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22 ボーイズラブは望んでない
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「今日はごめんね、いきなり呼び出して」
「暇だったから別に」
秋空がブラコンの姉とアイスを食べていた頃、千冬と紫雨もまた、五番街を歩いていた。
知っている者からすれば、単なる友達同士の遊びなのかもしれない。
しかし、知らない者が見れば、これは高校生カップルのデートだ。
男の方──つまり紫雨はそれこそ美少年。
ジーンズに半袖黒シャツという服装から性別をイメージするのは難しい。
これは当然たまたまではなく、紫雨が意図してやった演出だ。
「千冬は優しいよね。ボクの趣味にも付き合ってくれて」
「感謝してよね。こんなとこ秋空に見られたら、浮気とか言われるでしょ」
「でも、もう別れたんだよね?」
「復縁できそうだからいいの」
何を根拠に言っているのかは謎だが、千冬が誇らしげな表情で言う。
二人は本屋に入った。
五番街に来れば、どんな人も本屋に吸い込まれる。暇つぶしもできるし、話題を広げることもできる。
可愛い女子高生とイケメンな男子高生が並んで歩いている光景に、多くの客が目を奪われていた。
「視線がたまらないなぁ。興奮してくるよ」
「変なこと言わないでくれる?」
「男装って凄く楽しいんだよ? 千冬もこの魅力に気づけばきっと沼るから」
趣味である男装について語る紫雨の目には、どこか狂気じみたものが浮かんでいる。
「手を繋ごうか。友達同士だし、何の問題もない」
「でも……もし秋空が見てたらどうするつもり?」
「その可能性は低いと思うけど……万が一そんなことがあったとしても、ボクがちゃんと説明するよ」
「説明?」
「ボクたちはただの友達だって」
「まずは自分が女だって説明してくれる?」
「それはどうかな」
爽やかな笑みを浮かべる紫雨。
清明高校の制服には冬服と夏服がある。どちらも基本は女子がスカート、男子がスラックス。
しかし、紫雨はその両方においてスラックスを着用していた。
そのせいで、クラスメイト以外の多くの生徒から男子だと勘違いされている。
「もういい。秋空にはあたしから説明する」
「ダメだよ。多分だけど、1組の人のほとんどはボクが男だと思ってる。その勘違いはそのままにしておきたいんだよね」
紫雨と千冬は中学時代からの仲だ。
その時の紫雨は髪を肩にかかるまで長くしていた。
今の感じからは想像できないほど、上品でおしとやかな女子生徒を演出していたのだ。いわゆる清楚系といったところ。
しかし、そんな紫雨に転機が訪れる。
中学3年生の修学旅行。
グループでちょっとした劇を披露することになったのだが、そこでなんと紫雨が男性役をすることになる。
それが全ての始まりだった。
「高校って最高だね。中学が一緒の人は仕方ないけど、まったくボクを知らない人からすれば、ボクはもう完全に男なんだよ」
「それって何がいいの?」
「他の男の子から男の子のノリで絡まれるんだ。それが最高だよ」
「紫雨って男好きなんだ。へぇ」
軽蔑したようなジト目で見つめる千冬。
清楚系だったあの頃とはまったく違う親友に心を痛める。
一人称も「私」から「ボク」に変え、すっかり別人になってしまった。
「やだな、ボクは男好きじゃないよ。ただ、女子のボクだと男子は緊張して目も合わせてくれない。でも、男子のボクだとちゃんと目を合わせて、肩組んだり胸揉んだりしてくるから嬉しいよ」
「え、胸揉んだり?」
「男子同士で胸を揉み合うのが流行ってるらしいんだ」
どんな流行りだよ、と思う千冬だったが、これ以上口を出すとさらに厄介なことになりそうだと察して黙り込んだ。
ちなみに、紫雨の胸はB寄りのAカップで、千冬の胸はまな板である。
***
どうしてだろう。
イケメンなのに、胸が柔らかい。
コソコソと隠れて千冬とシグレ君の様子をうかがっていた俺は今、すっかりシグレ君に捕まっていた。
