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藤崎菜奈
第2問:先生とご近所なのは内緒です。
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二人はしばらく呆然と立ち尽くすも、柏原さんは我に返る。
「やべ!職員会議、遅刻する!先行くね!またあとで」
私の頭をポンポンとして、先生は走り出した。
(そんな風に触れるのはずるい・・・好き・・・)
*
学校につくと、クラスの振り分けの紙が玄関に張られていた。
『B組か・・・』
B組の教室に行くと、かわいらしくておしゃれな女の子や、今どきの男の子ばかりだった。
夢にみていたキラキラした高校生活・・・
でも、なぜこんなに注目を浴びてしまうのだろう・・・
先ほどから廊下を歩いているだけで視線を感じてしまう。
「あの子かわいくね?お前話かけてこいよ。」
「え?モデルとかやってんじゃね?」
「中学どこなんだろう・・」
「まじで美人!」
「てかハーフ?」
しばらくすると、女の子のグループが話しかけてくれた。
(・・・もう、みんなかわいすぎる。幸せ・・・(←かわいいもの大好き))
女の子たちは1人1人ご丁寧に自己紹介をしてくれた。
連絡先を交換しようと言われると、男子たちも集まってきた。
その時、ガラリと教室ドアを開ける音がした。
「おーい席つけー!」
そういいながらスーツを着こなした、顔立ちの整った長身の男が教壇にたった。
「では、入学おめでとう。今日から担任になる柏原勇人だ!よろしくな。」
さわやかな笑顔に、きゃーと教室中に女の子たちの悲鳴が上がった。
(ええええええええええええええ!)
動揺が隠せなかった。
ナンパ男から助けてくれて、いっしょにデートをしたお隣の人は、担任の先生だった。
ホームルームが終わると私はすぐに柏原さんのところへ向かった。
「柏原さん!どういうことですか?」
「それはこっちが聞きたいよ・・・てか、先生ってよべよ!」
柏原さん改め先生も、まだ動揺している様子だった。
「はい。柏原先生。」
彼は、一瞬固まってから「はー。なんでお前が生徒なんだよ・・・」
とため息をつきながら言った。
その言葉をどう捉えればいいか、私はまだわかっていなかった。
私はまだ、先生の気持ちを知らなかったから・・・・
「菜奈ちゃーん!一緒にかーえろ!」
放課後になると、クラスの女子たちが私を囲む。
田舎からでてきて、都会の女の子たちか、自分を相手にしてくれるのだろうか・・・
仲間外れにされないかが気がかりでいたため、誘いを受けて安心した。
「本当?いいの?」
安心して目頭が熱くなる。
「もちろん!!」
「こんなかわいい子たちと一緒に帰れるなんて私は幸せだよ。」
ぷっと周りの子たちは笑い出した。
「まじうけるんだけど!実は中身親父じゃん?」
「ギャップやば!」
私は、変な発言が和やかな笑いを取った。
私はかわいい女の子・服・下着・もの・動物には目が無い。
中身がオヤジだと言うのもあながち間違っていないのかもしれない。
可愛い女子高生に囲まれてテンションが上がっている。
いろんな話をしながら、駅で解散になった。
私は、その後スーパーに寄り夕飯の買い物をして帰宅をし、無事高校生活1日目を終えた。
*
その夜
ピンポーンとインターホンが鳴った。
菜奈は、扉の向こうの相手をインターフォンで確認する。
見ず知らずの人が来ても絶対にドアを開けないことを母から念入りに言われていたが、モニターに映ったのは先生だった。
私は、ゆっくりとドアをあけた。
「突然ごめんな、ちょっと話したいことがあって・・・」
先生は昨日の表情とは打って変わって、「教師」の表情だった。
「どうしたんですか?よかったら中にどうぞ・・」
私が、部屋に手招きした。
「いいよ。俺一応教師だから、女子生徒の部屋に気安く入るのはどうかと思うんだよね・・・だから、ここでいいよ。」
あっさりと断った。
「あのさ、生徒と教師が部屋隣同士ってまずいと思うんだよね。だからさ、俺がここに住んでることはほかのやつに言わないでくれないかな?」
「わかりました。じゃあお友達をうちに呼ぶなということですね・・・」
私は、しぶしぶ納得した。
一人暮らしをしたら、友達を呼んでパーティーをしたりお泊り会を開くことに憧れを持っていたため気分が落ち込んでしまう。
「友達って男?」
先生は、意地悪そうな笑みを浮かべながら聞いた。
「ちっちがいます!女の子です。一人暮らししたらお友達よんでパーティーとかしたかったんです。」
「そっか・・・。まあ呼ぶなとは言わないけど。呼ぶときは言ってよ!それなりに処置をとるからさ」
「は、はい」
「あとさ・・・隣人として、連絡先教えて」
生徒ではなく『隣人』としてと言ってくれたのが少し嬉しい。
「なんかあったらすぐに連絡すること。わかったか?」
先生は、また私の頭を優しく撫でる。
「はいっ先生・・・」
「分かればよろしい!」
壁は若干薄い。
