とにかくみんな死ねばいい。

探偵とホットケーキ

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第3章

第6話

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「違う」
余りの迦陵頻伽に、再び理人は息を呑む。しかし、青年は別の意味で、唖然としているようだった。
「『違う』? 『違う』ってどういう……」
「違う。全く違う。ここは、お前に殺された、別の犯罪者のものだったのを、買い上げた。内装も外観も全てその当時のまま。家具はその犯罪者の趣味だ。お前を呼び込んで、お前を殺して、そうしたら売り払う予定でいる。何の思い入れもない」
「そんな、嘘だろ……」
「お前が此処に来るように仕向けた。お前を殺すよう依頼があったからだ。依頼をした人間は、同業者だ。自分が殺されたくないから、先にお前を殺せと言われた。お前は作戦のとおりに此処に来た。浴室には外に出られるドアを用意しておいた。そうじゃなかったら、今、背面からお前に銃を向けられないだろう? 過去の影響がどうのこうのというのは、全て、お前の幻想だ」
 デルフィヌスは、唇だけを動かしており、矢張りずっと表情はないままだ。
「人間に過去は関係ない。過去が恵まれていても悪に堕ちるものはいる。この世にいる誰も、分かり合うことなんてできない」
次の瞬間、銃声が鳴り響いて、理人は恐怖と緊張の限界を迎え、そのまま目の前が真っ白になった。
***
次の瞬間、陽希は、デルフィヌスに銃口を向けられた。心臓が口から出そうになりながらも、目を背けたら負けだと思い、陽希はじっとデルフィヌスを睨む。理人の前に立ちふさがったまま。
デルフィヌスは、変わらぬ平坦な美声で言った。
「人は他人を助けたりしない」
 引き金に掛った指に、ゆっくりと力が入るのが見て取れる。だが、陽希は絶対に身動ぎしなかった。
「俺は理人を守る。そんなことを言うなんて、デルフィヌスさんは、悲しい人だね」
瞬きの間に、首に鈍い痛みが走り、眩暈がした。此処で、陽希の意識もすっかり途切れてしまった。
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