11 / 23
無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
しおりを挟む
日差しが眩しくて私は目が覚めました。
ぼんやりと天井を見上げ、ふと隣を見ると旦那様が微笑みながら私を見ているのに気が付きました。
「おはようソフィア」
そう言いながら、優しく私の頬を撫でてくれます。私は昨日のことを思い出して顔が熱くなるのを感じながらも、とても幸せな気持ちでした。
「体は辛くないか...?」
ふと、心配そうに旦那様が私を覗き込みました。
カトレーヌから、事前に色々と聞いていたので正直とても不安でした。確かに初めは想像以上に痛くて、泣きそうな表情になった私を見て、旦那様が慌てた様子でやめようと言いました。
ですが、痛みよりも旦那様のものにして欲しいという思いが強く、私は泣きながら旦那様に辞めないでくださいと伝えました。
少しでも痛みが和らぐようにとキスをして、私の表情を確認しながら進めてくださいました。
繋がった瞬間、嬉しくてぎゅっと旦那様を抱きしめて、旦那様は嬉しそうに私の頬やおでこ、首筋にキスを落とします。
ゆっくり、ゆっくりと私のペースに合わせてくださった旦那様。
最初は痛みを伴ったものの、徐々に感覚が変わってきて声を上げてしまう私を愛しそうに旦那様が見つめ、2人でぎゅぅっと抱きしめ合いました。
「旦那様...」
「ん?」
昨夜のことを思い出しながら私は旦那様を抱きしめて、「大好きです」と呟くと、旦那様が何も言わずに固まってしまいました。
「だ、旦那様...?」
「ソフィア...」
「はいっ」
「...もう、痛くはないのだな?」
頬を撫でていた手が下の方に降りてきて、そっと私のお腹を撫でました。
思わず「んっ」と声が出てピクッと動くと、旦那様が突然私に覆い被さってきました。
「きゃっ!?だだ旦那様っ!?」
「ソフィアすまない。どうも、昨日の今日でおかしくなってしまったようだ」
「何がで...ひゃっ」
「ソフィア......愛してるよ」
昨日はあれほど痛みを伴ったのに、今日は全く違いました。訳がわからない感覚に耐えられず私が声を上げると、旦那様の動きも早くなって、ますます攻められてしまいました。
そしていつのまにか意識を飛ばしてしまいました。
再び目を覚ますと、旦那様が隣で落ち込んだ様子で座り込んでいました。
「旦那様...?」
なんだか体が怠いわ...
そんなことを思いながら起き上がります。頭が徐々に冴えてきて、意識を飛ばしてしまった事を思い出しました。
そうだわ、私っ...
昨日と違う感覚に戸惑ってしまって、旦那様とまた...その後の記憶がないわ。それに、服を着てるってことは旦那様が着させてくださったのかしら。
「ソフィア、すまない。私が無理をさせてしまったせいで...」
しゅんっと落ち込む旦那様。私はその様子が可愛くて、思わず笑いそうになるのを堪えながら言いました。
「旦那様、こっちを向いてください」
怒られると思っているのでしょうか、旦那様は落ち込んだ表情のまま私を見ました。
「旦那様、私怒ってませんよ」
「...無理をさせた」
「ふふっ、旦那様は可愛いです」
笑いが堪えられなくなって私が笑うと、拍子抜けしたように旦那様が私を見ています。
そして、ふわっと表情を緩めたかと思うと、私を見つめながら言いました。
「ソフィア、それは私のセリフだ。私は君が可愛くて仕方ないんだ」
「あら、同じですね」
そうして二人で笑い合いました。
政略結婚で夫婦になった私と旦那様。これからも二人仲良くいつまでも寄り添い合いながら夫婦生活を送っていこうと思います。
「ねぇ、旦那様と奥様ってまだ...致してなかったのね。信じられない」
「今まであれだけのラブラブっぷりを見せておいて......まって、これから更に酷くなるんじゃ...。よし。表情管理、表情管理」
「旦那様がここまでヘタレだと思わなかったけど、とりあえずめでたいわ。今日は豪華な食事を用意しましょう。お祝いよ!」
ドアの向こうでヒソヒソと使用人達が話していたのを二人は知る由もありませんでした。
Fin
これからもアクリウスとソフィアは使用人達に見守られながら、生温かい視線を浴びながら仲良く暮らしていくんだろうなぁと思います。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございましたm(_ _)m
ぼんやりと天井を見上げ、ふと隣を見ると旦那様が微笑みながら私を見ているのに気が付きました。
「おはようソフィア」
そう言いながら、優しく私の頬を撫でてくれます。私は昨日のことを思い出して顔が熱くなるのを感じながらも、とても幸せな気持ちでした。
「体は辛くないか...?」
ふと、心配そうに旦那様が私を覗き込みました。
カトレーヌから、事前に色々と聞いていたので正直とても不安でした。確かに初めは想像以上に痛くて、泣きそうな表情になった私を見て、旦那様が慌てた様子でやめようと言いました。
ですが、痛みよりも旦那様のものにして欲しいという思いが強く、私は泣きながら旦那様に辞めないでくださいと伝えました。
少しでも痛みが和らぐようにとキスをして、私の表情を確認しながら進めてくださいました。
繋がった瞬間、嬉しくてぎゅっと旦那様を抱きしめて、旦那様は嬉しそうに私の頬やおでこ、首筋にキスを落とします。
ゆっくり、ゆっくりと私のペースに合わせてくださった旦那様。
最初は痛みを伴ったものの、徐々に感覚が変わってきて声を上げてしまう私を愛しそうに旦那様が見つめ、2人でぎゅぅっと抱きしめ合いました。
「旦那様...」
「ん?」
昨夜のことを思い出しながら私は旦那様を抱きしめて、「大好きです」と呟くと、旦那様が何も言わずに固まってしまいました。
「だ、旦那様...?」
「ソフィア...」
「はいっ」
「...もう、痛くはないのだな?」
頬を撫でていた手が下の方に降りてきて、そっと私のお腹を撫でました。
思わず「んっ」と声が出てピクッと動くと、旦那様が突然私に覆い被さってきました。
「きゃっ!?だだ旦那様っ!?」
「ソフィアすまない。どうも、昨日の今日でおかしくなってしまったようだ」
「何がで...ひゃっ」
「ソフィア......愛してるよ」
昨日はあれほど痛みを伴ったのに、今日は全く違いました。訳がわからない感覚に耐えられず私が声を上げると、旦那様の動きも早くなって、ますます攻められてしまいました。
そしていつのまにか意識を飛ばしてしまいました。
再び目を覚ますと、旦那様が隣で落ち込んだ様子で座り込んでいました。
「旦那様...?」
なんだか体が怠いわ...
