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オスカーの帰郷編
その68 二度目の旅立ち
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「オスカー、誕生日おめでとう」
八月十五日。
朝起きるなり、セレナに誕生日を祝福された。
当然ながら、俺とセレナの寝室は違う。
セレナはいわゆる客室というか、荷物が大量に置いてあった部屋を片づけて寝泊りしているわけで、俺は自分の部屋で寝ている。
「いつの間に俺の部屋に――」
「二時間前から」
微笑みながら即答するセレナが怖い。
俺は基本的に、どんな環境でも熟睡できるように訓練をしている。
ここがベッドの上でなくとも、ゴツゴツした岩の上であっても、容易に眠りにつくことができるだろう。というか、〈生存学〉の授業ではその能力こそ重要だ。
だが、いざという時には危険を察知し、すぐさま起き上がる反射も訓練済みだ。
そんな俺が、二時間前から寝室への侵入を許していた、とは。
驚愕したのはそれだけではない。
セレナは俺の上に覆いかぶさるような体勢で二時間もいたのだ。
明らかに貞操の危機なのに、俺の危機察知は反応しなかった。
「とりあえず、その言葉に感謝する。今日で俺も十七歳になった、というわけだ」
「十七歳になると、いろんなことができるようになるんだって。知ってた?」
「十六歳までとさほど変わらないだろう。強いて言うなら、男子は戦争に駆り出される可能性がある、ということか」
馬乗りになっているセレナを抱え、隣に降ろす。
今日のセレナは随分と薄着だ。肌は艶めいていて、流石といった感じ。彼女の美貌は認めざるを得ない。
俺は体をさっと起こし、ベッドから飛び出た。
俺に寝巻という概念はない。グレイソンのように可愛らしいものを持っていればギャップ萌えしたのかもしれない。
「昨日は心配をかけた」
つい昨日の魔神との戦いを思い出し、言葉を紡ぐ。
実際、俺の怪我は普通に考えれば重症だった。
内臓が破裂し、血液が洪水のようにどぼどぼ流れたのだから。
だが、俺には〈超回復〉がある。
タナトスとの戦闘で、一時的に使えなくなっていた神能。奴を空気中の塵に変えてしまうと、再び自由に神能を使えるようになっていた。
内臓もすぐに癒え、血行も回復する。
その神能を行使するために、己を酷使する必殺技で片づけたといっても過言ではない。
「一瞬ヒヤッとしたけど、戦いが始まったら安心した」
セレナの声は温かい。
ほんのりと頬が赤く色づいている。
「オスカーが戦いで負けるはずない、って。でも……」
「なに、俺の実力がどうかしたか?」
「ううん、そうじゃなくて……いや、なんでもない」
彼女は何か言いたいことがあるようだが、無理やり聞くことはしなかった。
聞く機会ならいくらでもある。
焦ることも、動揺することもない。俺はただ、余裕を持って構えていればいい。なぜならそれが、最高に「かっこよさそう」だから。
***
「また来年、帰ってくる」
今日が八月十五日ということは、解放日最終日ということだ。
学園の門限は午後七時までなので、できるだけ早く王都に着きたい。
家族での誕生日パーティーは相変わらず質素なものだった。
だが、一番良質な野菜や肉を使ってくれたし、両親、そして妹も、俺の十七歳を祝ってくれた。
父さんは相変わらず。
セレナとさっさとキスしろとかなんとか言ってきたし、母さんはセレナと付き合えとかなんとか。
二人とも、もう少し俺自身のことを気にして欲しいものだ。セレナことを気に入り過ぎている。
そして、マヤは。
円らな黄金色の瞳で俺を見上げ、こう言った。
「西園寺オシュカー、大しゅき!」
最初の軽蔑はどこへ行ったのやら。
ペタッと俺に抱き着き、無邪気な笑顔を見せてくる妹。
「俺が西園寺である以上、君も西園寺だ。俺と君には同じ西園寺家の血が流れている。いずれは世界の命運を背負うことになるかもしれないが、覚悟はできているか?」
「うん!」
素直な返事だ。
流石は俺の妹。
二歳にして世界からスカウトされることになるとは。
俺の妹である以上、必然といえば必然だが。
西園寺マヤという名前は、今後世界の歴史に刻まれるだろう。
「オスカーもすっかり気に入られたみたいね」
今度はセレナが姉面をしながらマヤを抱っこし、頭をくしゃくしゃっと撫でる。
気持ち良さそうにマヤが破顔した。一応は俺よりセレナの方が好きなようだ。
