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Side 1ーOne way loveー
2 (山村文樹)
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これっきりになるかと思いきやしっかり連絡先を交換していた俺は、たまに学食で昼ごはんを食べたり、夜に飲みに行く関係になっていた。二人っきりではないけれど。
しかし、次第に二人で過ごす時間も増えていた。
お互いの夢を語り合った。共通の趣味があるわけではないけれど何気ないことでよく話をしていた。
俺を恋愛対象としてみてくれなくてもいい。ただの男友達で話しやすいやつだと思ってくれてもいい。
そう思っていたのに。
「なんか、最近翠ちゃんと仲いいよなお前・・・」
友人にそう言われるまであまり自覚をしていなかった。
「いや、俺翠ちゃんと付き合いたいんだよね~~~今度告ろうと思うんだけど翠ちゃんの連絡先教えてよ。」
その言葉を聞いた時、胸にナイフが刺さった気がした。
翠ちゃんは今、彼氏はいなくて俺と友達みたいな関係だけれどもしも誰かと付き合うことになったとしたら、俺とは安易に二人きりにはなれなくなる。
それだけじゃない。翠ちゃんはその男のものになってしまう。それが許せないと気がついた時に俺は翠ちゃんのことが好きだということに気がつく。
「俺も・・・・翠ちゃんのことが好きで付き合いたいと思っている。」
そう言い返すと、友人はびっくりしていた。
「いやいやないない、お前みたいな真面目なやつ。」
「わかんないだろ」
その日、半ばヤケクソ駄目元で当たって砕け散るつもりで伝えた言葉を俺はあんまり覚えてないけれど
翠ちゃんは、笑って笑顔で「はい」と言ってくれたのだ。
その笑顔は今でもずっと嬉しくて、苦しかった受験勉強を経て「合格」した瞬間よりも嬉しかった。
手を繋ぐこともなく、キスもしない中学生みたいな俺を翠ちゃんはどう思っているだろう。
体目的だと思われないように、でも何もしないのも不思議がられてしまう。
こんなに可愛いのだからきっと今までも何人かの男と付き合ってそれなりに経験を積んでいるはずだ。
デートの帰りに離れたくなくて初めてキスをした。本当に一瞬だけ唇をつけただけ。
その後に恥ずかしがって頬を赤く染めた翠ちゃんが可愛くてたまらなかった。
でも、その反応が翠ちゃんはあまりこういう経験をしたことがないのではないかと童貞の俺でも気がついたのだ。
だからこそその先に進むにはずいぶん時間がかかってしまった。
翠ちゃんは実家暮らしで俺は女性立ち入り禁止の男子寮。
ホテルを取るのも、旅行に誘うのもなんだかあからさまな気がして気が引けた。
何度かデートを重ねたある日、俺は翠ちゃんに星を見に行こうと提案した。
俺の地元は、田舎で取り柄といえば空気の綺麗さと星の綺麗さぐらいだった。
東京で生まれて東京で育った翠ちゃんにあの景色を見せたいと、見せた時にどんな反応をしてくれるのかをずっと考えていた。
レンタカーを借りて目的地までたどり着くと、瞬く綺麗な星たちが空いっぱいに広がり、翠ちゃんも目をキラキラさせながらその景色にうっとりしていた。
流石に山の上は寒すぎて、たくさん服を着込んで2人で同じ毛布にくるまった。
「東京にいると、どこにいっても人がいるけれどここは2人だけの世界にいる気がする」
翠ちゃんはそういって俺の肩に寄り添う。一層の事世界が2人だけになればいいのに。そうすれば他の男に取られることも、翠ちゃんが他の男に目移りすることなく俺を見てくれる気がする。
優しく抱き寄せて、キスをする今日はいつも以上に長く。
それから言葉も交わさずにとめどなくキスをした。よく考えたらこうして2人きりに初めてかもしれない。
冬の風が吹いて、凍える翠ちゃんを抱きしめて温めていたけれどここで限界がきて車に移動する。
なかなか暖まらない冷え切った車内の中でもキスは止まらなかった。
止めたくなかった。
きっとお互いにそれとなく覚悟ができていた。いつもは門限がある翠ちゃんも「友達と星を見に行ってそのまま友達の家に泊まる」と親に嘘をついたという。
彼氏といえばこんな風になってしまうことを両親が心配するからなのだろう。
でも、俺も男だからこんな風になってしまうことを止めれることはできない。
そのまま身体中にキスをし、翠ちゃんの胸の膨らみに触れる。
翠ちゃんは恥ずかしがって顔を隠す。
女の子の体に触れるのは初めてで、こんなにも柔らかいものだということを俺は知らなかった。もう俺は止められなくなり翠ちゃんの下着の中に手を入れてぎこちなく動かした。わずかに濡れているものの翠ちゃんは顔を歪めた。
「痛い」
そう言って翠ちゃんの目が涙ぐむ。その目を見た途端に一気に現実に引き戻された。もうこれ以上俺は翠ちゃんのこんな顔を見られない。
ここで止めずに違う場所に触れればよかったのかもしれない。高速道路のインター付近にはラブホテルも点在している。
場所を変えて気を取り直す方法もとれたのかもしれない。
でも、この時の俺は若すぎた。
「ごめん」と誤って乱れた服を整えて車を発進させた。
翠ちゃんがどんな表情をしている確認をする余裕もなく頭を真っ白にして真夜中の道を運転する。
この日を境に、翠ちゃんの顔が見られなくなった。なんでもない会話も挨拶もできないから、したくないからとにかく避けた。
