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第1巻 犬耳美少女の誘拐
02
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「くぁー! 酒は最高だー! 今日は災難ばっかりで、アンラッキーデイってやつよ、まったくもー」
ベロベロに酔ったアルの声が酒場に響く。
俺達の打ち上げといえば酒場だ。
俺はまだ3ヶ月前に入ったばかりの新人ではあるが、このパーティーが結成された当初から、そういう流れがあるらしい。
流れというか、伝統というか。
確かに酒場は居心地がいいし、仲間同士で親睦を深めるのにはちょうどいいと思う。俺も入りたての数週間は酒場の交流のおかげで打ち解けることができた。
「そんな飲み過ぎると明日戦えなくなるよ」
苦笑しながらウィルが指摘する。
「えー、オラやっと酒飲めるようになったんだって! だから好きなだけ飲んでいいだろ~」
「あんた調子乗り過ぎっ!」
トマトのように赤く染まったアルの頬を、ペシッと強く叩くハル。
そういうハルも酒で顔が真っ赤だ。
この街、アレクサンドリアでは18歳になると酒が飲めるようになる。アルは15歳くらいの時からこっそり飲んでいたらしいが、とりあえずそういう掟だ。
俺はまだ17なので飲むことはできない。
が、仮に飲めたとしても飲まないと思う。
ちょびっと舐めた時、気分が悪くなった。多分俺は酒が苦手なんだろうな。
今はただ、【聖剣】の7人でテーブルを囲むようにして夕食を楽しんでいた。
この空間は嫌いじゃない。
普段の仕事では聞けないような、くだらないゴシップも嫌いじゃない。
「あの……オーウェンさん!」
「ん?」
機嫌を伺うような感じで話しかけてきたのは、隣に座っているクロエ。
クロエは犬人族の獣人で、ぴょこぴょこと小さく動く犬耳が特徴的だ。
肩にかかる綺麗な浅紫の髪に、エメラルドグリーンの瞳。
彼女は約1年前にこのパーティーに加入したらしく、言ってしまえば俺の先輩だ。
緑の魔術師で、聞いたところによればランクはA2。
俺もA2ランクなので、クロエと同じだ。
ランクはこの街、アレクサンドリアの勇者パーティー所属者に定められている重要な個人情報のひとつだ。
F3→SS1まであり、このランク次第でギルドからの信用や多額の軍資金を得ることができる。
俺はA2だから、それなりに高く、このパーティーはみんながA2以上という、ある意味化け物のような勇者パーティーである。
パーティー自体のランクは、アレクサンドリアでも最高レベルのS3。他にもS3、もしくはS2のパーティーはあるものの、ほんの一握りだ。
ちなみに、ランクは繊細な話題だから直接的に聞き込むのはご法度である。
だから本人が明かすまで待つか、ある特別なアイテムを使って利き手の甲に刻まれた焼印を出現させるしかない。
「今日は助けていただいて……ありがとうございました!」
恥ずかしそうに頬を赤らめながらも、屈託のない笑顔でクロエが俺に頭を下げる。
「いや、気にしなくていい。俺はたまたま近くにいただけで、俺の位置にいたのが他のメンバーでも、みんな助けたはずだ」
「それでも、その、あたし危うく死ぬところだったから……」
「困った時はお互い様だろ?」
「は、はい! そうですね」
クロエは誰に対してもかしこまっている。
別に距離を置いている、とかそういう感じではなく、純粋にコミュニケーションが苦手なだけだろう。
「ちょいちょい、オーウェンくん、ふたりでなーに話してんのさ?」
そこに酔っ払ったアルが絡んできた。
常に酒の入った大きなビールジョッキを握っている。
「地下迷宮でのことを話してたんだ」
素直に答えた。
「またまた~、イチャイチャしてたんじゃないの~?」
面倒な絡みだが、俺はこれが嫌いじゃない。
「やっぱり酒って怖いな」
アルとハルがパーティーに加入したのはクロエより少し前。
つまり俺とクロエと双子は、パーティーの新人同士、ということだ。
だから酒の席ではいつも隣に固められ、古参のウィル、ロルフ、ヴィーナスは反対側で話し込んでいる。
たまに、酒場でする顔じゃないだろっ、ってくらいに真剣な表情で話し込んでいる時もある。
あの3人は今、何を話し合っているんだろう?
