何人か残っていた。
そこから私を選んでくれた理由が気になる。
「あのときは…男子にいってもイミないし 仲良い女の子とかいなかったし それに…」
「グラウンドで目がさめたときに いろはが優しい顔してたから・・・ メーワクだった?」
「そんなことないよ!! 頼ってくれて、すっごく嬉しかったよ!」
そんな、カルガモの刷り込みみたいな理由だったんだ。
他の人を押しのけて強引に最初に乃愛ちゃんの前に出た甲斐があったな。
すっごく、ほわほわする。
理由がかわいい。
今ニコニコしてる乃愛ちゃんもかわいい。
さて、明日は祝日で学校は休みである。
結衣さんも明日はお休みだそうだ。
そこで、明日はみんなで、乃愛ちゃんの服などの調達に行くことになった。
仲のいい梨央ちゃんだけ誘ってみた。
乃愛ちゃんは嫌そうだったけど、女の子の友達を増やすためだ。
我慢してもらおう。
梨央ちゃんは人懐っこいコだから、すぐに仲良くなれると思うんだけど… まぁ会ってから考えるか。
(梨央ちゃんに乃愛ちゃんと一緒にいるとラインしたら、めちゃくちゃ羨ましがられた。かなり優越感を感じる)
ちなみにこの団欒中に乃愛ちゃんに、「藤井さん」ではなく「いろは」と呼んでほしい、とお願いした。
学校でそう呼ばれたとき、ちょっと気になっていたのだ。
(理科室でのガールズトーク中に、どう呼んでほしいか既にお願いしていた女子もいた。彩葉は妄想に耽っていたため、その波に乗れなかった)
ところで、学校にいるときから、乃愛ちゃんは上着に手を入れてお腹側に隙間を作る仕草をよくしている。
暑いのかな?
おへそが見えそうになってドキドキするんだけど、やめてしまうと嫌なので理由は聞けない。
時刻は9時を過ぎ、お風呂タイムがやってきた。
乃愛ちゃんは、一人で入るという意志を匂わせていた。
しかし、結衣さんのその金髪を洗ってみたくて仕方ないというオーラに完敗した。
乃愛ちゃん自身もその長い金髪をどう扱うか分からないようで、悩んだ末に一緒に入って洗ってもらうことにしたようだ。
健全な男子なら美人の結衣さんとお風呂となれば、発情期の猿のように興奮し狂うはずだけど
(完全な偏見。彩葉は本人公認のムッツリスケベだが奥手なため男性経験はない)
乃愛ちゃんは恥ずかしそうにはしているものの、そうはなっていない。
やっぱり、性の知識が抜けているからだろうか。
こうなると、彩葉は女子1人余ってしまった。
個人的には、二人と一緒に入浴なんてしたら、理性が崩壊するのが目に見えるので気にしてなかったんだけど、結衣さんに「一緒に入ろっ」と誘われてしまった。
「ウチのお風呂広いから三人でも大丈夫だよ」とか言ってる。
キャパの問題じゃないんだけどなと思いつつも、もしここで断れば、乃愛ちゃんが嫌われていると感じてしまうかもしれない。
たぶん、そんなことないけど、万が一にも乃愛ちゃんを傷つけるわけにはいかない。
私が自分を強く保てばいいだけだ。
結衣さんもいるし大丈夫だろう。
「入ります! 乃愛ちゃん、一緒に入っていい?」と聞くと
「う、うん。いいよ」とまた、赤くなりながら了承してくれた。
乃愛ちゃんはすぐ赤くなってしまうみたいだ。
感情が丸わかりですごく可愛い。
さらに、結衣さんは悪戯っ子のような顔をしながら「カナタもはいる~?」とか言い出した。
宮野が飲んでいたお茶を吹き出しかけて、何か言葉を発する前に、
「なーんてね。これより先は男子禁制です。覗いたらゆるさないかんな!」とか言って乃愛ちゃんを連れてお風呂場へ向かった。
びっくりした。
なんか結衣さんが言うと本当に誘ってるのかと思ってしまう。
全員脱衣所に入りドアを閉めたのだが、早くもピンチだ。
宮野家ではよくカレーを作るそうで、常時いろいろなカレールーをストックしているらしい。
キッチンへ向かうと、乃愛ちゃんが起きていて、結衣さんと一緒にカレーを作っていた。
仲の良い姉妹のようだった。
(乃愛ちゃんはピンクのウサギのスリッパを履いていた。可愛い)
その様子を眺めながらリビングで完成を待つ。
対面キッチンなのでよく見える。
カレーは乃愛ちゃんのリクエストで甘口だそうだ。
しばらくして乃愛ちゃんが満面の笑みを浮かべながらカレーとサラダを運んで来てくれる。
まるでメイド喫茶に来たみたいだ。
それにしても、さっきまでよりも乃愛ちゃんの表情が格段に豊かになっている。
結衣さんには完全に心を開いたようだ。
この短い時間で…流石のトークスキルだなぁー。