「オスカー、くれぐれも、危険なことはしないようにね。無事に来年も帰ってくるって、約束して」
両親にはタナトスとの激戦のことを伝えていない。
何事もなかったかのように振る舞っている。二人を恐ろしい闇の世界に引き込むわけにはいかない。
母が手を差し出し、握手を要求する。
俺はしっかりその手を握り、言った。
「俺は自らの天命に従うのみだ。成すべきことを成し、そしてまたここに帰ってくる。三人はその笑顔を見せてくれればいい」
そうして、俺とセレナは西園寺家から旅立った。
十二歳の時に離れた故郷。
あの時言ったように、強くなって――圧倒的な実力を持って帰郷した。来年帰ってくる時には、さらなる高みに立っていることだろう。
馬車を呼ぶ場所に着くまでに、俺はたった一度だけ、後ろを振り返った。
そこには慈愛の笑みを浮かべる母さんと、からかうような視線を向けてくる父さん、そして新しい希望である妹が、一生懸命に手を振っていた。
《勇者祭編の予告》
夏休みが終わり、ゼルトル勇者学園、最大のイベントといっても過言ではない、勇者祭が始まる。
〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉の幹部、天王寺エイダンは、オスカーとの戦いに誰よりも燃えていた。
宣戦布告と言わんばかりに、〈1-A〉の教室に乱入してくるエイダン。
それが開戦の合図だったのか。
生徒会長アリアが、副会長アレクサンダーが、親友グレイソンが、恋人候補セレナが……各々の勇者祭への情熱を燃やす。
一方、オスカーはこの勇者祭、どういうムーブをかますべきか、真剣に考えていた。
新キャラも続々登場!
面白さがどんどん加速していく西園寺オスカー達の物語から、目が離せない!
※アルファポリスでの連載はキリの良い『オスカーの帰郷編』で終了とし、完結としたいと思っています(それは、アルファポリスが長期連載に向かない、という理由もあります)。
『勇者祭編』以降に関しましては、「小説家になろう」で連載を継続していくので、続きが気になる方は、ぜひそっちで読んでいただけたら嬉しいです。
『勇者祭編』は『勇者学園の異端児』で過去最長の長編となっていて、それぞれの生徒が神能を駆使して、己の目標に立ち向かっていくストーリーが見どころです。
お楽しみに!
八月十五日。
朝起きるなり、セレナに誕生日を祝福された。
当然ながら、俺とセレナの寝室は違う。
セレナはいわゆる客室というか、荷物が大量に置いてあった部屋を片づけて寝泊りしているわけで、俺は自分の部屋で寝ている。
「いつの間に俺の部屋に――」
「二時間前から」
微笑みながら即答するセレナが怖い。
俺は基本的に、どんな環境でも熟睡できるように訓練をしている。
ここがベッドの上でなくとも、ゴツゴツした岩の上であっても、容易に眠りにつくことができるだろう。というか、〈生存学〉の授業ではその能力こそ重要だ。
だが、いざという時には危険を察知し、すぐさま起き上がる反射も訓練済みだ。
そんな俺が、二時間前から寝室への侵入を許していた、とは。
驚愕したのはそれだけではない。
セレナは俺の上に覆いかぶさるような体勢で二時間もいたのだ。
明らかに貞操の危機なのに、俺の危機察知は反応しなかった。
「とりあえず、その言葉に感謝する。今日で俺も十七歳になった、というわけだ」
「十七歳になると、いろんなことができるようになるんだって。知ってた?」
「十六歳までとさほど変わらないだろう。強いて言うなら、男子は戦争に駆り出される可能性がある、ということか」
馬乗りになっているセレナを抱え、隣に降ろす。
今日のセレナは随分と薄着だ。肌は艶めいていて、流石といった感じ。彼女の美貌は認めざるを得ない。
俺は体をさっと起こし、ベッドから飛び出た。
俺に寝巻という概念はない。グレイソンのように可愛らしいものを持っていればギャップ萌えしたのかもしれない。
「昨日は心配をかけた」
つい昨日の魔神との戦いを思い出し、言葉を紡ぐ。
実際、俺の怪我は普通に考えれば重症だった。
内臓が破裂し、血液が洪水のようにどぼどぼ流れたのだから。
だが、俺には〈超回復〉がある。
タナトスとの戦闘で、一時的に使えなくなっていた神能。奴を空気中の塵に変えてしまうと、再び自由に神能を使えるようになっていた。
内臓もすぐに癒え、血行も回復する。
その神能を行使するために、己を酷使する必殺技で片づけたといっても過言ではない。