俺達が囲っている円形のテーブルは広い。
豪華な料理が所狭しと並べられ、その料理を眺めているだけで満腹になりそうだ。
反対側はそれなりに距離があるし、酒場はいろいろ騒がしいので、耳をすまして古参の会話を聞くことはできなかった。
「あの3人、何話してるんだろうな?」
「オラに聞くかそれ? そんなもん知ーらね」
「だよな……」
アルには何を聞いても無駄だ。
酒が入っている今なら尚更。
まあ、いい。
あの3人は真面目だから今日の神託のことも漏らさず話し込んでいるだろう。
とはいえ、気づかれることはない。
俺が裏切り者である、という事実に。
***
「おやおやおや、こんなところで出くわすとは……」
アルが酒で馬鹿になってくれたおかげで、俺達新人組はそれなりに楽しく話せていた。
双子の異常なまでの高いコミュニケーション能力のおかげだろう。クロエもまだ遠慮はしているものの、笑顔で話してくれている。
古参も堅苦しい表情を和らげ、リラックスし始めたようだ。
そんな賑わいを見せ始めた俺達のテーブルに、ひとり細身の青年がやってきた。嘲笑の目を向けていて、何やら俺達を敵視しているようだ。
「久しぶりだな、ウィル」
「やあ、ネロ」
一切動揺することなく、平然とした様子で立ち上がるウィル。
だが、友達と再会できて嬉しいな~、っていう感じもない。
ロルフとヴィーナスは明らかに嫌そうな顔をしている。
「4人にも紹介するよ。どの道会うことにはなっていただろうけどね。ネロはS2ランクパーティー【聖剣】のリーダーだ」
「S2!」
「すっご!」
アルとハルが大声で騒ぎ立てる。
俺は顔をしかめた。
この【聖剣】を超えるS2ランクのパーティーのリーダーが、俺達になんの用だ?
ベロベロに酔ったアルの声が酒場に響く。
俺達の打ち上げといえば酒場だ。
俺はまだ3ヶ月前に入ったばかりの新人ではあるが、このパーティーが結成された当初から、そういう流れがあるらしい。
流れというか、伝統というか。
確かに酒場は居心地がいいし、仲間同士で親睦を深めるのにはちょうどいいと思う。俺も入りたての数週間は酒場の交流のおかげで打ち解けることができた。
「そんな飲み過ぎると明日戦えなくなるよ」
苦笑しながらウィルが指摘する。
「えー、オラやっと酒飲めるようになったんだって! だから好きなだけ飲んでいいだろ~」
「あんた調子乗り過ぎっ!」
トマトのように赤く染まったアルの頬を、ペシッと強く叩くハル。
そういうハルも酒で顔が真っ赤だ。
この街、アレクサンドリアでは18歳になると酒が飲めるようになる。アルは15歳くらいの時からこっそり飲んでいたらしいが、とりあえずそういう掟だ。
俺はまだ17なので飲むことはできない。
が、仮に飲めたとしても飲まないと思う。
ちょびっと舐めた時、気分が悪くなった。多分俺は酒が苦手なんだろうな。
今はただ、【聖剣】の7人でテーブルを囲むようにして夕食を楽しんでいた。
この空間は嫌いじゃない。
普段の仕事では聞けないような、くだらないゴシップも嫌いじゃない。
「あの……オーウェンさん!」
「ん?」
機嫌を伺うような感じで話しかけてきたのは、隣に座っているクロエ。
クロエは犬人族の獣人で、ぴょこぴょこと小さく動く犬耳が特徴的だ。
肩にかかる綺麗な浅紫の髪に、エメラルドグリーンの瞳。
彼女は約1年前にこのパーティーに加入したらしく、言ってしまえば俺の先輩だ。
緑の魔術師で、聞いたところによればランクはA2。
俺もA2ランクなので、クロエと同じだ。
ランクはこの街、アレクサンドリアの勇者パーティー所属者に定められている重要な個人情報のひとつだ。
F3→SS1まであり、このランク次第でギルドからの信用や多額の軍資金を得ることができる。
