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初めて知る想い
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「ふぅ...」
結婚式を無事に終え、マリーはクタクタになってソファに倒れ込む。
マリーのためにと用意された部屋は今までいた自室の倍以上の広さで、黄色や白を基調とした部屋だった。
結婚式の前に何度足を運んでも、この可愛らしい部屋や広さに慣れない。
これからはここが私の部屋になるんだわ。そう思いながらも、マリーは疲れで体が沈み込んでいくのを感じていた。
このまま眠ってしまいたい...
「お疲れ様でした、マリーお嬢様」
エスラはマリーを労りながらも、次の準備に取り掛かっていた。クラストの取り計らいで、エスラはマリーの侍女としてこの邸宅で再び一緒に暮らすこととなった。
全く知らない侍女がつくのは正直不安だったマリーは、クラストの心遣いに感謝していた。お優しい方だわ、と。
「さて、マリーお嬢様。これからしっかり務めを果たさないといけませんね」
「務め...?」
今にも寝てしまいそうな程疲れていたマリーは、全く頭が働かなかった。気がつくとエスラや他の侍女達にそれはそれは丁寧に体を洗われ、気がつくと広いベットに座っていた。
あぁ、どうしよう。
そこでようやく、今日が初夜だということを思い出す。そうだったわ、結婚式の後は...
「マリー」
甘い声が部屋に響く。クラストが入ってきたのだ。
ね、眠い...!
とんでもなく睡魔が襲ってくる。けれど寝るわけには行かないことくらい、流石のマリーもわかっていた。
クラストはそんなマリーに気づいたのか、すくっと笑い、マリーの側に近づき、愛おしそうに頬にかかっていたマリーの髪をすくって耳にかける。
「...疲れたかい?」
そう言い、チュッとおでこにキスを落とす。クラストの声は低く、耳元で囁かれるとなんだか胸がキュッとなるのを感じていた。
クラスト様の声は、聞いていてとても心地いいわ。だから余計に...眠気が襲ってくる。
「ふっ...眠そうだ」
そう言いながら、クラストは頬や首筋に優しく口付けながら、そっとマリーを倒していく。
「...ぁっ...」
耳元にキスをされた瞬間、マリーはビクッと肩を震わせた。そして、ようやく少しずつ目が冴えていくのを感じた。
はっとしてクラストを見ると、とても幸せそうに微笑んでいた。
「マリー...僕の妻。やっと、やっとだ」
チュッと軽いキスをされ、マリーは自分が動けなくなっているのに気づいた。
がっしりと腰を掴まれ、両腕はクラストの片手で頭の上に組み敷かれている。
「あ、あのっ...」
マリーは急に恥ずかしくなり俯いた。クラストはそんなマリーを見ながら優しく微笑んだ。
「マリー、君はこれが政略結婚だと思っているだろうけど、それは違うよ」
「え...?」
マリーは訳がわからず、クラストを見つめる。クラストは再びマリーに軽く口付けると、そのまま啄むようにキスをした。
「僕はね...ずっと君が好きだった。好きで好きで堪らなかった。だから、君が今僕の腕の中にいるなんて幸せで...」
「んっ...」
「マリー、前は君を僕のものにすることだけを考えていたけど、今は違う。君にも同じくらい僕のことを好きになって欲しい。...愛してるよ」
マリーは困惑していた。これは政略結婚ではないの?クラスト様が私を好き?一体どういうことなの?
訳がわからず混乱するマリーに、クラストは容赦なく行為を進めていく。
とまらなかった。
ずっとずっと、欲しかったマリー。
ようやく自分のものにできるのだ。
何度達しても、再び攻め立てられる。マリーが意識を飛ばすまで、ずっと離してはもらえなかった。
結婚式を無事に終え、マリーはクタクタになってソファに倒れ込む。
マリーのためにと用意された部屋は今までいた自室の倍以上の広さで、黄色や白を基調とした部屋だった。
結婚式の前に何度足を運んでも、この可愛らしい部屋や広さに慣れない。
これからはここが私の部屋になるんだわ。そう思いながらも、マリーは疲れで体が沈み込んでいくのを感じていた。
このまま眠ってしまいたい...
「お疲れ様でした、マリーお嬢様」
エスラはマリーを労りながらも、次の準備に取り掛かっていた。クラストの取り計らいで、エスラはマリーの侍女としてこの邸宅で再び一緒に暮らすこととなった。
全く知らない侍女がつくのは正直不安だったマリーは、クラストの心遣いに感謝していた。お優しい方だわ、と。
「さて、マリーお嬢様。これからしっかり務めを果たさないといけませんね」
「務め...?」
今にも寝てしまいそうな程疲れていたマリーは、全く頭が働かなかった。気がつくとエスラや他の侍女達にそれはそれは丁寧に体を洗われ、気がつくと広いベットに座っていた。
あぁ、どうしよう。
そこでようやく、今日が初夜だということを思い出す。そうだったわ、結婚式の後は...
「マリー」
甘い声が部屋に響く。クラストが入ってきたのだ。
ね、眠い...!
とんでもなく睡魔が襲ってくる。けれど寝るわけには行かないことくらい、流石のマリーもわかっていた。
クラストはそんなマリーに気づいたのか、すくっと笑い、マリーの側に近づき、愛おしそうに頬にかかっていたマリーの髪をすくって耳にかける。
「...疲れたかい?」
そう言い、チュッとおでこにキスを落とす。クラストの声は低く、耳元で囁かれるとなんだか胸がキュッとなるのを感じていた。
クラスト様の声は、聞いていてとても心地いいわ。だから余計に...眠気が襲ってくる。
「ふっ...眠そうだ」
そう言いながら、クラストは頬や首筋に優しく口付けながら、そっとマリーを倒していく。
「...ぁっ...」
耳元にキスをされた瞬間、マリーはビクッと肩を震わせた。そして、ようやく少しずつ目が冴えていくのを感じた。
はっとしてクラストを見ると、とても幸せそうに微笑んでいた。
「マリー...僕の妻。やっと、やっとだ」
チュッと軽いキスをされ、マリーは自分が動けなくなっているのに気づいた。
がっしりと腰を掴まれ、両腕はクラストの片手で頭の上に組み敷かれている。
「あ、あのっ...」
マリーは急に恥ずかしくなり俯いた。クラストはそんなマリーを見ながら優しく微笑んだ。
「マリー、君はこれが政略結婚だと思っているだろうけど、それは違うよ」
「え...?」
マリーは訳がわからず、クラストを見つめる。クラストは再びマリーに軽く口付けると、そのまま啄むようにキスをした。
「僕はね...ずっと君が好きだった。好きで好きで堪らなかった。だから、君が今僕の腕の中にいるなんて幸せで...」
「んっ...」
「マリー、前は君を僕のものにすることだけを考えていたけど、今は違う。君にも同じくらい僕のことを好きになって欲しい。...愛してるよ」
マリーは困惑していた。これは政略結婚ではないの?クラスト様が私を好き?一体どういうことなの?
訳がわからず混乱するマリーに、クラストは容赦なく行為を進めていく。
とまらなかった。
ずっとずっと、欲しかったマリー。
ようやく自分のものにできるのだ。
何度達しても、再び攻め立てられる。マリーが意識を飛ばすまで、ずっと離してはもらえなかった。
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