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地味な私と公爵様
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ラエル様とマリア、コーラス様に連れられて着いたのは、学園内の中にある有名な教会でした。
ここで結ばれた男女は永遠に愛を育むことができるらしい。そんな言い伝えがあるのだと、他の御令嬢方が話しているのを聞いたことがありました。
「ローズ、入って」
ラエル様がドアを開け、私を中へと案内してくれます。
私は恐る恐る中へ入りました。外から見るよりもとても広く、窓や天井には一面にステンドグラスが貼られ、陽の光を受けてキラキラと輝いていました。
その輝きに目を奪われながらも前方へ視線をずらすと、奥の方に女性が立っているのが見えました。
あれって...
「リリアナ?」
「ローズお嬢様!」
リリアナが嬉しそうに私の名前を呼び、駆け寄って来ます。
ラエル様に深々と頭を下げると、ラエル様はリリアナに「あとは頼んだ」と言い、コーラス様と共にその場から去っていきました。
「ら、ラエル様?」
私は訳が分からず戸惑っていると、「お嬢様はこちらです」「さぁ、ローズ行くわよ」とリリアナとマリアに連れられて教会の奥の部屋へと連れて行かれました。
「これ...は...」
目の前にはとても綺麗で繊細なデザインのドレスが飾ってありました。スカート部分には小さな青いブルーの宝石とダイヤが散りばめられ、光に照らされるとキラッと上品に輝いています。
「お嬢様、これはお嬢様のためにラエル公爵様がご用意したドレスですよ。結婚式は少し先ですが、その前に二人だけでこの場所で式を挙げたいと計画を立てていらっしゃいました」
「ラエル様が...?」
「ローズ!まだ泣かないで。今からあたなをとびっきり可愛くしてあげるんだから」
今にも感動で泣き出しそうになる私を見て、マリアが慌てたように声をかけました。
「私の親友はほんっとに可愛いわ」
「本当にその通りです。私の自慢のお嬢様です」
されるがまま、私は化粧を施され、髪をきれいにまとめられます。
リリアナとマリアの手によって別人のようになった私を見て、二人は満足げに、そして嬉しそうに微笑んでいました。
「幸せになってね、ローズ」
しみじみとマリアがいうものだから、思わず涙が溢れてしまいました。
「あぁ!泣かないでって言ったでしょう......泣かせたのは私ね」
そう言いながら、二人で泣きながら笑い合いました。
部屋から出て教会の中へ戻ると、正装姿のラエル様が立っていました。
こんな素敵な方が、私の旦那様になるのね。なんて、なんて幸せなのだろう。
ラエル様は私を見つけると目を見開き、しばらく私を見つめました。
「...きれい、だ....」
「ラエル様も...素敵です」
お互いを褒め、しばらくの間無言で見つめあいました。
「...ラエル様、大好きです」
思わず想いが溢れてしまい、涙を堪えながら、絞り出すように私が言うと、ラエル様は優しく笑みを浮かべて私の頬に手を当てました。
「ローズ、君を必ず幸せにする。私を選んでくれてありがとう。...愛してる」
お互いに目を閉じて唇を重ねました。今までで一番幸せで、愛しくて堪りませんでした。
ラエル様、あなたと出会えて私はとても幸せです。
遠くの方で、教会の鐘が鳴るのが聞こえました。まるで私達の結婚を祝福するかのように。
Fin
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。ラエルは溺愛公爵へと変貌を遂げましたね。カイはマリアの尻に敷かれながらもなんだかんだ幸せに暮らすのだろうなぁと思います。実はマリアの方がカイに対して弱かったりもするのだとか...?
ここまでお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
ここで結ばれた男女は永遠に愛を育むことができるらしい。そんな言い伝えがあるのだと、他の御令嬢方が話しているのを聞いたことがありました。
「ローズ、入って」
ラエル様がドアを開け、私を中へと案内してくれます。
私は恐る恐る中へ入りました。外から見るよりもとても広く、窓や天井には一面にステンドグラスが貼られ、陽の光を受けてキラキラと輝いていました。
その輝きに目を奪われながらも前方へ視線をずらすと、奥の方に女性が立っているのが見えました。
あれって...
「リリアナ?」
「ローズお嬢様!」
リリアナが嬉しそうに私の名前を呼び、駆け寄って来ます。
ラエル様に深々と頭を下げると、ラエル様はリリアナに「あとは頼んだ」と言い、コーラス様と共にその場から去っていきました。
「ら、ラエル様?」
私は訳が分からず戸惑っていると、「お嬢様はこちらです」「さぁ、ローズ行くわよ」とリリアナとマリアに連れられて教会の奥の部屋へと連れて行かれました。
「これ...は...」
目の前にはとても綺麗で繊細なデザインのドレスが飾ってありました。スカート部分には小さな青いブルーの宝石とダイヤが散りばめられ、光に照らされるとキラッと上品に輝いています。
「お嬢様、これはお嬢様のためにラエル公爵様がご用意したドレスですよ。結婚式は少し先ですが、その前に二人だけでこの場所で式を挙げたいと計画を立てていらっしゃいました」
「ラエル様が...?」
「ローズ!まだ泣かないで。今からあたなをとびっきり可愛くしてあげるんだから」
今にも感動で泣き出しそうになる私を見て、マリアが慌てたように声をかけました。
「私の親友はほんっとに可愛いわ」
「本当にその通りです。私の自慢のお嬢様です」
されるがまま、私は化粧を施され、髪をきれいにまとめられます。
リリアナとマリアの手によって別人のようになった私を見て、二人は満足げに、そして嬉しそうに微笑んでいました。
「幸せになってね、ローズ」
しみじみとマリアがいうものだから、思わず涙が溢れてしまいました。
「あぁ!泣かないでって言ったでしょう......泣かせたのは私ね」
そう言いながら、二人で泣きながら笑い合いました。
部屋から出て教会の中へ戻ると、正装姿のラエル様が立っていました。
こんな素敵な方が、私の旦那様になるのね。なんて、なんて幸せなのだろう。
ラエル様は私を見つけると目を見開き、しばらく私を見つめました。
「...きれい、だ....」
「ラエル様も...素敵です」
お互いを褒め、しばらくの間無言で見つめあいました。
「...ラエル様、大好きです」
思わず想いが溢れてしまい、涙を堪えながら、絞り出すように私が言うと、ラエル様は優しく笑みを浮かべて私の頬に手を当てました。
「ローズ、君を必ず幸せにする。私を選んでくれてありがとう。...愛してる」
お互いに目を閉じて唇を重ねました。今までで一番幸せで、愛しくて堪りませんでした。
ラエル様、あなたと出会えて私はとても幸せです。
遠くの方で、教会の鐘が鳴るのが聞こえました。まるで私達の結婚を祝福するかのように。
Fin
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。ラエルは溺愛公爵へと変貌を遂げましたね。カイはマリアの尻に敷かれながらもなんだかんだ幸せに暮らすのだろうなぁと思います。実はマリアの方がカイに対して弱かったりもするのだとか...?
ここまでお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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