水を使う音や、テレビの音。スマホバイブは静かにしていると聞こえてきてなんだか安心できる。
でも、逆に聞かれてたら嫌だなと思い、なるべく音が出ないような生活を心がける。
「やべ!職員会議、遅刻する!先行くね!またあとで」
私の頭をポンポンとして、先生は走り出した。
(そんな風に触れるのはずるい・・・好き・・・)
*
学校につくと、クラスの振り分けの紙が玄関に張られていた。
『B組か・・・』
B組の教室に行くと、かわいらしくておしゃれな女の子や、今どきの男の子ばかりだった。
夢にみていたキラキラした高校生活・・・
でも、なぜこんなに注目を浴びてしまうのだろう・・・
先ほどから廊下を歩いているだけで視線を感じてしまう。
「あの子かわいくね?お前話かけてこいよ。」
「え?モデルとかやってんじゃね?」
「中学どこなんだろう・・」
「まじで美人!」
「てかハーフ?」
しばらくすると、女の子のグループが話しかけてくれた。
(・・・もう、みんなかわいすぎる。幸せ・・・(←かわいいもの大好き))
女の子たちは1人1人ご丁寧に自己紹介をしてくれた。
連絡先を交換しようと言われると、男子たちも集まってきた。
その時、ガラリと教室ドアを開ける音がした。
「おーい席つけー!」
そういいながらスーツを着こなした、顔立ちの整った長身の男が教壇にたった。
「では、入学おめでとう。今日から担任になる柏原勇人だ!よろしくな。」
さわやかな笑顔に、きゃーと教室中に女の子たちの悲鳴が上がった。
(ええええええええええええええ!)
動揺が隠せなかった。
ナンパ男から助けてくれて、いっしょにデートをしたお隣の人は、担任の先生だった。
ホームルームが終わると私はすぐに柏原さんのところへ向かった。
「柏原さん!どういうことですか?」
「それはこっちが聞きたいよ・・・てか、先生ってよべよ!」
柏原さん改め先生も、まだ動揺している様子だった。
「はい。柏原先生。」
彼は、一瞬固まってから「はー。なんでお前が生徒なんだよ・・・」
とため息をつきながら言った。
その言葉をどう捉えればいいか、私はまだわかっていなかった。
私はまだ、先生の気持ちを知らなかったから・・・・
「菜奈ちゃーん!一緒にかーえろ!」
放課後になると、クラスの女子たちが私を囲む。
田舎からでてきて、都会の女の子たちか、自分を相手にしてくれるのだろうか・・・
仲間外れにされないかが気がかりでいたため、誘いを受けて安心した。
「本当?いいの?」
安心して目頭が熱くなる。
「もちろん!!」
「こんなかわいい子たちと一緒に帰れるなんて私は幸せだよ。」
ぷっと周りの子たちは笑い出した。
「まじうけるんだけど!実は中身親父じゃん?」
「ギャップやば!」
私は、変な発言が和やかな笑いを取った。
私はかわいい女の子・服・下着・もの・動物には目が無い。
中身がオヤジだと言うのもあながち間違っていないのかもしれない。
可愛い女子高生に囲まれてテンションが上がっている。
いろんな話をしながら、駅で解散になった。
私は、その後スーパーに寄り夕飯の買い物をして帰宅をし、無事高校生活1日目を終えた。
*
その夜
ピンポーンとインターホンが鳴った。
菜奈は、扉の向こうの相手をインターフォンで確認する。
見ず知らずの人が来ても絶対にドアを開けないことを母から念入りに言われていたが、モニターに映ったのは先生だった。
私は、ゆっくりとドアをあけた。
「突然ごめんな、ちょっと話したいことがあって・・・」
先生は昨日の表情とは打って変わって、「教師」の表情だった。
「どうしたんですか?よかったら中にどうぞ・・」
私が、部屋に手招きした。
「いいよ。俺一応教師だから、女子生徒の部屋に気安く入るのはどうかと思うんだよね・・・だから、ここでいいよ。」
あっさりと断った。
「あのさ、生徒と教師が部屋隣同士ってまずいと思うんだよね。だからさ、俺がここに住んでることはほかのやつに言わないでくれないかな?」
「わかりました。じゃあお友達をうちに呼ぶなということですね・・・」
私は、しぶしぶ納得した。
一人暮らしをしたら、友達を呼んでパーティーをしたりお泊り会を開くことに憧れを持っていたため気分が落ち込んでしまう。
「友達って男?」
先生は、意地悪そうな笑みを浮かべながら聞いた。
「ちっちがいます!女の子です。一人暮らししたらお友達よんでパーティーとかしたかったんです。」
「そっか・・・。まあ呼ぶなとは言わないけど。呼ぶときは言ってよ!それなりに処置をとるからさ」
「は、はい」
「あとさ・・・隣人として、連絡先教えて」
生徒ではなく『隣人』としてと言ってくれたのが少し嬉しい。
「なんかあったらすぐに連絡すること。わかったか?」
先生は、また私の頭を優しく撫でる。
「はいっ先生・・・」
「分かればよろしい!」
壁は若干薄い。
水を使う音や、テレビの音。スマホバイブは静かにしていると聞こえてきてなんだか安心できる。
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