「一瞬ヒヤッとしたけど、戦いが始まったら安心した」
セレナの声は温かい。
ほんのりと頬が赤く色づいている。
「オスカーが戦いで負けるはずない、って。でも……」
「なに、俺の実力がどうかしたか?」
「ううん、そうじゃなくて……いや、なんでもない」
彼女は何か言いたいことがあるようだが、無理やり聞くことはしなかった。
聞く機会ならいくらでもある。
焦ることも、動揺することもない。俺はただ、余裕を持って構えていればいい。なぜならそれが、最高に「かっこよさそう」だから。
***
「また来年、帰ってくる」
今日が八月十五日ということは、解放日最終日ということだ。
学園の門限は午後七時までなので、できるだけ早く王都に着きたい。
家族での誕生日パーティーは相変わらず質素なものだった。
だが、一番良質な野菜や肉を使ってくれたし、両親、そして妹も、俺の十七歳を祝ってくれた。
父さんは相変わらず。
セレナとさっさとキスしろとかなんとか言ってきたし、母さんはセレナと付き合えとかなんとか。
二人とも、もう少し俺自身のことを気にして欲しいものだ。セレナことを気に入り過ぎている。
そして、マヤは。
円らな黄金色の瞳で俺を見上げ、こう言った。
「西園寺オシュカー、大しゅき!」
最初の軽蔑はどこへ行ったのやら。
ペタッと俺に抱き着き、無邪気な笑顔を見せてくる妹。
「俺が西園寺である以上、君も西園寺だ。俺と君には同じ西園寺家の血が流れている。いずれは世界の命運を背負うことになるかもしれないが、覚悟はできているか?」
「うん!」
素直な返事だ。
流石は俺の妹。
二歳にして世界からスカウトされることになるとは。
俺の妹である以上、必然といえば必然だが。
西園寺マヤという名前は、今後世界の歴史に刻まれるだろう。
「オスカーもすっかり気に入られたみたいね」
今度はセレナが姉面をしながらマヤを抱っこし、頭をくしゃくしゃっと撫でる。
気持ち良さそうにマヤが破顔した。一応は俺よりセレナの方が好きなようだ。
「オスカー、くれぐれも、危険なことはしないようにね。無事に来年も帰ってくるって、約束して」
両親にはタナトスとの激戦のことを伝えていない。
何事もなかったかのように振る舞っている。二人を恐ろしい闇の世界に引き込むわけにはいかない。
母が手を差し出し、握手を要求する。
俺はしっかりその手を握り、言った。
「俺は自らの天命に従うのみだ。成すべきことを成し、そしてまたここに帰ってくる。三人はその笑顔を見せてくれればいい」
そうして、俺とセレナは西園寺家から旅立った。
十二歳の時に離れた故郷。
あの時言ったように、強くなって――圧倒的な実力を持って帰郷した。来年帰ってくる時には、さらなる高みに立っていることだろう。
馬車を呼ぶ場所に着くまでに、俺はたった一度だけ、後ろを振り返った。
そこには慈愛の笑みを浮かべる母さんと、からかうような視線を向けてくる父さん、そして新しい希望である妹が、一生懸命に手を振っていた。
《勇者祭編の予告》
夏休みが終わり、ゼルトル勇者学園、最大のイベントといっても過言ではない、勇者祭が始まる。
〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉の幹部、天王寺エイダンは、オスカーとの戦いに誰よりも燃えていた。
宣戦布告と言わんばかりに、〈1-A〉の教室に乱入してくるエイダン。
それが開戦の合図だったのか。
生徒会長アリアが、副会長アレクサンダーが、親友グレイソンが、恋人候補セレナが……各々の勇者祭への情熱を燃やす。
一方、オスカーはこの勇者祭、どういうムーブをかますべきか、真剣に考えていた。
新キャラも続々登場!
面白さがどんどん加速していく西園寺オスカー達の物語から、目が離せない!
※アルファポリスでの連載はキリの良い『オスカーの帰郷編』で終了とし、完結としたいと思っています(それは、アルファポリスが長期連載に向かない、という理由もあります)。
『勇者祭編』以降に関しましては、「小説家になろう」で連載を継続していくので、続きが気になる方は、ぜひそっちで読んでいただけたら嬉しいです。
『勇者祭編』は『勇者学園の異端児』で過去最長の長編となっていて、それぞれの生徒が神能を駆使して、己の目標に立ち向かっていくストーリーが見どころです。
お楽しみに!
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