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アクリウス&マリウス
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アクリウスは参っていました。ようやく二人の思いが通じて体も繋がり、愛し合う夫婦となったのですが...。
「妻が可愛いくてところ構わず手を出しそうなんだ。どうすればいい?」
「ゴホッゴホッ」
「俺は何も聞いてないぞ。これは幻聴だ」
「ぅぅゔんっ」
今日も今日とて、アクリウスはマリウスに〝こっそりと〟相談をしていました。
周りの騎士達の静かに耐える時間が開始したことに本人は全く気づいていません。
マリウスはまたかと呆れながらも言いました。
「夫婦なんだから思う存分手を出せばいいじゃないか。何が問題なんだ?」
「...前に無理をさせ過ぎた事があるんだ。ソフィアを困らせたくない」
「別に困ってはいないと思うけど?怒ったり嫌がったりしてないんだろ?」
「それはそうだが...私とソフィアでは余りにも体格が違いすぎるから心配なんだ。いつか壊してしまいそうで」
マリウスは体格に似合わずシュンッと落ち込む幼馴染を見ながら、苦笑いするしかありませんでした。
本人はこれでも真剣なんだろうが、側からすればただの惚気にしか聞こえてない事すらきっと気づいてないんだろうな。
「じゃあ、お前は耐えられるのか?」
「何がだ?」
「耐え続けた結果そういう風に奥さんを無理させるまでになったんだろう?だったら小出しにすればいい」
「...小出し?」
「あぁ。手を出したいと思ったら、一気に進めるんじゃなくて少しだけ味わうんだ。そうすれば無理させるようなほど爆発することもないんじゃないか?」
まぁ、お前がそこで止められるならな。ボソッと囁いた声はアクリウスに果たして届いたのでしょうか。
「そうか、なるほどな」
これで納得するのか、とマリウスは苦笑いする。きっと、一度手を出せば止められないだろう。余程アクリウスの理性が働くか、彼女が泣くほど嫌がるかのどちらかでなければ。
まぁ、頑張れ奥さん。
心の中でマリウスは静かにエールを送るのだった。
「妻が可愛いくてところ構わず手を出しそうなんだ。どうすればいい?」
「ゴホッゴホッ」
「俺は何も聞いてないぞ。これは幻聴だ」
「ぅぅゔんっ」
今日も今日とて、アクリウスはマリウスに〝こっそりと〟相談をしていました。
周りの騎士達の静かに耐える時間が開始したことに本人は全く気づいていません。
マリウスはまたかと呆れながらも言いました。
「夫婦なんだから思う存分手を出せばいいじゃないか。何が問題なんだ?」
「...前に無理をさせ過ぎた事があるんだ。ソフィアを困らせたくない」
「別に困ってはいないと思うけど?怒ったり嫌がったりしてないんだろ?」
「それはそうだが...私とソフィアでは余りにも体格が違いすぎるから心配なんだ。いつか壊してしまいそうで」
マリウスは体格に似合わずシュンッと落ち込む幼馴染を見ながら、苦笑いするしかありませんでした。
本人はこれでも真剣なんだろうが、側からすればただの惚気にしか聞こえてない事すらきっと気づいてないんだろうな。
「じゃあ、お前は耐えられるのか?」
「何がだ?」
「耐え続けた結果そういう風に奥さんを無理させるまでになったんだろう?だったら小出しにすればいい」
「...小出し?」
「あぁ。手を出したいと思ったら、一気に進めるんじゃなくて少しだけ味わうんだ。そうすれば無理させるようなほど爆発することもないんじゃないか?」
まぁ、お前がそこで止められるならな。ボソッと囁いた声はアクリウスに果たして届いたのでしょうか。
「そうか、なるほどな」
これで納得するのか、とマリウスは苦笑いする。きっと、一度手を出せば止められないだろう。余程アクリウスの理性が働くか、彼女が泣くほど嫌がるかのどちらかでなければ。
まぁ、頑張れ奥さん。
心の中でマリウスは静かにエールを送るのだった。
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