何をしているのかと尋ねられたかと思えば、次の瞬間にはバックハグされていたのだ。
背中で感じる柔らかい感触。
きっとイケメンは胸が柔らかいんだろう。それか、筋トレによって鍛えられた質のいい胸筋なのかもしれない。
「あの……なんで抱き締めてるの?」
素直に聞いてみた。
「キミのことは千冬からよく聞いてるよ、秋空くん」
「名前知ってるんだ」
「そりゃあもちろん。ボクもずっと、秋空くんのことが気になってたんだよ?」
「早く別れてくれないかなって?」
少し嫌味っぽい言い方になったのかもしれない。
「いやいや、そういう意味じゃなくてだね」
シグレ君が俺の耳に急接近する。
バックハグの状態からなのでなんだかドキドキしてきた。
吐息の混じったエロい声で囁いてくる。
「ずっとキミと、話してみたかったんだよ」
「耳元で囁かれると緊張するのでやめてもらってもいいですか?」
「もう、面白いなぁ、秋空くんは」
こっちは面白くなんてない。
「千冬を待たせてるなら早く行った方がいいんじゃない? 怪しんでこっち来るかもしれないし」
「それは大変だね。ボクが秋空くんにくっついてたら、千冬が嫉妬しちゃうから」
わからなくもない。
俺が千冬と付き合っていた時は、真一や壮一と絡んでいるだけで睨まれたりしていた。
今カレのシグレ君が、元カレの俺と絡んでいたら……きっとカオス。
「だったら早く戻った方がいいだろ。別に俺は邪魔するつもりないから、じゃあまたね」
「秋空くんって、可愛いね」
このセリフのせいで松丸先生を思い出した。
そういえば、あの人も近くにいるだろう。この場面に現れないことを祈るばかりだ。我が姉も。
「勘違いしてるようだから言うけど、千冬はきっとボクに嫉妬すると思うよ。ボクに大好きな秋空くんを奪われてしまうんじゃないかってね」
おいおい。
話をしながら薄々気づき始めていた。
なんとなく、そうなんじゃないかと思っていた。
別に批判するつもりはない。龍治が言っていたように、今は多様性の時代で、LGBTQへの理解も高まっている。
でも、とりあえず言っておこう。
千冬の今カレ、ゲイだな。
《次回23話 ラノベと漫画が好きなんです》
「暇だったから別に」
秋空がブラコンの姉とアイスを食べていた頃、千冬と紫雨もまた、五番街を歩いていた。
知っている者からすれば、単なる友達同士の遊びなのかもしれない。
しかし、知らない者が見れば、これは高校生カップルのデートだ。
男の方──つまり紫雨はそれこそ美少年。
ジーンズに半袖黒シャツという服装から性別をイメージするのは難しい。
これは当然たまたまではなく、紫雨が意図してやった演出だ。
「千冬は優しいよね。ボクの趣味にも付き合ってくれて」
「感謝してよね。こんなとこ秋空に見られたら、浮気とか言われるでしょ」
「でも、もう別れたんだよね?」
「復縁できそうだからいいの」
何を根拠に言っているのかは謎だが、千冬が誇らしげな表情で言う。
二人は本屋に入った。
五番街に来れば、どんな人も本屋に吸い込まれる。暇つぶしもできるし、話題を広げることもできる。
可愛い女子高生とイケメンな男子高生が並んで歩いている光景に、多くの客が目を奪われていた。
「視線がたまらないなぁ。興奮してくるよ」
「変なこと言わないでくれる?」
「男装って凄く楽しいんだよ? 千冬もこの魅力に気づけばきっと沼るから」
趣味である男装について語る紫雨の目には、どこか狂気じみたものが浮かんでいる。
「手を繋ごうか。友達同士だし、何の問題もない」
「でも……もし秋空が見てたらどうするつもり?」
「その可能性は低いと思うけど……万が一そんなことがあったとしても、ボクがちゃんと説明するよ」
「説明?」
「ボクたちはただの友達だって」
「まずは自分が女だって説明してくれる?」
「それはどうかな」
爽やかな笑みを浮かべる紫雨。
清明高校の制服には冬服と夏服がある。どちらも基本は女子がスカート、男子がスラックス。
しかし、紫雨はその両方においてスラックスを着用していた。
そのせいで、クラスメイト以外の多くの生徒から男子だと勘違いされている。