そんなことを思いながら起き上がります。頭が徐々に冴えてきて、意識を飛ばしてしまった事を思い出しました。
そうだわ、私っ...
昨日と違う感覚に戸惑ってしまって、旦那様とまた...その後の記憶がないわ。それに、服を着てるってことは旦那様が着させてくださったのかしら。
「ソフィア、すまない。私が無理をさせてしまったせいで...」
しゅんっと落ち込む旦那様。私はその様子が可愛くて、思わず笑いそうになるのを堪えながら言いました。
「旦那様、こっちを向いてください」
怒られると思っているのでしょうか、旦那様は落ち込んだ表情のまま私を見ました。
「旦那様、私怒ってませんよ」
「...無理をさせた」
「ふふっ、旦那様は可愛いです」
笑いが堪えられなくなって私が笑うと、拍子抜けしたように旦那様が私を見ています。
そして、ふわっと表情を緩めたかと思うと、私を見つめながら言いました。
「ソフィア、それは私のセリフだ。私は君が可愛くて仕方ないんだ」
「あら、同じですね」
そうして二人で笑い合いました。
政略結婚で夫婦になった私と旦那様。これからも二人仲良くいつまでも寄り添い合いながら夫婦生活を送っていこうと思います。
「ねぇ、旦那様と奥様ってまだ...致してなかったのね。信じられない」
「今まであれだけのラブラブっぷりを見せておいて......まって、これから更に酷くなるんじゃ...。よし。表情管理、表情管理」
「旦那様がここまでヘタレだと思わなかったけど、とりあえずめでたいわ。今日は豪華な食事を用意しましょう。お祝いよ!」
ドアの向こうでヒソヒソと使用人達が話していたのを二人は知る由もありませんでした。
Fin
これからもアクリウスとソフィアは使用人達に見守られながら、生温かい視線を浴びながら仲良く暮らしていくんだろうなぁと思います。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございましたm(_ _)m
21
お気に入りに追加
3,047
あなたにおすすめの小説
侯爵夫人の優雅な180日
cyaru
恋愛
イノセン公爵家のフェインはデンティド侯爵家のアンプレッセに望まれ結婚をした。
しかし、初夜。フェインの目の前で土下座をするアンプレッセ。
【頼む!離縁してくれ】
離縁には同意をするものの、問題があった。
180日の間は離縁の届けを出しても保留をされるのである。
折角なら楽しもうと満喫しつつお節介をしてしまうフェイン。
そして離縁をする為の180日の間にアンプレッセは‥‥。
※完結後に、センテビーが捕まった理由を追記しました。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※よくある初夜でとんでもない事を言い出す夫が反省をする話です。
※時々、どこかで聞いたようなワードは錯覚若しくは気のせいです。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物も架空の人物です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
年上の夫と私
ハチ助
恋愛
【あらすじ】二ヶ月後に婚礼を控えている伯爵令嬢のブローディアは、生まれてすぐに交わされた婚約17年目にして、一度も顔合わせをした事がない10歳も年の離れた婚約者のノティスから、婚礼準備と花嫁修業を行う目的で屋敷に招かれる。しかし国外外交をメインで担っているノティスは、顔合わせ後はその日の内に隣国へ発たなたなければならず、更に婚礼までの二カ月間は帰国出来ないらしい。やっと初対面を果たした温和な雰囲気の年上な婚約者から、その事を申し訳なさそうに告げられたブローディアだが、その状況を使用人達との関係醸成に集中出来る好機として捉える。同時に17年間、故意ではなかったにしろ、婚約者である自分との面会を先送りして来たノティスをこの二カ月間の成果で、見返してやろうと計画し始めたのだが……。【全24話で完結済】
※1:この話は筆者の別作品『小さな殿下と私』の主人公セレティーナの親友ブローディアが主役のスピンオフ作品になります。
※2:作中に明らかに事後(R18)を彷彿させる展開と会話があります。苦手な方はご注意を!
(作者的にはR15ギリギリという判断です)
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?
はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。
【完結】「政略結婚ですのでお構いなく!」
仙桜可律
恋愛
文官の妹が王子に見初められたことで、派閥間の勢力図が変わった。
「で、政略結婚って言われましてもお父様……」
優秀な兄と妹に挟まれて、何事もほどほどにこなしてきたミランダ。代々優秀な文官を輩出してきたシューゼル伯爵家は良縁に恵まれるそうだ。
適齢期になったら適当に釣り合う方と適当にお付き合いをして適当な時期に結婚したいと思っていた。
それなのに代々武官の家柄で有名なリッキー家と結婚だなんて。
のんびりに見えて豪胆な令嬢と
体力系にしか自信がないワンコ令息
24.4.87 本編完結
以降不定期で番外編予定
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる