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第2話 スペイゴールの書(1)
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ユハ帝国は五人の厄介者たちを追放できてほっとしていた。というか、議会は大いに満足していた。
「あいつらの顔をもう見なくていいとは」議長が言った。「これで私の娯楽に使える予算も増えたわけだ」
「サハエル議長」議会のメンバーで、老人らの中で最も若い(それでも六十歳だが)ルドルフ・バイエルンが恐る恐る聞く。「彼らに与えていた給料は、帝国の繁栄のために使うのでは?」
議長は残酷な笑みを浮かべた。「は? そんなわけがないだろう! 私のためだ! まずは倉庫いっぱいのワインを買ってこい。私がすべていただく」
議会のメンバーは今の発言に反感を覚えた。しかし、それを顔や口に出すものはいなかった。
そう、彼らは議長がどれだけ暴君か知っている。
このユハ帝国を牛耳っているのは、皇帝ではなく、実はこのユハエル六世なのだ。
「いいか! 酒に加えて若い女も連れてこい! 逆らったらあの『デイブレイク』のように追放だ!」
議会での話し合いはそうして終わった。
一方、デイブレイクのメンバーたちは優雅にくつろいでいた。
スペイゴール大陸の南には、実は前に一度訪れたことがあった――帝国の周辺を調査するという任務だ。その際、彼らの任務の拠点にアジトを建設し、快適に生活できるだけのものをそろえていたのだ。
「追放されたての杖士とは思わないねー」アキラがのんびりとハンモックでくつろいでいる。「議会は今どうなっていることやら」
「崩壊しているだろうな」クリスが答えた。「議会の安定を保っていたのは僕らだ。議長があの暴君口調で語り始めたら、いつもアキラが止めてくれていた」
「そうだな」
アキラは話術が得意だ。うまく話をまとめて相手を言いくるめることができる。
「あの暴君は自分のことしか考えてないもん」ランランはまだベッドで横になっている。「議会に見捨てられるのがいいところよ」
「そろそろ起きたらどうだ?」アキラは呆れた様子だ。「今日は忙しくなるぞ」
「え、何するの?」
「昨日の話が頭に入ってないみたいだな」クリスまで呆れている。「スペイゴールの書だよ」
「スペイゴールの書?」ランランの頭には?が浮かんべいる。
ここで、急にシエナが口を開いた。「この大陸の歴史と、攻略方法が書かれた本。それさえあれば、この大陸で一番の賢者になれるわ」
「そうなの?」ランランが疑うようにして聞く。
「うん、たぶん」ランランの攻めに、少し自信を失ったらしい。
「たぶん?」またランランが攻める。
「いや、絶対」シエナは少しふてくされたようにして、ランランから目をそらした。
「シエナの言う通り」クリスが同意する。「スペイゴールの書はこの土地の攻略本さ。あらゆる知識が得られる。巨大な国を作るなら、まずは手に入れるべきものだ」
ジャックは義手のメンテナンスをしている。「ユハ帝国はなぜ狙わなかった?」
「確かに」アキラがうなずく。「そんな本があるなら、今すぐにでも取ってこい!って言われそうだ。あの議長のことだぞ! 傲慢で、欲深くて――」
「知らなかったんだ」クリスが遮る。「僕はシエナから聞いて知っていたけど、帝国には報告しなかった。アキラが言ったように、取りに行かせられると思ったからね」
「なるほど」ジャックとアキラが同時に言った。
「でも、なんでシエナは知ってたの?」ランランが聞く。
「それは……」シエナは答えにくそうだ。
「今はそんなこと気にしている場合じゃない」クリスが彼女をかばうように答えた。何か隠しているようだ。「まずはその書を手に入れることだけ考えよう」
「よし! 冒険だ!」アキラがハンモックから高く飛び上がって、地面に着地した。「久しぶりにどかんと――」
「三人」シエナが思い出したようにつぶやく。「スペイゴールの書を探す冒険に行けるのは、三人が限界」
「え、なんで? みんなで行けばすぐに――」
「そういう決まりなの。五人で行っても、二人は門の前で待ってるように言われる」
「門?」
「スペイゴールの書はワー新山の頂上にあるんだ」クリスが説明した。「ふもとは巨大な門で囲まれていて、門番が山を守ってる。門から三人の冒険者が入って、いくつかの試練を乗り越え、自分たちの力を証明できれば、スペイゴールの書を手に入れることができる」
「へー。今までに手に入れた人は――」
「いない。だいたい八百年くらいになるけど、誰も試練を乗り越えられなかった」
「俺たちはそんな試練に挑もうとしてるのか?」
「そうだ」
「大丈夫だろう」ジャックが言った。「俺たちは最強の杖士だ。簡単にクリアできる」
「だといいな」アキラが笑った。
「俺は腕のメンテナンスでいけない」
「は? 怖いのか?」アキラが驚いたように聞く。「今、絶対自分も行く的な雰囲気出してたよな?」
「悪いが、本当に腕の調子が悪い」
「まあまあ、アキラ」クリスはアキラの肩を撫でた。「スペイゴールの書に詳しいシエナと、リーダーの僕、アキラが行けばいい」
「ちょっと! てことはあたし留守番なの?」ランランが叫んだ。
「これがベストだと思うんだ」クリスが言う。「どんな試練が待っているかわからないから、アキラの対応が役に立つかもしれない」
「あたしも役に立つけど」ランランはまだ諦めない。
「きゃーきゃー騒ぐのは得意だもんな」アキラがからかった。
「もう!」ランランは怒った素振りを見せたが、そこまで怒ってはなさそうだ。
心の中では、この三人がベストだと思っていた。
「それじゃあ、決まりだな」アキラが言った。「冒険の時間だ」
★ ★ ★
~作者のコメント~
さて、彼らは無事にスペイゴールの書を手に入れることができるのでしょうか?
実はこの会話が中心で構成されたパート1、メンバーの関係性も少し読み取ることができます。誰と誰が仲いいとか、好意がある?とか。
パート2では戦闘シーンもたくさん入れていくので、お気に入り登録、応援よろしくお願いいたします(私のモチベーションにもなります)。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
「あいつらの顔をもう見なくていいとは」議長が言った。「これで私の娯楽に使える予算も増えたわけだ」
「サハエル議長」議会のメンバーで、老人らの中で最も若い(それでも六十歳だが)ルドルフ・バイエルンが恐る恐る聞く。「彼らに与えていた給料は、帝国の繁栄のために使うのでは?」
議長は残酷な笑みを浮かべた。「は? そんなわけがないだろう! 私のためだ! まずは倉庫いっぱいのワインを買ってこい。私がすべていただく」
議会のメンバーは今の発言に反感を覚えた。しかし、それを顔や口に出すものはいなかった。
そう、彼らは議長がどれだけ暴君か知っている。
このユハ帝国を牛耳っているのは、皇帝ではなく、実はこのユハエル六世なのだ。
「いいか! 酒に加えて若い女も連れてこい! 逆らったらあの『デイブレイク』のように追放だ!」
議会での話し合いはそうして終わった。
一方、デイブレイクのメンバーたちは優雅にくつろいでいた。
スペイゴール大陸の南には、実は前に一度訪れたことがあった――帝国の周辺を調査するという任務だ。その際、彼らの任務の拠点にアジトを建設し、快適に生活できるだけのものをそろえていたのだ。
「追放されたての杖士とは思わないねー」アキラがのんびりとハンモックでくつろいでいる。「議会は今どうなっていることやら」
「崩壊しているだろうな」クリスが答えた。「議会の安定を保っていたのは僕らだ。議長があの暴君口調で語り始めたら、いつもアキラが止めてくれていた」
「そうだな」
アキラは話術が得意だ。うまく話をまとめて相手を言いくるめることができる。
「あの暴君は自分のことしか考えてないもん」ランランはまだベッドで横になっている。「議会に見捨てられるのがいいところよ」
「そろそろ起きたらどうだ?」アキラは呆れた様子だ。「今日は忙しくなるぞ」
「え、何するの?」
「昨日の話が頭に入ってないみたいだな」クリスまで呆れている。「スペイゴールの書だよ」