「もういい。秋空にはあたしから説明する」
「ダメだよ。多分だけど、1組の人のほとんどはボクが男だと思ってる。その勘違いはそのままにしておきたいんだよね」
紫雨と千冬は中学時代からの仲だ。
その時の紫雨は髪を肩にかかるまで長くしていた。
今の感じからは想像できないほど、上品でおしとやかな女子生徒を演出していたのだ。いわゆる清楚系といったところ。
しかし、そんな紫雨に転機が訪れる。
中学3年生の修学旅行。
グループでちょっとした劇を披露することになったのだが、そこでなんと紫雨が男性役をすることになる。
それが全ての始まりだった。
「高校って最高だね。中学が一緒の人は仕方ないけど、まったくボクを知らない人からすれば、ボクはもう完全に男なんだよ」
「それって何がいいの?」
「他の男の子から男の子のノリで絡まれるんだ。それが最高だよ」
「紫雨って男好きなんだ。へぇ」
軽蔑したようなジト目で見つめる千冬。
清楚系だったあの頃とはまったく違う親友に心を痛める。
一人称も「私」から「ボク」に変え、すっかり別人になってしまった。
「やだな、ボクは男好きじゃないよ。ただ、女子のボクだと男子は緊張して目も合わせてくれない。でも、男子のボクだとちゃんと目を合わせて、肩組んだり胸揉んだりしてくるから嬉しいよ」
「え、胸揉んだり?」
「男子同士で胸を揉み合うのが流行ってるらしいんだ」
どんな流行りだよ、と思う千冬だったが、これ以上口を出すとさらに厄介なことになりそうだと察して黙り込んだ。
ちなみに、紫雨の胸はB寄りのAカップで、千冬の胸はまな板である。
***
どうしてだろう。
イケメンなのに、胸が柔らかい。
コソコソと隠れて千冬とシグレ君の様子をうかがっていた俺は今、すっかりシグレ君に捕まっていた。
何をしているのかと尋ねられたかと思えば、次の瞬間にはバックハグされていたのだ。
背中で感じる柔らかい感触。
きっとイケメンは胸が柔らかいんだろう。それか、筋トレによって鍛えられた質のいい胸筋なのかもしれない。
「あの……なんで抱き締めてるの?」
素直に聞いてみた。
「キミのことは千冬からよく聞いてるよ、秋空くん」
「名前知ってるんだ」
「そりゃあもちろん。ボクもずっと、秋空くんのことが気になってたんだよ?」
「早く別れてくれないかなって?」
少し嫌味っぽい言い方になったのかもしれない。
「いやいや、そういう意味じゃなくてだね」
シグレ君が俺の耳に急接近する。
バックハグの状態からなのでなんだかドキドキしてきた。
吐息の混じったエロい声で囁いてくる。
「ずっとキミと、話してみたかったんだよ」
「耳元で囁かれると緊張するのでやめてもらってもいいですか?」
「もう、面白いなぁ、秋空くんは」
こっちは面白くなんてない。
「千冬を待たせてるなら早く行った方がいいんじゃない? 怪しんでこっち来るかもしれないし」
「それは大変だね。ボクが秋空くんにくっついてたら、千冬が嫉妬しちゃうから」
わからなくもない。
俺が千冬と付き合っていた時は、真一や壮一と絡んでいるだけで睨まれたりしていた。
今カレのシグレ君が、元カレの俺と絡んでいたら……きっとカオス。
「だったら早く戻った方がいいだろ。別に俺は邪魔するつもりないから、じゃあまたね」
「秋空くんって、可愛いね」
このセリフのせいで松丸先生を思い出した。
そういえば、あの人も近くにいるだろう。この場面に現れないことを祈るばかりだ。我が姉も。
「勘違いしてるようだから言うけど、千冬はきっとボクに嫉妬すると思うよ。ボクに大好きな秋空くんを奪われてしまうんじゃないかってね」
おいおい。
話をしながら薄々気づき始めていた。
なんとなく、そうなんじゃないかと思っていた。
別に批判するつもりはない。龍治が言っていたように、今は多様性の時代で、LGBTQへの理解も高まっている。
でも、とりあえず言っておこう。
千冬の今カレ、ゲイだな。
《次回23話 ラノベと漫画が好きなんです》
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