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出会い
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クラストと初めて会ったのは7.8歳くらいの頃だろうか。
貴族が優雅に散策を楽しむ場所として有名なガラシアナ庭園で、二人は初めて出会った。
茶色の髪にグレーがかった瞳。育ちが良さそうな雰囲気を持つ彼は、マリーが初めて出会った歳の近い男の子だった。
幼い頃から周りは女性ばかりの環境で育ってきたマリーにとって、クラストと会うことはとても新鮮だった。
父から婚約者なのだから失礼のないようにと送り出されたものの、婚約の言葉すら知らないマリーは、ただただクラストが物珍しかった。
「初めまして、マリーと申します」
「は、初めてまして。クラストと申します」
やや緊張した面持ちで頭を下げる彼。マリーは、男の子ってこんなにおろおろとするのね、と思いながらも初めて話す異性にドキドキしていた。
これは恋愛感情というよりも、好奇心からくるものだった。まつ毛が長いわ。それに、とっても綺麗な顔立ちをしてる。
まじまじと見つめるマリーに、クラストはタジタジになっていた。ここまで熱心に見つめられることはなかったからだ。
な、なんだ!?
兄2人を持ち三男であるクラストもまた、男性ばかりの環境で育ってきたため、歳が近い女性と会うのは初めてのことだった。
ふわふわに巻かれた金色に輝く髪に、グリーンに輝く瞳。優しそうに微笑むマリーを見て、クラストは一瞬で目を奪われた。
...お姫様みたいだ。
「クラスト様、せっかくなので散策しませんか?お天気もいいし、歩くにはぴったりでしょう?」
「あ、あぁ、そうしましょう」
「はいっ」
マリーが手を差し出すと、クラストは驚いてその手を見つめた。
「...どうかされたのですか?」
「いや、これはどういう意味ですか?」
「散策の時は皆で手を繋ぐでしょう?」
「そ、そうなのですか?」
当たり前でしょう、という顔を向けられてクラストは恐る恐る手を差し出した。
マリーは知らなかった。散策の時は手を繋ぐ。これは、幼い頃にマリーがすぐに興味を示す方へと行ってしまうので、男爵夫人や侍女達が迷子になることを防ぐために手を握っていたのだという事を。
ぎゅっとマリーの手を握ったクラストは、あまりの柔らかさと細さに驚いた。
それを見守っていた周りの侍女達が焦っていたのは言うまでもない。男爵令嬢が侯爵家の御子息に手を差し出すとは!
2人が楽しそうな雰囲気だったので、無理に止めに入ることはしなかった。
手を繋ぎ、庭園を二人で歩く。クラストにとって、それはとても新鮮で心ときめくものだった。
貴族が優雅に散策を楽しむ場所として有名なガラシアナ庭園で、二人は初めて出会った。
茶色の髪にグレーがかった瞳。育ちが良さそうな雰囲気を持つ彼は、マリーが初めて出会った歳の近い男の子だった。
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父から婚約者なのだから失礼のないようにと送り出されたものの、婚約の言葉すら知らないマリーは、ただただクラストが物珍しかった。
「初めまして、マリーと申します」
「は、初めてまして。クラストと申します」
やや緊張した面持ちで頭を下げる彼。マリーは、男の子ってこんなにおろおろとするのね、と思いながらも初めて話す異性にドキドキしていた。
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な、なんだ!?
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ふわふわに巻かれた金色に輝く髪に、グリーンに輝く瞳。優しそうに微笑むマリーを見て、クラストは一瞬で目を奪われた。
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「あ、あぁ、そうしましょう」
「はいっ」
マリーが手を差し出すと、クラストは驚いてその手を見つめた。
「...どうかされたのですか?」
「いや、これはどういう意味ですか?」
「散策の時は皆で手を繋ぐでしょう?」
「そ、そうなのですか?」
当たり前でしょう、という顔を向けられてクラストは恐る恐る手を差し出した。
マリーは知らなかった。散策の時は手を繋ぐ。これは、幼い頃にマリーがすぐに興味を示す方へと行ってしまうので、男爵夫人や侍女達が迷子になることを防ぐために手を握っていたのだという事を。
ぎゅっとマリーの手を握ったクラストは、あまりの柔らかさと細さに驚いた。
それを見守っていた周りの侍女達が焦っていたのは言うまでもない。男爵令嬢が侯爵家の御子息に手を差し出すとは!
2人が楽しそうな雰囲気だったので、無理に止めに入ることはしなかった。
手を繋ぎ、庭園を二人で歩く。クラストにとって、それはとても新鮮で心ときめくものだった。
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