確かに結衣さんと話してると楽しいもんなと思いつつ、カレーに目をやる。
おいしそうだ。
乃愛ちゃん以外は私も含め、普段は中辛らしいけど、久しぶりの甘口も懐かしくて良い。
(宮野が中野君は甘党だと知っていたので、先ほどのスーパーで甘口のルーを購入しておいたらしい)
隠し味がいろいろ入っているそうだが、乃愛ちゃんは内緒といって教えてくれない。
今度一緒に作ることにしよう。
あっという間に食べ終わってしまって、TVを見ながらみんなで団欒していた。
「そういえば乃愛ちゃん、あの時なんでトイレ行くのに私を誘ってくれたの?」
理科室にはまだ何人か残っていた。
そこから私を選んでくれた理由が気になる。
「あのときは…男子にいってもイミないし 仲良い女の子とかいなかったし それに…」
「グラウンドで目がさめたときに いろはが優しい顔してたから・・・ メーワクだった?」
「そんなことないよ!! 頼ってくれて、すっごく嬉しかったよ!」
そんな、カルガモの刷り込みみたいな理由だったんだ。
他の人を押しのけて強引に最初に乃愛ちゃんの前に出た甲斐があったな。
すっごく、ほわほわする。
理由がかわいい。
今ニコニコしてる乃愛ちゃんもかわいい。
さて、明日は祝日で学校は休みである。
結衣さんも明日はお休みだそうだ。
そこで、明日はみんなで、乃愛ちゃんの服などの調達に行くことになった。
仲のいい梨央ちゃんだけ誘ってみた。
乃愛ちゃんは嫌そうだったけど、女の子の友達を増やすためだ。
我慢してもらおう。
梨央ちゃんは人懐っこいコだから、すぐに仲良くなれると思うんだけど… まぁ会ってから考えるか。
(梨央ちゃんに乃愛ちゃんと一緒にいるとラインしたら、めちゃくちゃ羨ましがられた。かなり優越感を感じる)
ちなみにこの団欒中に乃愛ちゃんに、「藤井さん」ではなく「いろは」と呼んでほしい、とお願いした。
学校でそう呼ばれたとき、ちょっと気になっていたのだ。
(理科室でのガールズトーク中に、どう呼んでほしいか既にお願いしていた女子もいた。彩葉は妄想に耽っていたため、その波に乗れなかった)
ところで、学校にいるときから、乃愛ちゃんは上着に手を入れてお腹側に隙間を作る仕草をよくしている。
暑いのかな?
おへそが見えそうになってドキドキするんだけど、やめてしまうと嫌なので理由は聞けない。
時刻は9時を過ぎ、お風呂タイムがやってきた。
乃愛ちゃんは、一人で入るという意志を匂わせていた。
しかし、結衣さんのその金髪を洗ってみたくて仕方ないというオーラに完敗した。
乃愛ちゃん自身もその長い金髪をどう扱うか分からないようで、悩んだ末に一緒に入って洗ってもらうことにしたようだ。
健全な男子なら美人の結衣さんとお風呂となれば、発情期の猿のように興奮し狂うはずだけど
(完全な偏見。彩葉は本人公認のムッツリスケベだが奥手なため男性経験はない)
乃愛ちゃんは恥ずかしそうにはしているものの、そうはなっていない。
やっぱり、性の知識が抜けているからだろうか。
こうなると、彩葉は女子1人余ってしまった。
個人的には、二人と一緒に入浴なんてしたら、理性が崩壊するのが目に見えるので気にしてなかったんだけど、結衣さんに「一緒に入ろっ」と誘われてしまった。
「ウチのお風呂広いから三人でも大丈夫だよ」とか言ってる。
キャパの問題じゃないんだけどなと思いつつも、もしここで断れば、乃愛ちゃんが嫌われていると感じてしまうかもしれない。
たぶん、そんなことないけど、万が一にも乃愛ちゃんを傷つけるわけにはいかない。
私が自分を強く保てばいいだけだ。
結衣さんもいるし大丈夫だろう。
「入ります! 乃愛ちゃん、一緒に入っていい?」と聞くと
「う、うん。いいよ」とまた、赤くなりながら了承してくれた。
乃愛ちゃんはすぐ赤くなってしまうみたいだ。
感情が丸わかりですごく可愛い。
さらに、結衣さんは悪戯っ子のような顔をしながら「カナタもはいる~?」とか言い出した。
宮野が飲んでいたお茶を吹き出しかけて、何か言葉を発する前に、
「なーんてね。これより先は男子禁制です。覗いたらゆるさないかんな!」とか言って乃愛ちゃんを連れてお風呂場へ向かった。
びっくりした。
なんか結衣さんが言うと本当に誘ってるのかと思ってしまう。
全員脱衣所に入りドアを閉めたのだが、早くもピンチだ。
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