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月一回の私の癒し
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夏空が広がる。
うるさいくらいに響く蝉の鳴き声に、生温かい風。いや、むしろ暑くてたまらない。
「あっつぅー」
日傘を指しても、照り返す日差しに思わず溜め息がでる。
こんなにも暑い日があって良いのだろうか。ほんと、どうにかして欲しい。
鞄に入れておいたスポーツドリンクを取り出してゴクゴクと飲み干す。
あぁ、もう空になってしまった。
着いたら自動販売機でまた買おう。
そんなことを思いながら、空のペットボトルを再び鞄の中へ入れた。
山の中なのに、こんなにも暑い。
まぁ、コンクリートの道より遥かに涼しいのだろうけど。
「着いたぁーっ」
建物の中に入った瞬間、ヒンヤリとした空気が私を浄化してくれる。
あぁ...最高。
ここは天国だろうか。
自動販売機を見つけ、再びスポーツドリンクを買う。隣にあったペットボトル専用のゴミ箱へ、空のペットボトルを入れた。
近くにある椅子に座り、一息つく。
市立緑ヶ丘美術館。
ここに行くのが私の月一の楽しみだ。
ここは山の中にあるから、到着するまでがとても大変。だけれど、それもあってか土日でも人が少なく穴場の美術館なのだ。
森林浴もできて、ゆったりとした時間を過ごす事ができる。
私の特別なの癒しの場所。
昔から絵画が大好きで、将来はヨーロッパの色んな美術館を巡るのが夢。
建物の中はいつも涼しくて、天井も高いから開放感がある。そして、窓が大きく山々の自然も同時に楽しめるのだ。
落ち着いたところで、フリーチケットを係の人へ渡して絵画の会場へと足を踏み入れる。
たくさんの絵画たち。
わくわくする気持ちを抑え、じっくりと目を通してゆく。
満足。
ほんとうに、絵画ってすごい。
思う存分楽しんだあとは、これもまた私の楽しみであるカフェへと向かう。
ランチセットは、サンドウィッチと紅茶がセットになった、申し訳ないがとりわけ特別なものでもなく、喫茶店に行けばどこでも食べられるようなものだ。
だけれど、違うのだ。
ここで食べることに意味がある。
絵画を見た後に食べるから、意味がある。
じっくりと、一人絵画の思いを噛み締めながら、味わうサンドウィッチと紅茶は格別だ。
こうして、月一の私の楽しみな時間は穏やかに過ぎていった。
うるさいくらいに響く蝉の鳴き声に、生温かい風。いや、むしろ暑くてたまらない。
「あっつぅー」
日傘を指しても、照り返す日差しに思わず溜め息がでる。
こんなにも暑い日があって良いのだろうか。ほんと、どうにかして欲しい。
鞄に入れておいたスポーツドリンクを取り出してゴクゴクと飲み干す。
あぁ、もう空になってしまった。
着いたら自動販売機でまた買おう。
そんなことを思いながら、空のペットボトルを再び鞄の中へ入れた。
山の中なのに、こんなにも暑い。
まぁ、コンクリートの道より遥かに涼しいのだろうけど。
「着いたぁーっ」
建物の中に入った瞬間、ヒンヤリとした空気が私を浄化してくれる。
あぁ...最高。
ここは天国だろうか。
自動販売機を見つけ、再びスポーツドリンクを買う。隣にあったペットボトル専用のゴミ箱へ、空のペットボトルを入れた。
近くにある椅子に座り、一息つく。
市立緑ヶ丘美術館。
ここに行くのが私の月一の楽しみだ。
ここは山の中にあるから、到着するまでがとても大変。だけれど、それもあってか土日でも人が少なく穴場の美術館なのだ。
森林浴もできて、ゆったりとした時間を過ごす事ができる。
私の特別なの癒しの場所。
昔から絵画が大好きで、将来はヨーロッパの色んな美術館を巡るのが夢。
建物の中はいつも涼しくて、天井も高いから開放感がある。そして、窓が大きく山々の自然も同時に楽しめるのだ。
落ち着いたところで、フリーチケットを係の人へ渡して絵画の会場へと足を踏み入れる。
たくさんの絵画たち。
わくわくする気持ちを抑え、じっくりと目を通してゆく。
満足。
ほんとうに、絵画ってすごい。
思う存分楽しんだあとは、これもまた私の楽しみであるカフェへと向かう。
ランチセットは、サンドウィッチと紅茶がセットになった、申し訳ないがとりわけ特別なものでもなく、喫茶店に行けばどこでも食べられるようなものだ。
だけれど、違うのだ。
ここで食べることに意味がある。
絵画を見た後に食べるから、意味がある。
じっくりと、一人絵画の思いを噛み締めながら、味わうサンドウィッチと紅茶は格別だ。
こうして、月一の私の楽しみな時間は穏やかに過ぎていった。
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