4 / 15
沈んで、沈んで、昇るだけ
しおりを挟む
どんなに良い言葉を聞いても、どんなに励まされても、立ち直れない日ってあると思う。
まさに、今の私のように。
玄関を開けて、すぐにお風呂場へ向かう。
帰ってすぐにシャワー浴びないと気持ち悪くなる私にとって、それはごく当たり前の行動だ。
シャンプーをしながら、意識は今日の出来事へと向いてゆく。
どうしようもない事だった。
それは、わかってる。
でも、こうしていれば
ああしていれば。
いや、あの人がこうしたから...
考えては消して、考えては消して。
思考を整理する。
ぽたっ...ぽたっ...
頬を伝うのは涙なのか、それとも自分の髪から滴り落ちる雫なのか。
これだけは分かる。
今日はきっと、何を聞いても前は向けない。
ゴォーーーッ
勢いよくドライヤーを鳴らして髪を乾かす。いつもは中位の風量も、今日は一番強い設定にして。
どんどん後ろ向きになる自分の思考を打ち消すように、ドライヤーの音に集中した。
一度きりの人生なんだから、前向きに生きなきゃ損だよ!
今は苦しいけど、いつかきっと良い日が来るから!
落ち込んで下ばかり見てても何も落ちてないよ!前を向いて進もうよ!
うん、分かってるよ。
でもさ、こんな日はとことん落ち込んでいないと、落ち着かないの。
心の中で、前向きな思考が音を立てて崩れ落ちてゆくのがわかった。
きっと、どんな言葉も今の私には空気だ。何も響かず、ただただ私の周りをぐるぐると駆け巡ってゆくだけ。
~~~♫
~~~~~~~♪
お気に入りの音楽をかけても、何も心に響かない。あれだけ夢中で聴いていたのに。
「今日はこれ、か」
下の方にあったプレイリストをタップする。
~~♫、、
さっきとは打って変わって、しんみりした雰囲気の曲に、前向きとは言えない歌詞。
そう、今の私が聴きたいのはこれだ。
「落ち込んだときにどう対応しますか?」
そう聞かれたら、私は迷わずこう答える。
「とことん落ちるところまで落ち込みます。きっと、周りが引くくらい。落ち込んで落ち込んで、これ以上ないってくらいに自己嫌悪になって。そうしたら、ふっと気持ちが軽くなる瞬間が来るんです。」
そっと、目を閉じる。
今日は頑張った、私。
これだけ落ち込んだんだ。
これ以上はきっとない。
沈んで、沈んで、沈んで
ぐーーーーっと、深く。
底に来たら、あとはもう、昇るだけ。
まさに、今の私のように。
玄関を開けて、すぐにお風呂場へ向かう。
帰ってすぐにシャワー浴びないと気持ち悪くなる私にとって、それはごく当たり前の行動だ。
シャンプーをしながら、意識は今日の出来事へと向いてゆく。
どうしようもない事だった。
それは、わかってる。
でも、こうしていれば
ああしていれば。
いや、あの人がこうしたから...
考えては消して、考えては消して。
思考を整理する。
ぽたっ...ぽたっ...
頬を伝うのは涙なのか、それとも自分の髪から滴り落ちる雫なのか。
これだけは分かる。
今日はきっと、何を聞いても前は向けない。
ゴォーーーッ
勢いよくドライヤーを鳴らして髪を乾かす。いつもは中位の風量も、今日は一番強い設定にして。
どんどん後ろ向きになる自分の思考を打ち消すように、ドライヤーの音に集中した。
一度きりの人生なんだから、前向きに生きなきゃ損だよ!
今は苦しいけど、いつかきっと良い日が来るから!
落ち込んで下ばかり見てても何も落ちてないよ!前を向いて進もうよ!
うん、分かってるよ。
でもさ、こんな日はとことん落ち込んでいないと、落ち着かないの。
心の中で、前向きな思考が音を立てて崩れ落ちてゆくのがわかった。
きっと、どんな言葉も今の私には空気だ。何も響かず、ただただ私の周りをぐるぐると駆け巡ってゆくだけ。
~~~♫
~~~~~~~♪
お気に入りの音楽をかけても、何も心に響かない。あれだけ夢中で聴いていたのに。
「今日はこれ、か」
下の方にあったプレイリストをタップする。
~~♫、、
さっきとは打って変わって、しんみりした雰囲気の曲に、前向きとは言えない歌詞。
そう、今の私が聴きたいのはこれだ。
「落ち込んだときにどう対応しますか?」
そう聞かれたら、私は迷わずこう答える。
「とことん落ちるところまで落ち込みます。きっと、周りが引くくらい。落ち込んで落ち込んで、これ以上ないってくらいに自己嫌悪になって。そうしたら、ふっと気持ちが軽くなる瞬間が来るんです。」
そっと、目を閉じる。
今日は頑張った、私。
これだけ落ち込んだんだ。
これ以上はきっとない。
沈んで、沈んで、沈んで
ぐーーーーっと、深く。
底に来たら、あとはもう、昇るだけ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
妊娠したのね・・・子供を身篭った私だけど複雑な気持ちに包まれる理由は愛する夫に女の影が見えるから
白崎アイド
大衆娯楽
急に吐き気に包まれた私。
まさかと思い、薬局で妊娠検査薬を買ってきて、自宅のトイレで検査したところ、妊娠していることがわかった。
でも、どこか心から喜べない私・・・ああ、どうしましょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる