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ホームレス、本当に英雄になってしまう
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そして、俺たちは王都へと凱旋する。
列の中盤で、俺はアルフレッドと女王陛下と一緒に豪華な場所に乗って移動していた。
王都の門には民衆が待ち構えていた。
『女王陛下が帰還されたぞ!!』
王都はお祭り騒ぎだった。人々は戦争の勝利に歓喜している。それも勝ったのは、列強国のひとつ・ローゼンブルク帝国だ。
いままで外交力だけでなんとか抑えていた大国を下したことで、積み重なった不満は一気に解消されたんだろう。
昼間なのにビールを片手にみんなが躍っていた。
『英雄たちの帰還だ!! みんな喜べ!』
『女王陛下は完全な勝利をもたらした!! まさに勝利の女神だ』
『それにアルフレッド将軍の指揮もすごかったよな。ワル―シャ攻防戦は歴史に残るぞ』
『でも、今回の最大の功労者はあの人だろう?』
『ほんとかな? あんな功績をひとりで作ったなんて!?』
『ニコライ=ローザンブルク中将を一騎討ちの末、討ち取った救国の英雄だぞ!? 失礼だろ!!』
『だってさ、すべての作戦をひとりで立案して、戦いが始まったら最前線で敵国の将軍を討ってくるなんて物語の世界の話じゃんか!』
『たぶん、王国首脳部が隠していた切り札だよ。歴史上最高クラスの魔導士だ。どこからともなく、オーラを感じるだろう?』
『ああ、きっと戦場ではもっとすごいんだろうな。俺たちみたいな能力も力もないやつなんて、目を合わせる前に吹き飛ばされてるぞ!?』
いつの間にか俺のうわさが広まっているような。
どんな怪物になっているんだろう……ちょっと不安だ。
「クニカズ? 皆があなたを見ていますよ。手くらい振ってあげなさい」
ウィリーは俺をからかうように笑う。
「こうか?」
テレビで見たことがある王族のように民衆に手を振った。
「ぎこちないな」
アルフレッドは脇で笑いをこらえていた。
「うるせぇ」
だが、観衆はそうは思わなかったようだ。
『おい、クニカズ中佐が笑いながら手を振ってくれたぞ!!』
『なんだ意外と気さくじゃねぇか』
『すげぇ優しそうな笑顔で、私ファンになっちゃうかも!!」
『あれですごい魔導士なのよね? もっと怖い人だと思ってたわ』
なんか芸能人みたいになってしまってすごく恥ずかしいです。
「ところで、俺の新しい役職なんだけど具体的に何をすればいいんだ?」
たしか、女王直属の軍事参議官室室長だったよな?
「そう、気取らなくても大丈夫よ。私のアドバイザーになって欲しいだけ。軍事参議官っていうのは引退した軍の長老たちが就任する役職で、女王を助言する仕事よ。ただ、必要あるときだけ招集するから滅多に長老たちは来ないし。事実上、クニカズだけが常駐している部屋の長ね。適宜、私に助言をくれればいいわ。あなたの持つ知性は軍事だけじゃなくて、いろんな分野に応用したいからね」
女王陛下は少しだけ顔を赤らめて笑う。アルフレッドはちょっとだけ苦笑していた。
※
室長。公務員だとたしか課長補佐クラスの役職だったよな。
公務員の課長職は民間企業の課長職と比べて権限が大きいと聞いたことがある。
テレビドラマによく出てくる警視庁捜査一課長なんて300人以上部下がいるとか。
課員が下手な会社の社員よりも多いからな。
役所の課長補佐が民間企業の課長みたいなはずだ。おそらく、俺も忙しいのだろう。そう思うとちょっと憂鬱だな。デスクワークとかできるかな?