俺はA2だから、それなりに高く、このパーティーはみんながA2以上という、ある意味化け物のような勇者パーティーである。
パーティー自体のランクは、アレクサンドリアでも最高レベルのS3。他にもS3、もしくはS2のパーティーはあるものの、ほんの一握りだ。
ちなみに、ランクは繊細な話題だから直接的に聞き込むのはご法度である。
だから本人が明かすまで待つか、ある特別なアイテムを使って利き手の甲に刻まれた焼印を出現させるしかない。
「今日は助けていただいて……ありがとうございました!」
恥ずかしそうに頬を赤らめながらも、屈託のない笑顔でクロエが俺に頭を下げる。
「いや、気にしなくていい。俺はたまたま近くにいただけで、俺の位置にいたのが他のメンバーでも、みんな助けたはずだ」
「それでも、その、あたし危うく死ぬところだったから……」
「困った時はお互い様だろ?」
「は、はい! そうですね」
クロエは誰に対してもかしこまっている。
別に距離を置いている、とかそういう感じではなく、純粋にコミュニケーションが苦手なだけだろう。
「ちょいちょい、オーウェンくん、ふたりでなーに話してんのさ?」
そこに酔っ払ったアルが絡んできた。
常に酒の入った大きなビールジョッキを握っている。
「地下迷宮でのことを話してたんだ」
素直に答えた。
「またまた~、イチャイチャしてたんじゃないの~?」
面倒な絡みだが、俺はこれが嫌いじゃない。
「やっぱり酒って怖いな」
アルとハルがパーティーに加入したのはクロエより少し前。
つまり俺とクロエと双子は、パーティーの新人同士、ということだ。
だから酒の席ではいつも隣に固められ、古参のウィル、ロルフ、ヴィーナスは反対側で話し込んでいる。
たまに、酒場でする顔じゃないだろっ、ってくらいに真剣な表情で話し込んでいる時もある。
あの3人は今、何を話し合っているんだろう?
俺達が囲っている円形のテーブルは広い。
豪華な料理が所狭しと並べられ、その料理を眺めているだけで満腹になりそうだ。
反対側はそれなりに距離があるし、酒場はいろいろ騒がしいので、耳をすまして古参の会話を聞くことはできなかった。
「あの3人、何話してるんだろうな?」
「オラに聞くかそれ? そんなもん知ーらね」
「だよな……」
アルには何を聞いても無駄だ。
酒が入っている今なら尚更。
まあ、いい。
あの3人は真面目だから今日の神託のことも漏らさず話し込んでいるだろう。
とはいえ、気づかれることはない。
俺が裏切り者である、という事実に。
***
「おやおやおや、こんなところで出くわすとは……」
アルが酒で馬鹿になってくれたおかげで、俺達新人組はそれなりに楽しく話せていた。
双子の異常なまでの高いコミュニケーション能力のおかげだろう。クロエもまだ遠慮はしているものの、笑顔で話してくれている。
古参も堅苦しい表情を和らげ、リラックスし始めたようだ。
そんな賑わいを見せ始めた俺達のテーブルに、ひとり細身の青年がやってきた。嘲笑の目を向けていて、何やら俺達を敵視しているようだ。
「久しぶりだな、ウィル」
「やあ、ネロ」
一切動揺することなく、平然とした様子で立ち上がるウィル。
だが、友達と再会できて嬉しいな~、っていう感じもない。
ロルフとヴィーナスは明らかに嫌そうな顔をしている。
「4人にも紹介するよ。どの道会うことにはなっていただろうけどね。ネロはS2ランクパーティー【聖剣】のリーダーだ」
「S2!」
「すっご!」
アルとハルが大声で騒ぎ立てる。
俺は顔をしかめた。
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