【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する

エース皇命

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第3話 スペイゴールの書(2)

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 クリス、アキラ、シエナの三人は、アジトから西に三十キロほど進んだところにある、ワー新山にたどり着いた。
 さすがにこの距離を走るのはきついので、ヤコンという三人が乗るのに十分な大きさの、四足歩行のクジラで移動した(ヤコンはもともとアジトで飼っていた家畜である)。

「ここか」高くそびえるワー新山を前に、アキラがつぶやく。「高いな」

 ワー新山のある土地は、アジトのある草原地帯とは異なり、荒れ果てた砂漠地帯だ。そのため、空気も乾燥していて、すぐに水が欲しくなる。

「水でも飲んでおくか?」クリスが聞いた。

「いや、俺たちより喉の渇きに苦しんでいる人たちがいるのかもしれない」
 杖士ブレイカーは訓練で自分よりも他人を優先することを教えられる。自分の欲望を満たすより、相手を思いやり、自分はいつも最後だ。チームの中でも、そして大陸中の杖士ブレイカーの中でも、アキラはその教えに忠実だ。

「そうか。でも、死なれたら困るからな」クリスは念のためにそう言った。

 三人が門の前で待っていると、完全武装の門番二人が現れた。
「名前は?」いかつい顔で、体格のいい門番が聞く。

「僕はエルフのクリス、こっちは人間のアキラ、彼女も同じく人間のシエナです」

「スペイゴールの書か?」今度は背の低い門番が聞く。おそらく、彼はドワーフだろう。

「はい」クリスがはっきりと答えた。

 門番二人は軽くうなずき、台本を読むように声をそろえて続けた。「ワー新山へようこそ。この門をくぐれば、あなた方は数々の試練を乗り越えなくてはなりません。その先にはスペイゴールの書があります。ですが、書までたどり着いた勇者はいまだに一組もいません」

「やっぱり帰るか?」アキラが言う。もちろん冗談だ。

 クリスもシエナもいつものように無視した。

「覚悟はできています」クリスが目を輝かせた。

「いいでしょう」
 そうして、巨大な門が大きな音を立てながら開いた。

「いよいよだな」アキラが言う。「楽しくなってきた」



 その頃、ジャックとランランはアジトで別の試練と戦っていた。
 アジトの前に巨大な狼が現れたのだ。種族名はダークウルフ。
 スペイゴールでは、ダークウルフは神の災いとして恐れられている。数多くの杖士ブレイカーはこのダークウルフに殺されてきた。

「ジャック、まだ腕のメンテナンスは終わらないの?」ランランはダークウルフと一人で戦っている。
 杖士ブレイカーは訓練と肉体強化の儀式で、体内から自分の杖を呼び出すというスキルを持っている。
 念じるだけで手の中に杖が現れるのだ。彼らが使う杖は剣のように長くて太く、使用者の魔力をまとっている。戦いの際は、杖を剣のように振り回し、切りかかって相手を倒す。杖が相手を切ると、魔力の強さによっては相手の魔力までも切断し、戦闘不能の状態まで追い込むことができる。
 杖は杖士ブレイカーにしか扱うことができないが、扱うことさえできれば、剣や弓矢といったどんな武器よりも強力である。

 ランランが杖をダークウルフに振りかざし、攻撃をしかける。しかし、素早い動きでよけられた。

「ジャック!」
 ジャックは利き腕がサイボーグであるため、腕のメンテナンスが終わらないことには、戦いに参加できない。
 ジャックの応援は期待できなさそうだ。

 ランランは素早く跳び上がり、ダークウルフの上を飛び越えて後方に着地した。ダークウルフは反応ができず、まだランランを捜している。その隙に、ランランは杖でやつの背中を一突き。この一連の動きは、杖術じょうじゅつの達人である彼女にしかできない。
 ダークウルフはそのまま動かなくなった。

「ふぅー」ランランはほっと一息つき、ジャックの方をにらんだ。「応援はいらなかったみたい」

「そうらしいな」ジャックは相変わらずクールな表情だ。

「むー」

 別の機会にジャックの活躍も期待したい。



 クリスたちは最初の試練を乗り越えていた。
 下級レベルのモンスターの大群は、彼らにとって朝飯前の相手だ。
 クリスはあえて杖を使わず弓矢でしとめ、アキラは素手で、シエナは念力のみで倒していった。彼らの実力はスペイゴール大陸最強。ユハ帝国は彼らの戦闘能力を見くびっていたようだ。

「楽勝だな」アキラが下級のオークを蹴飛ばし、軽くダンスをしながら言った。「どんどん行こう!」

 最初の試練を終えると、それを知らせるかのように、軽い地震が起こった。
「ネクストレベル?」アキラはまだ踊っている。

「そうみたい」シエナはそんなアキラを見て、優しく微笑んでいる。大陸一の美しさだ。

 次の敵がくることを予想していた三人だったが、なかなか敵は現れず、徐々に山頂に近づいていった。

「こんなに簡単でいいのか?」アキラが少し不安そうに言う。さっき調子に乗った罰があたらないか心配しているようだ。

「まだ油断はできない」クリスも慎重になっている。

「助けて!」「殺される!」「誰か!」
 そんな三人の耳に、大きな悲鳴が入ってきた。
 どうやら複数人の悲鳴だ。誰かが怪物に襲われているのかもしれない。

「行こう!」すぐにクリスが叫んだ。

 クリスはエルフであるため、人間よりも遥かに五感が鋭い。どこから、どんな風な音が聞こえているのか瞬時に聞き取ることができる。
 そんなクリスの案内で、三人は悲鳴の発生源にたどり着いた。

 三人を待っていたのは、おぞましい光景と、巨大な怪物だった。

「おっ、新しい飯がやってきた!」
 身長はだいたい五メートルもある、一つ目の巨人サイクロプスの男が、四人の少年少女を料理していた。それぞれ木の棒に縛られ、焚き火の上に吊るされている。
「人間は遠火でじっくり焼くのがおいしいんだよ」サイクロプスが言った。「人間とエルフの大人、試してみたい?」

 このサイクロプスの口調に悪意は感じられない。生きるために料理をしている。そんな感じだ。

「その子たちを開放しろ!」正義感に満ちたクリスが言った。「苦しそうじゃないか」

 幸い、まだ料理は始まったばかりのようで、少年少女にも意識があり、皮膚も無事だ。

「でも、おいらご飯食べられない」サイクロプスが首を振る。「そしたら死んじゃうよ」

「いいか、お前がやっていることは人殺しだ!」クリスがどなる。「僕らが許さない」

「でも、おいら知ってる。さっき、君たち、おいらの仲間たち、殺した」サイクロプスは大きな目に涙を浮かべている。「おんなじこと、してるだけ」

 クリスはサイクロプスの言うことを聞かずに飛びかかった。今度は杖を出現させている。彼の杖はマントと同じ白。高潔なエルフには似合うカラーだ。
 素早い杖さばきでサイクロプスの脚を切りつける。切断までにはいたらなかったものの、かなりの傷をつけた。傷口から出血している。

「ひどい! おいら、ご飯食べたかっただけなのに!」サイクロプスは苦しそうに泣いている。

 その間にクリスは子どもたちを救出した。慣れた手つきで縄をはずし、焚き火から開放する。子どもたちも軽いやけどですんだようだ。クリスにお礼を言って走ってどこかに帰っていった。

「よし、二人とも、行こう」クリスはもう山の頂上を見すえている。

「待ってくれ」アキラはサイクロプスに駆け寄り、手当を始めた。

 杖士ブレイカーは応急処置の訓練も受けていて、誰かの傷もすぐに癒やすことができる。

「おい、アキラ。この怪物は子どもたちを殺そうとしてたんだ」クリスが首を振った。

「聞いてくれ、クリス」アキラが言う。「確かにこいつは子どもたちを苦しめた。だが、ただ生きたいだけなんだ。俺たちだって動物を殺して食べている。同じことをしているんだ」

「アキラの言う通り。サイクロプスにも人生があるわ」シエナもアキラの隣で応急処置を手伝っている。

 クリスは何も言えなかった。確かに彼らの言う通りだ。
 彼はチームの誰よりも長く、怪物は悪い、倒すもの、容赦はいらない――そういう価値観の中で生きてきた。だから怪物を殺したり、自分たちが生きるために動物を殺してもなんとも思わなかった。

「あの議長と一緒だ」クリスはつぶやいた。自己中心的で、傲慢なのは、あの議長と同じ。
 彼ははっとした。
「僕も手伝わせてくれ」

 そうして、三人が協力したことですぐに手当が終わった。傷口は草の包帯で巻いているし、軟膏も塗ってある。痛みはやわらいだはずだ。

「申し訳ない」クリスがサイクロプスに言った。「名前は?」

「ジャン。おいら、ジャン」サイクロプスがゆっくりと返事をする。

「これでもう大丈夫だ、ジャン」クリスが微笑んだ。エルフの微笑みは見る者すべてを癒す効果がある。

 ジャンはうなずいて立ち上がった。巨大なので迫力がある。

「少しだけど、これ」アキラはそう言って、マントの中からヤコンの肉を取り出し、ジャンに投げた。「犠牲になったヤコンに感謝して食べてくれ。栄養豊富だから、一度食べればけっこう満腹だ」

「ありがとう。おいら、人間もエルフも、もう食べない」ジャンはそう言って、どこかに去っていった。

「アキラ、ありがとな」クリスが苦笑いした。「シエナも」

「気にすんな」アキラは照れくさそうだ。

 地面が大きく揺れ、試練の合格を知らせる。

「もしかしたらこの試練は、一番大事なことを教えてくれたのかもしれないな」クリスはそうつぶやいた。



★ ★ ★



 ~作者のコメント~
 杖での新しい戦い方はどうでしたか? ようやく戦闘シーンを描写できてすごく嬉しいです。
 当初はこのエピソードはパート2までの予定でしたが、まだ描ききれていないので、パート3も必要なようです。
 クリスが、はっとなって気づくシーンが、私は特に好きです。
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