軍事参議官室長1日目。
女王陛下の軍事アドバイザーという立場だからか、職場は軍務省ではなく王宮に用意されている。
軍事参議官室の本来の仕事は、王国の重要な局面において、退役した軍の長老たちを招集し女王陛下の意思決定に必要な情報を分析したうえで上申する軍事参議官会議を招集したりするものだ。
軍の長老会議のための事務室だな。それだけだと仕事が少ないので、もうひとつ重要な任務を仰せつかっている。各国の大使館に派遣している駐在武官の報告書に目を通して重要な情報がないかを判断しなくてはいけない。
駐在武官。簡単に言えば軍人外交官だ。外交と軍事は切っても切り離せない関係だから職業外交官だけでは判断できない軍事的な問題が現地で発生する可能性もある。それを処理したり大使にアドバイスしたりする仕事が主だが……
たいていは裏で軍事的な情報収集やスパイ活動をおこなっているのが暗黙の了解だ。
日本でもたまに情報流出に外国の大使館職員がかかわっている疑惑があるが、まあそういうことだ。
つまり、軍事参議官室が各地にいる駐在武官の元締めということになる……
かなり重要なお仕事だよなァ。
そして、もうひとつ女王陛下からは特命を帯びている。
それは、戦略と輸送計画の総合的な見直しだ。俺が発案した浮遊魔力による空中からの強襲。これによって補給基地は無防備であることが判明した。各国は航空魔導士の研究にやっきになっているはずだ。膨大な魔力を消費する航空魔導士の育成は妖精の加護なしでは実現が難しいだろうが、もしかしたら簡易版でも開発に成功する国が出てくるかもしれない。
それも踏まえて航空魔導士を有効活用する戦略の立案と空からの攻撃があるという前提に立って補給線の維持をどう確保するかが解決すべき課題になっている。
ウィリーには「難しい仕事でしょうから、室長補佐はあなたの意見を優先する」と言ってもらえたので、もちろんあの男をお願いしてある。
軍事参議官室の扉を開いた。
そこには20人くらいのスタッフと俺の補佐役である親友が待っていた。
「お待ちしておりました、クニカズ室長。本日付で室長補佐の任を拝命しましたクリスタ少佐です、以後お見知りおきを!」
※
ということで、俺の新しい生活は始まった。
軍事参議官室長の朝は早い。
軍が用意してくれた官舎で目を覚ますとターニャが朝食を用意してくれていた。
ハムとピクルスと黒パン。
どうやら官舎生活に慣れて、デスクワーク中心になったので、彼女は暇すぎるのか市場に遊びに行き食材まで用意してくれているようだ。今あるピクルスは既製品だけど、彼女が作ってくれたピクルスも地下ボックスに眠っているらしい。
「酢漬けのピクルスは今晩が食べごろですよ、センパイ!! 今日の夜は2人でピクルスとソーセージをおつまみにワインでも飲みましょうよ!!」
とか新妻みたいなセリフを言ってくる。
ちょっと、ドキドキするよな。実際さ、妖精と言われるだけあってターニャは普通に美少女だし……
そもそも、料理を含む家事スキルは高いし、魔力の加護は絶大。ちょっと独占欲が強いところはあるけど、それを補っても余りあるほどレベルが高い。
そんな女の子と同棲みたいなことをしていて俺はいいのだろうか?
いや、むしろこれは同棲なのか!?
「何をバカなことを言っているんですか?」
やばい、心が繋がっているのを忘れていた。
「だよな、同棲じゃないよな!!」
俺は慌てて妄想を否定する。
「いや、それがバカなことですよ。年頃の男女が同じ部屋で生活を共にして、私が作った朝食を先輩が美味しそうに食べているなんて、どこをどう見ても同棲中のカップルですよ? 当たり前のことを言わせないでください」
「そうだよな、やっぱりこれカップルだよな。それも同棲中の!!」
「むしろ同棲中のカップルよりもきずなが強いと言っても過言ではありませんよ。だって、魂は繋がっているわけですからね。ソウルメイトでもあります」
なんかちょっとヤンデレ気味な気もするが気にしてはいけないよな。
「あっ、センパイ!! もうそろそろ行かないと遅刻しますよ!」
なんかありきたりな展開になってしまったが、確かにそろそろ出ないとまずい。
「おう、じゃあ行ってくるよ」
「行ってきますのキスくらいします?」
「ぐほっ」
いきなりの爆弾発言に飲んでいた水を噴き出しかける。
「冗談ですよ、まだ、ね?」
そう言うと妖精は、その場から恥ずかしそうに消えてしまった。
俺と同化したのか、暇だから街に散歩に行ったのかはわからないけど……
「ん?」
そう言えばさっき、まだとか言ってたよな。ということは将来的には可能性があるのか!?
いや、考えないようにしよう。それがお互いのためだ。
※
「はぁ、なんで肝心なところで弱気になっちゃうんだろう、私って……」
列の中盤で、俺はアルフレッドと女王陛下と一緒に豪華な場所に乗って移動していた。
王都の門には民衆が待ち構えていた。
『女王陛下が帰還されたぞ!!』
王都はお祭り騒ぎだった。人々は戦争の勝利に歓喜している。それも勝ったのは、列強国のひとつ・ローゼンブルク帝国だ。
いままで外交力だけでなんとか抑えていた大国を下したことで、積み重なった不満は一気に解消されたんだろう。
昼間なのにビールを片手にみんなが躍っていた。
『英雄たちの帰還だ!! みんな喜べ!』
『女王陛下は完全な勝利をもたらした!! まさに勝利の女神だ』
『それにアルフレッド将軍の指揮もすごかったよな。ワル―シャ攻防戦は歴史に残るぞ』
『でも、今回の最大の功労者はあの人だろう?』
『ほんとかな? あんな功績をひとりで作ったなんて!?』
『ニコライ=ローザンブルク中将を一騎討ちの末、討ち取った救国の英雄だぞ!? 失礼だろ!!』
『だってさ、すべての作戦をひとりで立案して、戦いが始まったら最前線で敵国の将軍を討ってくるなんて物語の世界の話じゃんか!』
『たぶん、王国首脳部が隠していた切り札だよ。歴史上最高クラスの魔導士だ。どこからともなく、オーラを感じるだろう?』
『ああ、きっと戦場ではもっとすごいんだろうな。俺たちみたいな能力も力もないやつなんて、目を合わせる前に吹き飛ばされてるぞ!?』
いつの間にか俺のうわさが広まっているような。
どんな怪物になっているんだろう……ちょっと不安だ。
「クニカズ? 皆があなたを見ていますよ。手くらい振ってあげなさい」
ウィリーは俺をからかうように笑う。
「こうか?」
テレビで見たことがある王族のように民衆に手を振った。
「ぎこちないな」
アルフレッドは脇で笑いをこらえていた。
「うるせぇ」
だが、観衆はそうは思わなかったようだ。
『おい、クニカズ中佐が笑いながら手を振ってくれたぞ!!』
『なんだ意外と気さくじゃねぇか』
『すげぇ優しそうな笑顔で、私ファンになっちゃうかも!!」
『あれですごい魔導士なのよね? もっと怖い人だと思ってたわ』
なんか芸能人みたいになってしまってすごく恥ずかしいです。
「ところで、俺の新しい役職なんだけど具体的に何をすればいいんだ?」
たしか、女王直属の軍事参議官室室長だったよな?
「そう、気取らなくても大丈夫よ。私のアドバイザーになって欲しいだけ。軍事参議官っていうのは引退した軍の長老たちが就任する役職で、女王を助言する仕事よ。ただ、必要あるときだけ招集するから滅多に長老たちは来ないし。事実上、クニカズだけが常駐している部屋の長ね。適宜、私に助言をくれればいいわ。あなたの持つ知性は軍事だけじゃなくて、いろんな分野に応用したいからね」
女王陛下は少しだけ顔を赤らめて笑う。アルフレッドはちょっとだけ苦笑していた。
※
室長。公務員だとたしか課長補佐クラスの役職だったよな。
公務員の課長職は民間企業の課長職と比べて権限が大きいと聞いたことがある。
テレビドラマによく出てくる警視庁捜査一課長なんて300人以上部下がいるとか。
課員が下手な会社の社員よりも多いからな。
役所の課長補佐が民間企業の課長みたいなはずだ。おそらく、俺も忙しいのだろう。そう思うとちょっと憂鬱だな。デスクワークとかできるかな?