しばらくして新しい彼氏ができたと小耳に挟んだけれど、俺はそれを願っていた。でもそれを考える余裕もないくらい就活に勤しんだ。忘れることができて丁度よかったのだと思う。
俺はそれからしばらく女運に恵まれることはなかった。当然の報いだ。
しかし、次第に二人で過ごす時間も増えていた。
お互いの夢を語り合った。共通の趣味があるわけではないけれど何気ないことでよく話をしていた。
俺を恋愛対象としてみてくれなくてもいい。ただの男友達で話しやすいやつだと思ってくれてもいい。
そう思っていたのに。
「なんか、最近翠ちゃんと仲いいよなお前・・・」
友人にそう言われるまであまり自覚をしていなかった。
「いや、俺翠ちゃんと付き合いたいんだよね~~~今度告ろうと思うんだけど翠ちゃんの連絡先教えてよ。」
その言葉を聞いた時、胸にナイフが刺さった気がした。
翠ちゃんは今、彼氏はいなくて俺と友達みたいな関係だけれどもしも誰かと付き合うことになったとしたら、俺とは安易に二人きりにはなれなくなる。
それだけじゃない。翠ちゃんはその男のものになってしまう。それが許せないと気がついた時に俺は翠ちゃんのことが好きだということに気がつく。
「俺も・・・・翠ちゃんのことが好きで付き合いたいと思っている。」
そう言い返すと、友人はびっくりしていた。
「いやいやないない、お前みたいな真面目なやつ。」
「わかんないだろ」
その日、半ばヤケクソ駄目元で当たって砕け散るつもりで伝えた言葉を俺はあんまり覚えてないけれど
翠ちゃんは、笑って笑顔で「はい」と言ってくれたのだ。
その笑顔は今でもずっと嬉しくて、苦しかった受験勉強を経て「合格」した瞬間よりも嬉しかった。
手を繋ぐこともなく、キスもしない中学生みたいな俺を翠ちゃんはどう思っているだろう。
体目的だと思われないように、でも何もしないのも不思議がられてしまう。
こんなに可愛いのだからきっと今までも何人かの男と付き合ってそれなりに経験を積んでいるはずだ。
デートの帰りに離れたくなくて初めてキスをした。本当に一瞬だけ唇をつけただけ。
その後に恥ずかしがって頬を赤く染めた翠ちゃんが可愛くてたまらなかった。
でも、その反応が翠ちゃんはあまりこういう経験をしたことがないのではないかと童貞の俺でも気がついたのだ。
だからこそその先に進むにはずいぶん時間がかかってしまった。
翠ちゃんは実家暮らしで俺は女性立ち入り禁止の男子寮。
ホテルを取るのも、旅行に誘うのもなんだかあからさまな気がして気が引けた。
何度かデートを重ねたある日、俺は翠ちゃんに星を見に行こうと提案した。
俺の地元は、田舎で取り柄といえば空気の綺麗さと星の綺麗さぐらいだった。
東京で生まれて東京で育った翠ちゃんにあの景色を見せたいと、見せた時にどんな反応をしてくれるのかをずっと考えていた。
レンタカーを借りて目的地までたどり着くと、瞬く綺麗な星たちが空いっぱいに広がり、翠ちゃんも目をキラキラさせながらその景色にうっとりしていた。
流石に山の上は寒すぎて、たくさん服を着込んで2人で同じ毛布にくるまった。
「東京にいると、どこにいっても人がいるけれどここは2人だけの世界にいる気がする」
翠ちゃんはそういって俺の肩に寄り添う。一層の事世界が2人だけになればいいのに。そうすれば他の男に取られることも、翠ちゃんが他の男に目移りすることなく俺を見てくれる気がする。
優しく抱き寄せて、キスをする今日はいつも以上に長く。
それから言葉も交わさずにとめどなくキスをした。よく考えたらこうして2人きりに初めてかもしれない。
冬の風が吹いて、凍える翠ちゃんを抱きしめて温めていたけれどここで限界がきて車に移動する。
なかなか暖まらない冷え切った車内の中でもキスは止まらなかった。
止めたくなかった。
きっとお互いにそれとなく覚悟ができていた。いつもは門限がある翠ちゃんも「友達と星を見に行ってそのまま友達の家に泊まる」と親に嘘をついたという。
彼氏といえばこんな風になってしまうことを両親が心配するからなのだろう。
でも、俺も男だからこんな風になってしまうことを止めれることはできない。
そのまま身体中にキスをし、翠ちゃんの胸の膨らみに触れる。
翠ちゃんは恥ずかしがって顔を隠す。
女の子の体に触れるのは初めてで、こんなにも柔らかいものだということを俺は知らなかった。もう俺は止められなくなり翠ちゃんの下着の中に手を入れてぎこちなく動かした。わずかに濡れているものの翠ちゃんは顔を歪めた。
「痛い」
そう言って翠ちゃんの目が涙ぐむ。その目を見た途端に一気に現実に引き戻された。もうこれ以上俺は翠ちゃんのこんな顔を見られない。
ここで止めずに違う場所に触れればよかったのかもしれない。高速道路のインター付近にはラブホテルも点在している。
場所を変えて気を取り直す方法もとれたのかもしれない。
でも、この時の俺は若すぎた。
「ごめん」と誤って乱れた服を整えて車を発進させた。
翠ちゃんがどんな表情をしている確認をする余裕もなく頭を真っ白にして真夜中の道を運転する。
この日を境に、翠ちゃんの顔が見られなくなった。なんでもない会話も挨拶もできないから、したくないからとにかく避けた。
しばらくして新しい彼氏ができたと小耳に挟んだけれど、俺はそれを願っていた。でもそれを考える余裕もないくらい就活に勤しんだ。忘れることができて丁度よかったのだと思う。
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