「スペイゴールの書?」ランランの頭には?が浮かんべいる。
ここで、急にシエナが口を開いた。「この大陸の歴史と、攻略方法が書かれた本。それさえあれば、この大陸で一番の賢者になれるわ」
「そうなの?」ランランが疑うようにして聞く。
「うん、たぶん」ランランの攻めに、少し自信を失ったらしい。
「たぶん?」またランランが攻める。
「いや、絶対」シエナは少しふてくされたようにして、ランランから目をそらした。
「シエナの言う通り」クリスが同意する。「スペイゴールの書はこの土地の攻略本さ。あらゆる知識が得られる。巨大な国を作るなら、まずは手に入れるべきものだ」
ジャックは義手のメンテナンスをしている。「ユハ帝国はなぜ狙わなかった?」
「確かに」アキラがうなずく。「そんな本があるなら、今すぐにでも取ってこい!って言われそうだ。あの議長のことだぞ! 傲慢で、欲深くて――」
「知らなかったんだ」クリスが遮る。「僕はシエナから聞いて知っていたけど、帝国には報告しなかった。アキラが言ったように、取りに行かせられると思ったからね」
「なるほど」ジャックとアキラが同時に言った。
「でも、なんでシエナは知ってたの?」ランランが聞く。
「それは……」シエナは答えにくそうだ。
「今はそんなこと気にしている場合じゃない」クリスが彼女をかばうように答えた。何か隠しているようだ。「まずはその書を手に入れることだけ考えよう」
「よし! 冒険だ!」アキラがハンモックから高く飛び上がって、地面に着地した。「久しぶりにどかんと――」
「三人」シエナが思い出したようにつぶやく。「スペイゴールの書を探す冒険に行けるのは、三人が限界」
「え、なんで? みんなで行けばすぐに――」
「そういう決まりなの。五人で行っても、二人は門の前で待ってるように言われる」
「門?」
「スペイゴールの書はワー新山の頂上にあるんだ」クリスが説明した。「ふもとは巨大な門で囲まれていて、門番が山を守ってる。門から三人の冒険者が入って、いくつかの試練を乗り越え、自分たちの力を証明できれば、スペイゴールの書を手に入れることができる」
「へー。今までに手に入れた人は――」
「いない。だいたい八百年くらいになるけど、誰も試練を乗り越えられなかった」
「俺たちはそんな試練に挑もうとしてるのか?」
「そうだ」
「大丈夫だろう」ジャックが言った。「俺たちは最強の杖士だ。簡単にクリアできる」
「だといいな」アキラが笑った。
「俺は腕のメンテナンスでいけない」
「は? 怖いのか?」アキラが驚いたように聞く。「今、絶対自分も行く的な雰囲気出してたよな?」
「悪いが、本当に腕の調子が悪い」
「まあまあ、アキラ」クリスはアキラの肩を撫でた。「スペイゴールの書に詳しいシエナと、リーダーの僕、アキラが行けばいい」
「ちょっと! てことはあたし留守番なの?」ランランが叫んだ。
「これがベストだと思うんだ」クリスが言う。「どんな試練が待っているかわからないから、アキラの対応が役に立つかもしれない」
「あたしも役に立つけど」ランランはまだ諦めない。
「きゃーきゃー騒ぐのは得意だもんな」アキラがからかった。
「もう!」ランランは怒った素振りを見せたが、そこまで怒ってはなさそうだ。
心の中では、この三人がベストだと思っていた。
「それじゃあ、決まりだな」アキラが言った。「冒険の時間だ」
★ ★ ★
~作者のコメント~
さて、彼らは無事にスペイゴールの書を手に入れることができるのでしょうか?
実はこの会話が中心で構成されたパート1、メンバーの関係性も少し読み取ることができます。誰と誰が仲いいとか、好意がある?とか。
パート2では戦闘シーンもたくさん入れていくので、お気に入り登録、応援よろしくお願いいたします(私のモチベーションにもなります)。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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