軍事参議官室長1日目。
女王陛下の軍事アドバイザーという立場だからか、職場は軍務省ではなく王宮に用意されている。
軍事参議官室の本来の仕事は、王国の重要な局面において、退役した軍の長老たちを招集し女王陛下の意思決定に必要な情報を分析したうえで上申する軍事参議官会議を招集したりするものだ。
軍の長老会議のための事務室だな。それだけだと仕事が少ないので、もうひとつ重要な任務を仰せつかっている。各国の大使館に派遣している駐在武官の報告書に目を通して重要な情報がないかを判断しなくてはいけない。
駐在武官。簡単に言えば軍人外交官だ。外交と軍事は切っても切り離せない関係だから職業外交官だけでは判断できない軍事的な問題が現地で発生する可能性もある。それを処理したり大使にアドバイスしたりする仕事が主だが……
たいていは裏で軍事的な情報収集やスパイ活動をおこなっているのが暗黙の了解だ。
日本でもたまに情報流出に外国の大使館職員がかかわっている疑惑があるが、まあそういうことだ。
つまり、軍事参議官室が各地にいる駐在武官の元締めということになる……
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それは、戦略と輸送計画の総合的な見直しだ。俺が発案した浮遊魔力による空中からの強襲。これによって補給基地は無防備であることが判明した。各国は航空魔導士の研究にやっきになっているはずだ。膨大な魔力を消費する航空魔導士の育成は妖精の加護なしでは実現が難しいだろうが、もしかしたら簡易版でも開発に成功する国が出てくるかもしれない。
それも踏まえて航空魔導士を有効活用する戦略の立案と空からの攻撃があるという前提に立って補給線の維持をどう確保するかが解決すべき課題になっている。
ウィリーには「難しい仕事でしょうから、室長補佐はあなたの意見を優先する」と言ってもらえたので、もちろんあの男をお願いしてある。
軍事参議官室の扉を開いた。
そこには20人くらいのスタッフと俺の補佐役である親友が待っていた。
「お待ちしておりました、クニカズ室長。本日付で室長補佐の任を拝命しましたクリスタ少佐です、以後お見知りおきを!」
※
ということで、俺の新しい生活は始まった。
軍事参議官室長の朝は早い。
軍が用意してくれた官舎で目を覚ますとターニャが朝食を用意してくれていた。
ハムとピクルスと黒パン。
どうやら官舎生活に慣れて、デスクワーク中心になったので、彼女は暇すぎるのか市場に遊びに行き食材まで用意してくれているようだ。今あるピクルスは既製品だけど、彼女が作ってくれたピクルスも地下ボックスに眠っているらしい。
「酢漬けのピクルスは今晩が食べごろですよ、センパイ!! 今日の夜は2人でピクルスとソーセージをおつまみにワインでも飲みましょうよ!!」
とか新妻みたいなセリフを言ってくる。
ちょっと、ドキドキするよな。実際さ、妖精と言われるだけあってターニャは普通に美少女だし……
そもそも、料理を含む家事スキルは高いし、魔力の加護は絶大。ちょっと独占欲が強いところはあるけど、それを補っても余りあるほどレベルが高い。
そんな女の子と同棲みたいなことをしていて俺はいいのだろうか?
いや、むしろこれは同棲なのか!?
「何をバカなことを言っているんですか?」
やばい、心が繋がっているのを忘れていた。
「だよな、同棲じゃないよな!!」
俺は慌てて妄想を否定する。
「いや、それがバカなことですよ。年頃の男女が同じ部屋で生活を共にして、私が作った朝食を先輩が美味しそうに食べているなんて、どこをどう見ても同棲中のカップルですよ? 当たり前のことを言わせないでください」
「そうだよな、やっぱりこれカップルだよな。それも同棲中の!!」
「むしろ同棲中のカップルよりもきずなが強いと言っても過言ではありませんよ。だって、魂は繋がっているわけですからね。ソウルメイトでもあります」
なんかちょっとヤンデレ気味な気もするが気にしてはいけないよな。
「あっ、センパイ!! もうそろそろ行かないと遅刻しますよ!」
なんかありきたりな展開になってしまったが、確かにそろそろ出ないとまずい。
「おう、じゃあ行ってくるよ」
「行ってきますのキスくらいします?」
「ぐほっ」
いきなりの爆弾発言に飲んでいた水を噴き出しかける。
「冗談ですよ、まだ、ね?」
そう言うと妖精は、その場から恥ずかしそうに消えてしまった。
俺と同化したのか、暇だから街に散歩に行ったのかはわからないけど……
「ん?」
そう言えばさっき、まだとか言ってたよな。ということは将来的には可能性があるのか!?
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